サクラさん
クレオパトラといえば
世界三大美女の一人。

ハンサム 教授
ほほ~、あとの二人は?

サクラさん
楊貴妃と小野小町に
決まってるでは
ないですか。

ハンサム 教授
知らなかった;^^💦

でもそれ「世界…」とは
いっても実際は日本国内
で唱えてるだけでは?

だって小野小町なんて
世界的にはほとんど
知られてませんよ。

サクラさん
そうなんだ~(😹)

じゃ小町は置いといて、
楊貴妃とクレオパトラは
どういう基準で世界最大
級の美女だということに
なったんでしょうか。

なにしろ古代の人で
比較できるような写真
もないのに…です。

ハンサム 教授
美貌自体より、それに
血迷った男がどれほど
“大物”か…で決まって
くるのでは?



何しろ漢語で傾城(けい
せい)といえば美人の
ことですしね;^^💦

サクラさん
つまりクレオパトラが
“超”美人と認知されたの
も”超”大物カエサルを
傾かせた(魅惑によって
進路変更させた)こと
から来ている…と。

ハンサム 教授
ええ。実際はそれほど
美しくなかったという
記録もありますしね。

サクラさん
ほほ~、これはます
ます興味津々。

一体どうやって偉大なる
カエサルを陥落させ、
操ったのか(😻)


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というわけで本日のテーマは
「世界三大美女」中の頂点に君臨する
“絶世の美女”と、こちらも古代史上最大級の
英傑との、世界史に燦然と輝く大恋愛

すなわちエジプト・プトレマイオス朝最後の
ファラオー(女王)、クレオパトラ7世
(紀元前69-30)とローマの英雄ユリウス・
カエサル
(紀元前100?-44。英語読み
「ジュリアス・シーザー」)との間に
展開されたセレブで熱い(❓)関係の
実態に迫って行きますよ~((((((ノ゚⊿゚)ノ

ザっと以下のような内容で進めます。


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1.カエサルの男ぶり

二人の出会いは紀元前48年、
クレオパトラ21歳のころ。

対するカエサルは、ガリア(現在の
フランスとその周辺)、ブリタニア
(現在の英国)を平らげて凱旋するや
ポンペイウス(グナエウス・ポンペイウス
・マグヌス)との内戦に入り、この宿敵を
エジプトへ追いつめる…

という、男としてのまさに絶頂期。

年齢は生まれが紀元前100年ならば
(異説あり)52歳となります。

    julius-caesar

結局ポンペイウス派を滅ぼして内戦を終結
させると、その功績により月桂冠を常時
着用する特権を与えられて大喜びしますが、
その主な理由は、実は前頭部の薄毛を
ごまかせることだったとか。
【豆知識】カエサルの髪型はそれ以前
から独特で、額の後退を巧みに
カムフラージュするものでしたが、
これはその後もヨーロッパで
受け継がれ、カエサル刈り
(英語で「シーザーカット」)と
呼ばれています。

        

そんなわけで、口さがないローマ市民は
従来から彼のことを陰で「ハゲの女たらし」
と呼ぶことがありましたが、このあだ名も
示す通り女嫌いの方ではなく、ポンペイウス
の軍を追討してエジプトへ来たころには、
ローマには3人目の妻がいました。


そのエジプトは、3年前にプトレマイオス
12世王が死去したため、王女クレオパトラは
慣例に従い当時10歳の弟と兄弟婚し、
共同王位に就いていました。

ところが弟の側近である宦官ポテイノスらが
起こした内戦で、首都アレクサンドリアの
王宮は弟王プトレマイオス13世の
単独支配下に入り、クレオパトラは
地方に追いやられます。

