やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズもはや第86回。
「あらすじ」暴露サービスとしては
第53弾となります。

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今回は江戸川乱歩の長編小説では
最も評価の高い『孤島の鬼』
(1929-30)に挑戦です。
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内容には”腐女子”向きBL的部分も
ふんだんにあります。

かつそれに伴ってグロテスクで
刺激的な部分も含まれていますので、
心臓の弱い人やキモいのはキライという
方も遠慮された方がよろしいかと……。


とりあえず、2015年の舞台『孤島の鬼』の
オープニング映像から雰囲気を感じ取って
もらえたらと思います。



さて、これではもちろんストーリーは
わかりませんから、これから「あらすじ」
をお届けするのですが、その「すじ」を
どの程度詳しく知りたいかも(ネタバレされ
たくないかどうかを含め)、人により
まちまちでしょう。

そこで出血大サービス!

「簡単」版と「やや詳しい」版の
2段階でお届けしますよ~。

簡単なあらすじ

まずはごく簡単なあらすじから。

「私」が結婚を決めて指輪を贈った
木崎初代は、拾われっ子で、捨てられた
3歳の時に持たされていた「命の次に
大事な」系譜図を結婚指輪のお返しに
私に贈るという。

その初代に、学生時代の先輩で家柄も
収入も学歴も容姿も私より上の
諸戸道雄が求婚者するが、諸戸は実は
同性愛者で、かつて私への恋情を暴露
したことがあった。

      

やがて初代が自宅で殺害され、
系譜図も持ち去られる。

犯人への復讐を誓い、私が調査を依頼
した友人の探偵、深山木幸吉は海水浴で
不可解な死をとげる。

その現場検証を見守る群衆の中に
諸戸の姿を発見した私は、彼への
疑いを深める。

殺された深山木の所持品にある双生児の
片方が書いた「日記」があり、その筆者
「秀ちゃん」はシャム双生児の片側の
聡明な美少女で、醜貌で粗野なもう
一方の少年に乱暴されたり発情され
たりで、苦しんでいるとわかる。

やがて初代の出生の秘密も、諸戸の
育ったこの「異形」の世界――志摩の
孤島――にあることが判明し、私は
諸戸とともにそこへ乗り込む。

諸戸の父、丈五郎は道雄とは似ても
似つかぬ極端に醜い小男で、この孤島で
様々な「異形」の存在を人工的に作り
出していること、例の「日記」の筆者も
実は健常に生まれながら、見世物に
すべく手術でシャム双生児にされて
しまったことがわかってくる(叫び

   

これらの人々の救出と丈五郎の撃退、
また島に隠されているはずの宝物を
丈五郎よりも先に入手すべく
私と諸戸は行動を開始。

系譜図の暗号を読み解いて古井戸を
下降し、地下に張り巡らされた
地下道に進入するが、暗黒世界に
入り込み、諸戸は抑えきれず
「僕の恋」を受け入れてと
泣きながら私を追いかける。

「闇と死と獣性の生地獄」となった
ところへ丈五郎も現れるが、すでに
精神に異常を来し、踊り狂っている…。

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いかがでした。

これでおおよそ、どんな小説かは
わかりましたよね?

ん? でも結局その「暗黒世界」で
「私」と諸戸、そして丈五郎は
一体どうなるんだ❓


そこまで書いてしまうとネタバレ
なりますので、遠慮した次第。

ま、あと少しで大団円ですよ。

というわけで、結末を含め、全体を
よく理解したいという人はやはり
はじめから「詳しいあらすじ」を
辿り直す必要があるのですね;^^💦

かなり詳しいあらすじ

というわけでストーリーを詳細に記述
していきますが、こちらここではネタバレ
避けるという姑息な配慮は一切
いたしませんので、結末を知りたく
ない人は絶対に読まないでください
(◎◎)。


『孤島の鬼』はもともと大衆雑誌『朝日』に
1年以上、14回にわたって連載されたもので、
「はしがき」に始まって、各回にそれぞれ
「異様なる恋」「怪老人」「入り口のない
部屋」といったキャッチーなタイトルが
つけられています。

これら各回を、わかりやすさのため、
「起・承・転・結」の4部にたばねて
記述していきますね。

👿【はしがき】

まだ30歳にもならない私(簑浦金之助)
だが、濃い髪の毛はすべて真っ白。

妻の腰の左腿(もも)上部には
「恐ろしく大きな傷の痕(あと)」
がある。

「この二つの異様な事柄」の原因を
わかってもらうには、以下のような
「長々しい物語」が必要になる。

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👿【起】

25歳のころ、私は同僚の木崎初代と
恋に落ち、結婚を決意する。

初代は3歳の時に捨てられていたところを
拾われて大事に育てられた子で、養父
亡き今は養母と仲良く暮らしていた。

捨てられた時に持たされていた系譜図は
肝心なところが破れていて、やはり
身元はわからないのだが、結婚指輪を
贈られたお返しに、「命の次に大事な
これ」を初代は私に贈るという。

    

そんな折、初代に猛烈な求婚者が現れる。

家柄も収入も学歴も私より格段に上
というその男は、学生時代の先輩、
諸戸道雄だった。

諸戸は快活で頭脳明晰な美男だが、
実は同性愛者で、私への恋情を
酒の勢いで暴露したことさえあった。

女性は気持ち悪いとしか感じないとも
言っていた諸戸が初代に求婚したのは、
私との仲を引き裂くことが目的なのか
と私は疑う(゚_゚i)。

👿【承】

そんなある日、初代が自宅で殺害され、
系譜図を入れていた手提袋などが
盗まれる。

自宅の鍵はすべてかけられており、
侵入の痕跡は見当たらない。

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犯人への復讐を誓った私は、諸戸への
疑いを抱きながら、まずは友人の探偵、
深山木幸吉に調査を依頼する。

