アルジャーノンに花束を(キイス原作) あらすじ【ネタバレ注意】

 


やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズも
早くも第57回。
「あらすじ」暴露サービスとしては
第34弾となります。

今回はテレビドラマ化で話題になっている
ダニエル・キイス(米国)の傑作長編小説
『アルジャーノンに花束を』
Flowers for Algernon, 1966。
もとになった中編は1959)をとりあげます。
   


山下智久さんの主演でドラマ化
されたわけですが、原作はもちろん、
舞台も時代もまったく違うわけですし、
ストーリー自体もかなり大きく
変えられているようですね。

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というわけで、ここでは主として
ドラマよりむしろ原作小説の方に
興味をおもちの方に向けて、
原作のあらすじを、まあある程度は
ネタバレもありで(といっても、
それがドラマの方にとってもネタバレに
なるかどうかはわかりませんが)
できるだけ詳しくお伝えして
いきたいと思います。


👉 小説の仕掛け

それでは原作の小説の方に入っていきましょう。

原作は「けえかほうこく1」から
「経過報告17」までの17個の「報告」から
なっていまが、それらに書き込まれた
日付を見ると、「1」は3月3日で、
「17」の末尾は11月18日です。

つまり32歳の主人公、チャーリイ・
ゴードンの身にこの9か月足らずの間に
起こった出来事が、チャーリイ自身が
執筆する「経過報告」の形で読者に伝えられ、
その出来事の流れが一つの感動的な物語を
構成するという仕掛けなんですね。

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「経過報告」という正しい漢字が
あてられるのは「6」からで、それまでは
「けえかほうこく」のようなリテラシー
(識字)不十分な人によるらしい表記
となっていますが、これはもちろん
キイスの原作での工夫を反映するものです。

というわけで、すでにお気づき(あるいは
先刻ご承知)でしょうが、32歳にして
「けえかほうこく」としか書けなかった
人の知能が短期間に発達していくというのが
物語のミソで、そしてその後どうなるか、
という展開に読者は引き込まれるわけなんです。



👉 かなり詳しいあらすじ

では参りましょう。

なお、わかりやすさのため、「1」~
「17」の「経過報告」を私なりの解釈で
「起承転結」の4部構成に編成し直しています。

また「  」内は、原文〔小尾芙佐訳〕どおりの引用です。

【起】(「けえかほうこく1」~「経過報告7」)
「ぼく」(チャーリイ)はIQが「68」という
知的障害者で、少年時代に両親とは
別れ、今は一人ぐらし。

週3回通っているビークマン大学の
知的障害成人センターのアリス・
キニアン先生の推薦で、ニーマー教授の
グループで研究中の知的能力を向上させる
脳外科手術を受けることになり、
ストラウス博士の指示でこの「経過報告」を
書き始めている。

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叔父の親友だったドナーさんが営む
ニューヨークのパン屋で働いているが、
同僚たちのからかいにも笑顔で対応する
(悪意と受け取る知力がないので…)
温和な好青年と見られている。

ただ自分の「頭の悪さ」について
自覚はあり、賢くなりたいという願望も
あったので、「頭がよくなるなら」
と手術を受けることを承諾した。

手術前のテストの一環で、先に動物実験で
手術を受けたハツカネズミの
「アルジャーノン」と迷路を解決する
競争をしたが、十回やっても「ぼく」は
勝てず、アルジャーノンの「りこう」さに驚く。

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このアルジャーノンに施された手術の
臨床試験の被験者第1号に選ばれたのが
「ぼく」だった。



【承】(「経過報告8」~「経過報告12」)
「ぼく」は退院後も通院して
テストを受け続ける。

自分を負かすので嫌いだった
アルジャーノンをやがて負かすようになり、
「友だちになりたい」とも思う。

すなわち手術は成功した模様で、
知的水準は日に日に向上し、
報告書の英語も立派になっていく。


「私」(チャーリイ)のIQはついに185に達し、
特別に許可された大学での勉学では、
瞬く間に20もの言語や高度の数学を
習得したばかりか、自分に施された手術に
関わる医学の専門領域においてさえ
ニーマー教授らの学識をしのぐほどに
なってしまう。

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が、その一方、「感情的成長」が
「知的成長」に追いつかないという問題も
発生して人間関係に軋轢が生じ、かつては
愚かだからこそ愛してくれていた
同僚たちとの関係も悪化。

ついにパン屋を解雇されてしたものの、
手術に資金提供している財団から
給料が支給されることになる。


また先生のアリス・キニアンに性愛的な
感情を意識するようになり、アリスの
側でもその愛に応えようとするが、
行為に及ぼうとすると、幻覚などに
邪魔立てされて事を果たせない、
といった心理経験が繰り返される。