  
    エジプト、アレクサンドリアの城砦


そのアレクサンドリアへ乗り込んできた
カエサルが、まずは両王の和解により
エジプトの平和を取り戻すべく、
クレオパトラを王宮に召喚します。

とはいえクレオパトラとすれば、
王宮にうかつに姿を見せれば、影の
権力者である宦官ポテイノスの陰謀で
何をされるかわからない(暗殺もあり)。

そこで彼女はどうしたか❓

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2. カエサルへのお届けもの

以下、主としてプルタルコス(英語名
「プルターク」)の『英雄伝』に依拠し、
        👇


史実と思われるところを辿っていきますが、
ともかく腹黒いポテイノスに警戒を
怠らなかったことはカエサル側も同様で、
暗殺などされないよう毎晩、酒宴を
開いていたとか。

おそらくその酒宴を閉じてからのこと
なのでしょう、カエサルの居室に突如、
豪奢な絨毯に包まれた大きな贈り物が、
屈強な男によって届けられます。

    
     アメリカ映画『クレオパトラ』(1963)から

この”のり巻き”ならぬ”絨毯巻き”から
うら若い美女が立ち現れたには、
怖いもの知らずの征服者カエサルも
さすがに仰天します。
【豆知識】このときクレオパトラを
包んでいたのは一般に「絨毯」(rug)
とされていますが、プルタルコス
『英雄伝』によれば「寝具袋」。

「絨毯」はオリエント(東方)を象徴
する代表的な物品でしたから、
「寝具袋」より絵になりやすい
ことは明白ですよね。

おそらくそういう理由から、絵画など
芸術諸ジャンルでこの場面を描く
場合、この美女を包むのは絨毯という
のがお約束になっていったのですね。

その代表的傑作(👇)も例外ではない
のですが、絨毯以外にも、カエサル(左奥)に
筆を執らせること(『ガリア戦記』などで
名高い名文家でした)、またその前頭部を
薄毛に描くこともお約束になっていた
のかなあ…と思わされます。

  
 ジャン=レオン・ジェローム画
  『クレオパトラとカエサル』(1886)


さて、この時「カエサルがこの女性の
虜(とりこ)になってしまったのは、
蠱惑(こわく)的な姿であらわれるという
クレオパトラのこのまず第一の術策の
ためであった」とプルタルコス。

その「蠱惑的な姿」というやつに色々と
尾ヒレがついていったわけですが、HBO
(アメリカのケーブル・衛星放送局)制作の
『クレオパトラ』では「寝具袋」という
史実に戻ってのマジメな(;^^?💦)
「蠱惑」が試みられています。👇




ともかくこうしてクレオパトラの狙い通りに
“傾いて”くれたカエサルは、共同王である
弟との和解をはかり、影の権力者
ポテイノスの殺害へと動きます。

が、これに反発した側近に押し立てられた
弟はカエサル軍を攻撃して戦争に入り、
翌(紀元前47)年にはナイル河で溺死
します(ナイルの戦い)。


単独の女王となったクレオパトラ7世は
同年、男子カエサリオン(英語名「シー
ザリオン」)を出生。
👉「カエサルの子だぞ~」と叫ぶ
ような名前ですが、実父はカエサル
ではないという説も…。

結局、後継者として「カエサル」を
名乗ったオクタヴィアヌス(アウグス
トゥス帝)により殺害されます。

ところでカエサルは子宝に恵まれ
なかったという点で、わが国の
豊臣秀吉に似ていますね。

秀頼も実は彼の子ではないという
疑惑については、こちらを参照。

秀頼の本当の父は?三成は当時不在…では茶々は一体誰と💓?

         Hideyori_Toyotomi
           豊臣秀頼像(京都・養源院所蔵)


こうしてカエサルの首にしっかと縄をつけた
クレオパトラ7世は子連れでローマに
長期滞在することもありましたが、
紀元前44年、まさにその滞在中に、
有名なカエサル暗殺事件が勃発するや、
そそくさと帰国します。

でもその2年後には、ブルトゥス(英語名
「ブルータス」)ら暗殺者一派を撲滅した
新しい英雄、アントニウスとのロマンスが
待ち受けている…という次第。

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クレオパトラは美しくなかった?

