川端康成 雪国のあらすじと分析:岩下志麻主演映画も見て解説

 


やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズもはや第46回。
「あらすじ」暴露サービスとしては第23弾。

今回は日本初のノーベル賞作家、
川端康成の代表的長編小説
『雪国』(1935-37)で参りましょう。
 


「国境の長いトンネルを抜けると雪国
であった」という冒頭の1行を聞いた
ことのない人は少ないと思いますが、
その国際的知名度のわりに、
全文をちゃんと読んでる日本人の
少ないのがこの作品ですね。

まあそれにはやむをえない事情もあって、
現代日本人にわかりやすい文章とは
いえませんし、その内容がまた、
学校で推奨できるような世界ではない
という事情もあって(;^_^A、
読者は減り続けているように思われます。

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ともかくここでは「あらすじ」を開示
しますが、一口に「あらすじ」を知りたい
といっても、話の骨子だけでいい
という場合から、読書感想文を書くんだから
分析・解説つきの詳しいものがほしい、
という場合まで、千差万別でしょう。

そこで出血大サービス((((((ノ゚⊿゚)ノ

「ごく簡単なあらすじ」と
「やや詳しいあらすじ」の
2ヴァージョンを用意しましたよ~~(^^)у



👉 ごく簡単なあらすじ(要約)

まずはぎゅっと要約した
「ごく簡単なあらすじ」。

親譲りの財産で無為徒食に近い生活を
送る文筆家で、妻子もある島村が、
雪国の温泉旅館に年1回のペースで
3度にわたって逗留し、
温泉芸者・駒子との交情を深める。

駒子の踊りの師匠の息子・行男の
「いいなずけ」(許婚者)とも
いわれるが、本人はそれを否定。

行男を世話する葉子と微妙な
関係にある。

3度目の長逗留で島村は、駒子は
「おれに惚れている」と意識し、帰京
すれば、もうここへは来られない
と思う。

舞妓 格子

島村の心を読む駒子は、彼が葉子にも
惹かれるという経緯にも絡んで、
「あんた私を笑ってたのね」など、
意味の明瞭でない言葉を吐いて、
怒り、泣く・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

映画の上映会場になっていた繭倉が
火事になり、葉子が二階から
落ちたのを見て、駒子は駆け寄って
抱きしめるが、それが「自分の犠牲か
刑罰かを抱いている」ように
島村には見える。


どうでしょう?

え? なんだかよくわからん?
いったい何が言いたいのか?

ハハハ、まあそうでしょうね。


というわけで、「やや詳しい」ヴァージョンの
「あらすじ」を読んでいただくほかない、
ということになります。

原作に章立てはなく、全体が流れるように
連なっていきますが、行あけが10箇所
ありますので、11章からなっていると
みなすこともできそうです。

この11章に①~⑪の記号をつけ、
かつこれらを私の勝手な判断で
「起承転結」の4部に割り振っています。

「 」内は原文の引用です。



👉 やや詳しいあらすじ


【起】(①~③)
親譲りの財産で無為徒食に近い生活を
送る文筆家で、妻子もある島村は、
12月の初め、東京から雪国に向かう
汽車の中で、病人の男に付き添う
若い娘(葉子)に興味を惹かれる。

温泉場(舞台がどことは明記されません
が、新潟県の湯沢温泉と見られます)

の旅館に着いた島村は、かつて
「あんなことがあった」女と再会し、
「こいつが一番よく君を覚えていたよ」
と人差し指をつきつけると、
女はその指を握る。

雪の温泉街SHI88_yukitumoriginzan20140209500

(回想に入る)
前年の新緑の5月、山歩きをした後に
初めてこの温泉場を訪れた島村は、
まだ19歳の「お酌」(芸者見習い。
「舞妓」や「半玉」に相当)
だったその女・駒子を
部屋に迎え入れた。

「不思議なくらい清潔」な印象を受けた
島村は、「友だちにしときたいから、
君は口説かないんだよ」と、
別の女を世話するよう頼んだ。


これを断った駒子は、夜の10時頃に
なってから泥酔状態で現れ、
(このシーンの映画化を下に置く
動画でご覧になれます。)

二人は一夜をともにした。

(回想から現在に戻り)    3c92d89018783e1f3d67993c6d4c2862_s
駒子との会話で、彼女が日記をつけて
いること、また15,6歳のころから
読んだ小説について書き留めていて、
その雑記帳がもう十冊になると聞き、
「徒労だね」と口にしながら、
「かえって彼女の存在が純粋に
感じられる」。
  

