夏目漱石 吾輩は猫であるのあらすじ🐈簡単/詳しくの2段階で

 


吾輩は猫である。
名前はまだない。どこで生まれたか
とんと見当が……

いや、挨拶は抜きにさせてもらうが、 猫男kadnip_medium

本日はなんとその吾輩が
吾輩を生み出した母胎にほかならぬ
夏目漱石先生作『吾輩は猫である』
(1905-06)の「あらすじ」を述べよう
というんであるから、まことに縁は
異なもの、奇なるものである。

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つまり当ブログ「感想文の書き方」
シリーズの第59回、「あらすじ」暴露
サービス第36弾として、今回はお前がやれ、
とのサイ象君からの指令なんである。



さて、一口に「あらすじ」を知りたい
というても、話の骨子だけでよい
という場合から、読書感想文を書くとて
いささか詳細に……という場合まで、
千差万別であろう。

そこで、いっそのこと
持ってけドロボー猫((((((ノ゚⊿゚)ノ
の大サービス!

「ごく簡単なあらすじ」と
「やや詳しいあらすじ」の
2ヴァージョンを用意したんである。



👉 ごく簡単なあらすじ

まずはぎゅっと要約した
「ごく簡単」ヴァージョンの「あらすじ」。

中学教師の珍野苦沙弥(ちんの
くしゃみ)の家に拾われ、自らを
「吾輩」と称する猫が、自身の活動と、
猫の視点から眺めた人間世界とを
語ってゆく。

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珍野家によく来る水島寒月の縁談に
端を発する、実業家の金田家との
苦沙弥の闘いを一応の軸として
物語はゆるやかに進む。

最後に吾輩はビールに酔って甕(かめ)
に転落して水死する。

え? 面白くもなんともない?

うーむ、それは致し方のない
ところかも知れん。

全体的なストーリーの展開より
個々のエピソードや名言、議論の内容、
それに何より冒頭の「吾輩は猫である」から
一貫する、猫が人間世界を見渡すという
発想の新奇さ、文体の面白さの方に
特徴のある作品であろうから。

しかも、当初は第一章に当たる部分を
雑誌に発表してそれで終わりのつもりが、
大好評だったので続きを書けということ
になって、無理に物語をつなげていった
にすぎないんであるから、そもそも筋の
面白さなどは期待できんのである。

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そのような事情もあって、
作品の核心にふれるには、やはり
「やや詳しい」ヴァージョンのあらすじを
読んでいただかねばならんということになる。



👉 やや詳しいあらすじ

原作は雑誌「ホトトギス」に載せた際の
番号「一」~「十一」で仕切られておるが、
ここではわかりやすさをおもんぱかって、
吾輩の判断でこれらを「起・承・転・結」の
4部にまとめておいた。

「 」内は原作そのままの引用で、
そのまま名言(あるいはその一部)となって
いる場合もあるので注意されたい。

【起】(一)
「吾輩」は薄暗いじめじめしたところに
捨てられていた猫で、中学教師
珍野苦沙弥の家に入り込み、下女の
おさんらとの苦闘の末、「内へ置いて
やれ」という主人の一声に救われて
当家に住み着くようになった。

主人の苦沙弥は胃弱のくせに大食、
多趣味で何にでも手を出しながら
何ひとつモノにならず、近所の
笑いものになっている変物で、
遊びに来る友人たちも変人ぞろい。

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近所の猫との交流も始まり、「猫中の
大王」とも見える車屋の黒からは、
人間がいかに不人情で不徳義かを
聞かされるが、その黒もやがて衰弱。


【承】(二~四)
珍野家に集う友人たち――金縁眼鏡の
美学者迷亭、大学でレンズ磨きに
いそしむ水島寒月、自称詩人の越智東風……
――は「太平の逸民(いつみん)」とも
呼ばれるヒマ人で、知的な笑いを誘う
勝手な論談にふける。

時に難解ともなるこの「論談」と
吾輩の考察とが全章にわたって
多くのページを占めていることが、
この作品の読みにくさの一因ではある。

【論談の一例】
西洋料理屋で迷亭が外国帰りの
ふりをして「トチメンボーを二人前」
と注文すると、ボーイが奥と相談
してから「近頃はトチメンボーの
材料が払底(ふってい)で」と残念
そうに言ったが、実はこの「トチメ
ンボー」というのは「橡面坊」
という俳人の号(ペンネーム)。

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吾輩は、琴の師匠の家の猫、三毛子と
話すと、「心が晴々して……
生れ変つた様な心持ちになる」。

こうして「女性の影響」の莫大さを
知ったが、その三毛子もやがて病死し、
吾輩は「世間がものうく感ぜられ」て
主人に劣らぬ「無性猫(ぶしょうねこ)」となる。

ある日、実業家金田の夫人  テングザルborneo-205096__180 
(その偉大な鼻により「鼻子」と
呼ばれる)が苦沙弥を訪ねて来、
娘の富子と寒月とで持ち上がっている
結婚話で、寒月が博士になれば娘を
やると言うので、苦沙弥は怒り、
話は決裂する。

