羊たちの沈黙 原作小説の解説つきあらすじ⦅ネタバレあり⦆ 


やあやあサイ象です。

おなじみ「あらすじ」暴露サービスも
今回でなんと第124弾((((((ノ゚⊿゚)ノ

「感想文の書き方」シリーズ
全体では第183回。

今回はサイコホラー映画の大ヒット作(叫び
『羊たちの沈黙』(The Silence of the
Lambs
,1991)で行ってみましょ~!

その原作、トマス・ハリスの同名小説
(1988)の”解説つき”あらすじです!

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映画の方は主演のジョディ・フォスター、
アンソニー・ホプキンスをはじめ
アカデミー賞主要5部門独占という
大成功でしたが、これはもちろん
すぐれた原作あればこその話。

で、この原作がまた映画では描き切れない
細部の面白さもあって秀逸なのですが、
日本では翻訳(👇)がやや読みにくい
という事情もあって、超大ヒット!
とは行っていないようで…。



でもなんとか入り込めば、ゼッタイ
楽しめる小説ですので、ほっとくのは
もったいない!

というわけで、ここでは上記邦訳の
難解さを解きほぐしつつ、丁寧に
わかりやすく「あらすじ」を記述して
参ります。


もちろんネタバレありになりますので、
結末を知りたくない人は絶対に読まない
ようにしてくださいね;^^💦

まずはごく簡単なあらすじから。


ごく簡単なあらすじ(要約)

ぎゅっと要約してしまうと
こんな感じになります。

FBIアカデミーの訓練生、クラリスは、
若い女性の生皮を剥ぐ連続猟奇殺人犯
“バッファロー・ビル”の捜査の糸口を
つかむべく、患者9人を殺して食べた
精神科医で精神病院収監中の死刑囚、
レクター博士との面会を命じられる。

     

明敏なレクターとの対話を通して、
幼年時代の辛い記憶を呼び覚まされ
ながら、クラリスは被害者の喉に
押し入れられた蛾のサナギの
意味を探っていく。

レクターはやがて係官を殺害しての
逃亡に成功し、クラリスはついに
犯人の居所を突きとめて
事件を解決する。

え? これじゃ全然わからん?
ていうか、その程度なら知ってる?

まあそうでしょうね…

それではここで映画の予告編を
ご覧いただきましょうか。👇



ん? ますますわからない?

う~む、それではやはり下記の「かなり
詳細なあらすじ」の方をお読みいただく
ほかないということにますね;^^💦


かなり詳細なあらすじ

原作小説は全61章からなり、章が変わると
視点人物も変わってハッとさせられる
こともあるスリリングな構成。

でもここではそこまで細部に立ちいる
わけにはいきません。

わかりやすさのため、この全61章を
私の判断で「起・承・転・結」の
4部に分けてストーリーを追います。


「 」内と「”」印の囲みは基本的に
上記「新潮文庫」からの引用ですが、
こちらの判断で改変した部分も
あることをお断りしておきます。

翻訳の問題も含め、解説が必要と思われた
部分には【CHECK!】印で注釈を
入れていますが、うるさいと思われた
場合は飛ばしてください。



【起】(1~9)

すでに5人の若い女性を拉致して生皮を
剥ぎ、死体を川に流している猟奇殺人犯の
捜査が難航し、FBI行動科学課は窮地に
立たされていた。

その行動科学課を志望するFBIアカデミーの
優秀な訓練生、クラリス・スターリングは
同課の課長ジャック・クロフォードに
呼び出され、精神病院収監中の死刑囚、
ハンニバル・レクター博士への
アンケート調査を依託される。

登場人物の名前ですが、
上記の菊池光訳では実は
「クロフォード」でなく
「クローフォド」。

より正確な原音表記(原語は
“Clawford”)を目指したものの
ようで、ほかの例を挙げると
“tape”は「テープ」でなく
「テイプ」、”table”は「テー
ブル」でなく「テイブル」、
“clone”は「クローン」でな
く「クロゥン」、(犬の)
“Pluto”は「プルート」
でなく「プルートゥ」……。

ところが”elevator”は
「エレベーター」(「エレ
ヴェイタァ」とかでなく)
なので、ガクッと来ます。

やるならやり抜いてほしかった。

こういう中途半端さもこの訳が
読みにくくなってしまった
原因の一つかと思われます。

レクターは精神科医で、自分の患者9人を
殺して食べた猟奇犯、”人食い(カニバル)
ハンニバル”としてすっかり有名に
なった人物。

「女の皮をはぐ」ことから”バッファロー・
ビル”と呼ばれているこの事件の容疑者と
接点をもつと見られ、彼から手掛かりを
引き出すことを課長は期待するらしい。

本来の”バッファロー・ビル”
(Buffalo Bill)は南北戦争前後に
活躍して小説の主人公にもなった
ウィリアム・F・コーディという
西部の開拓者で、バッファローの
猟師でもあったことからそう
呼ばれました。


