高瀬舟の感想文/批評文⛵800字/400字で安楽…に書くには


サクラさん
『高瀬舟』の読書感想文で
行きづまってるんです(😿)

ハンサム 教授
ほほ~、どう行きづまったの?

サクラさん
自殺をはかって死にきれないでいた弟を
兄が楽にしてやろうとして死なした…(😿)

     

これ、むしろ人を救ったといえるのでは?

ハンサム 教授
なるほど…。だから役人の庄兵衛も
「それが罪であろうか」と奉行所の
裁きに疑問を感じるわけだよね。

サクラさん
人を救って罪に問われるとしたら、
「罪」って一体なんなんでしょうか?

ハンサム 教授
うん、それだ! そもそも「罪」とは何か?
と疑問をぶつけてみればいいんじゃない?^^💦

サクラさん
な~るほど、それで行けばいいのか(🐱)

でも感想文って苦手…。
どう書いていいかわからないんです👅

ハンサム 教授
しようがないなあ;^^💦

それでは一つお手本をお見せしようか。
 

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というわけで、「感想文の書き方」
シリーズ第15回は森鴎外の短編『高瀬舟』
(1916。こちらの本に入ってます👇)。




そのストーリーをまだ知らないという
人は、まずこちらで「あらすじ」を
仕入れてくださいね。

森鴎外『高瀬舟』 の簡単なあらすじと動画~感想文を書く前に

      


⛵ 感想文の例(800字)

はい、ストーリーがしっかり理解できたら、
さっそく感想文に取り組みましょう。

まずはみなさんのために字数制限800字
(400字詰め原稿用紙2枚)でハンサム
教授が試作した文章をお目にかけます。

たんなる感想でなく論理的・批判的な
突っ込みもありますので、「批評文」を
求められている場合でも十分通用する
と思います。


『高瀬舟』については「安楽死」のほかに
「知足」(足るを知る)の倫理観を主題と
見る議論も昔からあって、そちらに沿って
書いてももちろんいいんですが、ここでは
ズバリ、より現代人に訴えるでありう
「安楽死」の方で行ってみます。

森鴎外の小説『高瀬舟』の主題は
安楽死の問題だと思う。

高瀬舟で島流しにされる喜助の罪状は、
自殺をはかって死にきれないでいた
弟の死を手助けしたことで、現代なら
自殺ほう助罪に問われる犯罪なのだが、
役人の庄兵衛は「それが罪であろうか」
という疑問をもつ。

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 この「罪」という言葉の意味がよく
わからなかったので国語辞典を引いて
みると、七つのもの語義が並べられて
いたのだが、各項の共通部分をまとめると
「何かに違反する行為」ということに
なると思う。

そしてその「何か」が国の法律なのか、
宗教(神仏の教え)なのか、それとも
世間一般で受け入れられている漠然とした
社会常識なのか、などの違いに対応して
多様な語義が発生しているのだ。

 そうであれば、「それが罪であろうか」
という庄兵衛の混乱も、喜助の行為が
何に違反していたかが明確でない
ことから来るものといえる。

彼の疑問をこの観点から言い直せば、
「喜助の行為は法律には違反しているが、
自分が受け入れてきた宗教的・社会的な
掟や常識には違反していない」
ということになる。

 庄兵衛は喜助の晴れ晴れとした顔を見て、
彼の自殺ほう助を肯定する気持ちに傾いて
いるし、作者も庄兵衛と同じ目線から
読者に問いかけているようで、あえて
読み込めば法律の方に疑問を呈して
いるように読める。

        

だが、喜助の証言だけ聞いてそれを
判断してよいのかという問題も残る
のではないだろうか。

実際に弟が「殺してくれ」と言った
のだとしても、それを言わざるを得ない
状況に追い込まれていたのだとしたら
どこまで本音か、わからないのではないか。

 オランダなどにならって安楽死を
法制化すべきだという主張がある一方で、
これに慎重な意見の一つの論拠は、
そのような「言わされる」事態への
恐れだという。

このあたりにも宗教や社会の伝統の
違いなどが絡み合っており、うかつに
答えの出せない問題だと思う。
           (798字)

どうです?

うまくまとまっているでしょう。

これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、適宜、自分らしい
ものに文章を変えて使ってもらうのは
かまいませんよ~;^^💦


ん? これでは長すぎる?

なにしろ400字以内で書くという
宿題だから?

それなら上の800字から「あらすじ」
部分など、なくてもよさそうな部分を
カットして、ギュッと縮めれば
いいんですよ。

たとえばこんなふうに。



⛵ 感想文の例(400字)

 島流しにされる喜助の罪状は、
自殺を試みた弟の死を手助けした
ことで、役人の庄兵衛は「これが
罪だろうか」という疑問をもつ。

 そもそも「罪」とは何だろうか。

辞書には七つの語義が並んでいるのだが、
共通項は「何かに違反する行為」という
ことだ。

その「何か」が法律なのか、宗教なのか、
より漠然とした社会常識なのかという
違いに対応して多様な語義が発生して
いるわけで、庄兵衛の疑問は
「喜助の行為は法律には違反するが、
自分が受け入れてきた掟や常識には
違反しない」ということになる。

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  だが、喜助の証言だけからそれが
判断できるのかという問題も残る。

実際に弟が「殺せ」と言ったのだ
としても、それを言わざるを得ない
状況に追い込まれていたのだとしたら
どうだろう。

安楽死を法制化しようという動きに
反対する意見の一つは、そのような
「言わされる」事態への恐れを主張する
もので、私はこれも一理あると考える。
           (385字)
   
どうです?

