モモ(エンデ)で読書感想文どう書く?【2000字の例文つき】
サクラさん
キャー 読書感想文が
間に合わない(🙀)
まだ何を書くかも
決まらず、時間との
闘いです!
間に合わない(🙀)
まだ何を書くかも
決まらず、時間との
闘いです!
ハンサム 教授
それならミヒャエル・
エンデの『モモ』で
やってみたら?
まさに時間との闘いが
テーマですから;^^💦
エンデの『モモ』で
やってみたら?
まさに時間との闘いが
テーマですから;^^💦
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サクラさん
時間と闘うんですか?
ハンサム 教授
というより”時間
泥棒”との闘い。
なぜ時間がなくなるか
というと”時間泥棒”に
盗まれているからで、
彼らは”時間貯蓄銀行”
から派遣されている。
この巨大な組織の発生
源にあった思考法は
要するに”Time is
money”(時は金なり)
なんですね。
泥棒”との闘い。
なぜ時間がなくなるか
というと”時間泥棒”に
盗まれているからで、
彼らは”時間貯蓄銀行”
から派遣されている。
この巨大な組織の発生
源にあった思考法は
要するに”Time is
money”(時は金なり)
なんですね。
サクラさん
はは~(🐱) すると
モモの主張は「時は
金じゃない!」と
いうことに?
モモの主張は「時は
金じゃない!」と
いうことに?
ハンサム 教授
そうともいえる。
時間は人に差し出して
共有するもの…
せこく貯め込んでも
幸せにならないよ…
てとこかな。
時間は人に差し出して
共有するもの…
せこく貯め込んでも
幸せにならないよ…
てとこかな。
サクラさん
なるほど。私の時間を
差し出しますので
代わりに書いて
くれませんか(😹)
差し出しますので
代わりに書いて
くれませんか(😹)
ハンサム 教授
ダメ~;^^💦
というわけで、おなじみ”感想文の書き方”
シリーズ第156回はミヒャエル・
エンデ(1929-95)の名作児童文学『モモ』
(1973)で行きますよ~((((((ノ゚⊿゚)ノ
もちろん話の内容を知らなくっちゃ
読書感想文は書けませんから、
まずはしっかり読みましょ~。
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ん? 長いからヤだ?
時間がない?
う~ん、困りましたね。
その時間ってものこそが作品の
主題のようなんですけど……
だからこそ時間を節約すべきだ?
ハイハイ、それでは一応そういうことに
して、時間のない人はこちらで
「あらすじ」を仕込んでおいてください。
👉・モモ(エンデ)のあらすじ ⏲ネタバレ御免で結末まで
感想文の例(2000字)
はい、ストーリーが確認できましたら、さっそく感想文に取り組みましょう。
まずは2000字(400字詰め原稿用紙5枚)
程度でと要求されたサクラさんが
書き、これにハンサム教授が添削の
手を入れた試作品の読書感想文を
お目にかけます。
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高校レベルのコンクールなどで入賞
できるだけの内容を狙っていますので、
中学校や小学校のみなさんには多少、
高度かもしれませんが、参考になる
はずですから、ぜひ読んでみてください。
ミヒャエル・エンデの『モモ』は
「時間」を主題にしたファンタジー
だと思います。
まず登場人物とあらすじをかんたんに
紹介しておきます。
モモは大都会の今は廃墟になっている
円形劇場にどこからともなくやって
来て住み着いた不思議な少女です。
年齢も8歳くらいとも12歳くらい
とも見えてよくわからず、
学校にも行っていません。
ほかの子どもや大人たちと違って
時間はもてあましているので
誰の相談にも乗ってくれるのですが、
話した人はみなそれだけで幸せに
なってしまいます。
そんなモモを私もたちまち好きに
なりましたが、彼女はおそらく普通の
人間ではなく、どこか特別なところから
派遣された「天使」のような存在では
ないかと思えました。
日本の昔話でいえば、たとえば桃太郎が
鬼退治のために、最初に大きな桃に
入って川上から流れてくるのに似ている
と思ったのです(「モモ」と「桃」の
シャレではありません)。
物語を読み進めていくと、案の定、
モモは「時間泥棒」(「時間貯蓄銀行」
から派遣されている灰色の男たち)との
たたかいという特別な仕事を引き受けて
行くことになりました。
もちろん一人でたたかうのではなく、
以前からの親友である道路掃除夫の
ベッポ老人や、ほらふき観光ガイドの
ジジらとの協力で「時間泥棒」を
追いつめるのですが、敵もさるもの、
背景には強大な組織があり、逆に
