星の王子様 ☄名言を吐くキツネをつかまえて読書感想文を!

 


やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズも
早くも第93回。


今回はフランスの作家、アントワーヌ・
ド・サン=テグジュペリの長編童話
(童話ではないという説もありますが)
『星の王子さま』(Le Petit Prince, 1945)をとりあげます。
  


え? けっこう長いので、
ちゃんと読んでなくて内容を知らない?

ハイ、それでも大丈夫ですよ(;^_^A

そういう人はまず、こちらで
「あらすじ」を仕入れましょう。
星の王子様のあらすじ☆キツネの秘密とは?

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👉 部分で攻めるか全体を見るか

さて感想文、どう書きましょうか。

かなり長いお話で、いろんなエピソード
(挿話、小話)があり、そのなかで、
「名言」といえそうな意味深な発言も
いくつか出て来ますので、それらの
一つだけでもとりあげて、思ったことを
書いていってもいいわけですね。

つまりこれは部分的に攻めていく
方法ですが、そうではなくて、やはり
全体を見て、作品全体をとおして作者が
言いたかった(と思われる)ことを押さえ、
その上で、作者の考えに対する自分の
意見を述べる行き方……これが正攻法
ということになります。


このような正攻法で攻めて、  105659
もし説得力のある文章が書けたなら、
それはもうきっと花丸(◎◎)y!

どころか、感想文コンクールなんかでも
きっと賞が取れてしまうはずですよ。


では、どうするか……。

以下に私なりの考え方を示しますので、
参考にしていただけたらと思います。


👉 おとなの人たちときたら……

上で紹介した「あらすじ」記事を
しっかり読んでくれた人は
わかったと思いますが、この作品、
「おとなはわかってくれない」に始まり、
「おとなにはわかりっこない」に
終わっています。

つまり第Ⅰ章で

おとなの人たちときたら、
じぶんたちだけでは、
なに一つわからないのです。

しじゅう、これはこうだと
説明しなければならないようだと、
子どもは、くたびれて
しまうんですがね。

とぼやいていた「ぼく」は、
最終章も

そして、おとなたちには、
だれにも、それがどんなに
だいじなことか、けっして
わかりっこないでしょう。

とあきらめの口調で結ぶのです。

petit prince, conte, personnage, rve, univers, livre

でも、これ、ヘンな話ではないですか。

書いている作者、サン=テグジュペリは
立派な「おとな」なんですから(;^_^A


この矛盾を解決する読み方の一つは、
作者が自分を「おとな」のうちに
含めていない、という解釈でしょう。

では、その場合「おとな」とは
どんな人間か。


そこもいろんな解釈ができてくる
ところだと思いますが、
私がとりたい読み方はこうです。

王子さまが地球で出会う「キツネ」は、
「おとな」の対極というか裏返しというか、
要するに「反=おとな」の賢人のような
ふぜいで登場し、数々の「名言」を
吐いて王子を成長させていきます。

キツネに導かれた王子が    167f2c20397d887879189190c68bc6e4_s
さらに「ぼく」に伝えることになる教えこそ、
この童話で「おとな」と呼ばれている
人たちに「わからない」、あるいは
もともと分かっていたはずなのに
忘れてしまっている「哲学」だ……と。


ではその「哲学」とは
どんな考え方なのでしょう。



👉 この世でたったひとりのひと

地球の砂漠に降り立った王子は、五千本もの
バラの咲きそろう庭に出て、はじめて
「バラ」という名(普通名詞)を知って
ショックを受けますね。

ぼくは、この世に、たった一つ
という、めずらしい花を持ってる
つもりだった。

ところが、じつは、
あたりまえのバラの花を、
一つ持ってるきりだった。

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そこへ現れるのがキツネで、「ぼくと
遊ばないかい?」と王子が話しかけると、
「仲よく」ならないと遊べないと答えます。

