東京島⦅ネタバレ📢⦆小説のあらすじとアナタハンの女王事件


やあやあサイ象です。

おなじみ「あらすじ」暴露サービスも
今回でなんと第133弾((((((ノ゚⊿゚)ノ

“感想文の書き方”シリーズ全体では第192回。

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今回は木村多江さん主演で話題をさらった
2010年映画『東京島』の原作!

谷崎潤一郎賞を受賞した桐野夏生さんの
傑作同名小説(2004~07)で
行ってみましょ~Y😸Y。
   👇



映画を見ていない人は予告編を覗いてください。

だいたいどんな世界かわかると思います。
    👇




え? もうよくわかった?

いや、でも原作小説はだいぶ違うんですよ~。

何がってまず女主人公の容姿(😹)…
その性格、そのほか色々です。

映画はもう見たという人はそういう違いを
見ていかれたら絶対面白いと思います。


さあ、それでは行きますよ~。

もちろんネタバレありになりますので、
結末(ラスト)を知りたくないという人は
絶対に読まないでくださいね;^^💦


🚢 かなり詳しいあらすじ

では始めましょう。

「 」内と「”」印のグレーの囲みは
上記文庫本からの引用です。

また映画との違いなど、解説があった方が
よさそうな箇所に【CHECK!】印で注釈を
入れていますが、ウザいと思われたら
飛ばしてくださいね。

第一章
現在46歳で太っている清子は、5年前、
夫の隆とクルーザーで世界旅行に出発。

那覇港を出航して、3日目に嵐に遭い、
漂流して無人島に流れ着いた。

バナナ、タロイモやトカゲなど野生の
動植物を食べて生きのび、3か月後には
島に新しい漂流者たちがやってくる。

それは、与那国島の野生馬調査に
雇われていて、ボロ漁船で脱出してきた
フリーターたち23人だった。

     

夫婦は彼らを救助して協力関係ができ、
やがて若者たちは島を「トウキョウ」と
呼ぶようになっていた。


隆は漂着して1年ほど後に「サイナラ岬」の
崖から大岩の上に落ちて死んだ(ドクロ)。

後に、二番目の夫となるカスカベが、
嫉妬して突き落としたのだ、という
噂もあったが、清子は気に
ならなかった。

隆よりカスカベの方がずっと
好きになっていた。

無人島にこのままいるのなら、
どうせ一人ずつ消えて行くのだ。

順番が早かったという
ことでしかない。

開巻まもなくシレッと出てくる
こういう文章に度肝を
抜かれます(叫び)。

原作小説はこういう”毒”こそが
読ませどころになっているわけ
ですが、映画の方はすっかり
毒抜きされていて、主人公の
清子はただの食いしん坊
(なのにスリムな)オバサン
という感じ……

容姿端麗な女優さんを主役に
しないと客が入らないから…
という事情はわかりますけどね;^^💦。

それからさらに1年ほど後に11人の
中国人グループが漂着し、日本人の
住居からは少し離れた地域に住みついた。

日本人は「ホンコン」と呼んで侮蔑したが、
彼らの生活力と結束力は「トウキョウ」を
はるかにしのぐものだった。

       

カスカベは21歳の「初々しい若者」で、
「隆がいても平気で清子にまとわりつき、
何度でも交わろうとした」。

その「鬱陶(うっとう)しさと裏腹の
嬉しさ」を楽しんでいた清子は、
カスカベが隆と同じくサイナラ岬から
転落死した時には「悲しかった」。

カスカベの死後、清子は
自己イメージを変化させていった。

男を死に追いやる魔性の女。

若い男たちに乞われ、
悲劇を生む女として生きる
実感に酔ったのだ。


日本人首領格のアタマと作家志望で知的な
オラガが清子に、島内の争いを避けるべく
次の夫を選ぶことを促し、好きな人はいない
と答えると、「それでは希望者による
籤(くじ)引きにします」。

選ばれたノボルは愚鈍で怠惰、「蹴り出して
やりたい」としか思えなかった。

むしろ椰子の実や貝殻でアクセサリーを
作ってくれる犬吉に
「性の相手をして」やる清子。

   

次の夫を決めることになり、「コウキョ」と
呼ばれる広場にトウキョウの全員が集合。

ところが希望者はたったの6人で、犬吉さえ
手を挙げないので「清子は屈辱に唇を噛んだ」。

籤引きの結果、次の夫に決まったのは
漂着時のショックで記憶を喪失し、自分の
名前もわからないので所持品のイニシャル
から「GM」と呼ばれている男。


さっそく結婚式となり、ホンコンの連中も
宴会の輪に入ってくる。

40代らしい首領格のヤンが清子の耳許で
何かささやき、清子は「体が熱くなった」。

トウキョウの若者では物足りないのだ。
〔中略〕
この島で唯一の女として暮らして
いるうちに、島にいる男を全部
合わせたものより巨大な欲望を
滾(たぎ)らせた女になった
気がする。

