サクラさん
実は私、今でもテディ
ベアのぬいぐるみを
抱っこして寝てる
んです;^^💖💦

でも本物の熊は人を
襲ったりして(叫び)
凶暴だとか…

ハンサム 教授
まあ、好きで襲ってる
わけじゃなくて、身の
危険を感じて暴れる
わけですよ。

サクラさん
環境破壊で山に食べ物が
乏しくなったせいで
人里に降りてくる…

ハンサム 教授
ええ。本来はむしろ
臆病な動物なんだけど、
暴れれば恐ろしい猛獣
にはちがいない。

で、猛獣を捕える方法は
色々あれど、熊の場合は
鏡を見せればいいという
話もあります。

自分の姿にギョッとして
立ちすくむからだと。

サクラさん
ほほ~ 自己像に反応
するとは(🙀)…

高度の知能をもつ
ことの証明では?

ハンサム 教授
いやこれはシェイクス
ピア劇に出てくる話で、
当てになりませんけど、
たしかに動物としては
そこそこ頭が働く。

でもやっぱり一本抜け
てるというか;^^💦

サクラさん
お利口さん…のよう
でいてドジ(😹)

このあたりにも熊キャラ
の人気の秘密があるの
かもしれませんね。


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というわけで本日のテーマは
熊のかわいさ(🐻💞)!

というか、今や無数にあふれかえっている
クマさんキャラクターたちの人気の秘密を
探っていこう…という楽しい企画です。

でも熊の知能に敬意を表し、そこそこ知的に
きちんと歴史を踏まえて検討して参ります。

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あ、そうそう、ハンサム教授言及のシェイク
スピア劇は『ジュリアス・シーザー』で、
シーザー暗殺計画の密議でディシアスが
言うセリフです(第二幕第一場)。

一角獣、象、ライオンに並べて熊の場合は
鏡を使うだとした上で、人間なら
「お追従の罠にかけるのが一番だ」と
この知恵者は提案するのです。


さてそのような次第で、今回は
以下のような内容で参ります。



1.人気”熊キャラ”の系譜

ぬいぐるみ、ゆるキャラ、絵本やアニメの
主人公などすべてをひっくるめ、今の
日本で最も人気あるキャラクターは?

20代~60代の男女1,000名を対象とした
2018年のある調査では、上位10位は
以下のとおりでした。

1位 スヌーピー (33.9%)
2位 トトロ (31.2%)
3位 ミッキーマウス(29.7%)
4位 くまのプーさん(28.0%)
5位 ドラえもん (25.9%)
6位 ムーミン (24.4%)
7位 リラックマ (21.9%)
8位 ミッフィー (21.0%)
9位 くまモン (19.9%)
10位 ハローキティ(19.7%)

(引用元:市場調査メディア ホノテ

そんなわけで、ベストテンに3匹まで
送り込んだ「熊」の人気は一目瞭然。

熊キャラだけでの調査ならどうかと
いえば、2012年の同様の調査では、
上記3匹のほか「ダッフィー」「くまの
がっこう 」「コリラックマ」「ファーファ」
「ブーフ」(スージー・ズー) 「グルーミー」
「ケアベア」がベスト・テン入りしています。
(引用元:gooランキング

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「テディベア」が入っていませんが、
これは実は特定の企業に著作権のある
商標などではないのですね。

この”別格キャラ”の話は後回しとして、
上記のキャラたちを見回してわかるのは、
そのほとんどが2000年以降に出てきた
比較的新しい連中だということ。


で、その逆、すなわち不滅かとも思える
長~い人気を保ち続けているキャラが、
全キャラ中堂々の4位につけている
「クマのプーさん」と熊キャラ中の10位に
滑り込んだ「ケアベア」(Care Bears)
ということになります。

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2.ケアベアからプーさんへ

さて、この「ケアベア」ですが、誕生は
1981年で、もとはアメリカン・グリー
ティングズ社が発行したグリーティング
カードの絵柄でした。

たちまち大人気となり、その派生キャラ
として続々と生まれたのが「チアベア」
など多数…。

日本をテーマにした「スイートサクラ
ベア」というのも作られました。

   
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人気の要因となったのがその物語的な
設定で、つまりケアベアは、普段は
“Care-a-Lot”(ケア・ア・ロット)という
雲の上の国に住んでいて、子供たちが
大切な心を忘れた時などに”ケア”(Care)
しに降りてくるということになっている
のですね。

すなわち”ケア”(配慮・世話・面倒見…)
してくれる存在としての熊。

熊のこのイメージはかなり普遍的にある
ようで、たとえば夢判断では、熊が出て
きたら、「母性」と解釈することが
一般的のようです。

こちらを参照。
  👇



ともかく(実態は凶暴で怖いはずの)熊に
付着するようになった、「母」のように
やさしくケアしてくれる存在という
イメージ…。

これは一体いつ、どのようにして
成立していったものなのでしょうか。


なかなか簡単に答えられるような問題では
なさそうですが、熊イメージのこういう
変容を後押しした事件の一つに20世紀
前半の有力キャラ、「クマのプーさん」の
出現があったことは間違いないでしょう。

