大河ドラマ 花燃ゆ:ヒロインの兄 吉田松陰ってどんな人

 


2015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』は、
吉田松陰の妹で、久坂玄瑞と小田村伊之助
(のち群馬県令・楫取素彦)の妻となった
(もちろん同時にではありませんよ)
杉文(すぎ・ふみ。のち楫取美和子)が主人公で、
なんとこれを井上真央さんが演じるのだそうですね。

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なんと」とはなんじゃい、
なにを難癖つけるのか、と申されるか。

それはだな……
うむ、ハッキリ申し上げれば、
ブスだったと伝わる文を、真央ちゃんの
ような美女が演ずることへの
驚きにほかなりません。

桜 蝶Butterfly-Flower-s


Ψ ほんとは美しくなかったヒロイン?

美しくなかったという根拠があるかと
いわれると、それはまあ、私もお会い
したことがあるわけではなく、
あの司馬遼太郎さんが吉田松陰と
高杉晋作を描いた小説
『世に棲む日日』に、
    ↓↓↓↓


久坂はこの結婚に乗り気でなかった、
なぜならブスだから、というような
記述があるからということにすぎません。

ただその蓋然性が高いだろうと思われるゆえんは、
要するに、兄貴の松蔭が醜男(ぶおとこ)として知られていることです。

その人短小で、背がかがみ、容貌醜く、色が黒く、
鼻が高くて、痘痕があった。しかし言語は爽やかで、
見たところは温柔であった。        (世古延世『唱義聞見録』)

       
この松蔭が伊勢谷友介さんです、はい……(^_^;)

久坂玄瑞と文の結婚後をめぐっては、こちらの記事をご参照ください。
『花燃ゆ』久坂玄瑞(東出昌大)が妻より愛した京都・島原の芸妓


Ψ 行動の人、松蔭の生涯

でも、伊勢谷さんには期待
できるんじゃないかと思っています。

イケメンすぎるというハンディキャップも
なんのその、松蔭の、「見たところは温柔」
でありつつ内部に秘めていた「狂気」
じみたものを、伊勢谷さんの顔なら
うまく表現できるのではないか、と。

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ただ松蔭をめぐって、この「狂気」という
ことを言い出すと、いろいろとややこしい
ことになりますので、そのへんはまた次回に
でも深めることにいたしましょう。

今回はとりあえず、吉田松陰ってどんな人か、
不案内の方もいらっしゃるでしょうから、
ざっと紹介しておきたいと思います。

1830年、長州・萩(現在の山口県萩)に杉家の二男として生まれ、
吉田家の養子として育つのですが、たいへんな神童で、
9歳にして藩校・明倫館で山鹿流兵学を教えたといいます。早熟な学者・教育者として頭角を現すわけですが、
行動の人でもあって、1854年1月、ペリー2度目の来航の際には
藩の足軽・金子重之助とともに密航計画を企ててしくじり、
萩の野山獄に幽囚されます。翌年には生家で預かりの身となり、
やがて叔父・玉木文之進の創立にかかる「松下村塾」
(現在も当地に建物が保存されています)を引き継ぎ、

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そこで高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、
山県有朋らを教え育てます。

1858年には幕府が勅許なく日米修好通商
条約を結んだことに激怒し、老中・
間部詮勝の暗殺を企てて失敗。
長州藩によって再び投獄されます。

1859年(安政6年)、幕府の命令により長州から江戸に送致され
(いわゆる「安政の大獄」の一環)、
獄中で門弟達に向けて『留魂録』書き遺しますが、
ついに斬首刑に処されて29歳の生涯を終えます。

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Ψ やむにやまれぬ大和魂

松蔭の名言とされるものは数多く残されていますが、
「行動の人」としての面目を最もよく映し出しているのは、
1954年、密航計画に失敗して囚われた際に
兄に宛てた手紙に書いた、この歌ではないでしょうか。

かくすればかくなるものと知りながら已(や)むに已まれぬ大和魂
     (あのようにすればこうなると知っていながら、どうしようもなく
      そうしてしまう、それが私の中の大和魂だ)

これこそ「大和魂」だ、日本人の心情だ……と。

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でも、どうなんでしょう……。

このときの密航の企てにしても、松蔭の
計画はむしろ行き当たりばったりの
ずさんなものでした。


また仮に運よく密出国できたとしても、
その先が見えていたわけではなく、
「先進西洋文明を学ぶ」のだといっても、
どこでどのようにすれば何を学べるのか、
またその成果を愛する日本に持ち帰る
ことができるのか……

見通しがあった形跡はまるでないのです。

「やむにやまれぬ」からといって、
やっちゃっていいんでしょうかね?


けっきょく命を取られることになった
安政6年の老中暗殺計画も、
似たり寄ったりでした。


同年、弟子の吉田稔麿に宛てた
「無逸に与ふ」にはこんな「名言」も
残されています。

ただ非常の人のみ即ちよく非常のことを為す。
(尋常でない人間のみが、尋常でないことを為すことができる)

「非常のこと」が仮になされたとして、
その「結果」としてどのような事態が発生するかは
十分に検討されているように思えません。

侍Star-Wars-s

要するに、「行動の人」松蔭にとって
重要なのは、行動の「結果」ではなく「動機」、
彼を行動に駆り立てる「心情」の方だった、
ということではないでしょうか。

同年、獄中からの書簡に見られる次の名言も
そのことを証しているように思われます。

小生獄に坐しても首を刎ねられても 
天地に恥じ申さねばそれにてよろしく候。

     (私は獄に繋がれても斬首されても、天地神明にかけて
      恥じることはしていないので、それで結構です)

その「天地」って何?
つまるところ、あなたの主観が反映してるだけじゃないの?
って話ですね。

Skulls-s

さて、伊勢谷友介さんの演技に期待したいと
さきに述べた「狂気」ですが、それが
「行動の人」松蔭のこのような
「心情主義」(主観主義)と
関わることはいうまでもありません。

ただ、松蔭とその周辺ではこの「狂」の字に
格別の思い入れを託していたという事情もあり、
そのへんは一筋縄ではいかないのですね。

次回の記事でそのあたりに突っ込んでいきたい
と思っています。

乞うご期待!
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上記「次回の記事」はこれです。
大河『花燃ゆ』と『るろうに剣心』をつなぐ?吉田松蔭の「狂」
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