不思議の国のアリス 原作のあらすじ ハチャメチャすぎて怖い?


サクラさん
鳴り物入りで公開された
3D映画『アリス・イン・
ワンダーランド』ですが、
つまらないという声も
ちらほら…

ハンサム 教授
アハハ、それは原作が
もともと…;^^💦

サクラさん
つまらない?(🐱)

ハンサム 教授
いやいや、面白い。

    


ただ英語原文で読まないと
シャレがわからないという
難点もあるし…

サクラさん
でも突拍子もないことが
これでもかと出て来て
しまいには怖くなる…?

ハンサム 教授
ええ。ホラー映画なんかとは
違うそういった”怖さ”を
楽しめるかどうか。

あれ?ワタシって誰
だったの?…みたいな。

サクラさん
ふ~む。これはやっぱり
原作を読まなくっちゃ(😻)


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というわけで、おなじみ”あらすじ”暴露
サービスの第147弾(”感想文の書き方”
シリーズとしては第220回)は映画
『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)
の原作でもある『不思議の国のアリス』
(Alice’s Adventures in Wonderland,
ルイス・キャロル,1865)に挑戦です((((((ノ゚⊿゚)ノ



アリスは何歳?

はじめに注意しておきますと、上記の映画
『アリス・イン・ワンダーランド』は原作
続編の『鏡の国のアリス』のストーリーも
組み入れた上にアリスを19歳に設定して
恋愛がらみの物語に仕立てたもので、
原作の忠実な映画化では全然ありません。

それは続編の『アリス・イン・ワンダー
ランド/時間の旅』(2016)も同じ。


ストーリーはそれこそ”物語らしい物語”に
収まっていて、そういう意味での”物語”を
ぶっ壊した原作のハチャメチャなパワーは
完全にすっ飛んでます。

「つまらない」という反応には、そういう
部分への違和感と不満がたぶん含まれている
わけで、『アリス』原作の純粋なファンだと
「あ~見て損した」ということになりがち
でしょうね;^^💦


どんな”物語”か参考までにお目にかけますと、
まあ、ザっとこんな世界ですよ。👇



さて、映画の19歳に対して原作の
アリスは何歳なんでしょう。

原文に年齢は出てこないのですが、
続編の『鏡の国のアリス』(1871)で
「7歳とちょうど半分」と明記される
ことから逆算すれば、たぶん7歳。

初版本から入っていたジョン・テニエルの
さし絵(以下でも何枚か入れています)
から見てもそれくらいに見えますね。


ともかくストーリーに恋愛を導入するのは
“物語”としての吸引力を強める最も
安直な方法(悪く言えば通俗化)。

原作の『アリス』の魅力はむしろその逆を
行くところにあるので、恋愛的な要素は
全然ないと言っていいでしょう。


そんなわけで訳本を選ぶ場合も、ダジャレ
などの言葉遊びをなんとか日本語にのせる
工夫をしたせいでむしろハチャメチャに
なりかかっているものがオススメ。

たとえばこの文庫本なんかですね。
   👇



そもそも”話の流れ”があるの?

さて「あらすじ」なんですけど…

“物語”を破壊した、ぶっ飛んだ作品…
という紹介をしてきましたので、そもそも
「あらすじ」としてたどれるような
“話の流れ”みたいなものがあるの?…
という疑問をもたれるかもしれません。


でも、あることはあるんですね。

事件Aが起きた結果として事件Bが
発生するという連鎖としての
“話の流れ”ならば。


ただそのAとBとの因果関係が普通なら
ありえない展開でまことに”不思議”。

その”不思議”を楽しめるかどうかで
「面白い」か「つまらない」かも
決まってくるんだと思います。

そういう意味での”流れ”というか
世界観を大きく押さえると、ポイントは
ザッとこんなところになるかな。


  1. 物語の内容は、アリスの見た
    長い夢のなかでの出来事。

  2. ただその”夢=不思議の国”の
    世界での出来事や展開(事件
    から事件へのつながり)は
    実際の夢さながら、それこそ
    “不思議”で不条理。

  3. 荒唐無稽なことばかりなので、
    ストーリーにはなんの意味も
    メッセージも込められていない
    ようにも思える。



  4. ただ、いろんな経験を経て
    アリスが強くなっていると
    見ることもできて、ラストで
    ハート(トランプ)の女王の
    横暴に強く抗議するあたりで
    それが顕著。

