大学のゼミが就職を左右する!その(目に見えない)理由とは?
やあやあサイ象です。
大学には入ったけれど、なるべく
楽にスルーして、スイスイ就職したい。
だからゼミ(演習)ってのも、うちの
学部では全員必修ではないので、
入らずにすましちゃおう……
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ひょっとして、そんなふうに思ってます?
でもそれ、考え直した方がいいですよ。
“スイスイ”就職する自信があるなら
それも結構ですが、なかなかそう甘い
世界ではないことは耳に入って
いるんじゃないですか?
ゼミに入らない手はない
ゼミに入るのと入らないのとで、就活(就職活動)にはどちらが有利か?
例外はあるとしても、基本的には
入っている人の方が断然有利。
これはいろんな意味で言えます。
オッと、申し遅れました。
私は長年、大学教師としてゼミも担当
してきた者で、たくさんの学生さんを
見てきていますので、そのへんの
事情はよくわかっているんです。
そこで今回は、ゼミが就職を左右する
という実態について、その明白な
(あるいは目だたないけれども、
たしかにある)理由について
解説して行こうと思います。
1. 就職白書2019:企業と学生とのギャップ
就職「内定」を勝ち取るまでにいくつもある難関のうち最大のものが面接で、多くの
学生さんがここで脱落していきます。
何がマズいのか?
それは色々でしょうが、たぶん最も多い
失敗例は、志願者が漠然と持っている
《「こういう人材を求めているだろう」
という思い描き》と《実際に企業が
求めている人材》とが根本的に
ズレているという場合です。
論より証拠、たとえば「就職みらい研究所」
(「リクルートキャリア」社の研究機関)が
例年、全国の企業と大学・大学院の就活生を
対象に実施している調査の結果を
見てみましょう。
👉複数回答によるパーセンテージで、
企業側(左)と学生側(右)とで格差が甚だしい
項目では、目印として数値の大きい
側に⦅🙀⦆を置いています。
項目 | 企業が採用基準で重視する度合い(%) | 学生が面接等でアピールする度合い(%) |
---|---|---|
人柄 | 92.2⦅🙀⦆ | 32.1 |
自社/その企業への熱意 | 74.8⦅🙀⦆ | 17.4 |
今後の可能性 | 66.9⦅🙀⦆ | 10.1 |
性格適性検査の結果 | 44.2⦅🙀⦆ | 2.6 |
基礎学力 | 38.0⦅🙀⦆ | 5.2 |
能力適性検査の結果 | 35.5 ⦅🙀⦆ | 2.6 |
アルバイト経験 | 21.2⦅🙀⦆ | 44.0⦅🙀⦆ |
大学/大学院で身につけた専門性 | 21.0 | 19.7 |
学部・学科/研究科 | 18.1 | 16.4 |
大学/大学院名 | 14.7 | 20.5⦅🙀⦆ |
大学/大学院での成績 | 13.9 ⦅🙀⦆ | 10.3 |
大学入学以前の経験や活 | 13.5 ⦅🙀⦆ | 6.1 |
語学力 | 10.6 | 8.5 |
取得資格 | 9.6 | 12.6 |
知識試験の結果 | 8.7 ⦅🙀⦆ | 1.9 |
所属クラブ・サークル | 7.4 | 31.7⦅🙀⦆ |
インターンシップ経験 | 6.4 | 7.0 |
趣味・特技 | 5.7 | 15.6⦅🙀⦆ |
ボランティア経験 | 5.5 | 9.6 ⦅🙀⦆ |
所属ゼミ・研究所 | 5.4 | 18.9⦅🙀⦆ |
パソコン経験・スキル | 5.0 | 6.8 |
履修履歴 | 4.2 | 2.7 |
海外経験 | 3.4 | 7.8⦅🙀⦆ |
OB・OG・紹介者とのつながり | 3.0 | 1.4 |
その他 | 3.2 | 1.4 |
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2. 企業側が重視するのは?
どうです?あなたの考え方と企業側の目の
つけどころとはズレていませんでしたか?
上の対照表から分かるのは、企業が見たい
のは第一に、ほかでもない「我が社」で
働きたいという熱意。
またそれができそうな人柄ということ。
そしてそれらの次に来るのは、バイト経験
とか趣味・特技などではなくて、はっきり
言って知識・学力…
というところですよね。
ん?
でも「所属ゼミ・研究所」の項目では
学生側の重視度「18.9%」にに対して
企業側は「5.4%」。
これは企業がゼミを重視していない
ことの証明ではないか、ですって?
