坊ちゃんは山嵐との漫才が面白い! ユニークな感想文ならコレ!! | 笑いと文学的感性で起死回生を!@サイ象

坊ちゃんは山嵐との漫才が面白い! ユニークな感想文ならコレ!!

やあやあサイ象です。

いよいよ尻に火ですか? 
宿題の読書感想文。

Sponsored Links

どうせ出さなきゃいけないものならば、
「出しゃいいんだろ、出しゃー」みたいな
投げやりなものでなく、よいものを出して
評価されたいわけですが、でも、評価は
時の運(読む先生次第)。

よいものが評価されないことも当然
ありますから、それはそれで仕方ない。

評価されなかった場合も、 それは読む人の
側の問題だ、とふんぞりかえって言える
ような、 自分にしか書けないユニークな
ものを目指しましょう。

高度な感想文の書き方

というわけで今回は 「ユニーク」な感想文を
目指して、素材としては少しもユニークでない
夏目漱石の『坊っちゃん』で行ってみます
(知ってますよね?^^💦)。
  

⦅広告⦆クリックすると楽天市場へ

「ユニーク」なものにするにはまず、
人の目をつけないところに目を
つけたいわけですが……、

でも、実はちゃんと読んでなくて
内容も知らない?

そういう人はまずこちらで「あらすじ」を
頭に入れてください。

夏目漱石 坊っちゃんのあらすじ&簡単なポイント解説

   

おれの顔にかかわる

さて、どこに目をつけましょうか。

うまい方法の一つは、物語(ストーリー)
全体を追うのでなく、一人の登場人物に
焦点を絞ってしまうことですね。

Sponsored Links

たとえば…
東京から松山の中学校に赴任した
「おれ」(この人が「坊ちゃん」)に
数学教師の「山嵐」が下宿を紹介し、
帰りに「氷水を一杯」おごりますね(二)。

  d90d1aab8d97d0d9909d92d5a6b3ee4a_s


その後、宿直で「おれ」が寝ていると
「蒲団の中からバッタが五六十飛び出」す
という事件が起こり(四)、これについて、
教頭の「赤シヤツ」とその腰巾着のような
「野だ」(「野だいこ」の略)が、それは
山嵐が生徒を「煽動」してのことだ、
と示唆します(五)。

あの山嵐がそんな「いたずら」をするかなあ
と不審には思いながら、一本気な「おれ」は
「そんな裏表のある奴から、氷水でも奢って
貰っちゃ、おれの顔に関わる」と考え、
氷水代一銭五厘を翌日学校で返すことに
決めてしまいます。

 ツ格ツ本 CMYK


「一と角の人間と見立てて」の「厚意」
あればこそ、おごってもらったのであって、
それがなければ、もはやおごってもらう
理由はない。

だから金は返す(六)、という論理。


ところが、翌日また多少の経緯があって、
「おれ」が出した一銭五厘は山嵐の机の
上に置かれたままになり、そのまま
数日たちます。

と、やがて誤解がとけ、 赤シヤツらこそ
陰謀家であると発覚するんですね。


すると「おれ」は山嵐の目の前で、無言の
まま、机上の一銭五厘をとってガマグチに
入れ、「君それを引き込めるのか」
という山嵐の問いに

「君に奢られるのが、いやだった
から、是非返す積りで居たが、
その後段々考えて見ると、
やっぱり奢って貰う方がいい
様だから、引き込ますんだ」

これに山嵐は大笑い。

こうして二人は友情を回復する
ことになります。(九)


これ読んでても笑えますね。

現代の漫才のネタにもできるんでは
ないかと思えるくらいです。

  

でも、ちょっと立ち止まって考えてみると
なかなか深いものを含んでいると
思いませんか。

ここから「道徳とは?」とか「日本人
とは?」とかの問題に入っていくことが
できれば、ユニークで高度な感想文も
書けるんじゃないでしょうか?

Sponsored Links


『菊と刀』の『坊ちゃん』論

ここで奥の手を紹介しましょう。

この作品について書かれた批評・評論等の
文章を導入するのがその一法です。


ここではその一つとして、 広く読まれてきた
日本文化論の古典、ルース・ベネディクトの
『菊と刀』(1946)をのぞいてみましょう。
    👇

⦅広告⦆クリックすると楽天市場へ

原文を見ないとわかりにくい部分もあります
ので、なるべく図書館などで原書を探して
見るのがよいと思いますが、英語が高度
すぎるという人には、平易に書き直した
ものもあります。
   👇
菊と刀 Level 3〈1600‐word〉

