月のうさぎ…その由来を説く伝説が切ない 🐰他人の幸せのために身を焼いた?


サクラさん
月にうさぎがいると思ってるのは
日本人だけですよね?

ハンサム 教授
いえいえ、大昔のインド人にも
そう見えたようですよ。

「月の兎」はインドから中国経由で
日本に伝来した説話の一つですね。

サクラさん
ほほ~(🐱)インドのうさぎはお餅でなく
ナンを焼いてるんでしょうか?

    


ハンサム 教授
いやいや、とんでもない。

焼くどころか、焼かれるんです。

サクラさん
え? うさぎが?

ハンサム 教授
はい、しかも自ら火中に飛び込んで(ドクロ)

      


サクラさん
ギョエ~(叫び)一体なんのために?

ハンサム 教授
さあて……;^^💦

ともかくそこにお釈迦様の
ありがたいみ教えが…m(_ _)m…


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というわけで本日のテーマは
「月の兎」のお話

以下の内容でお届けしますので、
よろしくお付き合いください。

🐰 もくじ

  1. 月の兎は釈迦の説法から飛び出た?

  2. 日本では兎の餅つき…世界では?
  3.     🐰 ワニ、犬、ライオン、カニ…見え方も色々
        🐰 中国の兎は不老不死の薬草を調合

  4. 2017年の「中秋の名月」は?

  5. まとめ


1.月の兎は釈迦の説法から飛び出た?

月にうさぎがいるという伝承の由来を
たどると、古代インドの『ジャータカ』に
行きつきます。

『ジャータカ』は「本生〔ほんしょう〕経」
「本生譚」などとも称し、釈迦(ブッダ)の
前世での善業などの説話をまとめた経典。

法隆寺蔵の「玉虫の厨子」に描かれている
「施身聞偈図」や「捨身飼虎図」の物語も
この『ジャータカ』にあるんですね。

    

そういう説話の一つである「兎の話」は、
祇園精舎にいた釈迦が、出家生活の必需品を
揃えてお布施してくれた人に語ったとされる
物語で、あらすじは以下のとおりです。

森の中に兎が、サル、ジャッカル、カワウソ
という三匹の友達と住んでいました。

彼らは昼は餌(えさ)を探して別々に
行動し、夜は一緒に過ごしました。

兎は菩薩の転生で知恵にすぐれていたので、
悪いことをしてはいけないという「戒」、
自分だけでなく他人のことも心配すべきだ
という「布薩」(布施)、道徳的に生きる
べきだという「修行」の話などを
よくしていました。


ある満月の日、兎は三匹の友人を誘って
修行することに決めましたが、その前に
空腹に備えて、えさを探しておこうと
思い、こう言いました。

「今日は修行中だから、えさをひとりで
食べるのではなく、布施(誰かに一部を
あげる)をしてから食べなさい」


カワウソは川で人が釣った魚を見つけました。

 


ジャッカルは大きなトカゲと一つぼの
カード(凝乳)を見つけました。

      

この「ジャッカル」は
「キツネ」にされている場合が
多いですのが、最も信頼される
原典であるパーリ語本では
ジャッカルだそうです。


サルは木からマンゴーを採って来ました。

              


さて兎は…ここで、はたと気がつきます。

自分には草しか集められないが、草を
食べたい人などいないから、布施を
しようにもできないではないか……

       

そこで考えます。

「誰かが食を乞うて来たら、
この身体の肉を施そう」

こう心に決めた兎は深い喜びと感動で
いっぱいになり、清らかで幸せな
気持ちになりました。


兎のこの熱意が天上の神々の王である
サッカ(帝釈)天の石の座席を
みるみる温かくしてしまいます。

そのわけを知ったサッカはこの兎を
試そうと思い、バラモンに変身して
地上に降りていきました。

「サッカ」はバラモン教・
ヒンズー教の「インドラ神」に
相当する最高位の神。



「バラモン」はバラモン教・
ヒンズー教の聖職者ですが、
これを「乞食」とする本も
あります。

サッカに乞われると、三匹はみな喜んで
自分のえさの全部を施しました。

最後に兎を訪ね、「何か食べ物を」
と頼むと、兎は言いました。

「よくおいでくださいました。

私はこれまでにない、最高の施しを
しますので、薪を集めて火を
つけてくださいませんか」


サッカは自分の神通力ですぐに
火を作りました。

兎は身体についている虫を死なすと
いけないので、身体じゅうを激しく
ふるって落としてから、全身「布施」に
なりきって火の中に飛び込みました。

   