   
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A・A・ミルンが1926年に出版した児童小説
『クマのプーさん』(Winnie-the-Pooh)の
主人公「プー」は、E.H.シェパードの
挿絵で大人気となり、ディズニー・アニメ
にもなりましたが、このプー、そもそも
熊ではなく、熊のぬいぐるみなんですね。


動物としての熊がもつ凶暴性は完全に
その爪と牙をもがれ、完全に人畜無害と
なった、むしろやさしい母のような…
(実はすでに熊ではない)”熊的存在”。

この画期的な(?)熊キャラが「プーさん」
だったわけですが、これだってもちろん
真空内に突然発生するわけはありません。

それなりの前史があってはじめて
出てくるはずなので、次章では
さらにさかのぼってそこを探って
行かなくてはなりません。

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3.テディベアが”熊”を変えた?

さて、ここでいよいよテディベア
(Teddy Bear)の登場となりますが、
そもそもこの「テディ」という名前は
どこからつけられたものなのでしょう?

これがなんと米国第26代大統領セオドア・
ルーズベルト(Theodore Roosevelt)!

その愛称の「テディ」で、それは
こんな逸話から来ています。

見るからに精悍でスポーツマン、
“カウボーイ・タイプ”ともいわれた
この大統領が熊狩りに出かけた
1902年秋のこと。

不猟のまま終わろうとしていたところ、
同行のハンターが傷を負った子熊
(一説には弱った雌熊)を追いつめ、
「大統領、とどめを」と花を持たせる。

が、セオドアはこれを撃つことなく、
「瀕死の熊を撃つのはスポーツマン
精神にもとる」と言い放つ。

随行していた『ワシントン・ポスト』
紙のクリフォード・ベリーマン記者が
この経緯を書いた記事が挿絵入りで
同紙に掲載。

    

たちまち評判となって、挿絵の熊は
「ベリーマンベア」とも呼ばれたが、
やがてニューヨークの文房具店主
モリス・ミットムが妻に熊の
ぬいぐるみを手作りさせ、「テディ」
と名付けて店頭で売り始める。

これが大ヒットして、翌1903年、
ミットムはアイデアル社(Ideal
Novelty & Toy Company)を興す。

ん? 正統の「テディベア」は手足に
障害のあったドイツ女性、マルガレーテ
・シュタイフの創業したシュタイフ社
(Steiff Firm)のものではないの?

はい、このドイツ製ぬいぐるみがちょうど
同じころアメリカでこれまた大ヒットして
いましたので、こちらの方が「世界初の
テディベア」だとする説もありますね。


ともかく1903年は世界的な”テディベア・
ブーム”の年となり、大統領自身もすすんで
これを自らのイメージ・アップに利用。

翌1904年のセントルイス万国博覧会では
シュタイフ社のテディベアがグランプリを
獲得し、これで優位に立ったようでも
ありますが、「テディベア」の名前で
裁判にはなったりはしていません。


商標名ではないということで、その後もは
立派な普通名詞として通用するように
なった次第。

その流れで、絵本の世界ではこんな
名作も生まれることになりました(1999)。
   👇
  
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そのようなわけで、要は、こうして
熊というよりは熊のぬいぐるみがまず
アメリカでブームを引き起こし、
これが世界に広がっていったという
事実がなければ『クマのプーさん』も
『オットー』も出てくることはなかった
…ということです。

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4.川上弘美『神様』の「くま」は何者?

川上弘美さんの『神様』(1998)および
『神様2011』(2011)といえば高校現代文の
教科書にも掲載されていますので、
読んだ人も少なくないでしょう。
  👇



ところでこれに出てくる「くま」もまた、
「テディベア」以降のぬいぐるみ的な
熊の流れに掉さしている(これは作者が
どう意識しようが、そうならざるをえない)
というのがここでついでに言っておきたい
ことなんですね。


この小説の登場人物といえば、語り手の
「わたし」と、その「わたし」と一日
つきあう「くま」のほぼ二人だけ。

「くまにさそわれて、散歩に出る」という
のが冒頭の第1行で、第二段落に入って
ようやく「くまは、雄の成熟したくまで、
だからとても大きい」と紹介されます。

「わたし」が女性だとは明記されない
ものの、「雄の成熟した」とわざわざ
言われるところを見ると、「わたし」が
この「くま」に「性」を意識している
ことははじめから明らかにされている
わけですね。

  

そして「くまにさそわれ」て散歩に出てた
「わたし」は、別れ際に「抱擁を交わして
いただけますか」と言われて、ためらいも
なく「承知」します。

この「抱擁」には、だから性的なにおいも
大いに漂うわけですが、それと同時に自分を
子供として”ケア”してくれる、やさしい
「母」への親愛感のようなものを感じ取る
こともできるのではないでしょうか。


そういう存在としての熊。

これはもちろん猛獣ではなくぬいぐるみ
としての熊であり、テディベア以降の
熊イメージの変容を抜きにして語る
ことは不可能だと思うんですね。
👉川上弘美さんの『神様』・
『神様2011』をめぐっては、
こちらもご参照ください。

川上弘美「神様/神様2011」をどう解釈?くま(🐻)って何者?
    