分断され、捕らえられそうになります。
ピンチに追い込まれたモモの前に
現れるのがカシオペイアという大きな
カメで、彼はモモを「時間の国」の
〈どこでもない家〉へ連れて行き、
そこでマイスター・ホラという、
これまた人間とは思えない不思議な
存在に引き合わせます。
モモはこのホラから「時間泥棒」の
実態や背景とその撲滅方法、そして
時間そのものについて、すべての
秘密を教えられ、それにしたがって
たたかうことで、彼らを撃退して
しまいます。
その結果、「時間泥棒」のいなく
なった町に生気と明るさが戻って、
めでたしめでたし…
というハッピ-エンドになります。
この物語が伝えようとしている
ことは明らかで、現代人がおちいって
いる時間の使い方について考え直そう
ということだろうと思いました。
「時間泥棒」とか「時間貯蓄銀行」
とかは、その言葉の成り立ちから
明らかなとおり、「時間」を「お金」
に見立てる発想から来ています。
つまり”Time is money”(時は金なり)
ということわざを地で行っており、
物語はそれをひっくり返してしまう
ので、「時は金ではない」と主張
しているのだと思います。
「時間の節約」ということを先生も
よく言われますし、私の親もよく
言うので、私自身もそれがいつも頭に
あるような状態で生きています。
でも、よく考えてみると、時間は
お金に似た面もあるけれども
ほんとうは全然別物なので、貯蓄して
あとで使うとか、投資して倍にする
とかはできません。
ケチケチしてため込まず、家族・友人
などほかの人に惜しみなく分け与え、
共有するようにしていかないと幸せに
なれないというのが、この物語を
通して作者が教えようとしている
ことなのだろうと思いました。
この主題とは少しはずれますが、
読んでいてもう一つ私が気になった
のは、作者のエンデは日本の昔話
「浦島太郎」を知っていたのだろうか
ということでした。
この疑問は、モモを「時間の国」へ
連れて行ってマイスター・ホラに
会わせるのがカシオペイアという
カメだったことから、私の中で
大きくふくらみました。
浦島太郎は、同じようにカメに
連れられて海底の竜宮城へ行き、
そこで乙姫という美女の歓待を受け、
我を忘れて楽しい時間をすごし、
帰らなければと思った時には、乙姫が
玉手箱をくれますが、その際、
おかしなことには「この箱をあけては
いけません」と釘を刺されます。
地上へ戻ったものの家もなく知人も
いないので絶望して玉手箱をあけると
白い煙が出て、太郎は一気に老人に
なってしまいます。
つまり竜宮城での数日間は地上での
何百年にも相当していたから…
という、日本人なら誰でも
知っている物語です。
玉手箱に封入されていた煙について
考えると、これは竜宮城であっという
間に過ぎていた何百年かを凝縮した
もので、この意味で玉手箱は「時間
貯蓄銀行」だったともいえます。
またカシオペイアがモモを連れて行った
〈どこでもない家〉も、「1日をすごす
間に、通常の世界では1年がすぎる」
という特異な世界であり、竜宮城に
たいへんよく似ています。
ただ浦島の場合は「時間の節約」
というような現代人的な感覚はなく、
ただ乙姫との濃密な時間を共有して
いる間に、家においてきた両親の
時間はほとんど瞬間的に吹っ飛んで
いたわけです。
そのことを戒めているのだとすれば、
主題は『モモ』とは全く違うわけ
ですが、物語に共通点がることを
とても面白く思いました。
(1943字)
「時間」を主題にしたファンタジー
だと思います。
まず登場人物とあらすじをかんたんに
紹介しておきます。
モモは大都会の今は廃墟になっている
円形劇場にどこからともなくやって
来て住み着いた不思議な少女です。
年齢も8歳くらいとも12歳くらい
とも見えてよくわからず、
学校にも行っていません。
ほかの子どもや大人たちと違って
時間はもてあましているので
誰の相談にも乗ってくれるのですが、
話した人はみなそれだけで幸せに
なってしまいます。
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そんなモモを私もたちまち好きに
なりましたが、彼女はおそらく普通の
人間ではなく、どこか特別なところから
派遣された「天使」のような存在では
ないかと思えました。
日本の昔話でいえば、たとえば桃太郎が
鬼退治のために、最初に大きな桃に
入って川上から流れてくるのに似ている
と思ったのです(「モモ」と「桃」の
シャレではありません)。
物語を読み進めていくと、案の定、
モモは「時間泥棒」(「時間貯蓄銀行」
から派遣されている灰色の男たち)との
たたかいという特別な仕事を引き受けて
行くことになりました。
