やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」第138回の今回は
「あらすじ」暴露サービスの第86弾!

今回はなんと、本谷有希子さんの第154回
(2015年下半期)芥川賞受賞作小説、
『異類婚姻譚』
 



のあらすじを暴露しちゃいますよ~(((((ノ゚⊿゚)ノ

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やや詳しいあらすじ

それでは、始めましょう。

私の判断で「起・承・転・結」の
4部に分けて書いていきます。

「 」内と「”」印の囲みは
原作からの引用です。


【起】

専業主婦四年目の「私=サンちゃん」は
ある日「自分の顔が旦那の顔と
そっくりになっている」ことに気づく。


マンションのドッグランに猫の
サンショを連れてくる60代後半の女性、
キタヱさんが「私」に語る。

古い友人夫婦と10年ぶりに再会したら、
もともと似ていなかった二人が
「双子みたいにそっくりになって」いた。

それが、さらに10年後にまた会うと、
似ても似つかぬ他人に戻っていた。

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そしてその妻が言うには、自分の
代わりに部屋に置いてある石が夫に
似ていったのだという。


「旦那」と二人で定食屋から出て歩く
途中で彼が道に痰を吐き、それを
見とがめた掃除中の中年女性が、
絡んできて警察を呼ぶとまで言う。

「私」は仕方なくハンカチを
取り出して痰をきれいに拭き取る。

すると…

なんだか自分と旦那の体が
絡まり合っているような、
へばりついているような、
妙な気分だった。

あの女性に言われるまで、
確かに私は、ハンカチの
中の痰を自分が吐いた
もののように感じていた。
〔中略〕
この痰が誰のものなのか、
またよく分からなくなって
きて、〔中略〕旦那の顔を
見やった。

「あっ。」

私は思わず大きな声を
あげていた。

旦那の目鼻が顔の下の方に
ずり下がっていたのだ。


この異変を当人にも気づかせようと、
鏡を見せると、その瞬間、目鼻が
「ピタッと整列するように本来の位置に
収まる」のだった。



【承】

キタヱさんと話すと、愛猫サンショの
粗相(あちこちにおしっこ)がますます
ひどくなり、山へ捨てに行くことを
考えているという。

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弟のセンタが10年以上同棲している相手
ハコネちゃんに、なぜ結婚しないのかと
尋ねると、「だって結婚って、相手の
いいところも悪いところも飲みこんで
いくんでしょ?」などと言い、
「蛇ボールの話」にもふれる。

二匹の蛇が相手のしっぽをどんどん
食べていって、最後は頭と頭だけの
ボールみたいになり、そのあと互いに
食べられてきれいになくなる…。

これが自分にとっての結婚の
イメージかもしれない、と。

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旦那はむしろ、一刻も早く、
私と蛇ボールになりたがって
いるように見える。
〔中略〕
私と旦那が同化すれば、
もう他人はいなくなるとでも
思っているのだろう。


新婚旅行の時、「俺が吐き出した
果物、にこにこしながら、
サンちゃん全部食べてたよ」
と話す「旦那らしきもの声」が
ぼんやりと聞こえる。

「この人なら、俺のうんこも
にこにこしながら食べそうだなあって、
あん時思ったんだよなあ」

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【転】

猫を捨てる山についてキタヱさんから
相談された「私」は、それについて
弟らと話すと、群馬の某所を示唆される。


「旦那」は実は再婚で、近ごろ「元妻」
から「シリメツレツなメール」が来る
ようになっていたのだが、ある日「私」が
午後4時前に帰宅すると、彼は会社を
早退してゲームに興じている。

「最近体がだるい」と弱々しく言い、
「俺が死んだら、どうする?〔中略〕
意外と平気そうだもんなあ」とも。


キタヱさんに話すと、彼は「なんかの
誘惑から、必死に逃げてる」と言うので
「元妻」のことに思い当たる。

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元妻が旦那に言い寄っているところを
想像してみるが、「それより早く言い
寄られている旦那の顔が崩れ出し、
一向に危機感が生まれてこない」

旦那を誘惑しているのは
元妻なんかではなく、
人間らしい生活など維持し
続ける必要はない、
やめてしまえ
、という
声なのではないか。


帰宅すると、料理などしたことの
なかった旦那が会社を早退していて、
キッチンで揚げものを作っている。


その後は毎晩、旦那の揚げものを
食べさせられ、うんざりしながらも
「一口噛みしめた途端、自分でも
驚くほど猛烈に食欲がわいて〔中略〕
このままずっと食べ続けていたくなる」

「サンちゃんが俺に似てきてくれて、
嬉しい」

朝起きて鏡を見ると、顔が
ついに私を忘れ始めていた。
〔中略〕
少しずつ旦那に近付いていた。




【結】

このあと「私」はキタヱさん夫妻の
猫捨てに付き合って山へ向かい、
そして、その後……

オッとそれは言えないのですが、
エンデイングでは、下に並ぶ二つの
可憐な花も咲いて、まあハッピー
エンドといえなくもない……かな?


