坊ちゃんで読書感想文 小学生から大人まで【例文つき】


サクラさん
夏目漱石の『坊ちゃん』で
読書感想文を書くことに
なったんですが、何を
書けばいいでしょうか?

ハンサム 教授
主人公のしたことに
ついてどう思うの?

サクラさん
う~ん、ちょっと「無鉄砲」
すぎるんじゃないかな?

           

赤シャツには赤シャツの
言い分があったのでは?

ハンサム 教授
そうだよね。

だからこそ「坊ちゃん」と
呼ばれるのかもしれない。

サクラさん
あ、そうだったのか(🐱)

ハンサム 教授
そこがいいと思うにしろ、
いや悪いと思うにしろ、
とにかく自分の意見を
書いていけばいい。

サクラさん
なるほど…

でも実は感想文って書いた
ことがないので、どういう
ふうに書いたらいいか
わからないんです👅

ハンサム 教授
しようがないなあ;^^💦

では、これからお手本を
見せてあげよう。


スポンサーリンク


というわけで、”感想文の書き方”
シリーズ第111回((((((ノ゚⊿゚)ノは
夏目漱石の『坊っちゃん』(1906)で
行きますよ~。
   



え? まだ読んでいない?

読まないで読書感想文を書こう
というのは、主人公の「おれ」こと
坊ちゃんにも似て「無鉄砲」ですな。

まあよろしい。

そういう人はこちらの「あらすじ」で
ストーリーを頭に入れてくださいね~(ニコニコ)。

夏目漱石 坊ちゃんのあらすじ&簡単なポイント解説

           




なぜ「坊っちゃん」なの?

『坊ちゃん』(正しくは「坊つちゃん」)で
読書感想文を書くにもいろんな考え方が
あるでしょうが、王道の一つは、まず
このタイトルについて考えてみること
ではないでしょうか。

作者は東大の先生をしていたこともある
超インテリの夏目漱石で、かつこの人
自身は「名主」とはいっても平民の五男。

今の感覚で「お坊っちゃま」と呼ばれる
ようなリッチな環境に育ったわけでは
ありません。

    

その漱石が半ば自伝的な小説をあえて
「坊っちゃん」と題したことには
やはりそれなりの意味があるはずなのです。

このことに留意して全体を通読しますと、
「坊っちゃん」という言葉の意味に
こだわっている部分がやはりあるんですね。

赤シャツらの腹黒さがますます明らかに
なってくるあたりで、「坊っちゃん」
こと「おれ」はこう考えるのです。

考えて見ると世間の大部分の人は
わるくなる事を奨励している
様に思う。

わるくならなければ社会に成功は
しないものと信じているらしい。

たまに正直な純粋な人を見ると、
坊ちゃんだの小僧だのと
難癖をつけて軽蔑する


それじゃ小学校や中学校で
嘘をつくな、正直にしろと
倫理の先生が教えない方がいい。

いっそ思い切って学校で嘘をつく
法とか、人を信じない術とか、
人を乗せる策を教授する方が、世の
為にも当人の為にもなるだろう。 
        (五)

      

作者の伝えたいこと、少なくともその
一つがこの考えにあることは間違い
ないでしょう。

ですので、これについて自分はどう
思うのかを、賛成するにしろ反対にしろ
堂々と述べていけば、王道を行く感想文が
必ず書けるはずなんです。


ん? 手本を見せろ?

はいはい、わかりました。
まずは、上記の引用文をそのまま使った
1200字(400字詰め原稿用紙3枚)版から。



感想文の例(1200字)

 夏目漱石の小説『坊っちゃん』は、
東京の学校を卒業してすぐ四国・
松山の中学校に赴任した若い
数学教師「おれ」の物語です。

 赴任早々、宿直の夜に蚊帳の中に
イナゴを入れられるなど、生徒から
いたずらや嫌がらせを受けた「おれ」は、
やった生徒を厳しく罰するよう
職員会議で主張しますが、議論の
ようすなどから教師の間にある
対立や人間模様が見えてきます。

すなわち陰で動いているらしい
頭のいい「赤シャツ」教頭と
その子分格で太鼓持ちをする
「野だいこ」(略して「野だ」)
の一味と、彼らに腹を立てている
数学科の主任、「山嵐」とです。

 無骨で不器用な山嵐をはじめは
誤解して不仲だった「おれ」ですが、
やがて誤解が解けて意気投合し、
気持ちよく笑い合います。

でもやがて山嵐が辞職に追い込まれ、
たことから、二人は赤シャツらを
不意打ちして生卵をぶつけたり、
殴ったりの「天誅」を加え、その後は
責任を取ってさっさと学校をやめ、
東京に帰ってしまいます。

   

 こういうストーリーに沿って、
たいへん愉快に読んでいける小説で、
笑えるところも沢山あります。

私が特に面白いと思ったのは、
赤シャツ、野だいこ、山嵐のほかにも
「うらなり」「マドンナ」(婚約して
いたこの二人の間に赤シャツが割り込む)
など教師たちのあだ名をどんどんつけて
いくところで、このあたりはいつも
ひそかに先生方のあだ名を考えている
私には大いに参考になりました。

