プラチナデータのあらすじ((ネタバレ)) 小説は映画とどう違う?

サクラさん
『プラチナデータ』は
アクションシーン満載の
スリリングな映画ですが、
犯人があの美しい女性
教授とは驚きでした(🙀)

ハンサム 教授
それも「私をお母さんと
呼んで」とか言いながら
抱擁した青年に撃たれる
とはね…;^^💦

サクラさん
ええ。ちょっとついて
行けなかったんです
けど、原作もあの通り
なんですか?

ハンサム 教授
とんでもない。原作の
教授は男ですよ。

サクラさん
ギョエ~(叫び)、
二度びっくり。

映画ではなぜ女性に
されたんでしょうか。

ハンサム 教授
わかりませんけど、
スズランという不思議な
少女を出さないことに
したので、ぶん薄くなった
女性的な”色”を補おうと
したのかな。



ついでに”DNA/遺伝子”の
問題を”母性”のテーマと
絡めようとしたのかも…

サクラさん
ほほ~… で、その
スズランってどんな子?

ハンサム 教授
アハハ、それはやっぱり
原作を読んでもらう
しかないでしょう;^^💦


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というわけで、おなじみ”あらすじ”暴露
サービスの第163弾(“感想文の書き方”
シリーズ第229回)は東野圭吾さんの
『プラチナデータ』(2010)で参ります。
👇



その映画化(大友啓史監督、2013)も
二宮和也・豊川悦司ら豪華キャスト
によえるヒット作です。
👇





かなり詳しいあらすじ

さて、能書きはそれくらいにして、
「あらすじ」に入っていきましょう。

作品は全50章の構成ですが、ここでは
これを「起承転結」の4部に分けて,
入り組んだストーリーをできるだけ
丁寧に解きほぐしながら追っていきます。

もちろん⦅完全ネタバレ📢⦆になりますので、
犯人(これはもうバラしていますが)とか
ラストシーンとか知りたくない人は
読まないでくださいね;^^💦


あらすじ中、「 」内や「”」印の
囲みは上記文庫本からの引用です。

映画とでストーリーが大きく異なる箇所など、
気になる部分には💭CHECK!印の注釈を
入れていますが、うるさいと思われたら
飛ばしてもらってかまいません。



【起】(1一8)

近未来の東京。

ラブホテルで流行の「電トリ」(電気で
脳を刺激してトリップ体験をさせる装置)
の使用中だった女子大生の殺害事件が発生。

上司の命令で警視庁特殊解析研究所(特解研)
へ出向いたベテラン刑事の浅間玲司警部補は、
DNA操作システムの開発者である神楽龍平
主任解析員の説明を受ける。

映画では浅間が豊川悦司で
神楽が二宮和也。

知的で傲慢な神楽と勘と
根性の古いタイプの刑事、
浅間との確執が物語の軸の
一つになりますが、並んで
立った時の身長差もちょっと
した驚きです;^^💦

それから「電トリ」云々も
映画には出ません。

特解研はホテルに残された毛髪や体毛の
DNAからたちまち犯人を割り出す。

そんな捜査方法は違法だと浅間は反発するが、
国民全員にDNA登録を義務づけるという
「DNA法案」の国会通過は時間の問題と
見られており、施行後に備える「試運転」
として黙認された形。


続いて若い女性が頭部を銃で撃たれる
婦女暴行殺人事件が続発。

残された精液のDNAデータから、犯人の
特定は造作もないと思われたが、特解研の
DNA検索システムの調査結果は「NF13」。

「NF」は「Not Found」の略で、検索
システムのデータベースに見つからない
という意味。


浅間らはやむなく旧来の手法で
NF13を探し回る。

   

実は多重人格症状に悩んでいる神楽は、
この分野の権威である新世紀大学病院
脳神経科の水上洋次郎教授のもとへ
治療に通っている。

その病室には、神楽と共同でDNA操作
システムを開発してきた蓼科(たてしな)兄妹
――「サヴァン症候群」(自閉症の一種)的な
障害を抱えながら数学の天才である早樹
(さき)とその兄耕作――が研究を進めている。

