クリスマスツリーの木はもともと何?漱石も読んだ英語教科書に学ぶ

 


やあやあサイ象です。

クリスマスといえば、なくては
ならないのがクリスマスツリー!


でもこれ、なんでなくては
ならないんでしょうかね?

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クリスマスツリーにされる木って、
だいたいモミの木のような常緑高木で
寒いところに多いものではないですか。

でもキリスト教って、そもそも
イスラエルのような暑い地域に発生した
宗教で、あのあたりって、モミの木なんか
およそ生えていない……むしろ砂漠に近い
気候ではないですか。

それがなんで常緑高木の
クリスマスツリー?

クリスマスツリーkids_dragging_Christmas_tree_1914



Ψ クリスマスツリーはなんのため?

これ、やはりもともとのキリスト教に
あった考え方ではなく、これが北進して
北部ヨーロッパの古代ゲルマン民族と
接触することで生まれた、比較的
新しい伝統なんですね。

ヨーロッパでは古代ゲルマン民族の時代
から、冬でも葉を枯らさない常緑樹、
とりわけ樅(モミ)の木が生命の象徴
として崇拝され、祭りなどの際に
樅の木を飾るという習慣がありました。

これが中世以降はドイツ人に受け
継がれ、キリスト教との混淆が起こる
ことで「クリスマスツリー」になって
いったもののようです。

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正規の記録としては、1419年、
フライブルクでパン職人の信心会が
聖霊救貧院にツリーを飾ったとあり、
1600年代になるとドイツ各地に
この種の記録があるとか。

イギリスでは、ヴィクトリア女王の夫、
ドイツ出身のアルバートのために飾って
見せたことがはじまりとか。

この点では後進国だったわけですね。


だいたいこれが通説のようですが、でも
これだと、「生命の象徴」として大切では
あっても、「幸福をもたらす」という
ような意味を読みとることは
ちょっとむずかしいですね。

                
その点では、こんな説もあって
この弱点を補っています。

樅の木には小人が住んでいて、村に幸せを
運んでくれる
ので、村人は、お祭りの時
には花・卵・ロウソクなどを木に飾って、
小人さんにいつまでも木に留まって
もらうために樅の木の周囲を踊りながら
回り続けることを習いとしました。

クリスマスツリー211114230230_0006

この木がクリスマスツリーの起源とされ、
この小人がサンタクロースになったとも
いわれます。

なるほど。これなら「幸せを運んで」
もらうため、という目的が明確に
なりますね。

現世利益的でイヤだという意見も
あるかもしれませんが、そこは、
まあまあ……(^_^;)

南から来たキリスト教が北方の
ゲルマン・ケルトの諸民族の宗教を
取り込んでいく過程については
こちらも参照してください。

サンタクロースはクリスマスと関係ない?サンタ自身の回答は?
クリスマスプレゼントは靴下にって、なぜ?サンタの答えは?


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Ψ 雀たちのクリスマスツリー

さて、この「クリスマスツリー」、
日本には、いつ、どのようにして
受け入れられていったものでしょうか。

そのワン・シーンを垣間見させて
くれるものとして、あの夏目漱石も家で
お兄さんに仕込まれたという明治期の
英語教科書、National Readers 2 をここで、
ひもといてみたいんです。

   National Readers 2表紙 IMG_20141028_0001

この本に”THE SPARROWS’ CHRISTMAS
TREE”(雀のクリスマスツリー)という
章(第54課)があって、まさにこの
幸せを運んでくれる」ものとして
クリスマスツリーが語られているんですね。

IMG_20141117_0006
第54課”THE SPARROWS’ CHRISTMAS TREE”開始ページ 

概容は下記のとおりです。

ニューヨークの公園の木々が虫害で
枯れ始めたため、虫退治のために
多数の雀が入れられた。

公園の近くに住む少女、ベッシーは
クリスマスの朝、数羽の雀が雪の
上で餌を探しているのを見て、
ある計画を思いついた。

昨夜もらったクリスマスツリーを
窓の外に出し、種やパンを入れた
カゴをそこに吊るしてやるという
もので、母に話すと喜んで協力し、
二人で完成させた。

Sparrow-s

はじめ二三羽だった雀はたちまち
増え、一日がかりでクリスマス
プレゼントをたいらげた。

それを見てベッシーは、雀たちより
もっと幸せだった。

「ベッシー、自分が幸せになる
方法はひとを幸せにすることだ
とわかったわね」と母は言った。

ひと」じゃないじゃん、「雀」じゃん、
なんて突っ込まれるかもしれませんが、
ここは原文では”to make others happy”
なので要するに「他者」で、
「雀」も含まれます。

「ひと」という訳語が苦しいことは
百も承知ですが……。



Ψ 「幸せ」をあげることで「幸せ」に

いかがでした?

あまり教訓臭くない、
素敵な教訓話だったのではないでしょうか。

だれかに「幸せ」をあげることで「幸せ」に
なれるのだから、「幸せ」になリたければ、
まずそれを考えたらいい。

ガツガツもらうことばかり考えてないで、
「あげる」こと、「ひとを幸せにする
ことを考えなさい。

なあんてお説教しても、  シュール street-art-465306__180
今の子は「どこ吹く風」でしょうから、
この「雀のクリスマスツリー」のような
リアルなお話をじっくりと語り聞かせて
みてはどうかな、なんて思うんですけど、
どんなものでしょう……(^-^)ノ


上記の英語教科書に興味を
もたれた方は、こちらも
覗いてみてくださいね。

サンタはいる?いない?漱石少年も学んだ英語教科書に答え
サンタへの手紙を正調の英語詩で!漱石も読んだ教科書から


夏目漱石の作品やエピソードに関心の
ある人はこちらもご覧ください。

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