もちろん左の人がバッファロー・ビル

バッファローの猟師なら皮もはぐ
でしょうし、小説などでそれが
描かれていたかもしれません。

病院でチルトン院長に面会して性的な目を
向けられたあと、囚人から卑猥な言葉を
かけられながら、レクターの監房に到着。

レクター博士は小柄ながら手と腕には
力がみなぎるようで、手は中指が
2本ある「多指症」だった。

このあたり、映画では
描けないところですね。

アンソニー・ホプキンスの
指はもちろん5本。

礼儀正しく挨拶し、身分証明書の提示を
要求したレクターは、いつの間にか
クラリスの靴やバッグも値踏みしている。

さらに彼女も読んでいる彼の論文を話題に
するなどして話を広げるうち、たちまち
クラリスの人物を見抜き、言い当てる。

「自分の母親のようになりたくない、
と懸命の努力をしている」素朴で強引な
田舎者だが、目の奥には「優れた頭脳」が
あるなどと述べ、1週間後のバレンタイン
デーに君を喜ばせるなどと匂わせながら、
会見を打ち切る。

       

立ち去ろうと歩き出すと、さきほど
卑猥な言葉をかけた囚人ミッグズの
精液が顔に飛んでくる。

レクターが興奮した様子で彼女を呼び
戻し、彼の行為は醜悪で「きわめて
不本意」だ、だから君の「喜ぶ物」を
あげる、「ラスペイルの車の中を
見るのだ」と告げる。


ラスペイルはレクターが8年前に
殺して食べた9人目の被害者。

調査してつきとめた車庫にその車を
見つけたクラリスは、車内に
若い男の遺体を発見。


不埒な囚人ミッグズは舌を噛み切って
死んだが、それはレクターが言葉に
よって説得した結果だと聞く。


発見遺体について次の会見で尋ねると、
それは「ラスペイルの愛人」で、
浮気したので絞殺したとラスペイルが
自分に話した、とレクター。

君は私が「君を食べたい」と思っている
と思うかね? 違う、クロフォードと
取引したいのだ、などとレクターは
語り、最後にこう告げる。

「バッファロー・ビルは二階建ての
家を持っている」


【承】(10~22)

“怪物”との不気味な繋がりを通じて
遺体を発見したとメディアに報じられた
クラリスは「フランケンシュタインの
花嫁」とまで書かれる。

「フランケンシュタイン」を
めぐっては、こちらを参照。

フランケンシュタインのあらすじ 👻原作小説をネタバレありで

              

新しい全裸の皮はぎ水死体があがり、
大柄な女性であることなど前例と全く
同じことから、バッファロー・ビルの
犯行と見られる。

検死解剖の結果、喉の奥から昆虫の
繭のようなものが出てきたので、
クラリスはスミソニアン国立博物館へ
赴いて専門家に調査を依頼。

それはある熱帯種の蛾のサナギで、
米国での飼育には温室などの
設備が必要なものとわかる。

      

女性上院議員マーティンのやはり
大柄な娘、キャサリンが拉致され、
必ず生きたまま救出するよう、
FBIには大きな圧力がかけられる。


キャサリン救出に協力させるため、
会見したクラリスにレクターは
こう教える。

楽しみながら皮をはぐサディストなら、
意識を保たせるため逆さづりにするから
縛り傷は足首にあるが、バッファロー・
ビルの場合はすべて手首だから、
彼はサディストではない。

国立美術館へ行ってティツィアーノの
「マルシュアスの皮はぎ」を見なさい。

   
   ティツィアーノ画「マルシュアスの皮はぎ」

「キャサリン救出を手伝うなら連邦施設の
眺望の良い場所に移って精神鑑定書評価の
仕事をしてもらってもよい」という
上院議員の意向を告げると、「君に関する
情報一つと交換してもいい」とレクター。

「子供時代の最悪の記憶は何だ?」
と訊かれ、町の警察署長だった父が
麻薬中毒者に撃たれて死んだ経緯を話す。


新しい被害者の喉の虫の話をすると、
レクターは「蝶だったか?」と反応。

なぜわかったのか教えてと頼むと、
「彼は乳房の付いたチョッキが
欲しいのだ」

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【転】(23~46)

キャサリンは地下室の古井戸らしい
楕円形の暗い空間に監禁され、
コードにつるしたバケツで水や
食料、それに便器も供給されていた。

上では、かつて性転換手術を希望して
却下されたことがあると調べの
ついているバッファロー・ビルが
大音量のロック音楽を流し、女性に
なりきって踊っている。

プードル犬を「可愛い子ちゃん」と
呼んで溺愛しているので、キャサリンは
これを利用しての脱出を考えている。


次の会見でもレクターは「君の
ことを話せば」という交換条件で
話しはじめる。

蝶や蛾の美しい成虫(イマ-ゴ)は
「幼児期の感情に包まれた両親の
イメージ」で、サナギのもつ重要な
意味は「変化」だ。

親に捨てられたバッファロー・ビルは
今、「本物の若い女で若い女の服を
作っている」が、それも「変化」
したいからだ。


今度は君がこの前の話の続きをしてくれ
といわれ、クラリスは父の死後、10歳で
身を寄せた伯父の牧場で羊や馬と楽しく
遊んだが、やがてそこでは屠殺も仕事に
なっていると知り、仲良しの馬と一緒に
逃げたと話す。