二人の様子を見てから、神楽は
水上教授の診療を受ける。

この水上洋次郎が映画では
なんと女性で、演ずるは
鈴木保奈美さん。

ついでにバラしちゃいますと、
蓼科早樹が水原希子さんで、
もう一人の重要な女性、
アメリカから来た同僚の
白鳥里沙が杏さんです。

煙草状の「他人格出現制御剤」(反転剤)を
用いて神楽が別人格の「リュウ」に替わると、
彼は例のごとく15,6歳の髪の長い少女を
モデルに絵を描いている。

人格の交替を促進するこの
「反転剤」は多重人格小説の元祖とも
いえる『ジキル博士とハイド氏』で
ジキル博士自ら発明し服用する薬品を
連想させます。

『ジキル博士とハイド氏』について
詳しくはこちらでどうぞ。

ジキルとハイドのあらすじ 🌓スティーヴンソン原作を簡単に…

        

神楽は夢の中で父に会う。

天才的な陶芸家として知られていた父は、
13年前、ロボットが作った作品との勝負に
敗れたことから自殺していた。

神楽の多重人格症状もそれ以来のこと。

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【承】(9~26)

厳重に警備されているはずの新世紀大学
病院の病室で蓼科兄妹が殺害される。

殺害に使用された拳銃は、NF13事件で
使われたものと同一と判明。

犯人解明の手掛かりは早樹の服に付着
していた一本の毛髪と、早樹が
コンピューターに残した「モーグル」
という名の新しいプログラムのみ。


特解研の解析員に加えられた白鳥里沙は、
アメリカでDNAプロファイリングの研究を
してきた人で、蓼科早樹の死はアメリカに
とっても大きな損失だと言う。


例の毛髪のDNA解析を行った神楽は、
モニターに現れた犯人像が自分である
ことに驚愕する。

  

神楽と別人格「リュウ」とは少し前から
水上を通じて手紙のやり取りをするように
なっていたが、今回の件で疑いを
向けられたリュウの返答は
「おれには心当たりがないから、
あんたが原因だってことになる…」

神楽は自室でリュウに成り替わろうとして
「反転剤」を使うが、効果がなく困って
いると、ドアがノックされ、リュウの描いて
いた白いワンピースの少女が現れる。


相手がリュウでないことに一瞬とまどった
らしい少女は、やがて事情を理解して、
「あたしはスズラン」でリュウの
恋人だと説明する。

彼女は絵を描きながらリュウが語る
という「魂の解放」のことなどを話し、
神楽が電話に出ているうちに消える。

この「スズラン」はこれ以降も
たびたび登場する重要な存在
ですが、映画にはまったく
出てきません。

ネタバラシしてしまうと、彼女は
要するに蓼科早樹の化身のような
存在なので、映画では早樹の名の
ままで、水原希子さんがその
役割を果たす形になるんですね。

ともかく嫌疑を受けて警察に追われる
身となった神楽は、自宅を出る。

白鳥里沙は逃走を援助すべく情報や電子
マネーをさかんに送信してくるが、
理由を訊くと「モーグル」について知る
ために神楽が必要だからだという。

映画ではこの白鳥が特解研で
「浅間刑事の情報」を求められて
このように即答します。

「MAOA遺伝子モノアミンオキシ
ダーゼAの活性が高く,反社会的
な行動は取らない。物事に
対しての適応能力も高い。
口も堅い〔中略〕遺伝子的にも
優秀な捜査官です」云々。

   

この部分に反応した中野信子氏は
「MAOA遺伝子」が小説『プラチナ
データ』の小道具に使われたと
書いていますが、これは映画で
付け加えられた場面でして、
原作には出て来ません。

その中野著『サイコパス』によれば、
「MAOA」とは「モノアミン酸化酵素
のAタイプ」で「主にノルアドレ
ナリンとセロトニンを分解し全体量の
バランスを調整する」遺伝子とのこと。

『サイコパス』について詳細は
こちらをご参照ください。

サイコパス(中野信子著) の内容 あの凄い人も実はそうだった!