菊と刀 Level 3〈1600‐word〉
価格:972円(税込、送料別)

Sponsored Links


さて、この本ではさきほどの坊ちゃんと
山嵐の漫才のような経緯が「高徳の物語」
(a tale of a high virtue) として
読み解かれているのですね(第5章 過去と
世間に負い目を負う者」)。

すなわち

恩を受けた者は、自分の謝意を
「百万両より尊とい御礼」と見なし、
それに見合う行動を取ってはじめて
恩義から解放される。

にもかかわらず、「おれ」が
山嵐について誤解したように、
「恩人」(’on man’)が
「一と角の人間」たる資格を
失えば、 そうした行動が
取れなくなるため、この場合は
憤る(resent)ことこそが
「徳」(virtue)となる。

というのです。

Sponsored Links

たとえばこのような論点について
自分はどう考えるかを述べて
いったらいいんですよ。

     1ec32153d705e114e090341f161a611e_s
   「菊」と「刀」が日本を象徴する…  d6c7f14841d65c91ab54024bf10d0d4d_s


たとえば……

・このような場合に憤る人間を日本人が
実際に「高徳」と見ているかどうか。


・「おれ」をそのまま「作者自身の肖像」
とするベネディクトの読みは
認められるのか。


とかですね。

そこからベネディクトを批判しまくります?


でもそこまでいいくと、”論文”としては
面白くなっても、「読書感想文」としての
評価は期待しにくいでしょうね。

だから、やはり結論部では、 自分のこと、
または作品のことに戻て、「これからは
自分も…」みたいな反省文的なものに
まとめた方が学校のウケはいい(たぶん)。

Sponsored Links

「田舎者」差別でねえの?

たとえば、

・ベネディクトが日本人の「高徳」と見なす
「おれ」の性向について、作品はむしろ
「江戸っ子」の特質と見なして、「田舎者」
と差別している
ようにも読めるが、
この点はどうか。

・「赤シヤツ」と「野だ」が完全な悪者に
されているが、実際的に考えれば、彼らにも
彼らの言い分がある
のではないか
(見えないだけで)。


  

といったところかな……

👉『坊っちゃん』での読書感想文の
ネタとしては、ほかにも色々な
テーマが考えられます。

こちらの記事も参考にして
ください。

坊ちゃんで読書感想文 ✊小学生から大人まで【例文つき】

    030898

👉『坊っちゃん』をはじめとした
漱石の作品を早く安く手に入れたい
場合は、Amazonが便利です。

こちらから探してみてください。

夏目漱石の本:Amazonラインナップ

  ƒvƒŠƒ“ƒg


ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でもやっぱり自信が…

だってもともと感想文の類が苦手で、
いくら頑張って書いても評価された
ためしがないし(😿)…
具体的に何をどう書けばいいのか
全然わからない( ̄ヘ ̄)…?

Sponsored Links

う~む。そういう人は発想を転換して
みるといいかもしれない;^^💦

そもそも日本全国で盛んに奨励されている
読書感想文の発祥の源は「コンクール」。

  

各学校の先生方の評価基準もおのずと
「コンクール」での審査に準拠する
形になっているのです。


だから、読書感想文の上手な人は
そのへんのことが(なんとなくでも)
わかっている人。

さて、あなたはどうなのかな?
👉「コンクール」での審査の基準を
知るには、実際に出品され大臣賞などを
受賞している感想文をじっくり読んで
分析してみるのがいちばんです。

こちらでやっていますので、
ぜひご覧ください。

読書感想文の書き方【入賞の秘訣4+1】文科大臣賞作などの分析から

セロ弾きのゴーシュで読書感想文!コンクール優秀賞作(小2)に学ぶ

 

アルジャーノンに花束を の感想文例!市長賞受賞作【2000字】に学ぶ

    

そちらで解説している「書き方」を
踏まえて、当ブログでは多くの感想文例を
試作し提供してきましたが、このほど
それらの成果を書籍(新書)の形にまとめる
ことができましたので、ぜひこちらも
手に取ってご覧ください。
  👇


👉上記の本『読書感想文 虎の巻』は
当ブログで提供し続けてきた「あらすじ」
や「感想文」関連のお助け記事の
ほんの一部でして、載せきれていない
記事もまだまだ沢山あります。

気になる作品がありましたら、
こちらのリストから探して
みてください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧


ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

(Visited 2,914 times, 1 visits today)

2 Responses to “坊ちゃんは山嵐との漫才が面白い! ユニークな感想文ならコレ!!”

  1. […] 菊と刀で読む日本人:夏目漱石『坊っちゃん』で感想文(10) 19 views […]

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