何かを掴んだらしい深山木も、  
海水浴の砂に埋もれて子どもたちと
遊んでいるという衆人環視状態の中で
不可解な死をとげる(((゜д゜;)))。

現場検証を見守る群衆の中に
諸戸の姿を発見した私は、彼への
疑いを深めずにいられない。

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👿【転】

殺された深山木の所持品にある双生児の
片方が書いた「日記」があり、そこから
この連続殺人事件の背景にあるらしい
「異形」の世界が浮上してくる。

日記を書いている「秀ちゃん」は、
シャム双生児の片側の聡明な美少女で、
醜貌で粗野なもう一方の少年に乱暴
されたり発情されたりで、苦しみ
抜いていることも徐々にわかる。

やがて初代の出生の秘密も、諸戸の
育ったこの「異形」の世界――志摩の
孤島――にあることが判明し、私は
諸戸とともにそこへ乗り込む。

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タイトルの「孤島の鬼」が指して
いたのはこの島を支配する諸戸の父、
丈五郎だった。

美貌の道雄とは似ても似つかぬ、
極端に腰の曲がった醜い小男で、
その妻、つまり諸戸の母も
同様の醜女(叫び)。


「徳さん」と呼ばれる親切な老人の
話などから、丈五郎はこの孤島で
様々な「異形」の存在を人工的に
作り出しているとわかってくる。

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例の「日記」の執筆者も実は健常に
生まれながら、見世物にすべく手術で
シャム双生児にされてしまったものらしい。


これらの人々の救出と丈五郎の撃退、
また島に隠されているはずの宝物を
丈五郎よりも先に入手すべく
私と諸戸は行動を開始する。

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👿【結】

初代が遺した系譜図に記されていた
暗号を読み解いた諸戸と私は、
古井戸を下降して、島の地下に
張り巡らされた地下道を発見する。

が、歩くうち道に迷い、暗く
閉ざされた暗黒世界で行き場を失う。

光も差さず、生への執着も薄れて
くる状況で、諸戸はついに抑えきれず、
「アア、君は今になっても、僕を愛して
くれることは出来ないのか。
僕の死にもの狂いの恋を受け入れる
情(なさけ)はないのか」

とオイオイ泣きながら私を追いかける。

  

諸戸という「蛇」に乗られた
私の「闇と死と獣性の生地獄」。


そこへ徳さんが現れ、その話で
すべての秘密が解かれる。

追って丈五郎も現れるが、このとき
すでに精神に異常を来し、ひとり
踊り狂っている。

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なんとか出口を見つけて古井戸から
地上へ出ると、刑事が来ていて、
すべてが解決に向かう。

諸戸と私はお互いが一挙に
老人化したことに驚く(゚_゚i)。


初代の実妹であると判明した「秀ちゃん」
は切り離し手術を受けて、通常人と
変わらぬ姿となり、私と結婚した。

諸戸道雄はその後、病死したが、
死亡通知状には、息を引き取る間際まで
「あなた様のお名前のみ呼び続け
申候(もうしそうろう)」とあった。

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不適切な表現に注意

さあ、どうでしょう。
楽しんでいただけましたか?

なにしろ文庫本で300ページ以上に
わたって、複雑な謎とその解消が展開
されていますので、トリックやポイントの
すべてをカバーした「あらすじ」なんて
ありえません。

すみずみまでちゃんと理解したい、
という人には、やはり全文を読んで
もらうしかないのです。

  

それから、特に「孤島の鬼」こと丈五郎の
所業にかかわる記述では、現代の人権感覚
からすれば不適切とせざるを得ない
表現が、ほとんどあふれかえっています。

それらも当然、この「あらすじ」では
差し控えていますので、乱歩自身の
言葉を読むためには、やはり原文に
あたる必要が出てきます。

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また私(簑浦)と諸戸道雄まとの
関係は、今風にいえば明らかなBL
(ボーイズラブ/男性同性愛)ですよね。

これもまたタブーにふれてきますが、
逆にまたこれこそが近年の人気復活の
最大の理由なのかもしれません。
👉最近の”BL/腐女子”的見方は
夏目漱石の文学にも及んでいて、
『こころ』の場合では、そもそも
Kが自殺してしまうのは、お嬢さんの
取り合いに敗れたからではなく、
御嬢さんに先生を取られたからだ
という新説も提示されています。

詳しくはこちらで。

こころの先生とKとはBL?腐女子による漱石新解釈で名言も見直すと…

              


とにもかくにも乱歩はゾッとさせて
くれる作家ですね。

この大エンターテイナー乱歩の
世界をめぐっては、かなりの記事を
書きためています。

あなたのお気に入りを
こちらから見つけてください。

江戸川乱歩の本でおすすめ!初心者向きからR18+の淫靡世界まで13作

            


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👿 感想文は?

というようなわけで、この作品で
感想文を書こうというのは、
学校からはあまり期待されていない
ものと推察されます。

でもどんな本でもよいと言われて
いるのであれば、もちろん
選んでかまわないわけです。

いろいろと情報提供しましたので、
もう書けないことはありませんよね。 



え? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でも具体的に、どう進めて
いいかわからない( ̄ヘ ̄)?

それならまず、当シリーズの
感想文の書き方《虎の巻》の
適用例をご覧ください。  

乱歩以外にも多くの作家・作品を
とりあげて、「あらすじ」や
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👉こちらのリストをどうぞご覧ください。

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ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/


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