サクラさん
森鴎外の『山椒大夫』で
読書感想文を書こうと
思うんですが、何を
どう書けばいいのか、
悩んでいます。

ハンサム 教授
読んでいていちばん
強く感じたことは?


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サクラさん
弟を逃がして自分は残る
ことにした安寿がけなげ
というか、かわいそう。

女性とはいっても2歳
上なんだから、同じ
速さで歩けると
思うんですが…(😿)

ハンサム 教授
う~ん…昔はやっぱり
女性は袴(はかま)も
穿かないし、足は遅い
というのが常識だった
のかな。

でも、安寿はかわい
そうですか?


映画『山椒大夫』ポスターから 

厨子王を一人で行かせる
時の安寿の顔は「喜
(よろこび)」に輝いて
いた(😻)と3度も書いて
ありますよ。

サクラさん
ああ、そういえば…、
そこは変に思いながら
読んでました。

死んでしまうのに…。

ハンサム 教授
そういう部分にツッコミ
を入れて自分なりの答え
を書いて行けば、優秀
感想文(💮)の出来上がり
ですよ;^^💦


というわけでおなじみ”感想文の書き方”
シリーズ第307回(“あらすじ暴露”
サービスとしては第220弾)となる今回は
森鴎外の名作短編小説『山椒大夫』
(1915/大正3年)に挑戦です((((((ノ゚🐽゚)ノ
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👉もちろん『山椒大夫』全文を読んで
おかないと書けないはずですが、
その労を惜しんで書こうという
大胆な方はこちらで「あらすじ」を
仕入れていただくことも
できますよ~;^^💦

山椒大夫(森鴎外)のあらすじを簡単に//原作説話・映画との違いは?

         


まずウォーミングアップというか
参考までに1954年映画『山椒大夫』
(溝口健二監督、英語版)の予告編を
どうぞ。      👇



読書感想文例文(1200字程度)

それではそろそろ取りかかりましょうか。

今回は字数制限1200字(原稿用紙4枚)
という設定で、サクラさんが書き、
ハンサム教授の添削指導で完成させた
(ということになっている)やや高度な
読書感想文をお目にかけます。

感想文というよりは批評文と呼ぶべき
かもしれず、大学・大学院の読書レポート
としても十分に通用する内容と
思われます。

まずはじっくりとお読みください。

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 森鴎外の『山椒大夫』を通読して
最も心に残ったのは、数奇な運命を
たどる姉弟の、特に姉の安寿の
強い性格だった。

高い身分の子でありながら、悪人に
騙されて山椒大夫という強欲な富豪に
売り飛ばされ、奴隷のように働かされる
ことになってしまう悲運の姉弟。


 この二人にもやがて希望の光が
さしてくるのだが、それは、
安寿がある計画を思いついてから
だったように思われる。

山椒大夫の息子のうちやや親切な
二郎に対して、自分も弟の厨子王と
いっしょに山へ柴刈に行かせてほしい
と頼み込んだ際に、その光は、突然、
彼女の心に入ってきたらしい。

それまで何の相談も受けていなかった
厨子王が驚いて尋ねても、ただ二郎の
顔を見て「ふと思い附いた」のだと
答えるばかりだが、その「姉の顔は
喜(よろこび)に赫(かがや)いている」。

願い出は認められるものの、山へ行く
なら髪を切って「大童(おおわらわ)」
になれと言われた時も、涙ぐむ弟の
横で「意外にも安寿の顔からは喜の
色が消えなかった」。

「ほんにそうじゃ。柴刈に往く
からは、わたしも男じゃ」と
自ら鎌を差しだすのである。

  
   この絵本では安寿の「喜」が表現されていないのが残念 
  

 そして翌朝、二人で手を引き合って
山のふもとまで来た時、姉の無残な
頭を目にすることが「悲しくて」
ならないと厨子王が涙ぐんでも、
「安寿はけさも毫光(ごうこう)の
さすような喜を額に湛(たた)えて、
大きい目を赫かしている。

このあと初めて、ひとり温めてきた
計画を弟に説明し、自分を置いて
一人で逃げるようにと強く言う。

納得できない厨子王に対しては
「金で買った婢(はしため)を
あの人たちは殺しはしません」、
お前は父に会い、佐渡にいるはずの
母を連れ出してから「わたしを
助けに来ておくれ」と彼の心を
未来に向けさせる。

厨子王を見送ったあと、安寿は
入水してしまうのだから、これらの
言葉は本心からのものではなかった
ということになるし、その点は
厨子王も疑ったのではないかと思うが、
それでも彼は姉の言葉に従う。

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 私が最も強い印象を受け、また
納得させられたのはこの経緯で、
厨子王が逆らえない理由として
書かれている文章である。

「姉は今年十五になり、弟は十三に
なっているが、女は早くおとなびて、
その上物に憑かれたように、聡(さと)く
賢(さか)しくなっているので姉の
詞(ことば)に背くことが出来ぬ
のである。」

抵抗しきれず歩き出した厨子王の
心理も「足の運びも前とは違って、
姉の熟した心持が、暗示のように
弟に移っていったかと思われる」
とされており、ここでは姉から
弟へ伝えられた強烈な「暗示」が
描かれていると思う。

自ら言うとおり「運験(だめ)し」
の側面もあった安寿の計画が見事に
成功し、彼女が思い描いたとおりの
母子再会が実現するのだが、これは、
死の覚悟の上に立った安寿の「喜」に
満ちた意志が、いわば超人的な力で
厨子王に伝わったからこそのこと
ではないだろうか。

安寿のこの強く美しい意志は
いつまでも私の胸に残るだろう。
          (1193字)

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どうです?

