フランダースの犬(原作)のストーリーは? 作者ウィーダって誰?


やあやあサイ象です。

おなじみ”あらすじ”暴露サービスも
今回で第149弾。

“感想文の書き方”シリーズ通算では
なんと第224回となります((((((ノ゚⊿゚)ノ

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今回はあの泣ける児童文学、ウィーダ作
『フランダースの犬』(A Dog of
Flanders
, 1872)で行ってみますよ~。

       



上記新潮文庫の村岡花子訳にもとづいて、
原作のあらすじをお伝えしていきますが、
それを読むのも面倒だという人はこちらの
童話アニメでも概略はわかってもらえます。👇



どうでした?

でもこれ、色々と子供向けに変えて
ありますので、原作は違うという
ことをお忘れなく;^^💦



簡単(とはいえやや詳しい)あらすじ

それでは参りましょう。

原作は1~8の8章構成ですが、
読みやすさのため、私の判断で「起・
承・転・結」の4部に分けています。

もちろん⦅ネタバレあり📢⦆で、
解説が必要と思われた部分などは
【CHECK!】印で注釈を入れていますが、
うるさいと思う人は飛ばしてくださいね。

「 」内や「”」印の囲みは上記
村岡訳からの引用です。



🐶【起】(1・2)

フランダース(フランドル:ベルギーの
オランダ語圏)の古都アントワープから
3マイル離れた小村の外れに、貧しい老人
ジェハン・ダースが孫のネロ、愛犬
パトラッシュとともに暮らしていた。

ジェハン・ダースの原綴は
Jehan Daasで、オランダ語では
イェーハン・ダースですが、
英語の作品なので「ジェハン」
になります。

ついでに書いておくとネロは
Nelloなので「ネッロ」と
表記されることもあります。

パトラッシュはPatrascheで
村岡花子訳では「パトラシエ」。


戦争で足を悪くしたジェハン老人は
80歳になってから、死別した娘が残した
2歳の息子ネロを引き取り、育てていた。


近所の家畜持ちの牛乳カンを荷車で
アントワープまで運ぶのがジェハンの
仕事で、これにまだ2,3歳のネロも
ついて行く毎日だった。

パトラッシュを飼うようになったのは、
ある夏の日、街道に倒れていて死にそう
だったパトラッシュを見つけ、二人で
家まで運んで命を助けたことから。

ネロと同じ年齢のパトラッシュは丈夫で
賢い犬だったが、飼い主の金物商人に
水も与えられず酷使され、ついに倒れて
捨てられていたのだった。

このパトラッシュが絵本や
アニメで色々に描かれてきたので
その犬種がよく問題になりますが、
原作を見ればすぐにわかること
なんですね。

村岡花子訳ではこのとおり。

毛並みは黄色で、頭と手足が
大きく、狼のような耳が
まっすぐにたっている。

何代も辛い労働につちかわれて
きた種族なので筋肉が発達し、
足は湾曲してふんまえたような
恰好をしていた。


   

というわけで、上で紹介しました
2冊の本の表紙絵はこの記述に
忠実といえますね。

特に新潮文庫(左)の絵は
安野光雅さんによるもので、
素晴らしいのですが、惜しい
ことに、よく見るとネロの
目が青!

「金髪で黒い目」(1章)と
されているんですけどね;^^💦


元気になったパトラッシュは、仕事を
手伝う意志を身振りで示し、はじめ
これを「非道」と考えて拒否していた
ジェハンも、熱意に負けて受け入れる。

やがてジェハンはリューマチで動け
なくなり、6歳になったネロが代わって
パトラッシュとともに牛乳カン運搬の
仕事をするようになる。

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🐶【承】(3・4)

15歳になったネロは、絵を描くことに
「天才」的なものを発揮し始めていた。

仕事帰りにアントワープの教会堂に
入っては絵を眺め、その感動ぶりは
パトラッシュを心配させるほど。


ただ、アントワープが誇る大画家
ルーベンスの筆になる2つの祭壇画には
覆いがかけられていて、見るには
お金が必要だった。

ネロは涙を流してパトラッシュに言う。

「あれが見られさえしたら、
ぼくは死んでもいい」

   
   現在のアントワープと大聖堂


ネロのもう一人の話し相手は12歳の少女
アロア(Alois)で、村一番裕福な粉屋の
コゼツ旦那(Baas Cogez)の一人娘だった。

ある日、牧場でネロが松の平板にアロアの
肖像を描いていると、アロアを呼びに来た
コゼツはそれを見て感動しながら、
1フランで買うから去ってくれと言う。

1フランあれば例の名画も見られたのだが、
ネロは「お金も絵もとっておいてください」
と愛犬とともに立ち去る。


ネロがハンサムだということもあって、
コゼツはアロアとの仲が発展して
身分違いの恋仲になることを恐れ、
二人を会わせないようにし始める。

何がコゼツの気にさわったのか、ネロは
わからなかったが、アロアが駆け寄って
くると「お父さんを怒らせてはいけないよ」
とやさしくさとす。

が、それを言う「ネロの心は
悲しさではりさけそうだった」。

   

ある日、小麦畑にいるネロに駆け寄り、
かたく抱きしめたアロアは、コゼツ家で
例年子供たちを招待してきた聖徒祭の
宴会に今年はネロは呼ばないという父の
意向を伝える。

ネロはアロアにキスし、自分はいつか
偉くなって、お父さんにあげたあの
小さな板を「同じ目方だけの銀ほどの
値打ちにしてみせる」とささやく。

「偉くなるか、さもなければ、
死ぬかなんだ、アロア」

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🐶【転】(5・6・7)

