シンデレラのガラスの靴:小ささの意味は?原作は中国起源?

 


やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズも
今回ではや第121回((((((ノ゚⊿゚)ノ

いよいよ満を持して
『シンデレラ』の登場です!

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そう、あの「シンデレラ・ストーリー」
「シンデレラ・ボーイ」
「シンデレラ・コンプレックス」……
等々の概念の発生源である、
そのシンデレラちゃん。

あまりにも有名なこのお話で
読書感想文を書くことも、もちろんOK。

いや、切り込み方次第で
けっこう高度な感想やレポートが
書けてしまうかもしれません。

シンデレラ cinderella_2

たとえば例の「ガラスの靴」が
シンデレラにしか穿けなかったのは、
彼女の足がとても小さかったから
としか考えられませんが、そのことには
どんな意味があるのか?

なぜそのように話が作られているのか?

そのあたりを探ってみれば、
けっこう面白いことになるんでは?……



Ψ グリム/ペロー…共通のあらすじ

まずは「あらすじ」を
押さえておきましょう。

ヨーロッパに古くから伝わるこのお話、
『ペロー童話』(1695)でも『グリム童話』
(1812年初版~1857年第七版)でも語られ
ているわけですが、ディズニー映画や
日本の絵本の多くは、だいたい『ペロー』
の方に近いお話になっています。

つまりカボチャが仙女(魔女)の魔法で
馬車にされて……というやつですね。

082632

『グリム』ではそれがなくて、2羽の
白い鳩の導きで木を揺するとドレスや
馬車が現れるんですが、その木というのは
シンデレラの死んだ実母の遺言に
したがって植えたもの(『ペロー』には
この経緯なし)なんですね。


実は『ペロー』以前にもイタリアの
『ペンタメローネ』というに本に出ている
そうですが、ともかくそれらに共通の
「あらすじ」は、だいたい以下のとおり。

なお主人公の名は「灰かぶり」。

「シンデレラ」はもともとそういう
意味で、これがフランス語では
「サンドリヨン」。

灰かぶりは、継母とその連れ子の
姉たちに日々いじめられていた。

あるとき、城で舞踏会が開かれ、
姉たちは着飾って出かける。

自分も行きたいがドレスのない
灰かぶりの前に魔法的な能力を
もつ存在(仙女、白い鳩など)が
現れ、舞踏会へ行かせる。

ハウステンボス futta1756s

美しく、王女のように見えた
灰かぶりは王子に見そめられる。

遅くなったので帰ろうとし、
階段に靴を落とす。

王子は残された靴の合う足を  
もつ女性を妃にすると
おふれを出し、探し回る。

灰かぶりの家にも来て、
姉2人も試すが足が入らず、
灰かぶりだけが穿けたため、
王子の妃として迎えられる。

もっと詳しいストーリーがほしい人は
下記の『ペロー童話』か『グリム童話』
のどちらか、または両方を読み合わせて
もらえるとよいと思います。

       





Ψ 大足の女の靴は血まみれ

『ペロー』と『グリム』を読み合わせると
『グリム』の方がずいぶん怖いというか、
悪い継母やお姉さんへの懲罰が厳しいことが
わかるんですが、それがいちばん強烈なのが
王子のもってきた「ガラスの靴」を
姉たちが頑張って穿こうとする場面。

上記「ちくま文庫」(1857年第五版から)
池内紀訳で読んでみましょう。

母は娘にナイフをわたした。

「足の指がなんだね。
切っておしまい。
お妃になれば、歩かずにすむ」

娘は、つま先を切りおとし、
むりやり足をおしこんで、
いたみをこらえながら
王子の前に出た。


045361

王子はこの娘を馬に乗せて城へ向かう
のですが、途中で例の2羽の白い鳩が
現れて叫びます。

ごらん
大足の女の
靴は血まみれ
ほんとうの花嫁は家にいる


言われるまで気づかない王子様も
どうかしていますが(=`(∞)´=)、
そこはまあ、昔話とはそういうもの…
ということで、王子は家へ引き返し、
もうひとりの娘に靴を試させます。

母はこんどは「かかと」を切れといい、
娘は言われるとおりにして、
その後の展開はまったく同じ。
(これが昔話の”リズム”ですね)

そして、その後の成り行きはみなさん
ご承知のとおり、シンデレラと王子の
ハッピーエンドというわけです。

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Ψ 両眼をつつきだされる姉たち

初版はそれで終わりなんですが、
その後の版ではさらに後日談として、
結婚式の場面が書き加えられます。

それがまた面白い……といっては
お姉さんたちにかわいそうで、だから
現代の『シンデレラ』では描かれ
ないんでしょうけど、そこで彼女らは
さらに苛酷な運命に見舞われるのです。

例の2羽の鳩が現れて彼女らの両眼を
つつきだしてしまい(((゜д゜;)))、
第七版の最終行はこのとおり。

いじわると、いつわりの
ばちがあたって、
二人は生涯、目がみえない。


鳩dove-690170_640

いやー、きびしいですね(叫び)。

もともと道徳的なグリム兄弟、時代と
ともにさらに厳格になられたようで……。


いや、それはともかくとして、
ちょっと気になりませんでした?

