節分で登園拒否?鬼のお面が怖いから…豆まき参加を穏便に辞退する方法
節分となれば「オニワーソト!」。
これは外せない日本の伝統行事。
というわけで、日本中のたいがいの
幼稚園・保育園でも恒例行事に
なっています。
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でもこれが園児と親御さんに思わぬ
ストレスを与えている場合もあって、
豆まきをやる日には登園拒否に
なってしまうとかいう話も
近ごろはよく耳にします……
前の年の「鬼」があまりに怖かったので
節分が近づくと「休みたい」とか、
「もう幼稚園をやめたい」とか毎日の
ようにぐずってるだとか、実際、
その恐怖がトラウマになってチック
症状が出た、だとか。
はたまた行事前日に「鬼」が怖いから
イヤと先生にいったら、じゃあ、
明日は来なくていいと言われたとか…
さて、どうしましょう?
👹 豆まき参加拒否の理由
方策はいろいろあるでしょうが、《豆まきへの参加を拒否する》こと、
あるいはいっそ《行事自体をやめて
もらう》ことも不可能ではない
はずです。
ここではまずその方法を考えるところから、
そもそもなぜ鬼に豆をまかなければ
ならなくなったのか、その意味や由来を
探求していきたいと思います。
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1.渡辺・坂田・アベの者ですから…
「参加を拒否する」なんて強く出ればもちろん角が立ちますから、ここは
穏やかに「参加できない理由」を
挙げて辞退するのが得策でしょう。
その一法が、自分の家は先祖代々豆まきを
しないことになっているので…というもの。
実際、そう伝承されている姓としては、
「渡辺」(渡部も可)、「坂田」、そして
「アベ」があります。
由来はその昔、渡辺綱(わたなべのつな)、
坂田金時(さかたきんとき)が鬼をしっかり
対峙したので、もう必要ない(鬼は覚えて
いるから近づかない)ということ。
👉坂田金時は、何を隠そうあの金太郎の
成人後の名前!
金太郎の鬼退治をめぐっては
こちらをご参照ください。
・金太郎物語の(ほぼ誰も知らない)ストーリー!鬼退治は何のため?
「アベ」の場合ははっきりしませんが、
おそらく安倍晴明(あべのせいめい)が
鬼に恐れられているのでしょう。
ん? 我が家は渡辺でも坂田でも
アベでもない?
問題ありません。
旧姓がそうだとか、先祖がそうだった
とか言っとけばよいではないですか;^^💦
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2.”鬼”差別はよくない
姓で言いますと、渡辺・坂田・アベ以外でもたとえば「鬼塚」「鬼頭」など”鬼”のつく
名字の人は、この名字だけで立派に
豆まき不参加の理由になります。
「鬼は外」だなんて、われわれを名前
だけで差別するのはいかがなものか、
と抗議してもいいはずです。
実際、そういう名前のせいで節分では
いつも鬼役をやらされて、つらい思いを
されてきた鬼塚さん、鬼頭さんも
いらっしゃるのです。
それにしても、”鬼”っていったい
何(だれ)なんでしょう?
どうしても絶対的な”悪”として「外」へと
排除されなければならないものならば、
なぜ「鬼塚」とか「鬼頭」とか”鬼”の
つく物騒な名字が発生したのでしょう。
というわけで、ここは”鬼”とは
そんもそも何だったのかという
歴史をたどる必要が出てきます。
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👹 “鬼いじめ”の歴史
保育園・幼稚園などで節分の豆まきをしないことに驚いたという話をまま耳に
しますが、これ告は関西以外から関西へ
移り住まれたご両親に多いようです。
調べたわけではありませんが、このことは
差別や人権について意識の高い地域が
関西に多い、ということと無関係では
ないように思われます。
古来、日本人が「鬼」としてイメージして
きた存在は、要するに大和朝廷に従わず
「山で集団生活する」ようになった「棄民」
とその末裔だというのが、馬場あき子さん
の名著『鬼の研究』(👇)の教えるところでした。
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「鬼」も人間だというこの意識が入り
込めば、「鬼追い」「鬼やらい」の
豆まきも、ただちに「差別」となり
「いじめ」と化します。
「鬼の人権問題」が発生するわけですね。
この観点からすると「桃太郎」なんて完全な
「鬼いじめ」で、実際、芥川龍之介の小説
「桃太郎」(1924)はそういうテーマで
書かれてますね。
👉「桃太郎と鬼」の問題をめぐっては、
こちらもご参照いただけると
ありがたいです。
・桃太郎さん,鬼が何をしたの?鬼退治は正義か悪か,いろんな理屈く
というような次第で、浜田広介のあの
切ない童話「泣いた赤おに」も、関西では
「(鬼の)人権問題」の教材として使われる
場合がままあるようです。
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さあ、これを読みなおして「(鬼の)
人権問題」を考え直しましょう!
いやまあ、そうむずかしいことを
言わなくても、貰い泣きしていただく
だけでもいいんですが、そんな時間は
ないという方には、紙芝居の上演を映像で
ご覧にいただきましょうか。
👹 声を上げましょう
さて、節分の豆まきをこれからどうしていった方がいいのか、なかなか微妙な
問題ですよね。
差別を助長するものとして廃止ないし
変形していくべきか、文化遺産としての
伝統行事をそのまま伝えていくべきか……。
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まあ、どちらにも一理あって、なかなか
態度を決めにくい問題ですが、ぜひ
どちらかに決めてそしいと思う人は
積極的に声を上げていけば
いいんじゃないでしょうか。
学校や幼稚園など組織の方針を変えさせる
ことはなかなかむずかしいでしょうが、
自分の意見を言うことは許される
はずですから。
それを伝えれば、かりに主張が
通らなくても、言っただけ気持ちが
スッキリする場合もありますし。
私は「こう思う」と冷静に述べましょう。
そして場合によっては、「こう思う」が
ゆえにその行事には参加しない
(させない)と。
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👹 狸さん、可哀想ね
昔話で悪役にされてきたのは鬼ばかりではありません。
動物では狸なんかが悪い上にみっともない
サイテーの役をふられてきています。
たとえば太宰治の『お伽草紙』(1945)
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の冒頭には、こんなエピソードがありました。
東京大空襲の防空壕の中で太宰が五歳の
娘さんに絵本を読んでやるのですが、
「カチカチ山」が終わると、娘さんが
「狸さん、可哀想ね」と「意外な事を
口走」り、それが太宰版「カチカチ山」の
インスピレーションになったというのです。
『講談社の絵本 かちかち山』より
(1941年刊行で絵は尾竹国観。防空壕で
太宰が娘に読み聞かせた絵本も
これかもしれません。)
そう感じるように大人が働きかけたわけ
でもないのに、子どもが自発的に「狸さん、
可哀想ね」とつぶやいたのだとしたら、
その優しさに感動していいんじゃ
ないでしょうか。
👉「「カチカチ山」をめぐっては
こちらをご参照ください。
・かちかち山のあらすじ:兎は怖い?太宰治版”カチカチ山”はもっと怖い?
また節分の豆まきをめぐって、
さらに詳しくはこちらも。
・豆まきの由来を子供にどう説明?👹なぜ鬼は外?”鬼は内”もあり?
・節分の京都でおすすめは?狂言を鑑賞して懸想文を貰おう
狸さんや鬼さんもつらいんだ、とわかる
その優しさを大事にしてあげては
どうでしょう。
それはまた~(=⌒▽⌒=)
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