チェーホフ かもめのあらすじ 🐥ニーナとコースチャの運命は?

 


やあやあサイ象です。

「あらすじ暴露」シリーズ第90弾
(感想文の書き方:第142回)の今回は
ロシアの文豪チェーホフの、四大戯曲
第一作『かもめ』(1896)に挑戦!
  



日本でも何度も上演されてきた名作で
2016年にも満島ひかりさん、坂口健太郎
さんなどの出演で上演されますね。

さて、その「あらすじ」ですが、舞台を
見る前にちょっとだけ(ネタバレはイヤ)
という場合から、読書感想文やレポートを
書くんだから詳しく知って解釈したい……
という場合まで、いろいろでしょう。

そこで出血大サービス((((((ノ゚⊿゚)ノ

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「ごく簡単なあらすじ」と
「やや詳しいあらすじ」の
2ヴァージョンを用意しましたよ~(^^)у



👉 ごく簡単なあらすじ(要約)

まずはぎゅっと要約した
「ごく簡単」ヴァージョンのあらすじ。

女優のアルカージナと愛人の小説家
トリゴーリンが久々に滞在している
ソーリン家で、アルカージナの息子
コースチャが恋人のニーナを主役に
前衛的な劇を上演する。

母の悪評にかっとしたコースチャが
去ったところで、アルカージナは
ニーナをほめ、夢を叶えなさいと
トリゴーリンを紹介する。


コースチャが、銃で撃ち落とした
かもめをニーナに捧げて、
「今に僕は自分を撃ち殺す」
などと言い、芝居の失敗の後に
トリゴーリンを愛し始めた
ニーナをなじる。

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ニーナはトリゴーリンに
名声への憧れを語る。

コースチャのトリゴーリンへの
決闘申し込み、自殺未遂などの
騒ぎがある。

モスクワへ戻ろうとする作家に、
ニーナは自分もモスクワに出て
女優になる決心をしたと告げ、
二人は抱擁。


2年後、作家として名を上げた
コースチャの聞くところでは…

ニーナはトリゴーリンと一緒になって
子を生んだものの、やがて捨てられて
子にも死なれ、女優としても芽が出ず、
今は地方を巡業しているという。

コースチャがひとり仕事している
ところへ、巡業で近くに来ていた
ニーナが現れ、感動の再会。

あなたを永久に愛するから、ここに
とどまってほしいというコースチャの
申し出を振り切ってニーナは立ち去る。

銃声が響く(叫び)……。


え? なんだかよくわからん?

ま、それはそうでしょうね。

一応、ラストのネタバレは
遠慮してますし。

なにしろ第1幕から4幕まであって、
登場人物もかなり多く、いくつもの
恋愛が絡むドラマをムリヤリ
凝縮してますからね。


なので、実際の舞台のDVDを見て
もらう方が早いことはたしかですね。

藤原竜也・鹿賀丈史・美波共演、
栗山民也演出の2008年作品がこちら。
  



でも、それ見てる時間もないし…
という人のために、これから
「やや詳しいあらすじ」を
提供して参ります。

「”」印のあるグレーの囲み
「  」の中は原作(上記「岩波文庫」の
浦雅春訳)からそのまま引き抜いた文章です。



👉 やや詳しいあらすじ


【第一幕】
ソーリン家の荘園、湖に面した
屋外に仮設された舞台の前。

ソーリンの妹であり女優のイリーナ・
アルカージナが、愛人の小説家
トリゴーリンとともに久しぶりに
滞在している。

アルカージナの息子、25歳のコースチャ・
トレーブレフは恋人のニーナを主役に
した劇の上演を準備中。

ソーリン家の    作家 ダウンロード
支配人の娘マーシャに教師の
メドヴェジェンコが言い寄るが、
つれなくされる。

コースチャはソーリンに母への
鬱屈した思いや芸術の革新の
必要性について語る。

「必要なのは新しい形式です。
それがないなら、いっそ
何にもない方がましだ」


両親の厳しい監視の目を
抜け出してきたニーナが到着。

「私、かもめのようにここの湖に
引き寄せられるの……。
考えるのはあなたのことばかり」

人目を忍び、二人はキス。


マーシャの母ポリーナとドールン医師が
登場し、ポリーナはドールンに色目を
使うが、ドールンはやり過ごす。

そこへアルカージナやトリゴーリンなど
一同が姿を現し、観客が揃う。


コースチャの劇が、全身白ずくめの
ニーナの長広舌で幕を開ける。

「人もライオンも鷲も雷鳥も……
生きとし生けるものすべては……
消え失せた。

寒い……うつろだ……不気味だ。

生き物の魂は、世界に遍在する
一つの霊魂として結晶した。……
それが私だ…」

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アルカージナは「なんだかデカダンス
じみているわね」などと冷笑ぎみに
批判し、かっとなったコースチャは
芝居を中断して姿を消す。