もちろん一人でたたかうのではなく、
以前からの親友である道路掃除夫の
ベッポ老人や、ほらふき観光ガイドの
ジジらとの協力で「時間泥棒」を
追いつめるのですが、敵もさるもの、
背景には強大な組織があり、逆に
分断され、捕らえられそうになります。
ピンチに追い込まれたモモの前に
現れるのがカシオペイアという大きな
カメで、彼はモモを「時間の国」の
〈どこでもない家〉へ連れて行き、
そこでマイスター・ホラという、
これまた人間とは思えない不思議な
存在に引き合わせます。
モモはこのホラから「時間泥棒」の
実態や背景とその撲滅方法、そして
時間そのものについて、すべての
秘密を教えられ、それにしたがって
たたかうことで、彼らを撃退して
しまいます。
その結果、「時間泥棒」のいなく
なった町に生気と明るさが戻って、
めでたしめでたし…
というハッピ-エンドになります。
この物語が伝えようとしている
ことは明らかで、現代人がおちいって
いる時間の使い方について考え直そう
ということだろうと思いました。
「時間泥棒」とか「時間貯蓄銀行」
とかは、その言葉の成り立ちから
明らかなとおり、「時間」を「お金」
に見立てる発想から来ています。
つまり”Time is money”(時は金なり)
ということわざを地で行っており、
物語はそれをひっくり返してしまう
ので、「時は金ではない」と主張
しているのだと思います。
「時間の節約」ということを先生も
よく言われますし、私の親もよく
言うので、私自身もそれがいつも頭に
あるような状態で生きています。
でも、よく考えてみると、時間は
お金に似た面もあるけれども
ほんとうは全然別物なので、貯蓄して
あとで使うとか、投資して倍にする
とかはできません。
ケチケチしてため込まず、家族・友人
などほかの人に惜しみなく分け与え、
共有するようにしていかないと幸せに
なれないというのが、この物語を
通して作者が教えようとしている
ことなのだろうと思いました。
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この主題とは少しはずれますが、
読んでいてもう一つ私が気になった
のは、作者のエンデは日本の昔話
「浦島太郎」を知っていたのだろうか
ということでした。
この疑問は、モモを「時間の国」へ
連れて行ってマイスター・ホラに
会わせるのがカシオペイアという
カメだったことから、私の中で
大きくふくらみました。
浦島太郎は、同じようにカメに
連れられて海底の竜宮城へ行き、
そこで乙姫という美女の歓待を受け、
我を忘れて楽しい時間をすごし、
帰らなければと思った時には、乙姫が
玉手箱をくれますが、その際、
おかしなことには「この箱をあけては
いけません」と釘を刺されます。
地上へ戻ったものの家もなく知人も
いないので絶望して玉手箱をあけると
白い煙が出て、太郎は一気に老人に
なってしまいます。
つまり竜宮城での数日間は地上での
何百年にも相当していたから…
という、日本人なら誰でも
知っている物語です。
玉手箱に封入されていた煙について
考えると、これは竜宮城であっという
間に過ぎていた何百年かを凝縮した
もので、この意味で玉手箱は「時間
貯蓄銀行」だったともいえます。
またカシオペイアがモモを連れて行った
〈どこでもない家〉も、「1日をすごす
間に、通常の世界では1年がすぎる」
という特異な世界であり、竜宮城に
たいへんよく似ています。
ただ浦島の場合は「時間の節約」
というような現代人的な感覚はなく、
ただ乙姫との濃密な時間を共有して
いる間に、家においてきた両親の
時間はほとんど瞬間的に吹っ飛んで
いたわけです。
そのことを戒めているのだとすれば、
主題は『モモ』とは全く違うわけ
ですが、物語に共通点がることを
とても面白く思いました。
(1943字)
どうです?
さすがに教授の添削を受けている
だけあって、なかなかのもん…
ではないですか;^^💦
これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、ところどころ
つまみ食いして、自分らしい文章に
変えて使ってもらうのはかまい
ませんよ~。
もっと短い字数で要求されている
場合は、必要なさそうな部分
(あらすじを書いているところ
とか、浦島太郎との比較とか)を
切り捨ててスリム化してください。
逆にもっと字数がほしい場合は、
自分の経験や考えをどんどん入れて
ふくらましていけばいいわけです。
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「時は金なり」の解体
ん? 『モモ』で考えられている「時間」の概念が今一つはっきりしない?
