カラフルで読書感想文✒高校生ならどう書く【あらすじ+解説】

 


やあやあサイ象です。

おなじみ「感想文の書き方」シリーズも
今回ではや第176回((((((ノ゚⊿゚)ノ

「あらすじ」暴露サービスとしても
117弾となります。


今回は読書感想文の素材として大人気の
森絵都さんの小説『カラフル』
(1998 👇)に挑戦しますよ~。




この作品、中学生の読書感想文にも
よく採り上げられているものです。

となると、あなたが高校生かそれ以上の
人ならば、ここはやはり中学生に
負けるわけにはいきませんよね。

中坊には書けない、多少は高度な
内容をもつ感想文を書き上げ
なくっては顔が立ちません;^^💦

        野球猫matsui-anime

では、どうするか。

まずはあらすじをきちんと
押さえておく必要があるでしょう。

もうわかっているという人も
大事なところを見落としたりして
いるかもしれませんから、もう一度
下記の「あらすじ」をおさらいして
おきしましょう。


「 」内と「”」印のグレーの囲みは
上記の文春文庫からの引用です。

では、どうぞ。


👉 簡単なあらすじ(要約)

「死んだはずのぼく」(中学3年生)の
「魂」は、天使のプラプラに遭遇し、
3日前に自殺をはかった小林真(まこと)の
体に「ホームステイ」するようにという
「ボス」(「万物の父」とも称される)の
命令を伝えられる。

前世で犯したあやまちの大きさを自覚した
その瞬間にホームステイは終了するという。

angel-1577981_960_720

「前世の記憶はゼロ」の状態のまま
「ぼく」は真の体に入り込み、
蘇生して、医師や家族を驚喜させる。

小林家での生活が始まり、父の身勝手さ、
母がしていた不倫、兄のいじわるさなど、
いやな面が見えてくる。


学校に通い始めると、先生や生徒の
反応から真の性格や、どう見られて
いるかがわかってくるにつけ、
「その世界でまた一から他人との
関係を築いていかなきゃならない
こと」に「不安や恐怖」を抱く。

かっこ悪い劣等生ながら、絵だけは
幼時より得意だったとわかり、
真が所属する美術部に顔を出すと、
「ぼく」も不思議に心が落ち着き、
絵をかく楽しさを実感する。

美術部では、苦手な「チビ女」
佐野唱子(しょうこ)や茶髪で可愛い
下級生、桑原ひろかが真の絵と人柄に
好意をもっていたことがわかってくる。

        597b0ac82f8ffeebc067136a52e272e1_s

ある日、ひろかが中年男とホテルに
入ろうとしている現場を目撃し、
手を引いて強引に連れ去る。

ひろかはその代価として
お金を貰っていますから
いわゆる「援助交際」
ということになります。

話すうち、ひろかは「真くんなら」
「(エッチ)してもいいよ」などと
言いだすので驚くが、行為には及ばない。


家族とぶつかって家を飛び出し、
公園で野宿した夜、不良連中に
暴行される。

財布とスニーカーを奪い取られたが、
そのことが縁で卓球部の早乙女くんと
親友になり、彼と同じ高校に行こうと
受験勉強を頑張りだす。

Fences-Shoes-s

父に誘われて二人でドライブし、
釣りをしながら話すと、父の
これまでの苦労や考えがわかり、
母や兄の善意も見えてくる。

その夜、眠れないまま「今日の父親の
話は、本物の真が聞くべきだった」
と考えると、涙が出てくる。

「ぼくじゃない〔中略〕真の涙だ」

ぼくのなかにあった
小林家のイメージが少しずつ
色合いを変えていく。
〔中略〕
たった一色だと思っていたものが
よく見るとじつにいろんな
色を秘めていた、という感じに
近いかもしれない。

美術室に待っていたひろかと話す。

ひろかは「ひろか、おかしいの。
狂ってるの」と泣き出す。

「うんとやさしいひろかと、
うんと意地悪なひろかがいるの」

「みんなそうだよ。
いろんな絵の具を持ってるんだ、
きれいな色も、汚い色も」

 ひろかの持ってる明るい色が
真の暗い日々をいつも照らして
いたんだぞ。

そう教えてやれないのが
残念だった。

      1401133228bw567    

この世があまりにもカラフル
だから、ぼくらはいつも迷ってる。

どれがほんとの色だか
わからなくて。

どれが自分の色だか
わからなくて。 


日々色が変わるから、「長生きしたいけど、
一日おきに死にたくなるの」と言うひろか。

それは「ぜんぜんふつう」と「ぼく」。
「でも、死ぬのだけはやめたほうがいい」


このような経験を経ることで、
やがて「ぼく」は前世で自分が
犯したあやまちに気づく。

「ぼくはぼくを殺したんだ」
「ぼくは、自殺した小林真の魂だ」



Sponsored Links



👉 どのポイントに突っ込むか

はい、これでストーリーは
よくわかりましたね。

さて、そこで感想文ですが、どこにどう
突っ込めば、高校生(以上?)の名に
恥じない高度なものが書けるでしょうか。


ん? 全然わからん?