            


 ところで、そう考えていくと、
あだ名をつけている「おれ」本人も
教師である以上、あだ名をつけられても
いいし、あるいはすでにつけられている
のかもしれないと思いつきました。

そのあだ名が「坊っちゃん」だ
というのが『坊っちゃん』という
題名の意味なのではないでしょうか。

私がそう思うのは、「おれ」が
こう考えているところからです。

考えて見ると世間の大部分の人は
わるくなる事を奨励している
様に思う。

わるくならなければ社会に成功は
しないものと信じているらしい。

たまに正直な純粋な人を見ると、
坊ちゃんだの小僧だのと
難癖をつけて軽蔑する


それじゃ小学校や中学校で
嘘をつくな、正直にしろと
倫理の先生が教えない方がいい。

いっそ思い切って学校で嘘をつく
法とか、人を信じない術とか、
人を乗せる策を教授する方が、世の
為にも当人の為にもなるだろう。
       (五)

     

 赤シャツはもちろん、「たぬき」
というあだ名の校長も含め、教師たちは
むしろ「わるくなる事」を身をもって
教えているようにも見えるわけです。

右の引用文は、それに逆らう自分を
「坊ちゃん」と呼んで「軽蔑する」なら
それで結構だ、という気概の伝わる
文章だと思います。

そんな甘い考えでは世の中を渡れない
と言われるかもしれませんが、私は
「坊ちゃん」のこの気概を忘れない
ようにしたいと思っています。
      (1200字ちょうど)


どうです?

うまくまとまっているでしょう。

これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、適宜、自分らしい
ものに文章を変えて使ってもらうのは
かまいませんよ~;^^💦


ん? これでは長すぎる?

なにしろ400字以内で書くという
宿題だから?

はい、それなら上の1200字を
ギュッと1/3に縮めればいいんですよ。

たとえばこんなふうに。



感想文の例(400字)

 『坊っちゃん』は、東京から松山の
中学校に赴任した若い教師が
教師間の抗争に関わり、
「天誅」と称して暴力をふるった
ため責任を取って退職・帰京する
という物語です。

 私が特に面白いと思ったのは、
主人公が赤シャツ、野だいこ、
山嵐など教師たちにあだ名を
つけていくところでしたが、
ふとこの主人公自身にはあだ名は
ないのか、と気になりました。

そう考えて読み直すと、教頭の
赤シャツらを批判して
「わるくなる事を奨励している
様」だと主人公は言っていました。

「たまに正直な純粋な人を見ると、
坊ちゃんだの小僧だのと難癖を
つけて軽蔑する
」が、それなら
学校で「正直にしろ」なんて教えるな
と主張するのです。

人形Bloody-Rain-s

 この意味での「坊ちゃん」という
あだ名なら自分は喜んで引き受ける
というのが題名の意味なのでは
ないでしょうか。

私もこの意味での「坊ちゃん」なら
引き受けて生きていきたいと思います。
       (400字ちょうど)
   
どうです?

みごと400字に縮めたでしょう。

これももちろんコピペはダメですが、
適宜、変更して使ってください。

スポンサーリンク




「おれ」の暴力は許されるのか

さあ、これで読書感想文は
もうOKですよね。

ん? でも「おれ」が自分は「坊ちゃん」で
結構だと居直るのはいかがなものか…。

自分としてはむしろこの姿勢を批判する
ような感想文を書きたい…ですって?


なるほど、それは素晴らしい挑戦です。

この方向での書き方についても
考えてみましょう。

つまりの「天誅」と称して山嵐と二人で
赤シャツと野だいこに加える暴力は
許されるものなのか…と。
     
     IMG_20150125_0007

もちろん許されないから辞職するんですが、
それは覚悟の上での行動ですし、帰京後は
懐かしい下女の清と幸せに暮らすようで
ハッピーエンドともいえますね。

そうすると、小説の作意としては、
つまり作者の漱石先生は、この暴力を
許しているんだろうか?…
という話にならないでもありません。


「暴力は絶対にいかん」と徹底的に
教えてきたくせに、学校はこんな小説を
推奨するのか、と批判してみても
いいでしょう(睨まれるのは覚悟で;^^💦)


ともかくこの観点から、自分のこれまでの
経験に照らしながら、作品全体を
読み直し、考え直してみれば、頭ひとつ
抜けた高度な感想文になるはずですよ。


「おれ」は漱石なのか?