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山芍薬(ヤマシャクヤク)

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                竜胆(リンドウ)


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どこが「異類婚姻譚」なの?

さあ、いかがでした? 

ん? 怪訝なお顔ですね。

ははん、わかりました。
こう言いたいんでしょう。


「異類」(人間以外のもの)と結婚する
から「異類婚姻譚」……のはずなのに、
一体これのどこが異類婚姻譚なの?

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ハハハ、そうですよね。

でもそれ言っちゃうとネタバレに
なっちゃうんですよ。

もちろん【結】の終わりまで読めば
それはわかるわけですし、それが
なかなかわからないところもこの
小説のミソになっているわけですね。


ともかく終わりまで読んでから、
ほかの異類婚姻譚と比べて違いを
挙げていけば、面白い感想文または
レポートが書けるんじゃないでしょうか。

ほかの異類婚姻譚って、たとえば?
そうですね、思いつくままに挙げてみれば……

人魚も異類。『人魚姫』に
ついて詳細はこちらへ。

童話 人魚姫(アンデルセン)のあらすじ💔本当は怖い恋物語
         
人魚 ダウンロード



現代文学でも多和田葉子さんの
『犬婿入り』なんてのがあったり、
   


そのほか、漫画・アニメも含めて挙げて
いったら切りがないかもしれません。



夫婦は似てくる…その薄気味悪さ

異類婚姻譚にもいろんなタイプがあって
結婚した後になってから人間でないと
知る
≫というパターンも有力ですが、
本谷さんの「異類婚姻譚」もその形を
踏むように見えます。

ただその「夫婦のどちらかが『異類』
だった」というところに作品の主眼が
あるかというと微妙ですね。


それよりむしろ「夫婦は長年連れ添うと
似てくる
」という世間でよくいわれる
ことわざみたいなもの。

この定理の実証…といいますか、そのことの
薄気味悪さ(怖さ)の表現といったところに、
作品の主要動機はあったんじゃないかな?

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たとえば、上記【転】の引用部分でも、
夫が感じているのかもしれない「誘惑」
について、「人間らしい生活など
維持し続ける必要はない、やめてしまえ

という声なんじゃないかと考え始める
箇所がありましたね。

このあたりじゃないでしょうか……
この作品が普遍的に(つまり主人公と
全然違う境遇・性格の人にも)訴えて
くる怖さ、気味悪さ……つまりこれこそ
文学的な深みとも言えるんでは?


元妻の件でもカッカせず、感情的起伏は
なだからで、なんでも受け入れて
しまう(旦那が毎日作る揚げものも、
蛇に呑み込まれるような性行為も)
主人公の「私」。

でも「人間らしい生活などやめてしまえ
という旦那の声をキャッチしたということは、
それに共鳴しうる琴線を自分の中に抱えて
いるはずなんですね。


とすれば、旦那に吸収されるようにして
「私」もいつ壊れてしまうかわからない。

夫婦生活は人間を壊してしまうこと
だってあるんだよ……という教訓を
読むことも可能じゃないですかね。

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旦那とはナンダ!

それはいいが、語り手の「私」が終始一貫、
夫のことを「旦那」と呼んでいる
ことに抵抗がある?

うむ、それは同感ですが、そのことにも
また作者の意図があるんでしょう。


夫の呼び方にはいろいろあって、
現代日本語ではそれがもうエラく
ややこしいことになっています。

そのあたりからアプローチした感想文
というのも、意表を突いた面白い
ものになるかも、ですね。

その問題に関連しては
こちらの記事を参考までに。

旦那?夫?主人?亭主?パパ?結婚相手の呼び方でベストは?

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ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは日本と世界の
種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産していますので、
こちらのリストから探してくださいね。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

               犬 腕064411

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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