東京物語(小津安二郎)は つまらない?独特の構図が漱石文学に通ず?
サクラさん
小津安二郎監督の映画
『東京物語』が「全時代
を通じて最も偉大な
映画」第1位に選ばれた
とは驚きました(🙀)
『東京物語』が「全時代
を通じて最も偉大な
映画」第1位に選ばれた
とは驚きました(🙀)
ハンサム 教授
ああ。BFI(英国映画
協会)の2012年の調査
(The Sight & Sound
Greatest Films of
All Time)でのこと
ですね。
協会)の2012年の調査
(The Sight & Sound
Greatest Films of
All Time)でのこと
ですね。
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サクラさん
でも、どこがそんなに
すごいのか、私には
わかりませんでした。
スローテンポだし、泣い
たり笑ったりする場面も
あまりなく…
すごいのか、私には
わかりませんでした。
スローテンポだし、泣い
たり笑ったりする場面も
あまりなく…
サクラさん
つまり監督など専門家
にはクロウト受けする
けれども、シロウト
にはつまらない…と?
にはクロウト受けする
けれども、シロウト
にはつまらない…と?
ハンサム 教授
そうも言えるかな;^^💦
でも私のようなシロウト
でもとても面白く鑑賞
できましたよ。
でも私のようなシロウト
でもとても面白く鑑賞
できましたよ。
サクラさん
へーえ。どのへんが
面白いのか解説して
もらえませんか。
面白いのか解説して
もらえませんか。
というわけで、本日は世界のOzu、
小津安二郎監督の代表作の一つ、
『東京物語』(1953)の世界に分け入って
みたいと思います。
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💭遠方に視線を送る二人の人物
上記の通り、BFI(英国映画協会)の2012年のアンケート調査「全時代を通じて最も
偉大な映画」(The Sight & Sound
Greatest Films of All Time)の監督投票
部門で堂々の第1位に輝いたのがこの作品!
(👉 Wikipedia参照)
こちら(👇)がその時のポスター
ですので、上記のDVDカバーも、この
栄冠を祝しての作成と思われます。
遠方の同じものに視線を送っている
笠智衆と原節子(義理の父子)…。
これは作品のほぼラストシーンといって
いい場面ですが、心を通い合わせる二人の
人物が、決して目と目を見合わせるので
なく、互いの視線はむしろ遠くの同じ
何かに向けられている。
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こういう構図での感情表現こそ小津の
最も得意としてきたところであり、
かつ世界の批評家や映画製作者たちに
高く評価されてきたポイントの一つ
なのですね。
同じ構図、またはそれの壊れていく場面を
ほかの小津作品(『晩春』(1908)ほか)
からも、いくつか拾っておきましょう。
まだよくわからんというか、もう少し
ストーリーも頭に入れたいという方は
『東京物語』の予告編動画動画も
ご覧ください。
このようなショットは、『東京物語』
ばかりでなく、多くの傑作において
多用されているものですが、この手法、
いつ、どのようにして獲得されたもの
なのでしょうか。
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💭「白い雲」を見る三四郎と美禰子
これは思いつきの域を出るものではなく、実証はないのですが、ひょっとしたら、
小津さんがたくさん読まれたはずの
文学作品にヒントを得られたという
可能性もあるはずですね。
たとえば?
と訊かれてまず私に思い浮かぶのは
夏目漱石の長編小説『三四郎』(1908)。
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熊本の高等学校を卒業して東京帝国大学に
入学した三四郞が謎めいた美女、美禰子
との恋愛(むしろ「恋愛ゲーム」と
いうべきか)を含む様々な新しい経験を
重ねていくという青春小説なのですが、
たとえば第四章では、広田先生の引っ越しの
手伝いで遭遇した二人が二人だけで窓から
「白い雲」を見ながら話します。
また第五章では、やはり広田先生の
グループで団子坂へ菊人形見物に
繰り出すのですが、やがて疲れた様子の
美禰子が「もう出ましょう」というので、
二人で群れを離れ、だいぶ歩いてから
小川の縁にすわり、空を見上げ、
やはり「白い雲」を眺めながら話すのです。
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「こういう空の下にいると、
心が重くなるが気は軽くなる」
「どういう訳ですか」と
美禰子が問い返した。
三四郎には、どういう
訳もなかった。
返事はせずにまたこういった。
「安心して夢を見ている
ような空模様だ」
「動くようで、かなかな
動きませんね」
と美禰子はまた遠くの
雲を眺め出した。
二人並んで同じところに視線を
送りながら、心を通わす……。
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💭 心通う…とも限らないが
でもこれ、小津安二郎の父娘や老夫婦のように遠くで視線が絡ませながら、心を通わす……
というのは、片方が一方的にそう思い込んで
いるだけ、という可能性もあるわけで、
ちょっと危ない場合もあります。
三四郎と美禰子の場合はまさにそれで、
「迷羊(ストレイシープ)、迷羊
(ストレイシープ)」などと謎めいた
言葉をふりまいて正体をつかませない
美禰子は、けっきょく三四郞も、また
その恋敵かと思われた野々宮さんをも
振り捨てていくわけですね。
👉その内容をもう少し知りたいという人は
ぜひこちらの記事をご覧ください。
・夏目漱石 三四郎のあらすじ:「簡単/詳しい」の2段階で解説
もちろん『三四郞』のこれらのシーンが
小津さんに影響を与えたという証拠は
ありませんが、その可能性、またはほかの
文学作品のこういった場面が(無意識的に
であれ)小津さんの芸術的感性に
しみ入っていたという可能性は
大きいと思うんですよ。
みなさん、どう思われます?
(識者の叱正を乞いたいところです)
👉小津安二郎の影響を受けた映画作家は
当然のことながら日本にこそ多いと
思われますが、たとえば松竹の後輩でも
ある山田洋次監督の『男はつらいよ』
シリーズにも、ひょっとしたら…
と思える場面が出てきます。
くわしくはこちらで。
・夏目漱石「月が綺麗ですね」が出る本・出典は?寅さん映画でも言ってた?
👉そのほか漱石作品の人と作品に
ついてはこちらをご参照ください。
・夏目漱石のおすすめの本は?小・中学生からシニアまで人生経験の段階別
👉そのほか漱石の作品を早く安く
手に入れたい場合は、Amazonが便利です。
こちらから探してみてください。
夏目漱石の本:ラインナップ
👉当ブログでは、漱石ばかりでなく
日本と世界の多様な文学や映画の作品に
ついて「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。
参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。
・「あらすじ」記事一覧
・≪感想文の書き方≫具体例一覧
ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/
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