ローマの英雄を次々に”傾かせた”
クレオパトラの美貌はさぞや…
と胸ふくらみますよね。

実際その類まれな美貌はヨーロッパの
常識として定着し、そこから「もしその
鼻が低かったら…」というパスカルの
有名な仮説も生まれたわけです。


でも実際はそれほどでなかったという
ことは、プルタルコス『英雄伝』が
つとに伝えるところなのですね。

アレクサンドリアでアントニウスを
迎えたクレオパトラは宴を開きますが、
その席での姿についてプルタルコスいわく、

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彼女の美もそれ自体では決して
比類のないというものでなく、
見る人を深くとらえるという
ほどのものではなかった。

      

それでも「彼女の声音にはまた甘美さが
漂い」、7か国以上の言語を自由に
切り替えながら話すその才気は圧倒的で
彼女との交際には「逃れようのない
魅力」があったというのですね。

アントニウスが参ってしまったのは、
むしろむしろこの「甘美さ」とそれを
演出する才知にであったかもしれません。


美貌がそれほどでもなかったことは、
後にアントニウスの妻となるオクタヴィア
(のちの皇帝アウグストゥスの姉)とを
見比べてのローマ人たちの感想からも
知られます。

しかしローマ人は、とりわけ
クレオパトラを見て、美しさも
若さもオクタヴィアに優る女では
ないと知っていた人々は、
オクタヴィアではなくて、
アントニウスを気の毒に思った。
         (『英雄伝』)

      
      オクタヴィア像(ローマ国立博物館蔵)


というような次第で、クレオパトラの
美貌は実は「絶世の」と謳われるほどの
ものではなかったようなのですが、
そのことは彼女の王朝で流通していた
銀貨の肖像も教えています。
👉このことについて詳細は
こちでどうぞ。

クレオパトラの鼻は実際に低く美人でもなかった?銀貨に描かれた肖像は?

           


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4.カエサルの前の男、後の男

さて、”超大物”カエサルの後釜に入る形で
クレオパトラの愛人となったのが、これも
“大物”のアントニウスだったわけですが、
実はカエサル以前にも、ローマの別の武将
との間に情事があったらしいのです。

その相手も”大物”といえるかどうかは微妙
ですが、カエサルの宿敵ポンペイウスの
長男で”小ポンペイウス”と呼ばれることも
あるグナエウス・ポンペイウス・ミノル
(英語読み「ニーアス・ポンペイ・
マイナー」)がその人。

カエサルがエジプトに入る前年に訪れた
この小ポンペイウスをクレオパトラは
手厚く援助。

このときに持った「情事」の経験が将来、
カエサルおよびアントニウスを”傾かせる”
方向での「希望」を抱かせた…
とプルタルコスは記述しています。

      

この意味ではアントニウスはいわば
“第三の男”にすぎなかったともいえる
わけですが、そのことについてどう思って
いたかまでは『英雄伝』には書かれて
いません。

そのへんの微妙な心理にまで突っ込んで、
この”堕ちた”英雄を描き出そうとしている
のがシェイクスピアの戯曲『アントニーと
クレオパトラ』(1607年ごろ)なんですね。

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ローマよりエジプトを優先するように
なったアントニウスはローマ人の人望を
失い、ついにオクタヴィアヌス(正妻
オクタヴィアの弟でのちの皇帝で)
率いるローマ軍と決戦の時を迎えます。

  
  ロレンゾ・A・カストロ画『アクティウムの海戦』(1672)


その決戦では自軍の艦隊が早々と降伏
してしまい、これをクレオパトラの指示と
思い込んだアントニー(アントニウス)は
「あのきたないエジプト女が裏切った
〔中略〕三度も男を変えた淫売め!」
「致命的な魅力を持つ魔女」め…
とひどい悪態をつきます。

一敗地にまみれ、その戦後処理でローマの
使者を迎えたクレオパトラが「征服者の
お手に口づけします」とオクタヴィアヌスに
伝えるようにと言ったと聞くや、
「この売女(ばいた)!」とまた激怒。