ところがこの火は熱いどころか
雪のように冷たいのです。

驚いて尋ねる兎に、サッカはにっこり
笑って自分の身を明かしました。

「そなたの比類なく尊い心が世界中に
知れ渡るよう願わずにいられない」と
言うと、サッカは山をぐっと締めつけて
出てきた汁で月の面に兎の姿を描きました。

以上、こちらの本に依拠しての
紹介でした。 👇


なるほど…
心頭滅却すれば火もまた涼し
というやつですね。

この文句は1582年、織田信長の焼き討ちに
あった甲州、恵林寺の快川和尚の辞世ですが、
その精神の根源をたどれば仏教の開祖である
釈迦が語った「兎の話」に行き着くのかも
しれません。

ほんとうに釈迦が語ったかどうかはともかく
お経にある話なので、快川和尚の頭にあった
可能性は高いはずですね;^^💦

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他人の幸福のために自分の
身体を焼いてしまうという
テーマは、やはり熱心な
仏教徒だった宮沢賢治の
童話にも見られます。

「銀河鉄道の夜」に出てくる
サソリの話などにそれが
顕著です。

詳細はこちらをご参照ください。

宮沢賢治 銀河鉄道の夜のあらすじ☄簡単/詳しくの2段階で
宮沢賢治 銀河鉄道の夜で感想文 🌌「ほんとうの幸せ」って何?

                  



2.日本では兎の餅つき…世界では?

さて、月の表面の模様ですが、その形は
地球上のどこから見ても同じです。

ところが、それが「兎」に見えるのは
インドから東の国々だけで、世界各地での
見え方は、どうやらテンデンバラバラ
のようなんですね。

何に見えてるかを追って、軽く世界を
一周しておきましょうか。


🐰 ワニ、犬、ライオン、カニ…見え方も色々

インドでも今は兔でなくワニを見るのが
一般的だそうですが、そのほか世界各地には
以下のような「月の見立て」があります。

  • ほえている犬……モンゴル
  • ほえているライオン……アラビア
  • ロバ……ヨーロッパ各地、南米の一部
  • 片腕のカニ……南ヨーロッパ
  • 編み物をする女性……インドネシア
  • 大きな木の下で休む男……ベトナム
  • 悪行の報いで幽閉された男……オランダ

やはりそれぞれの土地の人活に身近な
動物や人に見立てられるわけですね。



月の模様の右上部分……兎やロバ耳とも、ワニや
犬やライオンの口とも、カニの爪とも見えますね。



🐰 中国の兎は不老不死の薬草を調合

これが中国(漢民族)・韓国・日本では
「兎+臼(うす)」のように見ることで
一致しているわけですが、ただ兎が臼で
「餅をついている」と見なすのは
日本独自のようです。

なぜ「餅」かといえば「望月」(もちづき
=満月)というシャレが起源だとか。

だとすれば中国・韓国の人がそう見る
はずはありませんよね。


それでは中国などでは臼で何をしている
のかといいますと、これが「不老不死の
薬草」をついて調合している…
ということになっているんですね。


中国の民間信仰として仏教より有力なのが
道教で、実は「月の兎」のお話もこちらでは
道教に根ざしています。

道教の神話で最高位にある女神が「西王母」
ですが、その所持する「不死の薬」を盗んで
仙人になり月に逃げて、月神(月の精)に
なったのが「嫦娥」(じょうが)という女性。

       

でも怒った西王母によって蟾蜍(せんじょ。
ヒキガエル)に変えられてしまいます。

そして月でこのヒキガエル姿の嫦娥のもとで
薬草を調合しているのが「王兎」という
名のウサギなんです。

嫦娥の名は、「竹取物語」
(かぐや姫の話)の関連で
記憶している人も多い
かもしれません。

こちらもご覧ください。

かぐや姫の罪と罰って何?原作『竹取物語』に秘められた鍵は?