鳩たちが王子に姉たちの足を見ろと
叫んだ時の、「大足の女の……」という
あざけりのセリフ。

足が大きいというのは、女性にとって
それほど大きなマイナス・ポイント
だった……ということなんでしょうか??



Ψ 「大足」は下層のしるし?

足は大きいより小さい方が高貴で
美しいように感じられる……

今はどうかわかりませんが、当時の
ヨーロッパの一般的な美意識としては、
まあそういうものだったんでしょうね。

逆に足が大きいのは、下層のしるしで
品がない……

というのも農家や労働者階級の女性なら
子どもの時から踏ん張って働くので
足は発達して大きくもなりますし、
穿く靴も粗末でかさばるので、
どうしたって「大足」と見られる。

上流階級はその逆……というわけ。

    足 foot-450370_640

なので、シンデレラの姉たちの
「大足」があざけられることには、
かなり深い意味を読むこともできて、
彼女らの母親がもともと下層出身で、
さらにいえば娼婦であったことへの
当てこすり……なのかもしれないのです。

グリムの懲罰が苛酷さを増して
いったのも、あるいはそういう部分に
かかわるのかもしれません。



Ψ 葉限の落とした金の履

ともかく「ガラスの靴」が穿けた女性は
シンデレラだけだったということで、
彼女こそは最も高貴にして美しい女性、
ということになるわけですが……

さあ、そこで、全国の「大足」女性の
みなさん、イヤミの一つも言いたく
なりません?

そんなに「小足」がいいなら、
纏足(てんそく)をしてた中国女性が
いちばんいいんじゃね?……なんてね。

     これが纏足の”実態” 纏足 015205a2c5atuu1a.jpg[2]

ハハハ、そうですよね。

でも実はこれ、たんなる
ジョークじゃない可能性もあるんですよ。

唐代(9世紀)の異聞雑記集『酉陽雑俎』に
載っている「葉限(イェ・シエン)」という
美少女と小さな金の履(くつ)の物語が
シルクロード経由でヨーロッパに
伝わったのが『シンデレラ』になった
のではないかという説があるんです。

こんなお話です。

葉限は呉という男の第一夫人の子
だったが、母と父にあいついで
死なれてから、意地悪な継母と
その娘と暮らしている。

継母は葉限に辛い労働を強い、
可愛がっていた魚も食べて、
その骨も隠してしまう。

そこへ蓬髪で粗衣を纏った人が
天より降りてきて彼女を慰める。

「魚を殺したのは継母で、
骨は堆肥の下に隠してある。

持ち帰って部屋に隠し、
欲しいものがあったら、
その骨に祈るといい」

葉限が言われた通りにすると、 魚骨
金も宝も衣装も望みのまま。

節句の祭で、継母と妹が葉限に
留守番を言いつけて出かけた後、
葉限も、翡翠の羽衣と金の履
で着飾って出かける。

が、祭りで妹に見とがめられた
葉限は慌てて引き返し、その際
金の履を片方落としてしまう。


葉限の落とした履は隣国の
陀汗国で売られて国主の手に。

これを人にはかせると、足の
小さい者でもそれより一寸
だけ小さくなり、国中のどの
女性の足にも合わない。

やがて葉限が見いだされて
御前に進み出ると、国主は
天女のようなその美貌に惚れ、
葉限と魚の骨を国へ連れ帰り、
継母と妹は石打の刑に処す(ドクロ)。

きちんと読みたい人はこちらで。
 


どうです?

だいぶ似てますよね。

こうなると「中国起源説」も決して
荒唐無稽と片付けるわけには参らない
ように思われますが、どうでしょう。

これが誤りで、やはりヨーロッパに
発生したお話なのだとすると、
女性の「小足」への男の憧れは普遍的
(だった)ということに
なるんでしょうか?



Ψ まとめ

それはともかくとして、
『シンデレラ』をこういうふうに
読んできてよくわかるのは、
子供だましのような昔話にも、
けっこう深い、文化的要素が幾重にも
隠されている、ということですね。

それらを発見する姿勢で読み込めば、
感想文やレポートも、高度なものが
書けてしまうはずなんです。

ペローやグリム、それから
アンデルセンなどのほかの童話と
比べてみるのも一法です。

『白雪姫』『赤ずきん』『赤い靴』
『人魚姫』……どれもみんな怖いんですよ~

詳しくはコチラ。
白雪姫は怖い?こんなに違う原作(グリム童話)とディズニー映画
赤ずきんのあらすじ: グリム童話とペロー童話でどう違う?
赤い靴(アンデルセン童話)原作のあらすじ:怖いのはどこ?
童話 人魚姫(アンデルセン)のあらすじ笙。本当は怖い恋物語
                 witch-148439_640

アンデルセンの作品はまだまだ
たくさんあります。

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こちらから探してみてください。

💛アンデルセンの本・絵本:ラインナップ💛


それから、さらに高度なところを狙いたい
という場合は、明治期、日本にはじめて
とりいれられたころの「シンデレラ」が
どんなふうだったかを調べてみると
面白いですよ。

図1

これは明治期の国語教科書『国語読本
高等小学校用 巻一』(1900/明治33)に
入っている「おしん物語」( 坪内逍遙
による翻案)。

もちろん右の「おしん」さんが
日本版シンデレラです。

詳しくはコチラ。

え? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の
種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/


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