  5. そこに「子どもの成長」という
    主題を読むこともできる。





かなり詳しいあらすじ

というわけで、ないともいえない
「あらすじ」の始まりです。

起承転結があるとも言いにくいですが、
わかりやすさのため、私の勝手な判断で
全11章を4部に分けてみました。


「 」内は原作(上記「ちくま文庫」の
柳瀬尚紀訳)からの引用です。

ところどころ【CHECK!】印で注釈を
入れていますが、うるさいと思われる
人は飛ばしてください。




🐰【起】(第1~2章)

川べりにすわって本を読んでいる姉の
横で、アリスは退屈を感じ始めていた。

そこへ服を着た白兔が現れ「遅刻
しちまうぞ!」などと言いながら
走っていく。

好奇心から追いかけたアリスは、
兎が飛び込んでいった穴に、
自分も飛び込む。

     

とても長い長い時間をかけて落下すると
前方に長い抜け穴があって、白兎が
走っていくのが見え、追いかけると
天井の低い広間に出る。

四方にいくつもの扉があり、テーブルに
のっていた小さな金の鍵で小さな扉を
開けると、それは鼠穴ほどの抜け道で
その先には素晴らしい庭園が見える。


ひょっとして別の鍵とか、体を縮める
方法を書いた本とかがあるのでは?
と思ってテーブルを見ると、今度は
小さな瓶がのっている。

「さっきはぜったいなかったわ」と
言いながら、見るとラベルには
「わたしを飲みなさい」と大きな
美しい文字で印刷されている。

「ひょっとしたらあるかも」と
意識したものが実際に出現して、
かつそれについて「さっきは
ぜったいなかったわ」という
反省意識も働いています。

こういう展開が『アリス』の
世界の危うさ(精神病理的な)、
怖さの源泉にもなっている
基本パターンのようです。

          

「毒薬」のしるしがないことを確かめ、
味見すると美味しいので飲みほすと、
体はみるみる小さくなる。

ところが、テーブルに置いてある
鍵を取ろうとしても届かない。


テーブルの下には小箱があって、その中の
ケーキに「わたしを食べて」と干しブドウで
書いてあったので、食べると、今度は
ずんずん伸びて身長9フィートにもなる。

1フィート=30.48cmなので
今やアリスは2メートル70センチ
以上の大女。

こういう感覚に実際に悩まされて
いる人もいて、それが現在では
「不思議の国のアリス症候群」
(Alice in Wonderland syndrome、
AIWS)という精神病理学上の
病名になっています。

表現が微妙にリアルで怖い感じも
ありますが、それは、作者の
ルイス・キャロル自身もこの
症状に苦しめられていたから
と…といわれています。


困ったアリスが大泣きすると、
その大量の涙であたりに池ができる。

白兔がまた出てきて落としていった
扇子であおいでみると、再び小さく
なったものの、足を滑らせて
涙の池にはまり込む。

そこにネズミのほか、ドードーなど
奇妙な鳥獣たちが泳いで集まってくる。

ドードー (dodo) は16世紀の
大航海時代にマダガスカル沖の
モーリシャス島で発見され、
乱獲のため同世紀中に
絶滅した鳥類。


アリスとドードー(テニエル画)




🐭【承】(第3~7章)

岸辺に上がったアリスたちがドードーの
発案で始めたのが体を乾かすための
「コーカス競走」。

これがただ円内をやたらに走るだけで
誰が一等になったかわからないレース。


とにかく賞品を出せと言われたアリスが
ポケットからシュガーマーブルを出して
全員に配ると、一同は輪になって
ネズミに何か話をしてくれという。

     

ネズミは犬や猫を怖がる理由について
ネズミの尾のような長くてくねくねと
した話をする。

この話がほんとうに
ネズミの尾のような形に
印刷されているのです。

読みにくいですけど;^^💦

話を聞いて飼い猫のダイナを思い出した
アリスが、ダイナはネズミも鳥も上手に
獲ると話したので、鳥獣らは恐れて
退散し、アリスはまたひとりぼっち。


そこへ戻ってきた白兔は、アリスを
女中と思い込み、家へ戻って扇子と
手袋を持って来いと命じる。

その家で小瓶を見つけて飲むと、
アリスはまた体が大きくなり、
部屋の中に詰まってしまう。


白兔は、ビルという名のトカゲを
使ってアリスを追い出そうとしたり、
家のなかに小石を投げ入れたりする。

         

