父の日は「泣いてもいいんだよ」:漱石最期の名言を贈る?

 


吾輩は猫である。
名前はまだ…
いや挨拶は抜きにして本題に入らせてもらうが、

猫男kadnip_medium

本日は「父の日」について考えたいと思うんである。

吾輩もオス猫である以上、
父の気持ちはわからんでもない( ̄ヘ ̄)……

と言いたいところだが、
実をいうと、われわれ猫族にあっては、
オスが自分の産ませた子を認知し
その面倒を見るという例は報告されておらん。
(人工的に設定した場合は別だが)


ということで吾輩も、
「おまえは”父”でないのか」と問われれば、
それを否定しきるだけの材料は持ち合わせないんであるが(*~▽~)、
ただ、かりにわが子がそのへんをウロウロ歩いていたとしても、
それを”子”と認知する能力に恵まれておらんのである。

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いやー、そこへ行くと人間のオスは偉い!
吾輩は尊敬する! 

日頃、主人の苦沙弥先生を見ていても、
つくづく偉いと思うんである。

なにしろ、出生の原因をなした子どもたちについて
あくまで責任を全うしようとしているんだから、
これは、たいしたものではないか!((((((ノ゚⊿゚)ノ

Puppy-s

人間の子どものみなさん、
お父さんのやってること(育児・家事を含めた労働)について、
「あたりまえ」と思うことを
たまには停止(宙づりに)して、
「たいしたものではないか!」というふうに
見直してみてはどうであろうか。

「あんたは猫より偉い!」と(ニコニコ)。




Ψ ももクロの「泣いてもいいんだよ」

さて、それで「父の日」の話なんであるが、
毎年6月の第3日曜日と決まっており、
したがって2015年は6月21日なんだが、
諸君、いかがなされますか。


それにつけても、思い出されるのが
2014年のことである。

中島みゆきさん作詞・作曲、「ももいろクローバーZ」歌の、
「泣いてもいいんだよ」という歌が
父の日の直前あたりに朝日新聞デジタルで公開され、
街角ではケースに「泣いてもいいんだよ」と印字した
ティッシュボックスが配られる
ということがあった。

その歌はこんなふうで、
動画で父娘役を演じておられる滝藤賢一さんと小林涼子さんも
たいへん好演なので、ぜひご一見をお願いしたい。


え? 歌詞がよく聴き取れない?

それならこちらでご覧いただけるが
↓↓↓↓
歌詞タイム:泣いてもいいんだよ

強くなれ 泣かないで
僕たちは いつだって
言われ続け 育った

と始まるその内容は、どちらかというと
「僕」すなわち男子に向けられていて、
その男子には、当然のことながら、
お父さんも入ってくる仕掛けになっているんですな。

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育てている子に対して、
とりわけそれが男の子である場合、
お父さんは「泣くな」と強く言うかもしれない。

でもね。

それは自分が「泣かなかった」とか
「泣かない」とかいう意味ではない。

ただ、できるだけ我慢する習慣をつけようね、
ということにすぎん。

青鬼Grumpy-s

ほんとは泣きたいのだ、自分も。

だから泣かしてあげるがいいのだ。

あ、泣きそうだと思えたら、
サッとティッシュを差し出して…。


そこで父の日の贈り物としては、
まずティッシュがいいんでは、と思うんであるが、
それではあまりも、とためらわれる場合は、
ハンカチなんかどうであろうか。↓↓↓↓




Ψ 娘の泣き声が耳に入って…

ところで、「泣いてもいいんだよ」と聞いて吾輩が思い出すのは、
主人の苦沙弥先生のモデルにして
吾輩の生みの親ともいえる、かの文豪、
夏目漱石先生の臨終場面である。

50歳にも満たない若さながら
胃潰瘍の急変により、
大作『明暗』を未完のままに残して
逝ってしまわれたんであるが、
その臨終の床での最期の言葉として伝えられているのが、
「死んだら困る」(未完の『明暗』を気にかけたものか)と、
もうひとつ、
「泣いてもいいよ」だったんである。


そのことは、鏡子夫人の『漱石の思い出』(↓↓↓↓)や
次男・伸六さんの『父・夏目漱石』などで伝えられているんだが、
だいたいこんな話である。


大正5年(1916)、11月下旬に漱石は胃潰瘍の発作を起こして床についていたが、
12月8日の晩に「これはとても駄目だ」と主治医が言う。

9日朝、土曜日(半ドン)だから大丈夫だろう、
との医者の判断があり、鏡子は子どもたちを学校に行かせた。

ところがその後、容体が危うくなり、
それぞれの学校へ「迎えにやった」。

15歳の次女、恒子と9歳の四女、愛子とが
いち早く戻って父の枕辺へ行った。

するとあんまり面変(おもがわ)りがしているので
悲しくなったものでしょう。
愛子というその四番目の娘がたまらなくなって泣き出しました。

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で、私がこんなところで泣くんじゃないとなだめますと、
それが聴こえたと見えて、目をつぶったまま、
「いいよいいよ、泣いてもいいよ。」
と申しました。                   『漱石の思い出』


これもまた漱石の名言に
数えてよいんではあるまいか。

※漱石の名言をめぐっては、こちらもご覧あれ。
「漱石の名言でたどる恋愛💓『吾輩』猫が読み直す『こころ』etc.」

つまりこれこそは、漱石先生、
最期の名言なのである。

愛子は末娘で特別に可愛がられていたから
こんな言葉ももらえたのであって、
「うずくまる虎」のような父を恐れるばかりの自分らには
とても考えられないことだった……

と伸六さんは言いたいんであろうが、
でも伸六さん、わかりませんよ。

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もう死ぬと悟れば、あななたたちにも
きっと同じ気持ちが湧いたんではないかな……。

もちろん、あななたたちが泣きだせば、の話だが(;^_^A……。


家では「うずくまる虎」のように恐れられたその漱石に
穏やかな微笑を向けられて、
深い「父の慈愛」を感じたと懐かしむ年少者は
決して少なくなかったんである。


人には複数の顔がある、
と知るがよかろう。

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せっかく決められている「父の日」だ。

なにかしてあげることは、
お父さんの別の顔を見つける
いいチャンスになるんではなかろうか~~(^O^)/


一言言ってあげるだけでもよい。

「泣いてもいいんだよ」って。

漱石先生に関心をお持ちの読者はこちらもご覧いただけるとありがたい。
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