このことから金田家の嫌がらせが
始まり、吾輩は金田家に忍び込んで
探偵するようになるが、いろいろと
手を回して嫌がらせを画策している
ことを聞きつける。

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【転】 (五~九)
珍野家に泥棒が入り、その仕事ぶりを
吾輩は見守るが、何もしない。

せんだってから日本はロシアと
「大戦争」をしているそうで、吾輩も
「猫中の東郷大将」よろしく戦略的に
ネズミを取ろうとするが、果たせない。

寒月、迷亭、東風らと     003203
「神秘的」な「霊の交換」から
恋愛と女性の今昔などについて談じ、
苦沙弥はやがて「短文」を読む。

大和魂!と叫んで日本人が
肺病やみのような咳をした。〔中略〕
誰も聞いた事はあるが、
誰も遇(あ)った者がない。
大和魂はそれ天狗の類か。


珍野家に近い落雲館中学校の生徒が
苦沙弥宅の庭に野球ボールを
打ち込み、苦沙弥は激怒する。

これも金田が裏で糸を引く   ボール020905
事件とわかって苦沙弥は逆上。

心を鎮めようと催眠術を受けてみたり、
西洋的な「積極主義」を否定して
「心を自由にする修業」を説く東洋流の
哲学を八木独仙から聞いたりする。

ついには「瘋癲院」収容中の狂人の
作品に感服し、「瘋癲院に幽閉されて
いるものは普通の人で、院外にあばれて
居るものは却って気狂である」
とも考えて惑乱する。


【結】 (十、十一)
レンズ磨きに失敗した寒月は帰郷して
別の娘と結婚し、富子は珍野家の
元書生で実業家の多々良三平と
結婚することになる。

珍野家で例のメンバーがこの二つの
結婚の内祝いをし、無駄話をする。

「とも角も女は全然不必要なものだ」
叫び。苦沙弥)、将来は「中学校で
倫理の代りに自殺学を正科として
授ける様になる」(ドクロ。独仙)
といった極論も吐かれ、
客たちが帰って行くと、吾輩は考える。

主人は早晩胃病で死ぬ。
〔中略〕
死ぬのが万物の定業で、生きて
いてもあまり役に立たないなら
早く死ぬ丈が賢いのかも
知れない。
諸先生の説に従えば人間の
運命は自殺に帰するそうだ。


「気がくさくさして来た」ので、
景気づけに飲み残しのビールを飲んで
みた吾輩は、ほろ酔い機嫌で歩くうち、
足を踏み外して甕(かめ)のなかに
転落する。

脱出を試みたものの、  866c4d06c7079278d3cbad65b7a0fe38_s
やがてあきらめた吾輩は、すべてを
自然の力に任せることにする。

吾輩は死ぬ。
死んでこの太平を得る。
太平は死ななければ得られぬ。
南無阿弥陀仏、々々々々々々。難有い々々々。




👉 吾輩が死ぬ結末の意味は?

何? やはりよくわからん?

それならもう、全文をじっくりと
読んでもらうしかないが、
そうはいっても、読み通しても
「わかる」という保証はないかも知れん。


多様な名言や哲学的な問題がごった煮の
ように投げ込まれていて、しかもその
一つ一つがなかなか難解と来ている。

であるから、誰にも文句のつけられない
取捨選択で「あらすじ」を書くことなど
不可能であって、上記の「詳しいあらすじ」も
特定の視点(見方・テーマ)に偏っている
といわれれば、その批判は甘んじて
受けるほかないいんである。

つまり吾輩として、この作品全体に   stone-figure-174980_150
にじんでいると思うのは、結末でそれが
爆発的に明示されるとおり、「死」の
テーマであるので、そのような
まとめ方になったんである。

別の言い方をすれば、吾輩が結末で
死ぬこと、最終回で急遽思いつかれた
わけではなくて、その意味は前半から
埋め込まれていたはずだ、と。


これに通ずるまとめ方は、
下記のラジオドラマでも
しておられるようなので、
いささか意を強くした次第だ。





👉 まとめ

さあ、これで読書感想文も書けるであろう。

上記「詳しいあらすじ」から
ほかにもいろいろなテーマを
見つけることができるはずだ。

ん? 書けそうなテーマは
ぼんやり浮かぶが、具体的に
どう書いていいかわからん( ̄ヘ ̄)?

それならまず、こちらを参照されたい。
吾輩は猫である(夏目漱石)で感想文:魯迅も学んだ「人間批判」

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いや何も『吾輩は猫である』の世界に
とどまる必要はない。

漱石先生のほかの作品を読んでみて、
内容や雰囲気の違いについて考える
というのも、高度な感想文のためには
有効な方法であろう。

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当ブログの漱石論としては
ほかにこんな記事もあるので、
ぜひ参照されたい。

漱石の名言でたどる恋愛💛『吾輩』猫が読み直す『こころ』etc.
夏目漱石 坊っちゃんのあらすじ&簡単なポイント解説
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また当ブログでは、漱石以外にも
日本と世界の種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しておるので、
こちらのリストから探されるとよい。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく諸君の健闘を祈る次第である。

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