ニーナが出て来て一同に挨拶すると、
アルカージナは彼女の美貌と声をほめ
舞台に出るという夢をぜひ叶えなさい、
とトリゴーリンを紹介する。


やがて一同が去り、ドールンだけに
なったところへコースチャが現れる。

劇に可能性を感じたと励まされて
涙ぐむが、ニーナが家に帰ったと
聞いて打ちひしがれる。


マーシャが現れてアルカージナが家で
待っているから帰るように言うが、
コースチャははねつけて去る。

マーシャはドールンに
コースチャへの思慕を打ち明ける。

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【第二幕】
真昼の屋外。

アルカージナ、ソーリン、
マーシャが話している。

厳しい両親が旅行に出て
束の間の自由を得たニーナが
ソーリンなどとともに登場。

アルカージナは外出用の馬車を
めぐって支配人のシャムラーエフと
口論になり、泣き出してモスクワへ
帰ると言い出す。

ポリーナは相変わらず
ドールンに言い寄る。


一人になったニーナのもとに
銃を持ったコースチャが現れ、
撃ち落としたかもめを
ニーナの足元に捧げる。

「やがてぼくも   seagull
こんなふうに自分を
撃ち殺すんだ」

「あなた、すっかり変ったわ」
「そう、君が心変わりしてからね」
と「意味ありげ」なことを言う
コースチャに「私、単純すぎて、
あなたのことが理解できない」
とニーナ。

トリゴーリンの登場とともに
コスチャは退場し、ニーナは
名声への憧れなどを作家に語る。

「有名であるってどんな
お気持ちかしら?」

「昼も夜も私を苦しめるのは、
『書かなければ、書かなければ……』
と頭にこびりついて離れない
考え……なんて野蛮な生活なんだ」

トリゴーリンはふとかもめの死体に
目をとめ、新しい短編の題材を
思いついて手帳に書きとめる。

「湖の岸にあなたのような若い娘が
かもめのように自由で幸せに
暮らしている。

ところが、そこへたまたま男が
やってきて、彼女を見そめ、
退屈まぎれにその娘を破滅させる。

このかもめのように」

コースチャとニーナ、そして
ニーナとトリゴーリンの場面へ
モスクワ・マールイ劇場の
見事な上演をご覧ください。

さすが本場。特にニーナ役の
女優さんが素敵です。



アルカージナが現れ、モスクワへの
出立を取りやめたことを告げる。



【第三幕】
ソーリン家の食堂、昼前。

コースチャの自殺未遂や
トリゴーリンに決闘を申し込んだ
騒ぎが話題に上る。

アルカージナは    ピストルimages
トリゴーリンをニーナから
引き離そうと、彼を連れて
モスクワへ帰る算段をしている。


食事中のトリゴーリンに、
マーシャがメドヴェジェンコと
結婚する決意をしたことを告げる。


食事を終えたトリゴーリンに
ニーナが、彼のイニシャルと著作の
タイトル、ページ数、行数まで
彫ってある小さなメダルを贈る。

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コースチャはアルカージナに包帯を
取り替えてもらいながら打ち解けて
話すが、話題がトリゴーリンの
ことに移るや、激しい口論になる。

泣き出したコースチャをアルカージナは
なだめ、決闘は思いとどまるよう諭す。


アルカージナは、滞在を引き延ばそうと
するトリゴーリンを丸め込み、
その日のうちの出立を承諾させる。

モスクワに発とうとするトリゴーリンに、
ニーナは自分もモスクワに出て
女優になる決心をしたことを告げ、
トリゴーリンは自分の連絡先を教える。

二人は長いキスを交わす。



【第四幕】
2年後。

現在はコースチャの書斎として
使われているソーリン家の客間。

コースチャは気鋭の作家として注目を
集めるようになっている。


メドヴェジェンコがマーシャに家へ
帰って赤ん坊の面倒を見なければ、
とさとすが、取り合ってもらえない。

今もコースチャへの思いを捨て切れない
マーシャを不憫に思う母のポリーナは
コースチャに持ちかけて不興を買い、
マーシャは母のお節介をなじる。


ドールンに尋ねられ、コースチャは
ニーナのその後について語る。

トリゴーリンと    cfe2183d790aceb3206e22b5a67e9afd_s
一緒になって子をもうけたものの、
トリゴーリンに捨てられ、
子にも死なれたという。