島全部を吞み込んでも
足りない欲望。

いったいどうしたらいいのか。


GMは竹野内豊に似ていたので「ユタカ」と
名づけ、初夜を迎えると、彼が「控えめで
優しい、理想の夫」だとわかる。

映画のユタカもイケメン
(福士誠治さん)ですが、
竹野内豊似ではないので
なぜ「ユタカ」かと
聞かれても「なんとなく
ユタカっぽい」などと
しか言えません;^^💦。

3か月後、トウキョウから孤立して
ホンコン側についているワタナベの
導きで、清子はヤンに会う。

ヤンはひそかに建造していたドラム缶製の
船を見せ、今日これで脱出するが、
あんたなら乗せてもいいと告げる。

すこし考えた清子は「連れて行って」

これが連載第1回「東京島」の
エンディング。

当初の予定では読み切り
短編だったので、実はこれで
完全に終わりのつもり
だったんですね。

でも書き終えてもまだ「続き」が
出てきそうなので、書き継いで
いって長編になったとのこと。

設定はすでにガッチリ固まって
いますから、あとは、この清子に
こういうことが降りかかったら
どうなるか… 周りの男たちは
どうなるか… という思考実験で
物語が紡いでいかれた感じです。


ところが、船は遭難して東京島へ戻って
しまい、ヤンたちは縛りあげられる。

トウキョウを統率しているのはユタカで、
記憶を取り戻した彼は、アタマらを抑え
完全に指導者の地位に立っている。


「GM」は「森軍司」だったといい、自分は
岩手大の大学院生で妻子もあると告げ、
清子には「女王になって」「すべての
男を愛してやってくれ」と頼む。

「娼婦ということか」と混乱した清子は
彼は「トウキョウ島の神になるつもり
なのだと理解した。

   

妊娠に気づいた清子はそれが誰の子か
わからなかったが、「あなたの子よ」
とユタカの耳にささやく。


第二章
死んだ隆は漂着後の日常を綴った克明な
日誌を残していたが、ワタナベはこれを
清子の家から持ち出して読み耽っていた。

彼が何百回も読んだ気に入りの箇所は、
隆が想像で描いた清子とカスカベの
性愛の場面。

繰り返し読むうち

ワタナベは隆の一番
暗い面を色濃く受け継いだ。

裏切者である清子やカスカベに
対する、真黒な復讐心。
〔中略〕
科(しな)を作って歩き回る、
デブの清子を想像し、憎悪と
欲望を燃やした。

清子に関しては、なぜかこの
ふたつの感情はセットだった。

       

隆の葬儀、犬吉を犯す
ワタナベetc……。

時間的には第一章の前半に
戻り、カスカベの全盛期までが、
清子以外の人物の視点から
物語が語り直されて
いくのが第二章です。

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第三章
トウキョウを裏切って島抜けしたことで
白眼視され、妊娠によってかろうじて
地位を保っていると感じる清子。

「島が自分の味方だ、いや、島は自分だ」
という「島と同化する」意識が芽生える。

ユタカこと森軍司は今や「モリさん」と
慕われるリーダーだったが、彼が父親
として認めらられるのは嫌だと思った。


「子産みという素晴らしい仕事を
成し遂げた自分だけが、崇め奉られ」
たい、それには「神話か何かで
補強する必要がある」と考える。

  

作家志望のオラガの前で「母親しか
要らない」と呟き、「子供が産まれる
までの物語を書いてくれないかしら」
と依頼する。

オラガはユタカからも島史を書けと
言われているけれども、だいいち
紙がないとかこつ。


第四章
所持していた隆の日誌の最後、白紙の
数ページが破り取られていることに
気づいたワタナベは、残った部分を
3週間かけてすべて食べてしまう。


清子は、夢に出てきた赤ん坊が隆の
幼児期の写真にそっくりの不細工なので
がっかりし、胎児が動いてもぞっとする。

腹の中の子供に対する愛情が
まったくないことに、
自分で驚いた。

母性愛もまた、文明の
もたらすものなのだと思う。


やがて島に突然、7人のフィリピン
女性が出現する。

「GODDESS」というボーカル・グループで
「台湾にデカセギ行く途中」船が座礁し、
ボートで漂流するうち流れ着いたと言い、
年長のリーダー、マリアは清子の腹を見て
同情し、たちまち仲良くなる。