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【転】(27~39)

「モーグル」を求め、神楽は以前も
訪れていた、蓼科兄妹の生家のある
暮礼路(ぼれろ)市に向かう。

東京駅で弁当を買おうとしたところへ
スズランが現れ、同行することに。


隠れ家のような兄妹の研究室に到着し、
郵便受の下に隠してある鍵を取り出して
入ると、ただちにコンピューターを起動。

やがて発見されたキール・ノイマン宛の
英文メールには「補完プログラム」の
完成が近いとして、こうある。

これによって、「プラチナデータ」を
取り出せるはずです。

ようやく間違いを改める
ことができるのです。

これは私たちの懺悔(ざんげ)の
賜(たまもの)なのです。


この「補完プログラム」こそ「モーグル」
ではないかと神楽は思う。

白鳥から電話が入り、警察はあなたの
居所をすでに把握しているから、
早く移動するようにと急かす。

「プラチナデータ」とは何かと神楽が
問うと、白鳥は一瞬絶句し、あなたは
まだそれを「考える段階ではありません」。

  

いったんは消えていたスズランが再び
現れ、近くにある教会を隠れ家に
しようと言うのでそこへ行く。

愛し合うようになっていた二人が
指輪の交換など結婚式のまねごとを
しているところへ、警察が踏み込む。

神楽を追う警察の中心人物は
もちろん浅間ですが、上司からは
「手を引け」と言われて独自に
動くなど、複雑な事情が絡みます。

小説では一章ごとに神楽と交代で
浅間が主人公になる形で、動きが
詳しく追われていきますが、
ここでは省くしかありません。

映画でもほぼ省略の形ですが、
その代わりに、神楽の逃走劇が
スパイダーマンばりの空中シーン
あり、カーチェイスあり…と
派手なアクションでサービス
満点になっています。

神楽はスズランをバイクに乗せて
逃走するが、急カーブで空中に
飛ばされ、失神。

気づくと中年男のチクシに介抱
されていたが、スズランは見かけ
なかったという。


暮礼路から東京に戻っていた浅間に
白鳥里沙が殺害されたとの連絡が入る。

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【結】(40~50)

白鳥が遺した携帯電話を密かに所持
していた浅間に、神楽から電話が入る。

浅間は事情を話し、これから白鳥の
サポートなしに逃げ切れるわけも
ないから、俺と「手を組まないか」
と持ち掛ける。


迷った末に神楽は浅間を信用し、
新世紀大学の研究室に置かれている
リュウの絵のところに浅間を行かせ、
その写真をメールで送信させる。

そうする理由は神楽自身にも判然として
いなかったのだが、絵を見ながら二人で
話し合ううち、二枚重なったキャンバスの
間に袋入りの記憶媒体カードを発見。

      

これが「モーグル」で、これによって
「プラチナデータ」を取り出せば
「NF13」の正体も判明するはずだ。

蓼科兄妹が殺されたのは「NF13」事件の
続発後に彼らがシステム修正のための
「モーグル」を作成したからで、白鳥里沙の
殺害もそのカラクリを見抜いて動いた
からでは…

こう推理した浅間は水上教授を訪ねて
話を聞き、これから神楽にも会うと告げると
水上は自分も話があると言い、車で一緒に
行くことになる。


人目を避けた待ち合わせ場所で浅間が
神楽に歩み寄ると、水上がその背中に
拳銃をつきつけている。

   

「どうして…」と二人が問うと

「余計なことをしようとしている。

『モーグル』だの、『プラチナデータ』
だの、少々うるさくしすぎだ。

世の中には謎のままで終わらせる
べきこともたくさんある」


「参ったな。灯台もと暗し」と首を振る
浅間の首筋に水上は注射器を打ち込んで
気絶させる。

「あなたが蓼科兄妹を殺したんですか」
という神楽の問いに「そうだよ」と水上。

「ついでにいうならば、NF13は私だ」

       