      015774


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5.エリザベス女王も大好きだった熊いじめ

こうして、愛し抱擁してくれる存在に
なっていった熊ですが、そういう「母」
的なイメージは、昔はもちろんなかった
はずなのです。

つまりテディベア・ブーム以前には。


現にそのテディことセオドア・ルーズベルト
大統領ご自身がお連れをゾロゾロ引き連れて
熊狩りにお出ましになっていた。

これ、もちろん「熊を殺すことは正義に
かなっている」という確信のもとに
なされていたはずなのです。

   

つまり熊は「悪」。

日本の熊は金太郎のお友達でしたし、
アイヌ民族では「神」(カムイ)とされ、
「神代」と書いて「クマシロ」と読む
名字もあるくらいで、むしろ敬愛された
とさえいえそうですね。

でも西洋の伝統にこれはなく、狼などと
同じく倒すべき敵でしかなかったのです。


この伝統的な熊敵視をよく示す娯楽が
イギリスで長い間楽しまれてきた遊戯で、
犬をけしかけて噛みつかせる「熊いじめ」
(bear bating)です。

   

実は英国留学から帰って間もない
夏目漱石も「倫敦のアミューズメント」
と題してが明治大学で行った講演(1903)
の「ベヤベーチング」として詳しく
紹介しているんですね。

これが三度の飯より好きだったエリザベス
一世は、その興行にひいきして、月曜日は
芝居をやってはならんというお触れまで
出したとか。
👉この女王の生涯やパーソナリティを
めぐっては、こちらをご参照ください。

エリザベス(映画)のあらすじ【人物相関図つき】愛人ありの処女王?

      


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6.熊殺しは格闘家の夢?

熊はあくまで滅ぼすべき「悪」だと見る
伝統も、西洋には強固にありました。

テディベア・ブーム以降もそれがプッツリ
途絶えるわけもありませんから、1970
年代に入って、「いっちょ熊を殺し
たるで~」という格闘家が出現した
としも驚くに足りません。


大山倍達がアメリカに広めた極真空手の
逸材で、アントニオ猪木とも一戦交えた
(異種格闘技戦)あのウィリー・ウィリアムズ
その人です。

梶原一騎製作の映画『地上最強のカラテ
PART2』(1976)で巨大なグリズリー
(灰色熊)と闘い、“熊殺しのウィリー”
という異名を取りました。

その”激闘”シーンを動画でご覧ください。



いかがでした?

3分前後のあたりをよく見るとわかり
ますが、熊の爪と牙は十分な状態では
ありませんね。

しかも動きがいかにも緩慢。

筋弛緩剤か何かを投与されていたとしか
思えないわけで、今なら明らかな
動物虐待。

ただではすまないところでしょう。


ところでこのウィリーに憧れた2メートルを
超す長身の空手家が、小林まことの漫画
『1・2の三四郎』(1978-83)に登場する
成海頁二(なるみぺいじ)です。

   
   後列左が成海(広告:クリックすると楽天市場へ) 

熊は入手できないので猫で同じことを
して「猫殺しの成海」たらんとした
ものの、猫には逃げらます。

というわけで「猫殺し」ならぬ
「猫逃がしの成海」の異名を取った…
という平和なオチで、さても
めでたし、めでたし(😹)💦

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まとめ

いかがでしたか、熊好きのみなさん。

現実の動物としては、臆病で利口な面も
あるとはいえ、やはり獰猛な猛獣である
熊が、人間の”イメージ”世界では、
いかに飼いならされてしまったか。

どのようにして、子犬なみのペット
として愛玩されるようになってきたか、
その歴史的経緯をザっと洗ってみた
次第です。

     アライグマ075162

ぬいぐるみや人形、アニメや絵本の
世界の熊を現実の熊と混同して
ペットとして飼ってみようなんて、
くれぐれも考えないようにして
くださいね。

飼いきれずに棄てられて野性化した
アライグマは、今や日本のあちこちで
繁殖して生態系を破壊する困った
存在になっています。

可愛がるのはあくまでぬいぐるみ
熊にとどめておきましょ~(ニコニコ)👍

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