まあ、それは短い感想文ではなかなか
説明しきれないところでしょうから
無理もありません。
気になる人は、マイスター・ホラが
「時間」の秘密を解き明かす第12章を
しっかり読んでいただくのが一番
ですが、例によって「そんな時間も
ない」ということでしたら、
下の動画で独日対訳の「名言集」を
じっくり読んでみるのもよいのでは
ないでしょうか。
ミヒャエル・エンデの時間論を
私なりにまとめると、以下の
ようになります。
「時は金なり」の考え方で時間を
節約することの弊害(よくない
点)は「他者と時間を分かち合う
ことができなくなる」こと。
これすなわち
「時間の節約」
👇
「他者に応答することの否定」
👇
「他者を愛することの不可能」
という負の連鎖。
「時間」は本来そうならない
ためのもので、「生きること
そのもの」のはず。
だから「時間をもつ」とは
「相手のペースのなかに自分の
時間をさし出すこと」。
「待つ」とは「自分の計画
どおりに時間を使うことの断念」。
節約することの弊害(よくない
点)は「他者と時間を分かち合う
ことができなくなる」こと。
これすなわち
「時間の節約」
👇
「他者に応答することの否定」
👇
「他者を愛することの不可能」
という負の連鎖。
「時間」は本来そうならない
ためのもので、「生きること
そのもの」のはず。
だから「時間をもつ」とは
「相手のペースのなかに自分の
時間をさし出すこと」。
「待つ」とは「自分の計画
どおりに時間を使うことの断念」。
どうでしょう。
「時間」について自分が抱えている問題と
上記の哲学をなんとか照合・合体させて、
文章にしてみてはどうでしょうか。
いまくいけば、花丸(💮)がもらえる
優秀感想文が書けてしまうこと
請け合いですよ;^^💦
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エンデは浦島を知っていたか
さあ、これでもう大丈夫ですよね、『モモ』の読書感想文。
ん? それよりサクラさんが指摘していた
『浦島太郎』との類似が気になった?
なるほど、これも面白いテーマですよね。
はたしてエンデは『浦島太郎』の
物語を知っていたんでしょうか?
その可能性は十分あると思いますが、
実際、どうなんでしょう……
知ってる人は教えてください。
これについて調べて書くことができたら、
それはもう読書感想文の域を超えて、
大学・大学院の「論文」のレベル
でしょうね。
いや、調べがつかなくてもいいので、
浦島物語に重ねてみることで、サクラさん
とはまた違う『モモ』の読み方が出てくる
かもしれませんよ。
ぜひトライしてみてください。
👉『浦島太郎』については、
こちらで情報提供していますので
ぜひ参考にしてください。
・浦島太郎の意味って?善行も”禁断の玉手箱”で罰せられ…
・浦島太郎 玉手箱の意味は?パンドラの箱を重ねた太宰治
まとめ
さあ、これだけの情報があればもうバッチリですよね、読書感想文。
ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でもやっぱり自信が…
だってもともと感想文の類が苦手で、
いくら頑張って書いても評価された
ためしがないし(😿)…
具体的に何をどう書けばいいのか
全然わからない( ̄ヘ ̄)…?
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う~む。そういう人は発想を転換して
みるといいかもしれない;^^💦
そもそも日本全国で盛んに奨励されている
読書感想文の発祥の源は「コンクール」。
各学校の先生方の評価基準もおのずと
「コンクール」での審査に準拠する
形になっているのです。
だから、読書感想文の上手な人は
そのへんのことが(なんとなくでも)
わかっている人。
さて、あなたはどうなのかな?
👉「コンクール」での審査の基準を
知るには、実際に出品され大臣賞などを
受賞している感想文をじっくり読んで
分析してみるのがいちばんの早道。
こちらでやっていますので、
ぜひご覧ください。
・読書感想文の書き方【入賞の秘訣4+1】文科大臣賞作などの分析から
・セロ弾きのゴーシュで読書感想文!コンクール優秀賞作(小2)に学ぶ
・アルジャーノンに花束を の感想文例!市長賞受賞作【2000字】に学ぶ
そちらで解説している「書き方」を踏まえて
当ブログでは多くの感想文例を試作・提供
してきましたが、このほどそれらの成果を
書籍(新書)の形にまとめることができました
ので、ぜひこちらも手に取ってご覧ください。
👇
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買う前にその「予告編」が見たいという人は
こちらでどうぞで。
・読書感想文 書き方の本はこれだ!サイ象流≪虎の巻≫ついに刊行!!!
👉上記の本『読書感想文 虎の巻』は
当ブログで提供し続けてきた「あらすじ」
や「感想文」関連のお助け記事の
ほんの一部でして、載せきれていない
記事もまだまだ沢山あります。
気になる作品がありましたら、
こちらのリストから探して
みてください。
・「あらすじ」記事一覧
・≪感想文の書き方≫具体例一覧
ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/
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こんなコメントが来ています