いま、あんたの目におれは「十万もの
キツネとおんなじ」だが「仲よく」なると、

あんたは、おれにとって、
この世でたったひとりのひと
なるし、おれは、あんたにとって、
かけがえのないものに
なるんだよ……

といい、二人は仲よくなる。

この後もう一度バラ園に行った王子は、
花たちに向かってこう批判します。

「あんたたち、ぼくの花とは、
まるっきりちがう」、
ただ咲いてるだけだ。

それは「だれとも仲よく
しなかった」からだ、と。


ここで批判されているのは、
もちろん、バラたちというよりは、
本当はすべて互いに異なるはずの
一つ一つの事象をすべて同じである
かのように一括してしまう
「普通名詞」という言語上のシステム……
ということではないでしょうか。


だとすると、別れぎわにキツネが
教える「秘密」こそ、この作品の
究極の鍵となる「名言」かもしれません。

心で見なくっちゃ、ものごとは
よく見えないってことさ。
かんじんなことは、
目に見えないんだよ。

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この場合の「心」も、強い思い入れをもって
いわれている言葉ですから、軽く受け流す
わけにはいきません。

しいて解釈すれば、「普通名詞」化という
「おとな」の習慣を取り払ったところに
見つかるはずの……すべてを「固有名詞」
として受け取るという誰でも「子ども」
時代はもっていたはずの、ナマの「心」…

といったことになるのでは?



👉 キツネの教えた「秘密」とは

より具体的に指摘してみましょうか。

たとえば、王子が歴訪する星のうち、
第四の星の「実業屋」に極端な形で表現
されていた、すべてのものごとを
数値化して考える傾向。

「数値」というのは「普通名詞」をさらに
つきつめて純粋化した結果ともいえますから、
これも、異なる物事の一般化、普通名詞化
という「おとな」の傾向への強烈な批判、
風刺ですよね。


このような意味で、王子の星で咲いていた
一輪の花が「バラ」と呼ばれることを
王子があのバラ園へ来るまで知らなかった
ことには、作品の主題に直結する重要性が
あると思われます。

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「おとな」に「かんじんなこと」が見えて
こないのは、「子ども」時代には
「固有名詞」として受けとめていた
一つ一つの存在をすっかり「普通名詞」
として見るようになってしまって
いるからでは?

五千本もあるバラはみな「バラ」、
十万もいるキツネもみな「キツネ」……


「仲よく」ならないかぎりそのままなんだ、
という「哲学」が、あのキツネから王子へ、
王子から「ぼく」へと伝授されたわけです。

すなわち「仲よく」なってはじめて、

あんたは、おれにとって、この世で
たったひとりのひと
になるし、
おれは、あんたにとって、かけがえ
のないものになるんだよ……

と。


👉 世界に一つだけの花

ここでSMAPのヒット曲、「世界に一つ
だけの花」(槇原敬之作詞・作曲・編曲)
を思い出してみるのも、よろしいんじゃ
ないでしょうか。

ではちょっと聴いてみましょう。
アメリカ空軍音楽隊による歌唱
(もちろん日本語)です。



この歌にひっかけて感想文、
いっちょ上がり!(^^)у 
というのもアリだと思いますよ。



👉 まとめ

どうでしょう?

『星の王子さま』が美しく楽しい物語
であるばかりでなく、深い「哲学」の
埋め込まれた作品であること、
おわかりいただけたでしょうか。


上記はほんの一部なので、ほかにも
いろいろな「哲学」を掘り出して
いくことができると思います。

そういう作品なら、    112889
ただただ美しい物語より、感想文は
ぐっと書きやすくなるはずですよね。

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え? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は当ブログ中の、感想文
《虎の巻》を開陳している記事の
どれかをのぞいてみてくださいね。

当ブログでは、日本と世界の
多くの作家・作品をとりあげて、
「あらすじ」や「感想文の書き方」の
記事を量産しています。こちらの
リストで探してみてください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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