女優としても芽が出ず、今は地方を
巡業して回る日々を過ごしている。

コースチャが会おうとしても拒否し
「かもめ」とサインした手紙を何通か
くれたが、病的な神経がみなぎり
「頭も混乱しているらしい」。

「今、あの人はこの町に来ていますよ」


ソーリンの容体が悪くなったために
呼び寄せられたアルカージナが
トリゴーリンとともに訪ねてくるが、
ソーリンは小康を得ていて
一同はロト(ゲーム)に興ずる。

シャムラーエフが、2年前コースチャが
撃ったかもめを剥製にするよう
トリゴーリンに頼まれていたことを
話題にするが、当人は思い出せない。


やがて一同は食事のために
部屋を出ていき、コースチャは
一人残り仕事を続ける。

かつて新しい形式の必要を訴えていた
コースチャは、今では自分が型に
はまりつつあることを感じる。

「問題は新しいとか古いとか
形式にあるんじゃない。

魂から奔放に流れ出てくる
ものを書くことが大切なんだ」

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そこへ巡業で近くまで来ていた
ニーナが現れ、感動の対面。

あなたへの愛は永久のものとわかった、
だから、ここにとどまってほしい
というコースチャの申し出を無視して
ニーナは仕事へ戻るため身支度する。

私は、殺されたっていい女よ。

もう私、くったくた。
休みたいわ……休みたい!

私は――かもめ……。そうじゃない。

私は――女優。そうなの!
〔中略〕
今では、私、分かるの……
私たちの仕事で大事なのは、
名声だとか栄光だとか、私が
夢見ていたものではなくて、
耐えることができるかどうかなの。

十字架を背負って歩みながら、
自分のやってることを
信じきれるかどうかなの。


「私が立派な女優に    鳩dove-690170_640
なったあかつきには、
見にいらして。約束よ」


と手を握り、裏切ったトリゴーリンの
ことは以前よりもっと愛している
とも言う。

2年前の失敗した芝居のセリフを
そらんじてみせると、いきなり
コースチャを抱きしめ、駆け去る。


コースチャは2分ほどかけて
自分の原稿を引きやぶって捨て、
部屋の外へ出て行く。

食事を終えた一同が部屋に戻ると
シャムラーエフが完成した剥製を
見せるが、それでもトリゴーリンは
思い出せない。


外で一発の銃声が鳴り響く。

調べに出て戻って来たドールンは
怯えるアルカージナには「エーテルの
壜が破裂した」と言うが、やがて
トリゴーリンにコスチャの
自殺を告げる。



👉 感想文の書き方《虎の巻》

さあ、いかがでした?
ズシンと心に響きますよね。

え? そうでもない?
それはやはり人によるのかな。

その人がこれまでに生きてきた経験に
よって、グッと来たり来なかったりの
違いが大きく出る作品でしょう。


この傾向はチェーホフの文学全体に
言えそうですが、ともかくこの人を
特に敬愛した日本人作家はというなら、
まず太宰治が挙げられますね。

彼の傑作『斜陽』では、トリゴーリンを
思わせる中年作家に恋した女主人公が
手紙を書き続けます。

その中で最初「マイ・チェーホフ」の
意味だった「M・C」という呼びかけが
最後の手紙では「マイ・コメディアン」
に変わるという痛烈なオチになっています。

実際、『斜陽』と『かもめ』では
人物設定がかなり似ていますね。

詳しくはこちらで。
斜陽(太宰治)のあらすじと感想◎簡単/詳しくの2段階で解説
            
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でももし『斜陽』が『かもめ』を下敷きに
しているというなら、当の『かもめ』も
また何かを下敷きにしていたのでは…?

そう、作品内にも何度か出てくる
シェイクスピアの『ハムレット』です。

すなわちコースチャがハムレットだと
すると、アルカージナ=ガートルード、
トリゴーリン=クローディアス、
ニーナ=オフィーリアという等式が
一応成立し、それぞれがチェーホフ流に
近代化されたドラマとして解釈されますね。

詳しくはこちらで。

シェイクスピア ハムレットのあらすじ:簡単/詳しくの2段階で
ハムレット(シェイクスピア )の名言:英語原文では何と?

               William_Shakespeare


レポートなら、この『ハムレット』や
『斜陽』など関連作品との比較の視点を
採り入れて解釈してみたら、ユニークな
ものが書けるんじゃないでしょうか。


それからこの『かもめ』、『ハムレット』と
同じく「悲劇」と称すべきと思われますが、
チェーホフ本人があくまで「喜劇」と呼んで
いたことも面白い。

思えば、戯曲よりもっとチェーホフの本領が
発揮されているかもしれない短篇小説でも、
傑作はどれも「悲劇」にして「喜劇」と
いえるような作品ですね。

たとえば、こんなのもあります。
はげの上司に対策を!チェーホフ「小役人の死」は笑えない

           peterpan_syndrome


そのほか「嫁入り支度」「可愛い女」
「犬を連れた奥さん」「退屈な話」
「殻(箱)に入った男」「六号病室」
などなど傑作は数知れません。

チェーホフの本を早く安く
手に入れたい場合は、Amazonが便利。
こちらから探してみてください。

⊿チェーホフの本:ラインナップ⊿

ん? 感想文に書けそうなテーマは
浮かんできたけど、でも具体的に、
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

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