起承転結の意味は?作文・小論文・レポートに柔軟な応用を

 


やあやあサイ象です。

作文・レポート・論文(入試の「小論文」も
含めて)を書こうとする場合、いきなり
書き出すのはもちろんダメで、まず全体の
構成を決めてからにした方がいい
というのは先刻ご承知ですよね。

で、問題は、どういうふうに構成するか
ということになるわけですが、これに
ついて、日本では昔から「起承転結」
ということがいわれてきました。

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ただ、この「起承転結」、近年ではどうも
旗色が悪いようで、論理的な文章を書く
には「ほとんど使いものにならない」
(高松正毅・高崎経済大学教授)、
むしろ妨げになる、というようなきびしい
意見が日本語学や日本語教育の専門家から
続々と提出されているようなんですね。
Wikipedia:起承転結 参照)


でも、でも…… ア、ア”ー(((゜д゜;)))
日本人が受け継いできた由緒あるこの
骨法を弊履(へいり。ぼろ靴)のごとくに
捨て去るのは、いかにもクチ惜しいでは
ありませんか。

Fences-Shoes-s

そこで今回はこの「起承転結」の生き残りの
ために一肌脱ぎたいと思うんです。

いや実際、役に立つんですよ、コレ。
レポートやプレゼン、そして入試の
小論文に~(@^(∞)^@)ノ



Ψ 糸屋の娘は目で殺す

そもそも「起承転結」という漢語は
漢詩の構成方法として言われていたものを、
それ以外の、物語(ストーリー)や文章の
構成に応用するようになったもの。

例を挙げましょう。

「起・承・転・結」それぞれの意味の
よくわかる傑作としてこんなのがあります。

京の五条の糸屋の娘 ……【起】
姉は十六妹十四   …【承】
諸国大名は弓矢で殺す【転】         
糸屋の娘は目で殺す…【結】
     013436

江戸期の儒学者、頼山陽の作
といわれる俗謡です。

「京の五条」が「大阪本町」になって
いたり、姉妹の年齢が違っていたりと、
口伝えに流行した俗謡だけに、
いろいろと異同もあるわけですが、
ともかく長く伝えられただけあって
ウーン( ̄ヘ ̄)傑作ですね、実にこれは…。


どこが?

傑作たるゆえんは、ひとえに【転】の冴えに
あると言っていいんじゃないでしょうか。

猫鶏Rooster-and-Cat-s

【起】で導入した登場人物について
【承】で敷衍(ふえん。多少詳しく説明)
し、【転】で一見それとは無関係な
「諸国大名」を持ち込んで、アレ?
と思わせておいてから、【結】
「目で殺す」で大名と娘を合理的に
綜合するオチを成立させているわけです。


いやー、実にお見事:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
読む人の思考を活性化・柔軟化する
という効用もあると思うんです、
この種の傑作には。


Ψ 論理的な一貫性を破壊する?

さて、それはよいとして……

歌や物語の構成に力を発揮することを認める
としても、同じ「起承転結」法を、論理性が
要求される論文やレポートの書き方に
持ち込んでいいのか、というのが
本日の問題です。

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高松正毅先生をはじめ、上記「Wikipedia」で
紹介されている先生方はこぞってこれを批判
されているのですが、どこが問題視されて
いるのかといえば、これがまさに、上の
「糸屋の娘」の例で私がその「冴え」を
絶賛したところの【転】ということに
なるんですね。

つまり【転】では、【起】【承】で作った
流れとは異質なものをあえて持ち込む形に
なりますから、ここで論理的な一貫性が
破壊され、結局わけのわからない文章に
なってしまう。

だから、論理的な文章に「起承転結」の
書き方を持ち込んではいけない、
というわけです。

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まことにごもっともで、そう考えると、
上の「糸屋の娘」の場合のように【転】
「冴え」が高度であればあるほど、
論理的な逸脱は大きい場合が多いので、
文章が支離滅裂になってしまう危険性も
大きいと言えそうですね。



Ψ 「転」ずれば厚みを増す

ただ、このことを裏返して言いますと、
【転】でなんらかの「逸脱」を持ち込んだ
としても、もしそのことが論理的な
破綻を生むことなく、合理的で説得力の
ある結論を導くことができるなら、
(「糸屋の娘は目で殺す」の場合のように)
それで全然かまわないわけです。

かまわないどころか、うまくハマれば、
【転】のない論文より面白くて
インパクトが強い、結論も厚みが増して
説得力も増強される……という可能性も
十分あるんですよ。

Rabbits-Tortoises-s

そこで、問題は、いかにうまく、論理的な
破綻を生まないような【転】を作って
いくか、ということになります。


たとえば、大学受験の世界で”小論文の神様”
とまで称されているのが樋口裕一・多摩大学
教授ですが、この人も小論文の構成法は
やはり「四部構成」が基本だとして、
次のようにまとめています。

【第一部】問題提起
【第二部】意見提示(事柄の把握)
【第三部】展開(原因・背景・結果など)        
【第四部】結論        
(『ぶっつけ小論文』文英堂、2006 ⇩)


おわかりですか?

ここでも【第三部】では「原因・背景・結果
など」に突っ込むわけですから、それまでの
流れから一転して、別の視点・視座に立つ、
という変化が要求されているわけです。

「起承転結」の【転】も、その意味を柔軟に
受けとめれば、まさにこのような視座の
変換を言っているわけで、必ずしも
論理的な混乱をきたすとはかぎりません。


逆にいえば、論理的な混乱を持ち込む
ことのない範囲で思い切った飛躍・転換を
行い、それが結果として結論を豊かにする
のであれば、大いに結構なんです。

あかんべえAlbert-Einstein-s

たとえば上の「糸屋の娘」の例に即して、
仮にこの姉妹の魅力・モテぶりの理由を
解明しようとする論文を考えて
みましょうか。

【転】で「諸国大名」まで飛躍するのは
危ないとしても、彼女らからいったん
離れて、たとえば一般に「目のもつ魅力と
いうものは……」とか、カエルも蛇の目の
魔力で動けなくなるんだ、とかの話題に
転じるのなら、どうでしょう。

【起】【承】の流れに  ヘビ頭 Leopard-Gecko-s
その話題を溶け込ませて、論理的に
ブレのない結論に統合していくことは
十分可能なんじゃないですか?


Ψ 【結】(まとめ)

というわけで、「起承転結」はもう古いとか、
論理的な文章の構成には使えないとか、
一方的に決めつける必要はありません。

より面白いレポートやプレゼン、採点者に
アピールするような小論文を書こうと
思うなら、これはむしろ積極的に
採り入れていいんです。

ただし、【転】のところであまり極端な
飛躍をすれば、論理的に収拾がつかなくなる
可能性が大きいので、そこは気をつけて……
というのが本日の結論になります。

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その飛躍のし具合、呼吸は?…という
ところになると、これはもう経験を
積んでもらうしかないですね(;^_^A

というわけで、たくさん書いて腕を磨くこと。

さあ、がんばりましょ~(ニコニコ)/。

入試の小論文の対策なら、
是非こちらを参照してください。
大学入試小論文の対策5か条!採点する大学教師の生態を知ろう

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対策をめぐっては、以下の記事も
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