      

それから中国の伝説上の兎
「王兎」は薬草づくりに携わって
いるわけですが、草を食べるから
なのか、薬草に縁があることは
日本の兎も同じですね。

因幡の白兎はオオクニヌシノ
ミコトの教えた薬草に癒され、
かちかち山の兎も狸に薬草を
売りつけます(これは火傷を
悪化させる毒薬でしたが…)。

詳しくはこちらでどうぞ。

因幡の白兎のあらすじを簡単に🐰 古事記はこう語っていた
かちかち山のあらすじ💔兎は怖い?太宰治版”カチカチ山”はもっと怖い?

               



3.2017年の「中秋の名月」は?

そんなわけで、こんど満月かそれに近い
月を見る機会がありましたら、ぜひ
兎さんの「餅つき」または「薬草つき」
または「焼身○○」の姿をじっくりと
ご鑑賞ください。


ところで月見といえば、たいがい秋、
それも「中秋の名月」の日がベストと
されていますが、この日がまた厄介な
ことに毎年かわるんですね。

つまり月の満ち欠けを基準に作られた
太陰暦(いわゆる旧暦)に準拠するために
太陽暦(新暦)とのずれも毎年違って、
ややこしくなるんです。

    

月の中日(なかび)である15日は毎月、
ほぼ満月になるはずなんですが、
月見をするには秋の半ばが最良…

旧暦の秋は7・8・9月なので「中秋」と
いえば8月…ということで古来、8月15日が
「中秋の名月」とされてきました。


で、新暦にもどって、それが今年
(2017年/平成29年)はいつになるのかと
言いますと、10月4日です。

参考までに東京オリンピックの年
(2020年)までの中秋の名月の日を
列記しておきますと、こうなります。

2017年(平成29年):10月4日
2018年(平成30年):9月24日
2019年(平成31年):9月13日
2020年(平成32年):10月1日



🐥 まとめ

さて、お月見と「月の兎」をめぐって
多種多様な情報を提供してきましたが、
少しはお役に立ちそうでしょうか。

どれか一つでも有効利用して、お月見を
より一層、有意義で楽しいものにして
いただけたら幸いです。


そうそう、もし大事な人とお二人で…
という場合には、耳もとでさりげなく
「月が綺麗ですね」なんて囁いて
みてはどうでしょうか。

その意味する(かもしれない)ところは
ご存知ですよね?

ん? 知らない?

それは大変だ。

ただちにこちらの記事を
参照してください。

夏目漱石「月が綺麗ですね」の出典は?🌝I love youはこう訳せ?
  
                 


この「月が綺麗ですね」云々を含めて、
「月」という一見シンプルな存在を指す
日本語も、その奥には多様でかつ日本一国に
とどまらない国際的な背景がずっしりと
重なっている…というわけですね。

それにしても日本語って、なかなか
奥が深くて難しいところはありますね。

当ブログではそれへの対策をめぐって
多くの記事を重ねてきまいますので、
ぜひ覗いてみてください。

散見される?散見する? 正しい意味・使い方を鴎外・漱石…太宰に聞く
五月雨の意味は? ☔ビジネスメールで”五月雨式”って何?
お疲れ様とご苦労様の使い分け?(*_*)うるさくなったのは平成から?
「お~になる」敬語は二重化注意:太宰・志賀も”お殺せに”バトル
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旦那?夫?主人?亭主?パパ?結婚相手の呼び方でベストは?
嫁?妻?奥さん?家内?正しい呼び方で円満な夫婦関係を
博士の読み方はハカセ?ハクシ?枕草子、漱石に聞く
違和感がある…という日本語への違和感:言う人次第で嫌味にも


それではまたお目にかかりましょ~(😸)

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