でも注意してください。
これは「所属ゼミ・研究所」が何であるか、
何という先生のゼミかというようなことを
企業は重視していないということ。
「ゼミ・研究所」に所属しない学生を
重視するという意味では全然ありません。
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見られるのは勉学への姿勢
企業側が学生の知識・学力を重視することは上に見たとおり。
そして知識欲・勉強意欲の旺盛な学生で
あれば、ゼミに入ろうとするのは
まず自然の流れですよね。
ですから、それをあえてスルーした
学生を「勉強意欲に欠ける」というふうに
企業側が見てしまうのもまた自然の流れ。
ゼミのことはエントリーシート(ES)にも
記入欄があり、面接でも聞かれることが
多いのですが、企業側は必ずしも専攻の
内容に突っ込みたいわけではなくて、
勉学にどう取り組んだかを探って
いるんですね。
ここでなるほどと思ってもらえる対応が
できるかどうかで面接官の心証が違って
くるのは当然でしょう。
👉勉強嫌いな学生より勉強熱心な
人がほしいのは企業にとっても
当たり前。
その熱心さを示すためにもゼミに
入っておくことは大切です。
そのへんの実態については
こちらのサイトなども
参照してください。
・OKWave:ゼミの重要性
3. 一人では鍛えられない能力
もちろん、要は面接官にどう思ってもらえるか。
ですから、ゼミに入らなかった場合も、
その理由に納得してもらえるなら、
それでいいともいえます。
たとえば「独自にこういう勉強をして
いました」ということが具体的に言えて、
なるほどと思ってもらえるような場合。
そういうことのできる人なら、たしかに
ゼミに入る必要はないかもですね。
でも…独学で成果を上げられるのは、
もともとそれなりの能力のある人。
自分にもできるなんて、安易に
考えない方がいいんじゃないかな;^^💦
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男は黙ってサッポロビール…?
早い話、集団面接などに参加してみると分かりますが、予期しない質問を受けた
場合などもなんとか切り抜けてウマく
やる人と全然ダメでぺしょんと
なっちゃう人がいます。
たとえば、かつてサッポロビールの面接で
質問に全然答えられず黙ってしまった
学生さんが、「もういいから出てけ」と
怒られて、出ていこうとしたそうです。
その時、ボソリと呟いた言葉が
「男は黙ってサッポロビール」。
これが受けて採用されたという話ですが、
もちろんこの一発ギャグだけで採って
もらえるはずはありません。
これをきっかけに(固さがほぐれたのか)
自分の長所をのびのびと表現できて、
それが面接官に分かってもらえた
ということでしょう。
👉「男は黙ってサッポロビール」は
かつて俳優の三船敏郎さんが呟いて
大ヒットしたCMのキャッチコピー。
総合的な《人間力》が鍛えられる
この人がゼミに入っていたかどうかは分かりません。
でも、そういう逆転ができるような
粘り腰や機転、また議論する作法や
テクニック、そして論理的な思考力…
といったものがゼミを通して鍛えられて
いくことはたしかです。
ゼミでは細かく調べたことを口頭発表
したり、学生同士で討論したり、
発表内容や文章について指導を受けたり
といった機会が多いので、それを通して
面接もなんとか切り抜けられる
総合的な《人間力》が養われて
いくんですね。
そういった能力まで、ゼミに入らず
独自に鍛えようというのは、ちと
むずかしいのでは?(たとえ天才でも)
まずゼミに入って、すすんで発表し、
矢のように飛んでくる批判に対応する
心構えを養いましょう。
これができてくれば、それが就活に
生きて来ないはずはないんです。
👉面接をはじめとした就活の様々な
局面での対応力がゼミへの積極参加に
よって鍛えられます。
・議論力
・機転
・対人的な対応力
・調査力
・文章力
その他もろもろ。
ゼミに入るのにも面接がある場合は、
これこそそれらを鍛えるための
予備的なチャンスと捉えるべき。
こちらの記事などを参考にして
しっかり準備して臨みましょう。
・ゼミ面接の質問例と答え方!うまく行ったのに落ちるのはなぜ?
・ゼミ面接で落ちる人/受かる人 …違いを見きわめて対策を
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4. 指導教員をもつ強み
高校までは担任の先生というのがいてくれましたけど、大学には
ありませんね。
その代わりになってくれる人といえば、
基礎演習やゼミの先生(指導教員)
しかないわけです。
しかも高校までの担任や基礎演習などの
担当教員は自分では選べなかったのが、
ゼミの先生は自分で選べるんだから
こんな結構なことはありません。
卒論を書かなければならない場合は
もちろん、そのほかいろんな側面で
あなたをサポートしてくれるのは
ゼミの先生以外にないんですよ。
この意味でもゼミに入らない手はありません。
ただ、教師も人間。
ユルユルの先生もいれば厳しい先生もいて、
面倒見のいい人もいれば悪い人もいます。
中にはほんとに意地悪な、パワハラ気味の
人だっていないとはかぎりません。
でも、運悪くそういう辛いゼミに入って
しまった場合も、すぐにネを上げて
離脱するような根性なしではダメです。
というのも、今はせっかく就職しても
何年かで辞めてしまう若者が増えているので、
企業側もその種の根性なしタイプで
はないかどうかに目を光らせています。
ゼミに入ったはいいが、途中でやめて
しまった学生ならば、会社に入っても
じきに辞めるのではないか…
と警戒するのも当然ですよね。
この意味でもゼミは入った方がいいし、
最後(卒論完成)まで食らいついて
いくべきなんです。
教授とうまく行かない場合は?