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こうした心理現象が、幼児期における
両親および妹との不幸な関係の
「シンボリックな反復」であることが
やがて理解されてゆき、同時に、
これまで思い出すこともなかった
幼児期の辛い記憶が明瞭に
よみがえってくる。

すなわち母親の虐待、そして妹に性的な
乱暴を働いたと見なされたことが
家族から見捨てられる契機に
なったことなど……。

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【転】(「経過報告13」~「経過報告15」)
実験の成功を学会で報告すべく
ニーマー教授一行は「私」と
アルジャーノンをつれてシカゴへ飛ぶ。

ニーマー教授の報告が進むにつれ
反感をつのらせていた「私」は、教授が
「ここで、チャーリイ・ゴードンに一言
(ひとこと)ご挨拶を…」と言った瞬間、
烈しい衝動に駆られて籠のかけがねを
引いて、アルジャーノンを逃がす。

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翌日の新聞は「白痴-天才と白ねずみ、
狂暴化」と騒ぎ立てているが、会場の
混乱をよそに、「私」はアルジャーノンを
見つけて、二人で逃げ出していた。


ニューヨークに戻った「私」はアパートを
借りるが、隣室の奔放な画家、フェイ・
リルマンと親しくなる。

フェイはあらゆる面でアリスと対照的で、
アリスとでは障害のあった性的な関係にも
円滑に入り込むが、「これは愛ではない」、
「愛」はアリスにあるとの意識をもち続ける。

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一方で幼時記憶のよみがえりは頻繁となり、
「幼いチャーリイ」の人格に成り
変わってしまう多重人格的な症状も現れ、
「私」の意識には混乱が増してくる。


やがてアルジャーノンに異変が現れ、
ものうげで、またフェイの指に噛みつくなど、
切迫した行動が見られるので、
ニーマー教授の研究室へ戻すことにする。

アルジャーノンの変化から知能の増進という
「手術の成果が一時的なものにすぎない」
可能性を見せつけられた「私」は、
研究室で実験動物を処理する焼却炉を
見てから、「ぼくについては、どんな方法を
とるおつもりですか?」とニーマーに尋ねる。

手術時点より「もっとプリミティブな
レベルに退行する」可能性をニーマーは
口にするが、それは「私」自身、独自の
調査によりすでに推測していたところだった。



【結】(「経過報告16」「経過報告17」)
アルジャーノンはやがて死に、亡骸を
貰い受けた「私」は持ち帰って
裏庭に埋め、墓に野の花を供えて泣く。


母に会いに行くが、彼女は
すでに認知症に近い状態。

そこへ現れた妹と打ち解けて話し、
彼女の自分への感情について
長い間、誤解していたことを知る。

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徐々に顕著になってきた知的機能の
崩壊にあらがって、「私」は知的退行を
引き止める手段を模索するが、それも
むなしく、記憶力・言語能力はどんどん
劣化して、報告書の英語も手術前の
幼稚な文章に戻って行く。

パン屋に再就職したものの、仲間たちに
迷惑をかけてしまうことを懸念し、
ウォレン養護学校への入校を自ら願い出る。


最後のものとなる「経過報告17」は
「とにかくぼくわか学のためにじゅー用な
ことをはっけんしたさいしょの
ばか人間なのわかけてもいい」
といった言葉で結ばれ、さらに次のような
「ついしん」がつけられている。

ついしん。どおかニーマー
きょーじゅにつたいてください
ひとが先生のことをわらても
そんなにおこりんぼに
ならないよおに、そーすれば
先生にわもっとたくさん
友だちができるから。

ひとにわらわせておけば
友だちをつくるのはかんたんです。

ぼくわこれから行くところで
友だちをいっぱいつくるつもりです。

ついしん。どーかついでが
あったらうらにわの
アルジャーノンのおはかに
花束をそなえてやってください。

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👉 感想文の題材には事欠かない

さて、いかがでした?

こんな「あらすじ」で用が足りたでしょうか。

まだ足りない、という向きには
うーん、これはもう作品全文を
読んで貰うしかありませんね。

450ページほどありますが、ぐいぐい
読ませるストーリーになっていますので、
あっという間に読めると思いますよ。

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これで読書感想文を書こうかという人にも
書けそうな題材はすでに結構、
浮かんでいるんではないでしょうか。


たとえば、人体実験の恐ろしさ。

動物実験だって、ほんとにやっていいのか。

知的障害者への接し方。

はたまた、人が「賢くなる」こと
そのものについて…

より具体的に、小説のどこに目をつけて
なにを書くか、といったことについては、
こちらを見てくださいね。
アルジャーノンに花束を(キイス原作)読書感想文の書き方

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ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てもらえたらと思います。

当ブログでは、
日本と世界の種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧


ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/




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