星の王子様で読書感想文どう書く ☄【800字の例文つき】


サクラさん
『星の王子様』で感想文を書くことにしたんですけど、
何を書いていいかわからないんです(😿)

ハンサム 教授
そうねえ…

いろんな人や動物・植物が出てきますけど、
いちばん気になったのはだれ?

サクラさん
ああ……キツネの言うことも面白いんですけど、
私は自分が女子だからか、星に置いて行かれた
一本のバラの花が気になりますね。

ハンサム 教授
なるほど…。それならその花とキツネの
関係について考えてみたらどうかな?

サクラさん
ほほ~(🐱)、どういう関係が?…

ハンサム 教授
キツネは王子に「いま、あんたの目におれは
十万ものキツネと同じに見えてるけど、
仲よくなると、この世でただ一匹の
キツネになるんだ」と言いますね。

     petit prince, conte, personnage, rve, univers, livre

これって、バラの花について王子がたった今
学んだことの逆を行く考えではないですか;^^💦

サクラさん
ふ~む。なんだか「普通名詞」と
「固有名詞」の関係に似てますね。

ハンサム 教授
まさにそうだと思う。

で、結局、キツネの言うことが作品のメッセージ
なんだとしたら、バラの花も「世界にただ一本の花」
として救われることになるんじゃないか…

サクラさん
ああ、見えてきました… 
それで行ってみます!(😻)
 

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おなじみ「感想文の書き方」シリーズ、
第93回の今回はフランスの作家、
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの
長編童話(童話ではないという説も
ありますが)『星の王子さま』(Le Petit Prince, 1945)です。
  


え? けっこう長いので、
ちゃんと読んでなくて内容を知らない?

ハイ、それでも大丈夫ですよ;^^💦

そういう人はまず、こちらで
「あらすじ」を仕入れましょう。

星の王子様のあらすじ☆キツネの秘密とは?



🐸 感想文の例(800字)

はい、ストーリーがしっかり理解できたら、
さっそく感想文に取り組みましょう。

まずはみなさんのために字数制限800字
(400字詰め原稿用紙2枚)でハンサム
教授が試作した文章をお目にかけます。

たんなる感想でなく論理的・批判的な
突っ込みもありますので、「批評文」を
求められている場合でも十分通用する
と思います。

 この童話のキャッチコピーとして
よく使われているのが「たいせつな
ことは目には見えない」とか
「心で見なくちゃ、ものごとはよく
見えない」というメッセージだ。

その意味がよくわからなかった私は、
今回、それをつきとめたいと
思いながら読んでいった。

 このかなり長い物語の終わり近くに
それらは出てくるのだが、それは、
星の王子が地球へ来て仲よくなった
キツネが、ついに別れることになってから、
王子に教えると約束した「秘密」だった。

この「秘密」を教えられた結果、王子に
何が見えるようになったのかは書いて
ないのだけれど、物語の流れから
すると以下のような内容になる
のではないかと思う。

 まず地球へ来る前、小さな星に
一人で住んでいた王子は、花といえば
そこに生えている1本のバラしか
知らなかった。

   

ほかの花の存在を知らないのだから、
「花」は彼にとって普通名詞ではなく
固有名詞だったともいえる。

ところが、地球のバラ園で五千本もの
バラを見て初めて普通名詞としての
「花」を知るわけである。

 自分の星のあのバラが唯一の花では
なかったことに大きなショックを受け、
これでは「えらい王さまになんか
なれない」と泣いているところに
現れるのがキツネなのだ。

そこでキツネが「いま、あんたの目に
おれは十万ものキツネと同じに
見えてるけど、仲よくなると、この世で
ただ一匹のキツネになるんだ」と教える
のだが、この変化は普通名詞としての
「キツネ」が固有名詞になるという
変化とも解釈できると思う。

      

そう考えるなら、キツネが指示して
いるのは、あのバラが固有名詞から
普通名詞に転落したのと完全に逆の
方向だということになるだろう。

だからキツネは「秘密」を教えるために
もう一度バラ園へ行くことを要求する
のだし、そこで王子はあの1本のバラが
彼にとってキツネと同じく固有名詞
であることに気づくのだ。

「心で見なくちゃ」見えない「秘密」は
そこにあったのではないだろうか。
          (793字)

どうです?

うまくまとまっているでしょう。

これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、適宜、自分らしい
ものに文章を変えて使ってもらうのは
かまいませんよ~;^^💦

  105659

ん? ハンサム教授の感想文は
どうも抽象的でよくわからない?

自分には書けそうもない感じだし、
第一、読んで例嗅いできたかも
怪しい?