     

やがて清子はマリアらの協力で男女の
双子を出産し、GODDESSの歌っていた
アバの”Chiquichita”にちなみ、
女にチキ、男にチータの名をつける。

マリアらのボートでの脱出を考えていた
清子は、定員8人と聞いて悩むが、マリアは
メンバーのうち不仲の2人を切り捨てて
中国人を漕ぎ手に入れて行こうと言う。

切り捨てられそうなキムとシシーは
この動きを探知……。

第五章
13年後。

島に残って今や「プリンス・チーター」
と呼ばれている森・オルテガ・チーター
(本名:智意太)の作文。

オルテガは母マリアの姓だが、
本当の母親は清子だと聞いている。

ぼくの顔が「ベリクール」なお父さんに
似ていなくて、ヤンおじさんに
そっくりなのは残念だ。

ぼくが赤ん坊の時、マリアと不仲の
キムとシシーがムンら4人の中国人と
結託し、ぼくら母子とを乗せてボートで
脱出しようとしたが、発覚して
アタマらの襲撃を受けた。

この時、ユタカはチータを清子から強奪し、
乱闘でアタマやオラガらは死んだと聞く。



東京の清子のもとで暮らす中学生、
林千希(ちき)の作文。
60過ぎのママは占い師で、信頼する
アシスタントはフィリピン人の
キムコさん。

二人は以前、ムンさんという中国人と
中国で貿易業をやっていた。

その前には無人島にいて命からがら
逃げ出して流されていたら、
中国船籍の船に救出されたそうだ。

その島にはどうやって行くのかと
聞くと、わからないと言う。
「今では、本当にあったことなの
かもわからなくなってきた」と。


さあ、これでよくわかりましたね。

ん? 登場人物の関係がゴタゴタしてて
よくわからない?

なるほど。

これをスッキリさせる簡単な見取り図を
作ると、こんな感じになります。



🚢 「アナタハンの女王事件」とは?

さあ、これでもバッチリわかりましたよね。

いやー、なかなかスゴイ世界ではないですか?

映画の方も反響は毀誉褒貶半ばするよう
ですが、原作はその”毒”のキツさで
称賛と嫌悪とがもっと大きく分かれる
かもしれませんね。


その”毒”の内容も詳しく見ていくと
面白いんですが、もう一つ面白いのが、
このフィクションの元に実話があること。

それが1950年の日本を驚愕させた
「アナタハンの女王事件」なんですね。


終戦後も長年孤島に隠れて生き延びていた
横田正一さん、小野田寛郎さんの帰国は
1970年代のことですが、同じように長く
孤島にいて、しかも”女王”を戴くような
社会生活を営んでいたというのですから
驚きも並大抵ではありません。

   

王国の一員だった丸山通郎さんが
手記『アナタハン』(1951)を出版し、
片やまだ24歳の美しき”女王”、
比嘉和子は女優デビュー。

和子自身が和子を演じるというキワモノの
芝居で全国を回って、ブロマイドも飛ぶように
売れ、ついには映画『アナタハン島の眞相は
これだ!!』(1953)に主演します。


衝撃は海外にも及び、なんと『嘆きの天使』
『モロッコ』の巨匠ジョセフ・フォン・
スタンバーグ監督がメガホンを執って映画
『アナタハン』(The Saga of Anatahan,
1953)を制作。

主演は比嘉和子でなく新人の根岸明美で、
見事な肢体を披露した根岸は
“肉体派女優”として一躍スターダムへ。

作品自体の出来も2010年の『東京島』より
鑑賞に堪えるような気が(私は)します;^^💦

その記念碑的作品がこちら。
   👇



事件のやや詳しい経緯と比嘉和子自身の
画像はこちらの動画でご覧になれますので
どうぞごゆるりと。👇
(ただし9分過ぎからは不調で、
前半部の繰り返しになっていますので、
あらかじめご了承ください)
     



🚢 まとめ

さあ、どうでしょう。

これでもう『東京島』と『アナタハン』に
関してはモノシリ博士、どこをどう
突かれてもバッチリですね。

上記の情報や動画、「あらすじ」中の【CHECK!】
参考にしてもらえれば、感想文だろうと
レポートだろうとスイスイ書けて
しまうでしょう。



ん? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の種々の
文学作品について「あらすじ」や
「感想文」関連のお助け記事を
量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょ~😸/

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