先生との相性が…?もうそんなこと言ってられない。
相性の良くない相手とやっていく能力が
あるかどうか、といったことも就活では
見られているんですから。
それを鍛える試練だと思って、いやな
先生にもぶつかっていきましょう。
もし無視されたら?
指導教員にはゼミ生をサポートする責任が
ありますから、それは職務怠慢。
教務課なり学部長なり、しかるべき
ところに訴え出るのも一法です。
逆に言えば学生にはサポートされる
権利があるんですから、教員は
使い倒すぐらいの気持ちでいいんです。
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5. ゼミ友をもつ強み
そしてゼミに入ることも、もう一つの大きな利点が、単純に友達ができること。
就活うんぬんを抜きしてもこれは人生の
大きな収穫になると思いますが、この
友人たちとの議論や付き合いを通して
就活にも生きてくる上記の総合的な
《人間力》も伸びていくはずなんですね。
また就活に即して言うと、ゼミ友は専攻が
近いですから、志望企業も重なってくる
場合が多く、それらに関して密度の濃い
情報交換ができるという利点もあります。
大いに活用しない手はありません。
👉指導教員とゼミ友は就活のことを
抜きにしても、一生の宝になる
可能性もある重大なポイント。
人生の可能性を広げていくためにも
ゼミには入っておくことが
オススメです。
あるいはアナタひょっとして
ぼっちで寂しい思いしてません?
そういう人こそ絶対に尻込みせず、
ゼミに入らなきゃいけません。
詳しくはこちらで。
・大学ぼっちは女子にはつらい…”便所飯”を脱却する方法は?
まとめ
さて、わかってもらえたでしょうか。結論は、繰り返すまでもありません。
ゼミは、入るチャンスがあるのなら、
絶対に入っておいた方が就職にも
有利に働きます。
知識増強・学力向上はもちろん、
面接で冷静かつ的確に対応できる
力を鍛えていくことは、ゼミなしには
なかなか難しいのです。
そしてこれは何も就活という短期的な
目的に限定した話ではありません。
そういう能力を高めておけば、就職後も
有利に仕事を進めていく上で必ず
役に立つ局面が出て来るはずなんです。
ぜひ入っておきましょ~~(^O^)/
👉ゼミに関係することをはじめ、
大学生活全般を充実したものに
するためのヒントの数々をこちらの
「まとめ記事」に結集させて
いますので、ぜひ参照してください。
・大学生活は楽しい??👉充実した4年間にするための徹底ガイド
そのほかわからない点があれば、
遠慮なく「コメント」欄から質問を
送信してくださいね。
ともかく頑張ってやりぬきましょ~(^O^)/
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突然申し訳ありません。大学二回生の者です。 三回生からゼミが始まるのですが、第1希望のゼミに落ちました。第2志望のゼミも定員が溢れ募集しておらず、入りたいゼミが他に無いのですが、無理してでもゼミに入ったほうが良いですか?
高部さん
大学・学部により事情が違うので一概にはいえませんが、大概の場合、無理してでも入っておいた方が将来のために有利だと思いますよ。
気に入らないゼミでも、いい友達ができるとかの意外な拾いものをして、それが生涯の宝になる可能性だってあるんですから、プラス思考で行きましょう。
こんにちは。突然申し訳ありません。現在大学二回生の者でつい先程第1希望のゼミに落ちました。第2志望のゼミも定員が溢れ、募集をかけておらず、他に入りたいゼミがない状況に在ります。 こんな状況でも、無理してでもゼミに入るべきなのでしょうか? 私情ながら明日の15時に二回目の募集が終わるので、できるだけ早い回答お待ちしております。
べっちさん
大学・学部により事情が違うので一概にはいえませんが、大概の場合、無理してでも入っておいた方が将来のために有利だと思いますよ。
気に入らないゼミでも、いい友達ができるとか、意外な拾いものをして、それが生涯の宝になる可能性もあります。プラス思考で行きましょう。