そして女王に対し(おそらく初めて)
直接に思いをぶつけるのですね。

初めて会ったとき、あなたは
死んだシーザーの皿で冷たく
なった食い残しだった――
いや、ニーアス・ポンペイの
食べこぼしだった。

まだある、世間の噂には…

(第三幕第13場。引用はこちらから)
👇

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でもこの爆発で二人は決裂するかというと
そうはならず、アントニー側ではむしろ
長年の胸のつかえが降りたということ
なのか、二人は和解し、最後の決戦に
臨む心構えを作る…

といういかにも人間臭い世界で、
そこもさすがはシェイクスピア!
👉基本的に悲劇でありながら
喜劇的でもあるシェイクスピアならではの
傑作がこの『アントニーとクレオパトラ』。

これについてはこちらでより詳しく
情報提供していますので、ぜひ
ご参照ください。

クレオパトラ歴史秘話!愛と謀略の生涯をシェイクスピアはどう描いた?
           
           

👉やや情けなく描かれもした
アントニウスですが、その前半生は
ブルータスら暗殺者一派を弁舌と
智謀で圧倒する素晴らしい
ヒーローでした。

その雄姿とブルータスの苦悩を
描いたもう一つの傑作が
『ジュリアス・シーザー』(1599)で、
『アントニーとクレオパトラ』は
その続編とみなすこともできます。

『ジュリアス・シーザー』について
より詳しくは、こちらをどうぞ。

ジュリアスシーザー(シェイクスピア)のあらすじを簡単に【&詳しく】

      



まとめとオマケ

さて、いかがでした。

絵画、演劇、映画など様々な芸術
ジャンルで華麗に描かれてきた、英傑
カエサルと”絶世の美女”クレオパトラ
という二大セレブの超豪華な恋愛。

ただそれも史実に実態を探ってみれば、
クレオパトラは”絶世の…”でもなく、
カエサルは前頭部に毛がなかったりと
いろいろと奥深い面白味も見えて
きましたね。

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それでもともかく”絶世の美女”とされてきた
クレオパトラの芸術化は深まっていきました。

その一例としてシェイクスピア劇を紹介
した次第ですが、ここでもう一つオマケに、
20世紀の知性派劇作家バーナード・ショー
原作による1945年映画『シーザーと
クレオパトラ』もチラ見しておきましょう。

クレオパトラを演ずるは、かの大女優
ヴィヴィアン・リーです(😻)



👉バーナード・ショーは映画
『マイ・フェア・レディ』の原作
『ピグマリオン』の作者でも
ありますね。

こちらもご参照ください。

マイフェアレディのあらすじを簡単に//辛口の原作はマザコン物語?

     


ちなみにこの『マイ・フェア・レディ』
(1964)でヒギンズ教授を演じている
レックス・ハリソン(右下)は前年の
超大作『クレオパトラ』(1963)で
シーザーを演じた名優。

またちなみにその『クレオパトラ』の主演
女優候補としてオードリー・ヘップバーン
の名も挙がっていたのですが、それは
エリザべス・テイラーに取られます。
(胸の差でしょうか;^^💦)

そしてそのテイラーはアントニー役の
リチャード・バートンと撮影中に不倫の
恋に落ち、収録後に結婚するという
ゴージャスなオマケまでサービス
してくれました。

ついでにその映画の予告編をどうぞ。



いやいやまことに、21世紀に至って
なおゴシップや揣摩臆測の絶えない
紀元前のクレオパトラの世界。

これほど息の長いスーパースターも
またとは出現しないことでしょう。


まだまだ話題は尽きませんが
ブログ記事としてはそろそろ限界。

とりあえずこここで失礼させてもらい
ますが、内容についてご批判や訂正、
新情報などお気づきの点がありましたら、
ぜひコメント欄からお寄せください。

それではまた~~(^O^)/

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