なかなかよく書けていると
思いませんでした?


これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、ところどころ
つまみ食いして、自分らしい文章に
変えて使ってもらうのはかまい
ませんよ~;^^💦

もっと短い字数で書く場合は、
自分の場合は必要なさそうだと思える
部分を切り捨ててスリム化してください。

逆にもっと字数がほしい場合は、
自分が思ったことや思いだした経験や
どんどん入れて膨らましていけば
いいわけです。

ほかのテーマへのヒント

もちろん『山椒大夫』の読書感想文の
テーマとしては、上記の例文で考察して
いるもの以外にもいろいろなテーマが
考えられます。

ぜひ本文をじっくりと読み返すことを
通して、自分なりの主題を発見して
ください。

ん? 読み返したけど見つからない?

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それでは、そういう人のための救済策
として、ここに、作者鴎外が元ネタにした
説経節の『山椒大夫』と照らし合わせた
場合に浮かんでくる主な「違い」を
列挙しておきましょう。

つまりこれらについて、たとえば鴎外が
なぜ変更を加えたのかとか…自分なりの
考察を書いていくことができれば、
読書感想文として、あるいはより高度な
読書レポートとしても相当に優秀な
作品が仕上がるはずなのです。

鴎外版が説経節と大きく異なる部分は
主なものを挙げると、こんなところ
かと思われます。
  1. 額への焼き印は夢ではなく現実。
  2. 安寿の死は入水ではなく
    酷い拷問によるもの。
  3. 厨子王を庇護したのは藤原師実でなく
    架空の皇族。
  4. 山椒大夫は奴婢解放などはせず
    酷い方法で死刑に処される。
  5. 母子が抱き合っても終わらない。
👉これらのポイントと「違い」についての
より詳しい情報は、すでに紹介済みの
こちらの記事をご参照ください。

山椒大夫(森鴎外)のあらすじを簡単に//原作説話・映画との違いは?

     
     左上から右へ厨子王、安寿、宮崎の三郎、佐渡の二郎、
     母、姥竹、左下に山岡大夫(説経本『さんせう大夫』より)
 


これは面白そうだ、説経節の方はどう
語られていたのか、一度読んでみたい
と思われた読者さんは、どうぞこちらの
本(東洋文庫 👇)でお確かめください。


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またたとえば「安寿恋しや、ほうやれほ」
の歌など、実際の説経節でどのように
歌い継がれてきたのかも聴いてみたい
という方は、三代目若松若太夫さんの
熱演動画でお聴きください。
(歌は37分あたりから)。  👇



まとめ

さあ、これだけ情報があれば、もう
大丈夫ですよね、読書感想文。

ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でもやっぱり自信が…

だってもともと感想文の類が苦手で、
いくら頑張って書いても評価された
ためしがないし(😿)…
具体的に何をどう書けばいいのか
全然わからない( ̄ヘ ̄)…?

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う~む。そういう人は発想を転換して
みるといいかもしれない;^^💦

そもそも日本全国で盛んに奨励されている
読書感想文の発祥の源は「コンクール」。

    

各学校の先生方の評価基準もおのずと
「コンクール」での審査に準拠する
形になっているのです。


だから、読書感想文の上手な人は
そのへんのことが(なんとなくでも)
わかっている人。

さて、あなたはどうなのかな?
👉「コンクール」での審査の基準を
知るには、実際に出品され大臣賞などを
受賞している感想文をじっくり読んで
分析してみるのがいちばんです。

こちらでやっていますので、
ぜひご覧ください。

読書感想文の書き方【入賞の秘訣4+1】文科大臣賞作などの分析から

セロ弾きのゴーシュで読書感想文!コンクール優秀賞作(小2)に学ぶ

                 

アルジャーノンに花束を の感想文例!市長賞受賞作【2000字】に学ぶ

    

そちらで解説している「書き方」を
踏まえて、当ブログでは多くの感想文例を
試作し提供してきましたが、このほど
それらの成果を書籍(新書)の形にまとめる
ことができましたので、ぜひこちらも
手に取ってご覧ください。
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買う前にその「予告編」が見たい
という人は、こちらでどうぞで。

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👉上記の本『読書感想文 虎の巻』は
当ブログで提供し続けてきた「あらすじ」
や「感想文」関連のお助け記事の
ほんの一部でして、載せきれていない
記事もまだまだ沢山あります。

気になる作品がありましたら、
こちらのリストから探して
みてください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧


ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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