リバーズエッジ(漫画原作)のネタバレ 岡崎京子の洗練された世界


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やあやあサイ象です。


今回でついに第155弾となる”あらすじ”
暴露サービス、「感想文の書き方」
シリーズ全体では第230回((((((ノ゚⊿゚)ノ




採り上げるのは2018年公開の映画
『リバーズ・エッジ』(二階堂ふみ主演、
行定勲監督)の原作で、フランス語訳も
出ている岡崎京子さんの同名の傑作です!
(雑誌初出1993-94年、単行本94年)
   👇




物語は大都市(絵から見て東京らしい)の
高校を舞台として、平凡といえば平凡な
高校生たちの間に起こる…でもけっこう
激しいドラマを描いています。

早々にネタバレしてしまいますと、
そのうちの一人が命を落とすところまで
行ってしまうんですが、そうなる経緯、
主要登場人物6,7人の相互関係が同性愛も
入り混じってなかなかややこしいんですね。

「あらすじ」をサッと読んだだけでは混乱
されてしまう恐れもありますので、彼らの
間の恋愛感情(💗)や憎悪・攻撃(🌟)の
方向性を矢印で示した関係図を最初に
掲げておきますね。

こんな感じになります。👇






かなり詳しいあらすじ

では始めましょう。

もちろんネタバレありで、結末まで
しっかりバラしてしまいますから、
ラスト(オチ)を知りたくない人は
絶対に読まないでくださいね;^^💦


原作は”SCENE 1″~”SCENE 14″の14章から
なっていますが、これを私の判断で
「起・承・転・結」の4部に分けています。

「…」内は原作からの引用です。



ドクロ【起】(SCENE 1~4)

大都市の、大きな臭い河の近くに
立地する高校の3学期。

山田一郎は「おとなしめで目立たない」が
「オシャレでキレイな顔をしている
から女子にはヒソカに人気があって、
しかし男子には”攻撃誘発性”のマトで
いつもけっこうボコボコにされている」。

      

その”攻撃”の先頭に立っているのが
観音崎で、彼と去年関係をもちながら
近頃は冷えている若草ハルナは、彼の
暴力を制止しようとするが、止まらない。


ロッカーに閉じ込められた山田を助けた
ハルナは、自分を同性愛者だと話す山田に
心ひかれ、観音崎には怒りをぶつける。

このことがまた観音崎を山田いじめに
向かわせ、ハルナがまた助けると、
山田は河原のヤブの中にある「秘密の
宝物」を見せてあげるという。


山田が見せたのは白骨化した人間の
死体(ドクロ)で、これ見ると「ほっとする/
勇気が出るんだ」と口にする。

つらい時にこれを見に行くと一学年下の
吉川こずえ(モデルをしているという
噂の美人)も来ていて、彼女もこれを
「宝物」にしていると知ったともいう。

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ドクロ【承】(SCENE 5~9)

観音崎は、自分は小山ルミと深い仲に
なりながら、ハルナに対しては山田との
関係を疑う。

「オレはもう山田にかまわない」から、
おまえももう絶対「山田とは口をきくな!!」
と勝手に取り決めて無理にキスさせる。

それが「きもち悪」かったハルナは、
彼のことをもう全然「好きじゃない
んだな」と思う。


山田にアタックする田島カンナは
水族館でのデートを約束させて喜び、
ベレー帽をプレゼントするが、山田は
それをこっそり学校の焼却炉に捨てる。


山田の「宝物」のあるヤブに、死んだ
老人の所持していた大金が埋まっている
と学校でもっぱらのウワサ。

山田からハルナに電話で、「宝物」が発見
されないよう埋めてしまおうと思うので、
手伝ってほしいという。

  

行ってみると、吉川こずえも来ていて、
手足が痛くて掘れない山田に代わって
二人で穴を掘り、死体を埋める。


日曜日、観音崎に強引に誘われてデートし、
2か月ぶりに「Hしてしまった」が、それは
「好き」とかじゃなく、去年彼が家庭的に
苦境にあった時に何もしてあげなかった
ことへの謝罪とかの混じる微妙な感情から…


同じころ水族館で山田とデートして
いたカンナは、彼が全然たのしそうで
なかったことに傷つく。

翌週には、鉄棒のところで山田が
ハルナと話しているのを目撃し、
悲しみを募らせる。


観音崎に誘われたルミは「あたしと
ハルナの…どっちが具合がいい?」
などと尋ねて殴られ、妊娠を告げて
「どうしてくれんのよ」と迫る。



ドクロ【転】(SCENE 10~12)

校内でカンナからさかんに話しかけられ
続ける山田は、彼の愛する上級生が
女子とふざけあっているのを目撃。

突如、カンナに「自分のことばっか喋って
楽しい?」などと苛立ちをぶつけて
去っていく。


夕刻、ハルナのバイト先に現れた山田は
彼女の終業を待って、橋の上で話す。

「田島さんに悪いことしちゃった」
「付き合っていくうちに女のコも
好きになるかなっなんて」思ったけど
「無理なんだよね結局」。

   