この小石が体を小さくする例の
ケーキに変わり、アリスは再び
小さくなって家から出る。


走って逃げてから、休んでいると
茸(きのこ)の上で水煙管(みずぎせる)を
ぷかぷかやっている青い芋虫に出会う。

芋虫は偉そうにあれこれ問いただしたり、
歌を歌わせて間違いを指摘したりしてから、
茸を示して「片側なら背が高くなるし、
もう片側なら低くなる」と言いながら去る。

  

どちら側を食べればいいのか分からない
まま、あちこちかじって調節。

一度は首が伸びて、鳩から「蛇!」と
罵られたりしたものの、なんとか
元の背丈に戻り、歩いていく。


小さな家に入っていくと、そこは
ただっぴろい大台所で、公爵夫人が
赤ん坊をあやし、料理女がやたらに
コショウを使って料理している。

暖炉の上でニタニタ笑っている大きな
猫について公爵夫人尋ねると「あれは
チェシャ猫よ。だからなの。豚!」
とどなられて驚くが、夫人は赤ん坊に
向けて言っているのだと気づく。

「あやしたいなら、あやしていいわよ!」
と渡された赤ん坊はほんとうの子豚で、
地面に下ろすと、森へ入っていく。


少し離れた立木の大枝にチェシャ猫が
座っていたので、これからどっちへ
行ったらいいかを尋ねると、帽子屋と
三月兔の家の方向を教えて「どっちも
狂っているけどさ」と言う。

  

「ここじゃ、みんな狂っているんだ。
おれも狂ってる。あんたも狂ってる」
などと言いながら消えるが、その
ニタニタ笑いは体が消えてもしばらく
残っている。


三月兔の家らしい家の前のテーブルで
三月兔と帽子屋が、眠っているネズミを
はさんでお茶会をしている、

アリスが加わって、いかにも狂った
会話を続け、歌で目覚めたネズミも
話をはじめるが、ばかばかしいこと
ばかりなので、アリスは怒って
立ち去り、森を進んでいく。


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😸【転】(第8~10章)

美しい庭園に出たアリスは、トランプの
カードに手足の生えた三人の庭師が
バラの花にペンキを塗っているのに
出くわす。

そこに行列を率いてやってきたハートの
女王がアリスに名を尋ね、ついで庭師を
指さして「この者たちは」と問うので
「あたしに聞いたってむりでしょ」と
つい言ってしまう。

女王は激怒し「この者の首を切れい!」
と叫ぶが、「おばかさん!」とアリスが
大声で言うと黙り、王のとりなしで
この場はおさまる。


バラを調べた女王は庭師たちの首を
切れと命じるが、アリスは彼らを
植木鉢に隠してやる。


クローケーができるなら来いと女王に
言われてついて行くと、そこでやっている
のは生きたハリネズミをボールにし、
フラミンゴをバットにするクローケー。

     

「クローケー」(croquet)は
木製の球を木槌で打って
ゲートをくぐらせる、
ゲートボールに似た球技。

クローケーは大混乱に陥り、女王は
「首を切れい!」を連発するが、
空中に頭だけ出てきたチェシャ猫に
翻弄される。

女王に呼び出された飼い主の公爵夫人は
以前と違って上機嫌で、アリスが何かを
言うたびに教訓を見つけ出して教える。


女王はクローケーを続けようとするが、
次々と首を切らせるので、ついに
参加者がいなくなってしまう。

やっと終わりにした女王は、アリスに
海亀フー(Mock Turtle/にせ海亀)の話を
聞いてくるように命じ、グリフォンに
案内をさせる。

 
  グリフォン、アリス、海亀フー(テニエル画)


海亀フーは、彼が本物の海亀だったころ
通っていた学校の教練について話し、
歌いながらエビ(ロブスター)踊りも
始めるが、言葉はダジャレなどの
遊びに満ちている。



👩【結】(第11・12章)