みごと400字に縮めたでしょう。

これももちろんコピペはダメですが、
適宜、変更して使ってください。

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ん? 400字や800字では短い?

1200字以上の読書レポートを要求されている?

そういう場合は、さらに別の話題を
持ってきて入れ込むといいでしょう。

たとえばこんなトピックはどうかな?


⛵ メイナードさんの選択

末期がんで余命半年と告知され安楽死を
選ぶと宣言していたアメリカ西部
オレゴン州のブリタニー・メイナードさん
(29)が、医師から処方された薬物を
服用して亡くなっていたことが分かった
という2014年11月のニュースです。

メイナードさんは、痛みなどの
症状がひどくなるにつれて、
人間らしい最期を迎えたいとして、
安楽〇が認められているオレゴン州
に夫とともに転居しました


そして、医師の診断を受けて薬物を
処方され、「11月1日に安楽〇を
行う」との声明を撮影した動画を
インターネット上で発表した
ところ、その動画が世界中で
900万回以上再生され、安楽〇は
自殺だという批判も出るなど、
大きな議論となりました。

(引用元:NHK NEWS WEB

一方で、メイナードさんは、もし2日
以降、私が生きていたなら……と揺れ動く
心情も明らかにしていたそうですが、
ともかく1日、自室で薬物により
息を引き取ったとのことです。
  

たとえば自分がメイナードさん自身、
またはその夫であったならと仮定して
みてから、喜助のとった行動について
再考してみましょう。

もしメイナード夫妻の場合と喜助兄弟の
場合とを細かく比較して書いていけば、
とても高度で、ほとんど「論文」的な
感想文になるんじゃないでしょうか。

Sailing-Ship-s

ともかく書いていく上でぶち当たるのは、
このような場合に直面してなんらかの選択を
迫られる、メイナード氏や喜助のような
家族、そして医師はどう考えればいいか、
という大問題ですね。

どのような選択をした場合に「罪」に
なってしまうかについては、絶対的な
正義、全人類の合意というものはありません。

メイナード夫妻が引っ越しをしなければ
ならなかったように、国により、また
一国内の「州」によってさえ違うわけです。


⛵ 日本での法制化是非の議論

そこで私たちも万一に備えて、日本の
法律が現在どうなっていて、どう変えよう
という議論があるのか、知っておいた方が
よいということにもなりますね。

まず最近よく聞くようになった言葉、
「尊厳死」は、「安楽死」とどう違うのか、
これも押さえておきましょう。

灯火Light-Bulbs-s

「尊厳死」は「消極的安楽死」とも
いわれ、延命治療をやめて自然な最期を
迎えさせること。

医師が末期患者から人工呼吸器を外す
場合などがこれに当たります。


「安楽死」は苦痛を終える目的で
「積極的」に死期を早めること。

医師が薬物を投与して死期を
早める場合などが当たります。


喜助の弟の場合はどう見ても「安楽死」
ですが、メイナードさんの場合は
どうでしょう。

医師が処方した薬を飲んで亡くなられた
ようなので、やはり「安楽死」とされる
のではないでしょうか。

The-Story-of-a-Murderer-s

それなら、もし日本でこれをやった場合、
医師の行為は犯罪とされるのか……。

実際に、殺人罪が成立するとされた
裁判例もあり、また患者の家族から
延命治療を止めてくれと頼まれた場合
なども、これに応じれば刑事責任を
問われかねないため、医師は延命治療を
せざるを得ないのが実情です。


そこで、これができるように法制化を
急げという声があがっているわけです。

が、その一方で、法制化した場合の弊害も
いろいろに考えられ、多様な反対意見も
提出されているわけですね。



⛵ ネットを活用しよう

議論百出して、どうにもまとまらない
ようなのですが、ともかくこのような
観点から『高瀬舟』の感想文を書く場合、
それはまさに現代の問題。

関連する情報・意見はネット上にも溢れて
いますから、それらを使わない手は
ありませんよね。


まずは自説を明確にし、調べた情報・
意見でそれを補強していく、
というふうにやるといいんじゃなか?

森鴎外という人物から考えていこう
という場合は、こちらを参照してくださいね。

森鴎外 舞姫のあらすじ:「簡単/詳しい」の2段階+動画で解説
森鴎外 舞姫でレポート・感想文:若き漱石・子規の反応は?

       

そのほか鴎外の本を早く安く手に
入れたい場合は、Amazonが便利です。
こちらから探してみてください。

⛵森鴎外の本:ラインナップ⛵

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ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の
種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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