例の河原に観音崎を呼び出したルミは
「なんでハルナにはヒニンしてあたし
には…」となじり、手術代を要求。

ハルナもあたしも「あんたなんか全然
好きじゃない」と挑発的に言い、彼の
非行の根っこにある家族問題まで突っつく。

激怒した観音崎が首を絞め、
ルミはぐったりとなる。


背後で目撃した山田が「手なんかじゃ
掘れないよ」と声をかける。

「埋めたいんでしょ?」、スコップが
ないと無理だからといっしょに学校へ
行き、「若草さんと吉川さん」も
呼ぼうという。


同じ頃この二人は吉川の高級マンションで
豪勢な食事の最中。

テレビにも出始めている吉川こずえの
美しい肢体は、過食と嘔吐を繰り返す
ことで保たれていた(母親は肥満)。

吐いたあと、コーヒーを手にして言う。
「好きよ。若草さんのこと」

   

ルミは蘇生し、歩いて帰宅。

部屋に入ると、日ごろ仲の悪い漫画家
志望の姉が入り込んで日記を読んでいる。

妊娠や売春のことを暴露するので
「ブヒブヒ言わずブタ小屋帰れ!!」
(姉は太り気味)と怒鳴ると、姉は
カッターで切り付ける。





ドクロ【結】(SCENE 13~14)

山田家と若草家に電話し、一郎も
ハルナもいないと知ったカンナは、
「またあの女と逢ってるんだ」
と涙ぐむ。

「あいつさえ死んでしまえばいい/
だって本当は山田君はあたしのこと
好きなんだもん」とつぶやきながら
ハルナの住む団地へ。


そのハルナと山田、こずえは、死体が
ないのに落胆して帰ろうとするが、
山田との関係を疑う観音崎が荒れ狂う。

ハルナは「もう観音崎君から離れない」
などと生涯で「一番ひどい」と自分でも
思うウソをつき、抱かれるままになる。


ハルナの団地の共同倉庫の前で
田島カンナの焼身死体が発見され、
ハルナの部屋も火事になっている。
(廊下側の窓から火を入れられた)

   

終業式の季節になり、山田の愛する
男は卒業し、こずえは退学。

火事を出した若草家(母娘2人だけ)も
出ていくほかなく、ハルナは転校する。


引越しの手伝いに来た観音崎が明るく
去ると、山田が餞別のCDを渡しに来て、
例の橋の上で話す。

最近「田島さんの幽霊」を見るという
山田は生きているときの彼女より
好きだともいう。

「…山田君は黒焦げになってないと
人を好きになれない?」と問う。

「僕は生きている若草さんのことが
好きだよ〔中略〕若草さんがいなく
なって本当にさみしい」

涙が河に落ちる。






高度に芸術的な漫画

さあ、いかがでした?

ストーリー構成の巧みさと、それに乗る
人物ひとりひとりの、あるいは鬱屈して
ねじ曲がり、あるいはまるで囚われなく
漂う、90年代の若者の心理と行動。

その本当は深くて重いはずの世界が、
視点や場面の頻繁な切り替えで
アップテンポに進んでゆく小気味よさ。

そしてしばしば息をのむ過激さの、
エロティックな描線の類まれな美しさ…
(こればかりは実際に本を手に取って
見てもらわないとわかりませんが;^^💦)


これぞ岡崎京子!👏

と唸らされる、高度に洗練された漫画芸術の
世界を楽しんでいただけること請け合いです。

この『リバーズ・エッジ』の2年後に
制作され、英語・フランス語・
ドイツ語の訳も出た上に映画化も
されて大評判になったのが
『ヘルタースケルター』ですね。

この作品についてはこちらで
情報提供していますので、
ぜひご参照ください。

ヘルタースケルター 漫画ネタバレ 岡崎京子原作の芸術性は?

        girl_named_tisha_by_limontea-d5pwtei


もう一つ、高度に芸術的な
漫画作品を紹介させてください。

『リバーズ・エッジ』と同じく
二階堂ふみさん主演で2018年に
映画が公開された土屋実の
『ヒミズ』。

どんな作品かはこちらでどうぞ。

ヒミズのあらすじ⦅ネタバレあり⦆原作漫画と映画の違いは?

                



感想文のすすめ

さあ、もし漫画でもいいから感想文を
書くようにいわれているのでしたら、
この作品、絶対ねらい目ですよ。
(エロいからダメ…の可能性も
ありますが;^^💦)

上に指摘してきたポイントや解釈を
適当に使えば、それなりに書けそうでは
ないですか?

同性愛がらみの錯綜した
恋愛関係ということなら、
連想される名作として
谷崎潤一郎の『卍』が
挙げられます。

ただ主人公の光子は山田君や
吉川こずえと違って完全な
両刀使い(バイセクシャル)
なんですけどね。

この『卍をはじめとした文豪・
谷崎の怪しい世界については
こちらで情報提供していますので
ぜひどうぞ。

卍(小説)のネタバレ 谷崎潤一郎が大阪弁で描くややこしい愛の世界

鍵(谷崎潤一郎)のあらすじ 原作小説が映画の何倍も凄いワケ

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ん? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の種々の
文学作品について「あらすじ」や
「感想文」関連のお助け記事を
量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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