檸檬(梶井基次郎)の感想文を短く🍋【400字の例文つき】


サクラさん
梶井基次郎の『檸檬』で
読書感想文を書かなきゃ
いけなくて、困ってます(😿)

ハンサム 教授
なんで困るの?

サクラさん
だって全然面白く
ないんですもん(😿)

何も書くことないですよ。

ハンサム 教授
ストーリーだけ追ってたら、
それは面白くないかもね;^^💦

   

主人公がどうしたこうした
ではなく、その心の状態が
どう変わったかに目をつけて
読み直したらどうかな?

サクラさん
ほほ~(🐱)、そういう手が
あるのか。

でも感想文って苦手…。
どう書いていいか
わからないんです👅

ハンサム 教授
しようがないなあ;^^💦

では、これからお手本を
お見せしよう。
 

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「感想文の書き方」シリーズも
はや第125回((((((ノ゚⊿゚)ノ

今回は高校現代文の定番作品の一つ、
梶井基次郎の『檸檬』(1925)で
参りましょう。 



え? まだちゃんと読んでいない?

そういう人はまずはこちらの「あらすじ」で
ストーリーを頭に入れてくださいね~(ニコニコ)。

梶井基次郎 檸檬のあらすじ:簡単/詳しくの2段階で



🍋 感想文の例(400字)

ではさっそく、ハンサム教授が高校生諸君に
なりかわって仕上げた感想文の例を
ご覧ください。

要求される長さ(字数)は色々でしょう
けど、まずは短くまとめたものとして
「400字以内」の例文です。

 この小説を一読しての私の感想は
「どこが面白いのかわからない」
というものだった。

病気や借金で憂鬱な主人公が書店で
画集を積み上げ、その上に買ったばかりの
レモンを置いて出ていく。

そしてもしそのレモンが爆弾で書店が
「大爆発」したら「どんなに面白い
だろう」と想像して終わる。

これが実際に爆発したという話なら
面白いかもしれないが、そう想像した
というだけの話の、どこを面白がれば
いいのかわからなかったのだ。

    
   
 ところが今回読み直して、面白味が
見えてきた。

深い憂鬱に心をふさがれていた
主人公の心が、たった一個の
レモンによって、たちまち軽くなる。

その後の書店でのいたずらも、もし心が
ふさいだままであれば、思いつきも
しなかったことだろう。

さらに「爆発」を想像するようなことも
またそれにより愉快になることも
もちろんありえなかった。

 このように意外なことで変化していく
「心」というものを面白がる人には
この小説は面白いのだ。
           (398字)
   
どうです?

さすがにうまいものでしょう。

これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが(著作権法違反)、
適宜、自分らしいものに文章を変えて
使ってもらうのはかまいませんよ~;^^💦

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これでは短すぎるという場合は、説明が
足りないので補充したいと思うこととか、
あるいは新たに付け加えたいと思うこととかを
入れ込んで、ふくらましていけばいいんですよ。

何を付け加える?

そうですねえ……

上記の感想文では「心の変化」ということを
テーマにしているわけですが、これ以外にも
着眼点はいろいろあるでしょう。

たとえば、この作品は小説として読むから
面白くないんで、いっそのこと絵として
見てしまったらどうか……。


🍋 絵として読む

”絵”として読めば、実に鮮やかですし、
感想文もささっと書けてしまうかも
しれません。

主要モチーフになっているレモンにしても
味ではなく「色」や「形」への愛が語られて
いるわけですし、それがカラフルな画集を
積み上げた「城」の頂きに置かれるラストの
画面なんて、まさにピカソばりのキュビスム
(cubisme/cubism:立体派)では
ありませんか。

   


なぜだかその頃私はみすぼらしく
て美しいものに強くひきつけ
られたのを覚えている。

という冒頭近くの文章に始まる、
「美」や「色」「形」の描写のすべてが
ラストシーンでのこの爆発のための下絵、
下準備だったのではないか……

というふうに読んでみても
面白いんじゃないでしょうか。

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🍋 心という不可思議な奴…

え? それなら『檸檬』は、結局”絵”を
文章にしたものにすぎず、”文学”では
ないのか……?

もちろん”文学”であるゆえんは上記の
感想文でも論じられていたとおり。

”絵”の要素を差し引いても十分に残る
”文学”的価値としては、「心」という
「不可思議な奴」の絶えざる推移・変容を
見事に映し出した…というあたりでしょう。


たとえば、作品の冒頭と中程と末尾との
これら3つの文。

えたいの知れない不吉な塊
(かたまり)が私の心を始終
圧(おさ)えつけていた。


           

それにしても心という奴は
なんという不可思議な奴だろう。


                   

丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい
爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が
私で、もう十分後にはあの丸善が
美術の棚を中心として大爆発を
するのだったらどんなに
面白いだろう。

       
                

      
この3つの文を中継点として、その間に
「私」の「心」というか、気分は「憂鬱」
から軽やかな「幸福感」へ、それからまた
「憂鬱」へと非常に大きく揺れますね。

この変化について、「自分なら……」と
わが身に照らし合わせて感想を書く、
というのがベストな方法でしょう。

この大きな変動は自分にもある、
あるいはない、違う、とか……。


🍋 「奇怪な悪漢」の私

さらにもう一つ、考えられるのが
「悪」のテーマ。

上に見た末尾近くの文に明示されている
とおり、「檸檬」は「爆弾」に重ねられ、
それを置いてきた自分は「奇怪な悪漢」
とも意識されています。

「私」のこの意識……少し飛ぶようですが、
「金閣を焼かねばならぬ」と考えてそれを
実行してしまう三島由紀夫作『金閣寺』の
「私」の意識に近いのではないでしょうか。

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「この想像を熱心に追求した」という
『檸檬』の「私」は「そうしたらあの
気詰まりな丸善も粉葉(こっぱ)みじん
だろう」と面白がっています。

「悪」のスリルを楽しんでいる
ようにも見えますね。

ここでも「自分なら……」を考え
合わせてみることができるのでは
ないですか?

『金閣寺』についてはこちらを参照。

三島由紀夫 金閣寺の簡単なあらすじ
三島由紀夫 金閣寺の詳細なあらすじ:難解な柏木も読み解く
三島由紀夫 金閣寺で感想文:”悪友”柏木の「猫=虫歯=美」説?

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     京都の古い街並み   

三島由紀夫自身も梶井をたたえる
エッセイを書くことで、自分と梶井と
の近さを認めるかたちになっています。


ただ『金閣寺』との大きな違いは、
『檸檬』の爆破はあくまで空想で、
実行したわけではないこと。

それどころか、丸善にレモンを置いたまま
立ち去るんですから、これはいわば
逆・万引き

一種の寄付ともいえますね。

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おかげで、その後、京都丸善にはその後
レモンを置いていく人が絶えなかった
そうで、その丸善、2015年春には
ついに復活して雄姿を現しました。



🍋 まとめ

というわけで、『檸檬』という作品の
読み方、あるいは感想文への糸口
としては、すくなくとも

  1. 絵として
  2. 心理(気分)の変動として
  3. 悪の問題として

という3つのアプローチが可能だ
ということがわかっていただけた
のではないでしょうか。

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このどれかになんとか絡んで、
自分の経験や伝聞に照らし合わせれば
なんとか書いていけるんではないですか?

ハイ、できましたね。

優良感想文のいっちょ上がり~(^^)у……

          

ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

当ブログでは、日本と世界の種々の
文学作品について「感想文」関連の
お助け記事を量産していますので、
そちらを覗いてみてくださいね。


どうぞこちらからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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