「裁判がはじまるぞ~」との知らせで
アリスとグリフォンが駆けつけると、
被告人はハートのジャック。

容疑は女王のパイを盗んだことだと
白兔が罪状を読み上げている。

証人として呼ばれた帽子屋と侯爵夫人の
料理女の証言は、ともに珍問答になって
要領を得ない。


第三の証人として呼ばれたのはアリスで、
「何も知らない」と堂々と証言。

新たな証拠として白兎が詩を読み上げ、
王たちは、それがジャックの有罪の
証明だと言い出す。


女王は陪審員の評決より先に刑を
「宣告」してしまえと命じたので、
アリスが反論すると、女王は激怒。

「この者の首を切れい!」
と命じるが誰も動かない。

「あなたのいうことなんて、誰が聞くの?
みんなただのトランプでしょ?」
と言うと、トランプはすべて舞い上がり、
アリスめがけて落ちてくる。

アリスは小さく叫んで打ち払おうとする。

       

ふと気がつくと、アリスは姉の
膝を枕にして横になっていた。

長い夢を見ていたのだと知ったアリスは、
奇妙な冒険を姉にすべて語り聞かせて
から、お茶に遅れそうだと駆けていく。


姉は、アリスの話した夢を自分の脳裏に
ひととおり再現してから、アリスが
これからどんなおとなに成長するかを
思い描いてみる。




1903年、早くも映画化

さあ、どうでしょう。
しっかり怖がっていただけましたか?

ん? やっぱり怖くはない?

ハハハ、それはやはり「あらすじ」だけ
では伝えきれないところですので、ぜひ
原文を通読してみてくださいね。


ともかくこの『アリス』、150年も前に
出版されて以来、高い人気を保ち続けて
いるわけでして、映画の発明から10年と
たたない1903年には、なんとすでに
映画化されていたんですね。

それがこちら。👇



ニタニタ笑いするはずのチェシャ猫が
ちっとも笑わないところが笑えます(😸)



大正元年の『アリス物語』

日本に目を移しますと、明治末期から
翻訳は試みられていて、なかでも興味
深いのが大正元年(1912)に出ている
『アリス物語』という翻案。

これ、全10章あるんですが、第2章で
アリスは早くもトランプの女王と決裂して
別の冒険に出かけ、苦難の末に出会う
キャラクターが不思議な老婆。

この老婆から、娘にいちばん大切なものは
「貞操」だから、それを探して来いと
言われてそれを求めて旅立つんですね。

   
    『アリス物語』の挿絵


なんとまあ、これこそは『アリス』原作で
ぶっ壊された”物語”の復活。

しかもその露骨なメッセージが「貞操」とは…
と驚いてしまいますが、この反転(反動?)
にもそれなりの背景があって、実は作者の
永代静雄(ながよしずお)という人が
イワクつきの人物なんですね。


つまり…田山花袋の『蒲団』(1907)といえば
花袋本人が若い女弟子に岡惚れしてフラれる
経緯を赤裸々に描いた小説として有名ですが、
その女弟子(岡田八千代)の以前からの恋人
として注目されたのが、当時同志社大学生
だったこの永代さん。

その後二人は結婚したもののやがて離婚。

永代はジャーナリストとしてそこそこ
世間に知られる存在でした。

その彼が女性の「貞操」を訴えたかった
のだとしたら、これはまた意味深…
という次第(😹)

永代と岡田八千代はもちろん
メディアに騒がれてかなり
苦労したはずですが、
同じころ似たような目に
あった”新しい女”の代表格が
平塚らいてうですね。

彼女についてはこちらで
情報提供しています。

平塚らいてう塩原事件 才ある美人の不倫心中逃避行…なぜ?

      らいてう yjimage



👉 まとめ

いろいろと情報提供してきましたので、
それこそ頭がハチャメチャになりそう
かもしれませんが、なんとか整理して
自分なりに役立つものを取り出して
もらえればと思います。


ん? ハンプティ・ダンプティが
出て来なかった?

それはおあいにく。

でもあの人は続編の『鏡の国のアリス』で
登場するキャラクターで、『不思議の国』
には出ませんので、ご了承を;^^💦

    

さあ、読書感想文やレポートを書く
場合も、これでもう大丈夫ですよね、

上記の解説や情報を上手に生かして
くださいね。

え? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でも具体的に、どう進めて
いいかわからない( ̄ヘ ̄)?

当ブログでは日本と世界の多くの
作品について「あらすじ」や「感想文」
関連のお助け記事を量産しています。

お役に立ちそうなものをこちらの
リストから探してみてくださいね~(^^)у

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょ~~(^O^)/

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