う~ん、それでは少し違う角度から
わかりやすく説明してみたいと
思いますので、もうしばらく
お付き合いくださいね。


👉 おとなの人たちときたら……

「あらすじ」記事をしっかり読んだ人なら
おわかりと思いますが、この作品、
「おとなはわかってくれない」に始まり、
「おとなにはわかりっこない」に
終わっています。

つまり第Ⅰ章で

おとなの人たちときたら、
じぶんたちだけでは、
なに一つわからないのです。

しじゅう、これはこうだと
説明しなければならないようだと、
子どもは、くたびれて
しまうんですがね。

とぼやいていた「ぼく」は、
最終章も

そして、おとなたちには、
だれにも、それがどんなに
だいじなことか、けっして
わかりっこないでしょう。

とあきらめの口調で結ぶのです。

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でも、これ、ヘンな話ではないですか。

書いている作者、サン=テグジュペリは
立派な「おとな」なんですから;^^💦


この矛盾を解決する読み方の一つは、
作者が自分を「おとな」のうちに
含めていない、という解釈でしょう。

では、その場合「おとな」とは
どんな人間か。


そこもいろんな解釈ができてくる
ところだと思いますが、
私がとりたい読み方はこうです。

王子さまが地球で出会う「キツネ」は、
「おとな」の対極というか裏返しというか、
要するに「反=おとな」の賢人のような
ふぜいで登場し、数々の「名言」を
吐いて王子を成長させていきます。

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キツネに導かれた王子が さらに「ぼく」に
伝えることになる教えこそ、この童話で
「おとな」と呼ばれている人たちに
「わからない」、あるいはもともと
分かっていたはずなのに忘れてしまって
いる「哲学」だ……と。


ではその「哲学」とは
どんな考え方なのでしょう。


👉 この世でたったひとりのひと

地球の砂漠に降り立った王子は、五千本もの
バラの咲きそろう庭に出て、はじめて
「バラ」という名(普通名詞)を知って
ショックを受けますね。

ぼくは、この世に、たった一つ
という、めずらしい花を持ってる
つもりだった。

ところが、じつは、
あたりまえのバラの花を、
一つ持ってるきりだった。

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そこへ現れるのがキツネで、「ぼくと
遊ばないかい?」と王子が話しかけると、
「仲よく」ならないと遊べないと答えます。

いま、あんたの目におれは「十万もの
キツネとおんなじ」だが「仲よく」なると、

あんたは、おれにとって、
この世でたったひとりのひと
なるし、おれは、あんたにとって、
かけがえのないものに
なるんだよ……

といい、二人は仲よくなる。

この後もう一度バラ園に行った王子は、
花たちに向かってこう批判します。

「あんたたち、ぼくの花とは、
まるっきりちがう」、
ただ咲いてるだけだ。

それは「だれとも仲よく
しなかった」からだ、と。


ここで批判されているのは、もちろん、
バラたちというよりは、本当はすべて
互いに異なるはずの一つ一つの事象を
すべて同じであるかのように一括
してしまう「普通名詞」という言語上の
システム……ということではないでしょうか。


だとすると、別れぎわにキツネが
教える「秘密」こそ、この作品の
究極の鍵となる「名言」かもしれません。

心で見なくっちゃ、ものごとは
よく見えないってことさ。
かんじんなことは、
目に見えないんだよ。

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この場合の「心」も、強い思い入れを
もっていわれている言葉ですから、
軽く受け流すわけにはいきません。

しいて解釈すれば、「普通名詞」化という
「おとな」の習慣を取り払ったところに
見つかるはずの……すべてを「固有名詞」
として受け取るという誰でも「子ども」
時代はもっていたはずの、ナマの「心」…

といったことになるのでは?


👉 キツネの教えた「秘密」とは

より具体的に指摘してみましょうか。

たとえば、王子が歴訪する星のうち、
第四の星の「実業屋」に極端な形で表現
されていた、すべてのものごとを
数値化して考える傾向。

「数値」というのは「普通名詞」をさらに
つきつめて純粋化した結果ともいえますから、
これも、異なる物事の一般化、普通名詞化
という「おとな」の傾向への強烈な批判、
風刺ですよね。


このような意味で、王子の星で咲いていた
一輪の花が「バラ」と呼ばれることを
王子があのバラ園へ来るまで知らなかった
ことには、作品の主題に直結する重要性が
あると思われます。

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「おとな」に「かんじんなこと」が見えて
こないのは、「子ども」時代には
「固有名詞」として受けとめていた
一つ一つの存在をすっかり「普通名詞」
として見るようになってしまって
いるからでは?

五千本もあるバラはみな「バラ」、
十万もいるキツネもみな「キツネ」……


「仲よく」ならないかぎりそのままなんだ、
という「哲学」が、あのキツネから王子へ、
王子から「ぼく」へと伝授されたわけです。

すなわち「仲よく」なってはじめて、

あんたは、おれにとって、この世で
たったひとりのひと
になるし、
おれは、あんたにとって、かけがえ
のないものになるんだよ……

と。


👉 世界に一つだけの花

ここでSMAPのヒット曲、「世界に一つ
だけの花」(槇原敬之作詞・作曲・編曲)
を思い出してみるのも、よろしいんじゃ
ないでしょうか。

ではちょっと聴いてみましょう。
アメリカ空軍音楽隊による歌唱
(もちろん日本語)です。



この歌にひっかけて感想文、
いっちょ上がり!(^^)у 
というのもアリだと思いますよ。



👉 まとめ

どうでしょう?

『星の王子さま』が美しく楽しい物語
であるばかりでなく、深い「哲学」の
埋め込まれた作品であること、
おわかりいただけたでしょうか。


上記はほんの一部なので、ほかにも
いろいろな「哲学」を掘り出して
いくことができると思います。

そういう作品なら、ただただ美しい
物語より、感想文はぐっと書きやすく
なるはずですよね。

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え? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は当ブログ中の、感想文
《虎の巻》を開陳している記事の
どれかをのぞいてみてくださいね。

当ブログでは、日本と世界の
多くの作家・作品をとりあげて、
「あらすじ」や「感想文の書き方」の
記事を量産しています。こちらの
リストで探してみてください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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