【承】(④~⑥)
冬の温泉町を散歩中、島村は駒子に
誘われ、彼女が住んでいる、踊りの
師匠の家の屋根裏部屋へ行く。

前夜車内で見かけた病人は、師匠の
息子・行男で、腸結核で長くない
命のため帰郷したこと、付添っていた
娘の葉子は駒子とよく知る間である
ことを知る。


女按摩から、駒子は行男の「いいな
ずけ」で、治療費のため芸者に出た
のだと聞かされた島村は、再び「徒労」
という言葉とともに「かえって彼女の
存在」を「純粋」に感じる。

駒子にただすと、    芸者memoirs-of-a-geisha-50378_640
「いいなずけは嘘よ」といい、やがて
弾き始めた三味線が「腹まで澄み
通って」来る。

「ああ、この女はおれに惚れて
いるのだ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:と思ったが、
それがまた情けなかった」。


島村が帰京しようという日、行男が
危篤だと葉子が報せに来るが、駒子は
「いや、人の死ぬの見るなんか」と、
そのまま島村を駅まで見送る。

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【転】(⑦~⑨)
翌年秋、再び温泉宿を訪れた島村を、
2月に来る約束を破ったと駒子はなじる。

話すうち、駒子には夫同然の男がいて、
17歳から世話になりながら、一貫して
「その人が厭(いや)で、いつまでも
打ちとけられない」と聞かされる。

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勝手働きをしているらしい葉子は
「悲しいほど澄み通った」美声の
持ち主で、話し込むと、駒子の目に
ある「無心に刺し通す光」がこの
女にもありそうで、心惹かれる。

いつか「私も東京へ行きますわ」という
葉子は、島村が帰るときに連れて行って
ほしいとしきりに頼み、また駒子の
ことは「可哀想なんですから、よくして
あげて下さい」、「駒ちゃんは私が
気ちがいになると言うんです」
と言って泣く。



【結】(⑩⑪)
葉子が帰ると、仕事を終えて酔っている
駒子が来て、歩きながら話す。

「あの子があんたの傍(そば)で
可愛がられてると思って、私は
この山のなかで身を持ち崩すの。
しいんといい気持ち」

「君はいい子だね」「いい女だね」
と繰り返す島村に、その意味を尋ねても
言わないので、「あんた私を笑ってた
のね」と駒子は激しく怒り、泣く。

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「駒子がせつなく迫って来れば来る
ほど、島村は自分が生きていない
かのような呵責がつの」り(ドクロ)、
今回の長逗留を終えて帰京すれば、
もうここへは来られないだろうと思う。

温泉場を離れる弾みをつけるために
縮(ちぢみ)の産地を見に行き、
帰ると、映画の上映会場になっていた
繭倉が火事だとの騒ぎで、
駒子とともに現場へ向かう。

夜空を見上げて「天の河。きれいねえ」
と駒子は繰り返し、「あんたが
行ったら、私は真面目に暮らすの」
などと言う。

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火事の中、一人の女が繭倉の二階から
落ち(叫び)、それが葉子だとわかると、
駒子は「ああっ」と叫び、駆け寄って
抱きしめるが、それが「自分の犠牲か
刑罰かを抱いている」ように
島村には見える。

「この子、気がちがうわ」と駒子は
叫び、よろめいた島村が見上げると
「さあと音を立てて天の河が島村の
なかへ流れ落ちるようであった」。



👉 暗示的な表現をどう読むか

どうでしょう。

少しはググッと来たでしょうか?

え? やっぱりダメ?

うーん( ̄ヘ ̄)、それでは、本文全体を
読み通してもらうしかないんですが、
読んでもスッキリと頭に入るという
保証はありません。


なにしろ、物事を直截的に言わず、
暗示的な表現に訴える度合いの非常に高い、
夏目漱石の定式でいえば「F+f」の「f」
(「F(観念または印象)」に伴う情緒)
の方が途方もなく膨らんでしまった
世界ですからね……。

この「F+f」の定式については、
こちらの記事をご参照ください。

夏目漱石「月が綺麗ですね」の出典は?I love youはこう訳せ?


ですので、映画化作品(1965)を見る
というのも一法ですが、映画はあくまで
映画作家の「解釈」で曲げられたもの
であることをお忘れなく。



で、その一部分なら、上記の「あらすじ」
でもふれましたように、動画でご覧
いただくことができるわけです。




👉 まとめ

え? 感想文ですか?

どうしましょうね~、これは
なかなかの難物かもしれません。

だって、まだまだ疑問
だらけでしょう?

とりあえず、こちらの記事である
程度、疑問を解消した上で取り組んで
もらえればと思います
雪国(川端康成)で感想文?5つの疑問にお答えします 笶蔀

川端のもう一つの名作、『古都』と
対照してみるのも一法かと思います。
どうぞこちらで。

川端康成 古都のあらすじと感想◎京都”観光小説”の哀切さ

081724


さあ、どうでしょう。

うーん、書けそうなテーマは
浮かんできたけど、でも具体的に、
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の
種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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