軍師官兵衛のキリスト教入信:ほんとに”二流の人”だった?

 


大河ドラマでは物語もいよいよ佳境ですね。

岡田准一くん演ずる黒田官兵衛と竹中直人さんの秀吉、
二人の亀裂はもはや歴然。

これに関わって、少し前の記事で
黒田如水を主人公とする二つの物語について
勝手な意見を述べさせていただきましたが、
今日はその続きの放言です。

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Ψ 岡田准一vs.生田斗真 美の火花

最初にふれた、少し前の記事はこれ
「NHK大河『軍師官兵衛』より面白い坂口安吾『二流の人』」
なんですが、
そこでも述べました官兵衛と秀吉の亀裂にからむのが
キリシタン追放令の問題。


官兵衛を入信させた高山右近、
これを演ずるのが生田斗真くんときては、
美形好みの方にはもうたまりませんよね。

8月31日、9月7日あたりの放送では岡田×生田のからみ、
というか、見つめ合ったりするシーンが多く、
もうクラクラしましたね。

なんて美しい大名たちなんでしょう!

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Ψ なぜキリシタンに?

それにつけても、やや肩すかし気味に感じたのは
やはり入信の経緯、動機が詳しく描かれない点ですね。

幼少より学問で鍛え、
あれほど頭の切れる官兵衛であれば、
そうたやすくキリスト教の教義に
納得するはずはないではないですか。

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後代、新井白石は
宣教師シドッチの説く教義の非論理性を笑い、
そんなのおかしいぜ、
リクツに合わんじゃないか、
と徹底的にダメだしすることになりますが、
官兵衛が同様の疑問を抱かなかったとは
とても考えられないんですよね。

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だから入信にはいささか複雑な
ウラの動機、事情があるに違いなく、
そこを描き出してこそ人間ドラマだと思うのですが、
うーん、残念……。

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でもまあ、これこそ「ないものねだり」なんでしょうね。
吉川英治『黒田如水』、
司馬遼太郎『播磨灘物語』をはじめとする歴史小説、
また歴史家の書いた官兵衛伝でも、
このことに立ち入って明快に解明したものは見当たりません。

私がもっとも高く評価する
坂口安吾『二流の人』(1948)も実は、残念ながら例外ではないのです。
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Ψ 俺の死後に天下をとる奴は…<

ただ、そこにこだわらなければ、
『二流の人』の官兵衛は秀吉というタヌキと腹を探り合う
もう一匹の(かなり賢い)タヌキといったところで、
その面白さは無類です。

この意味で岡田准一くんのような清冽な美貌は
そぐわない感もありますけどね。

で、タイトルの「二流の人」が誰を指すかといえば、
もちろん官兵衛さんです。

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「如水」になっちゃったかといえば、
安吾の小説の語るところでは、
天下人となった秀吉が近親を集めての四方山話に、

「どうだな、俺の死後に天下をとる奴は誰だと思う。」  

腹蔵なく言ってみろ、と笑顔で問いかけます。
その場で徳川、前田、蒲生、上杉などの名が挙がりますが、
秀吉笑って「乃公(だいこう)の見るところは又違う」といい、
官兵衛を名指した、というんですよ。

「俺の戦功」はあいつの「智略によるところが随分とあって」……

「狡智無類、行動は天下一品速力的で、心の許されぬ曲者だ」

とのたまった。
官兵衛、隠居の決心はこの話を伝え聞いた際、
即座に固まったというのですな。

だって、怖いじゃないですか。
こうなると、いつ殺されるかわからない……。


ツ黴€

Ψ 引き立て役でもいい

その功績から見ると冷遇としか思われない処遇を
秀吉は官兵衛に向け続け、
NHK大河ドラマ、9月7日の回では、
ついに九州豊後に「国替え」させられました。

その後、官兵衛は実際、
「俺の死後に天下をとる」べく
関ヶ原の合戦で東西の決着がついた直後に
九州から攻め上がろうとしていたとみられ、
大河ドラマでも終盤はその軌跡が描かれそうです。

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安吾の『二流の人』もこの経緯まで追っていて、
官兵衛の深謀遠慮とそれに伴う心理のみならず、
周囲の武将たちの個性の描き分けも鋭利で面白く、
実に冴えまくった小説なんですね。


結局、官兵衛の生涯は
信長、秀吉、家康、三英傑の引き立て役で、
そのかぎりでは最優秀だったけれども、
自ら天下を取るほどの人物ではない。

その意味でやはり「二流の人」……と安吾。


Ψ 安吾は一流、恋人も美女

でも、引き立て役でもあれだけの仕事ができればスゴイ。
「二流」として一流だ。

それを描き切った安吾も
作家として一流です。

ついでですが、彼とロマンスのあった
女性作家矢田津世子(つせこ)さんは
「文壇一の美女」と呼ばれた人です。
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出身は秋田県なので、当然のごとくに
「秋田美人」といわれましたが、
秋田県の特定の地域に美女が多い(または、多かった)のは
たしかなことのようですね。

詳しくはこちらをご覧ください。


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One Response to “軍師官兵衛のキリスト教入信:ほんとに”二流の人”だった?”

  1. […] りの微妙さについては、こちらの記事もご参照ください。 ・「軍師官兵衛のキリスト教入信:ほんとに”二流の人”だった?」 ともかく、そのへんがとても面白い。 「天才」に近いも […]

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