「なぜ…」と問う神楽に水上は、そもそも
「プラチナデータ」は特解研の志賀所長の
依頼を受けて蓼科早樹に作らせたものだ…
とせせら笑う。

志賀を動かしたのはおそらく、永久に
「Not Found」(データなし)であるべき
政治家や官僚とその家族らであり、自分も
当然そこに入っているから逮捕される
ことはないのだという。

さらに《NF13は浅間刑事を射殺して自殺》
というシナリオを告知した上で水上は
神楽を殺すべく「ハイデン」(「電トリ」を
高度化した類の装置)で攻撃。

目覚めた浅間に水上が銃を構えると、浅間は
渾身の力でその手を蹴り上げ、二人は格闘に
なるが、麻痺の残る浅間は組み敷かれてしまう。

その時、水上は銃撃を受けて崩れるが、
撃ったのは神楽の別人格、リュウだった。

ラストの山場となるこのシーン
ですが、映画では水上が女性
(鈴木保奈美)と来れば当然の
ことながら、まったく別様に
作り上げられています。

場所は水上の研究室でここに
乗り込むのが神楽…でなくリュウ。

神楽だと思って水上が語るのは
「クズ」は滅びてあなたのような
優秀な人間のみ生き残ればいいのだ
という思想で、これについて
「先駆者は理解されない」
などとほざきます。

小説ではこんなことは言われていない
わけですが、ともかくこれが
「先駆」的だなどとは呆れた話で、
かつてナチス・ドイツも便乗した
優生学思想そのままです。



最後は「一度でいいから私を
お母さんと呼んで」などと言って
抱き寄せ、抱きあったままで
リュウに射殺されてしまいます。

この”母”的な愛にしても優生学的な
志向にしても、いかにも唐突な
感じで、観ていて納得のいく
ものではありません。

水上を女性にするのはよいと
しても、なまじ美女を使おう
とするから、こういうシマラナイ
結果になるのでは?;^^💦


殺人を犯した神楽だが、志賀所長から
その罪を免れる代償として「すべての
ことを忘れてもらいたい」と言われる。

仕事しなくても今までの三倍の給料の
出るポストを与える、これを拒否して
裁判しても勝ち目はない…と。

スズランは幻覚で、「正体は蓼科早樹
だった」こともやがて理解した神楽は
暮礼路のチクシらのところで陶芸を
始める。

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まとめ

さあ、いかがでした?

国民すべてのDNA情報が国家に把握されて
犯罪を犯せば一発で摘発されてしまう…

そういう社会は実際、近い未来に
迫っているのかもしれませんね。


でもそうなった場合に、政治家や官僚たち
だけは「Not Found」(データなし)として
免れるという特権階級を構成する…

というこの小説の構想は、なんだか首相夫妻の
肩入れする学校は周囲の忖度(そんたく)で、
どんどん特権的に公金を得てしまうという
2017-18年日本の政治社会を予見していた
ようでもありますね。

    

この恐るべく苦々しいテーマを、痛快な
ミステリーに仕上げた東野圭吾さんの
手腕はさすがです。

東野文学の数多い名作の一つといって
よろしいんじゃないでしょうか。

   
読書感想文やレポートを書くにも
格好の素材となるはずですよ。

やってみようという人はやはり「あらすじ」
だけでは無理なので、本文全体をしっかり
読むことが必要でしょうね。

さらにほかの東野作品にも当たって比較・
対照などしてみると、さらにいい
アイディアも浮かぶかもしれません。

『プラチナデータ』以外の東野作品に
ついてはこちらで情報提供して
いますので、ぜひご参照ください。

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そのほか東野圭吾の本を早く安く
手に入れたいという場合は、
Amazonが便利です。
こちらから探してみてください。


👌東野圭吾の本:ラインナップ👌


ん? 感想文とかレポートですか?

それももう、これだけの情報があれば
スイスイ書いていけますよね。


ん? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の種々の
文学作品について「あらすじ」や
「感想文」関連のお助け記事を
量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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