ではとりあえず、アニメ映画『カラフル』
(2011)を紹介した下の動画をご覧の上、
原恵一監督や声優さん(宮崎あおい、
麻生久美子、高橋克実ら)らのコメントを
参考にしてみましょうか。




「教訓めいた話ではないけれど、
観た人が『明日からも”開いて”いこう』
と思えたらいいんじゃないかな」、
という高橋克実さんの感想はなかなか
いいと思いませんか。

“開いて”という表現に、いろんな
ニュアンスがこめられている
ように感じられます。


主人公の「ぼく」は結局、小林真その人の
「魂」だという自己発見にたどり着く
わけですが、そこまで行けたのは
「ぼく」が自分を”開いて”いくことが
できたから。

初めできなかたことが、なぜ、
どのようにして可能になっていったのか。

そのことを念頭に置き、「自分なら
こんな時、どうするだろう」と自問
しながら作品を読み返せば、きっと
書けるテーマが浮かんできますよ。


え? 読み返すのメンドくさい?

なら、せめて上記「あらすじ」の
「”」の囲みの文章だけでもじっくりと
読み、味わってみてくださいね。

ここに”開いて”いるひろかと「ぼく」の
思いに通じる経験は、あなたにも
心当たりがあるのでは?

もしあるなら、その思い(自分の経験
とそれへの反省)をどんどん
書いていけばいいんですよ。


👉 ”純粋な「ぼく」の心”って何?

ん? そんなのじゃ”高度な”感想文
だなんて言えない、それくらいなら
中学生だって書けるよ┐( ̄ヘ ̄)┌
…ですって?

う~ん、そう来るなら…

よろしい。いっちょ、マジで
”高度”化してみましょうか。


この小説、《「自己」とは何か》を
問いかける哲学的な作品としても
読むことができますよね。

たとえば『カラフル』のあらすじと
感想を書いたあるサイトには、
こんな文章が出ています。

自分の人生のリセットではない
ことを分かっている「ぼく」が、
どうせ他人とどこかで割り切りながら、
真の人生を冷めた目で見つめていた
ところも印象に残っています。

ただ、中年おやじとの援助交際が
やめられないひろかに、
「でも、死ぬのはやめたほうがいい」
と告げたせりふは、真でもなく、
真の体を借りている「ぼく」でもなく、
ただ純粋な「ぼく」の心から
出た言葉だと思いました。

(引用元:カラフルのあらすじと読書感想文

この文章では、「真」(A)と「真の体を
借りている『ぼく』」(B)という
物語の初めから設定されている2つの
「自己」に加えて「純粋な『ぼく』の心」
(C)という”第三の自己”が立ち上げ
られていますね。

3_characters01-300x169

「純粋」というのはどういうことか、
よくわかりませんが、ともかくそういう
「心」(AともBとも区別されるC)って
どこにあるんでしょうかね?

また「心」というのは「魂」とは
別のものなんでしょうか?


このあたりの問題を整理するために、
作品内において「真」(A)と「ぼく」
(B)という二つの「自己」がどのように
構成されているかを表にしてみました。

意識主体 他者(家族や友人)をどう認識するか 他者からどう認識されるか
小林真(死去) 多様な感情(過去の継続) 多様な感情(過去の継続)
ぼく(小林真の体に住む「魂」) 初対面(過去の記憶なし)
⇒ゼロから関係を作っていく
多様な感情(過去の継続:
小林真との区別なし)

おわかりですか?

狭義の自己認識(自意識)のほかに
「他者からどう認識されるか」を
もう一つの軸としたのは、《「自己」は
「他者」からの認識で規定されるものだ》
というこの作品の前提になっている
哲学を明らかにするためです。

「魂」(意識)が「真」(A)から「ぼく」
(B)に移行しても、他者たちはまったく
違和感なく受けとめ、「ぼく」もまた
過去の記憶がないにもかかわらず
すんなり溶け込んでいきますね。

AとBがもし完全に別人格なら、
そんなことはありえないわけで、
なんらかの齟齬が出てくることは
必至でしょう。

      het_egyptische_gezicht_van_het_kubisme_12_7x17_8_uitnodiging_kaart-r83614088c4a64d69a3fba3d6c5bc1ade_zk9c4_324

それが全然ないのは、「記憶がない」
という点をのぞけば、性格も背負っている
過去も、AとBは何から何まで同じで、
あとはそれを思い出すだけ…
という状態にあるから。

主人公が(それに付き合って読者も)
そのことに徐々に気づいていく過程が
小説の強い流れになっているわけです。


ですから、「死ぬのはやめたほうが
いい」という発言について「純粋な
『ぼく』の心」(C)という第三の
「自己」など導入する必要などない
のではないでしょうか?

この発言も「ぼく」(B=A)が
本気でそう思って口にしたのだと
理解していいはずで、そうでないと
自殺が「大きなあやまり」だったという
最終部分での発見も生きてこない
のではないでしょうか。

           04b2e594e653ea86c74acd3b884dba46

結局、性格や感じ方・考え方を含めた
「自己」を作っているのは、その人の
「過去」の蓄積にほかならない。

「だから過去からは逃れようがない」
と作者は達観しているのでしょうか。

いや、このように「過去」を相対化して
はじめて、「未来」に開かれた新しい
「自己」が見えてくるのだ、という
ふうに言いたいのでしょうか。


どちらとも解釈できますよね。

このあたりについて自分なりの解釈を
書いていければ、それはもう”高度”な
読書感想文になること請け合いですよ!



👉 まとめ

さあ、これでもう大丈夫。

高校生(以上?)でなければちょっと
書けない、”高度”な内容の感想文の
出来上がりですね;Y(^0^)Y


ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね~;^^💦

当ブログでは、日本と世界の
種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

Sponsored Links

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