Child-s

レクターから受ける示唆によりクラリスは
捜査の進展に手ごたえをつかんでいたが、
それを横目で見ていたチルトン院長は、
野心からか嫉妬からか、マーティン議員に
働きかけ、レクターのテネシー州への
引き渡しを決める。

この妨害行為に、もしキャサリンが
死んだらチルトンのせいだと
クラリスは怒る。


次の会見でレクターはクラリスに
前回の話の続きを要求。

「馬と逃げたのは、朝早く目覚めると
子羊たちの悲鳴が聞こえたので、
馬も屠殺されると思ったから」

     

「君は今でも子羊たちの悲鳴で目が
覚めるのだろう」とレクターは言い当て、
「君の手でビルを捕らえキャサリンを
救出できたら、悲鳴はもう聞こえなく
なると思うかね?」と問う。

「はい。事によると」と答えると
「ありがとう、クラリス」と
レクターは安らいだ様子で礼を言う。


移送中、レクターは顔面への噛みつきや、
ボールペンのインク・チューブなどで
ひそかに作成していた武器を駆使して
二人の係官を殺害し、脱走に成功。


【結】(47~61)

レクターの言葉をクラリスは反芻する。

「第一原理」が重要なのだ。
〔中略〕
人を殺すことによって、
彼はどのような欲求を
満たしているのだ。

彼は熱望する。

人はどのようにして
熱望し始めるのだ。

人は毎日見ているものを
熱望することから始める。

             lgbt

だからビルは「第一」の被害者の
死体を周到に隠し、第二の犯行は
遠い場所で行ってろくに隠さなかった。

それならビルの居所は「第一」の
被害者の家に近いはずだと推理
したクラリスは「第一」の女、
フレドリカの周辺を徹底調査。


そこからビルに裁縫の技術があり
女性の皮を継ぎはぎしてボディスーツの
ようなものを作ろうとしていること、
やがて彼の居所も突きとめる。

   

クロフォードらに連絡した上で、
単身直行してビルの家に潜入し、
地下の古井戸にキャサリンを発見。


早く出せとわめくキャサリンを
落ち着かせて、ビルを探していくと、
やがて彼が姿を見せる。

状況次第で犯人は射殺してよいとの
許可をもつクラリスは、相手が撃鉄を
起こした瞬間に発砲して射殺に成功。


その後、何週間もビルは
メディアを賑わした。

レクターとクラリスの会話のテープを
チルトンから入手したある新聞は、
これに性的な尾ひれをつけて
「ドラキュラの花嫁」シリーズに
使ったため、「テレフォン・セックス」
の企画からクラリスに申し入れがあった。

「ドラキュラの花嫁」云々を
めぐっては、こちらを参照。

ドラキュラ 原作のあらすじ👻興味つきない吸血鬼小説の金字塔

        

別人になりすまして国外逃亡した
レクターから、クラリスに手紙。

「子羊の悲鳴は止んだかね?」

君には情報の借りが一つ残って
いるのだから、イエスかノーか
これこれの新聞に広告を
出してほしい…と。



まとめ

いかがでした?

もちろん書ききれていない細部の
面白味はまだまだたくさんある
わけですが、小説の骨組みは
これでご理解いただけたものと
思います。


ミステリーとしての思い白さはもちろん、
心理家と告白者の関係に恋愛感情が
微妙にからむ精神分析的ドラマ、
また皮はぎや食人というショッキングな
嗜好の淵源についての真摯な探求など
読み応えあるトピックがぎっしりです。

感想文なりレポートなりを書く場合も
テーマには事欠きませんね。

        

「羊(原題では”lamb”=子羊)たちの
沈黙」というタイトルの意味も
「かなり詳細なあらすじ」に書きました
クラリスとレクターの言葉の交換から
おわかりですよね。

10歳時から彼女を悩ませてきた子羊の
悲鳴がついに消えて「沈黙」(=平安、
成熟)が訪れた。

それはある意味、レクターのおかげで
あり、またレクター自身、それを
気にかけ続けている…


感想などを書こうという場合は、
このように「あらすじ」と【CHECK!】の情報を
もう一度ご参照いただけると大いに
役立つはずですよ~。



ん? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の種々の
文学作品について「あらすじ」や
「感想文」関連のお助け記事を
量産しています。

参考になるものもあると思います
ので、こちらのリストから
お探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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