さて、そういうわけで、「おれ」=
「坊ちゃん」の暴力を批判してもいい
わけですが、その場合、注意したいのは
「おれ」=「夏目漱石」と短絡しては
いけないということ。

つまり作者漱石としても、「おれ」たちの
暴力に対して批判的であるという可能性も
十分にあるわけです。


そのことを押さえた上で言えるのは、
「おれ」の大部分はやはり漱石自身を
描き出したものだろう、ということです。



そのことは冒頭の文章に早くも明確に
打ち出されているようなんですね。

親譲りの無鉄砲で小供の時から
損ばかりしている。

小学校にいる時分学校の二階から
飛び降りて一週間ほど腰を
抜かした事がある。

なぜそんな無闇をしたと聞く人が
あるかも知れぬ。

別段深い理由でもない。

新築の二階から首を出していたら、
同級生の一人が冗談に、いくら
威張っても、そこから飛び降りる
事はできまい。弱虫やーい。
と囃したからである。(一)

         Skulls-s

この威勢のいい文章で冒頭からほんの
数行で、早くも主人公の性格が強烈に
読者に印象づけられてしまうんですね。


この書き出しに「親類のものから貰った
西洋製ナイフを友達に見せ」て、
「何でも切つて見せる」と豪語する
話が続きます。

「そんなら君の指を切つて見ろと
注文したから、何だ指位この通りだと
右の手の親指の甲をはすに切り込んだ」
という武勇談です。

      ナイフknife-159519_640

ところでこの話、 実は漱石唯一の
自伝小説とされる『道草』(1915)にも
出てくる(第九十五回)ことからして、
どうやら漱石自身の経験をそのまま
書いているんですね。

実際それほど「無鉄砲」な面のある、
わがままで短気な子供だったらしい。


だから『坊っちゃん』の冒頭に続く部分では
少年時代の「いたづら」をさらに何件か
並べたあとで、両親が登場して

おれを見る度にこいつは
どうせ碌なものにはならないと、
おやぢが云った。

乱暴で乱暴で行く末が案じられる
と母が云った。        

という話になりますが、このあたりも
漱石が実際に言われた気配が
濃厚なんですね。

だから『坊っちゃん』の「おれ」は
漱石自身だ、だからその暴力も
否定できないんだ……というふうに
考える余地はないでもないでしょう。



「悪」をともなうヒーロー

『坊っちゃん』の「おれ」には漱石の
江戸っ子らしい威勢のよさ、悪くいえば
短気で乱暴な部分が拡大・誇張されて
描き出されているといえそうです。

この意味で赤シャツらへの「天誅」は
相手の言い分を聞かない一方的なもの
と批判できますし、威勢のいい言動には
「田舎者」差別が丸出しになってもいて、
完全無欠の正義の味方とは
とてもいえません┐( ̄ヘ ̄)┌

      

「おれ」という主人公を造型するにあたって、
漱石が自分の性格の一面を誇張する
方法をとったことは間違いありませんが、
それによって、自身の「悪」の部分も
あらわになる、というリスクをあえて
冒しているんですね。

そして、この冒険にはもちろん、
漱石なりの理由、意図があったに
違いありません。


とすれば、それは何なのか。

そこへ突っ込んで、自分なりの仮説を
書くことができれば、それはもう
感想文は最上級、大学・大学院レベルの
「論文」クラスにさえなっていく
ことでしょう(*~▽~)ノ。



罰があるからいたづらも心持ちよく出来る

え、お前自身はそこをどう考えるのか?

そうですねえ……
要するに

漱石が「おれ」に託した美徳は、
多少の「悪」も意に介せず
振りまくほどの威勢の良さなしには
表現しきれないレベルにあった


といったところでしょうかね。

では、その美徳とは?
ということになると…、どうしても
それを言葉にせよといわれるなら、
「廉潔」…といって難しければ、
「正直」ってことになっちゃうかな。

   030898

いたずらをした中学生たちへの「おれ」の
批判は厳しいもので、そこに「田舎者」
差別も浮上してしまうわけですが、
その批判の核心は、逃げ隠れする彼らが
「卑怯だ」とするところにありました。

おれなんぞは、いくら、
いたづらをしたって潔白なものだ。

嘘を吐いて罰を逃げる位なら、
始めからいたづらなんかやるもんか。

いたづらと罰はつきもんだ。

罰があるからいたづらも
心持ちよく出来る
。 (四)

       115733

この「心持ち」こそ『坊っちゃん』
の主題ではないかと思うほどですが、
実際、それは漱石自身が少年時代から
こだわったところらしいんです。

ともにいたずらをして、ともに罰を
受けた「悪友」篠本二郎の回想によれば、

夏目君は幼時より嘘を
吐いたことがなかつた。
(中略)
殊に夏目君は虚言(うそ)つきと
言はるゝことを、神経質かと
思はるゝ程に、気に掛けて居た。 
    (「腕白時代の夏目君」)


というんですね。

罰を受けまいとして嘘をついて逃げる
ということが決してなかった(◎◎)、と。



まとめ

どうです? 書けそうですか、感想文?

上にいろんなことを書きましたが、
どれか一部分でも参考にして
もらえたらと思います。

もっと高度でユニークな感想文を
狙いたいという人はこちらの
記事も見てくださいね。

坊ちゃんは山嵐との漫才が面白い! ユニークな感想文ならコレ!!

          


『坊っちゃん』をはじめとした
漱石の作品を早く安く手に入れたい
場合は、Amazonが便利です。

こちらから探してみてください。

✊夏目漱石の本:Amazonラインナップ✊


ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、
漱石のほかの作品をはじめ、
日本と世界の種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/


スポンサーリンク
(Visited 68 times, 6 visits today)

合わせて読みたい関連記事


コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