その年のアントワープでは、18歳未満なら
誰でも応募できる絵画のコンクールを
行い、優勝者はクリスマスに発表する
との公布があり、それを知ったネロは
渾身の作品を仕上げていく。


パトラッシュはもう老犬で、手足は
リューマチで痛むこともあったが、
「死ぬまで休むべきではない」と
考えており、ネロが休めと言っても
聞かなかった。


ある日、アントワープからの帰り、
美しい小さな操り人形を拾ったネロは、
アロアが喜ぶと思い、コゼツ家の壁を
よじのぼって窓越しにそれを渡し、
すぐに立ち去る。

      

その夜、コゼツ家は火事となる。

保険のおかげで損害はなかったものの、
その晩、うろついているところを目撃
されたネロは放火を疑われ、その後は
村人に白い眼を向けられる。


クリスマスの1週間前、長い間「死んだも
同然」だったジェハン老人が死ぬ。

葬式の費用を払ってしまうと一文なしで、
家主の靴屋から立ち退きを迫られる。


クリスマス・イブ、ネロとパトラッシュは
空腹と寒さに耐えながらアントワープへ
歩き、正午に優勝の発表がある公会堂へ。

発表された優勝作品が自分の絵でない
ことを知ったネロは、気づいた時には
石畳に倒れている。

気遣うパトラッシュに「いっさい
終わってしまったんだ」と言い、
雪の中、よろよろと村へ引き返す。

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🐶【結】(8)

村に近づいたころ、パトラッシュが
雪の中に革の財布を見つける。

見るとコゼツ旦那の名前が記され
中には2000フランもの大金が。


まっすぐコゼツ家へ向かってそれを
届けたネロに、コゼツの妻は、旦那は
今それを探しに出ているのだという。

ネロは、それを見つけたのはこの犬だから、
ここに置いて食べものをやってもらえ
ないかと頼む。

さらに「ぼくを追って来ないようにして
ください」と口早に言うと、パトラッシュに
キスして素早く戸を閉めて出ていく。


コゼツ旦那が戻ると喜んでパトラッシュを
もてなし、ネロを探している様子を見ると
「良い犬だ!」、夜が明けたら真っ先に
あの子を迎えに行ってくると言う。

が、来客が戸を開けたすきにパトラッシュは
素早く飛び出し、足跡と匂いを頼りに
ネロを探し回る。


アントワープの中心へと進んでいく足跡を
見て、「大好きなもののところへ
行ったのだ」とパトラッシュは思う。

大聖堂のルーベンスのあの名画の前の
石畳の上にネロを発見して駆け寄る
パトラッシュ。

愛犬を抱きしめたネロはささやく。

「ふたりでよこになって、
いっしょに死のう。
人はぼくたちには用がないんだ」


突然、闇の中を強い白い光が通路から
さしこんで照らしたので、二枚の
祭壇画がくっきりと浮かび出た。

   
   ルーベンス「聖体引き下げ」(部分)   


「激しい歓喜の涙がその青い顔に光」り、
やがて光が消えると、少年は犬の胴体を
しっかりと抱きしめる。

「イエス様はぼくたちを離れ離れには
なさるまいよ」


翌日、発見されたふたりの前で
「わしの息子にしてやるんだったに」
と泣きじゃくるコゼツ旦那。

さらに時を経てから、アントワープに
来た世界的に有名な画家が、ネロの
作品を見て、まれにみる「天才少年」
であり、自分が教えたかったという。

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《悲劇的リズム》が響く

いかがですか?

しっかり泣いていただけたでしょうか。

注意深く読むと、しっかり泣ける
ようにストーリーがとてもよくできて
いることがわかりますね。


つまりネロとコゼツ旦那との関係なんかに
典型的なんですが、相手の考えについて
よくわかっていないまま起こしてしまう
行動が皮肉な結果をもたらすという展開。

たっとえば善意でとった行動がかえって
相手を苦境に追い込んでしまい、読者は
大いにもどかしかったりする…
これを《悲劇的リズム》と呼んで分析
することもできるでしょう。

《悲劇的リズム》について詳しくは
こちらの記事をご参照ください。

ごんぎつねのあらすじ 😿悲しいのは《悲劇的リズム》が響くから

      

夏目漱石 こころのあらすじ 💙簡単/詳しくの2段階で解説



作者ウィーダって誰?

なかなか心憎い作家のテクニックを
読むことができるわけですが、
作者のウィーダって、どういう人
だったんでしょうか。

日本ではこの『フランダースの犬』以外あまり
知られていないイギリスのこの女性作家、
「ウィーダ」(Ouida)はもちろんペンネーム。

フランス系で本名はマリー・ルイーズ・ド・
ラ・ラメー (Marie Louise de la Ramée,
1839-1908)。

  

『フランダースの犬』以外でも知られている
ことがあるとしたら、一つは”New Woman”
(新しい女)という新語を世に広めることに
一役買ったということですね。

つまりこれは『アフリカ農場物語』を書いた
南アフリカ出身の女性作家、セアラ・グランド
と彼女との1894年の論争に端を発する流行語。

ウィーダはそこで「新しい女」を批判する
側の保守的な役回りを演じたんですね。

まあどちらかといえば保守的で、キリスト教を
含め伝統的な価値を重んずる人だったのだろう
ということは、この『フランダースの犬』の
隅々からも感じ取れますね。

日本の「新しい女」第一号と
見られているのが、
平塚らいてうですね。

彼女のユニークな経歴や
思想・性格については
こちらをご参照ください。

平塚らいてう塩原事件 才ある美人の不倫心中逃避行…なぜ?

        X



まとめ

さあこれで、読書感想文やレポートを
書こうかという場合も、すでに
情報十分ですよね。



ん? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の種々の
文学作品について「あらすじ」や
「感想文」関連のお助け記事を
量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/



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