レポートの書き方 高校生用【800字例文】どんな主題もOKな型とは？

というわけで本日は、主として高校生の
みなさんを対象に、学校で提出を求められる
レポートを効率よく書き、しかも
高い評価を得られるものに仕上げていく
方法をお伝えしていきます。

出される課題(書くテーマ)はその科目に
関連があれば「なんでもいい、自由に」
という場合から、「〇〇について△△の
視点から」などとかなり細かく指定
される場合まで様々でしょう。

でも、どんな場合も、基本的なコツの
ようなものが身についている人に
とっては、決してそれほどの苦行では
ないのです。

　　

というわけで、それらのコツのうちでも、
最も融通無碍(ゆうづうむげ)、ほとんど
どんなテーマにも応用可能な便利・裏ワザ
をこっそりお伝えしちゃいます。

オッと申し遅れましたが、これでもワタクシ
長年、大学教員をやってきて、指導の現場で
実際にそれこそイヤになるほどレポート
(大半はダメな)を見てきた人間。

そういう経験者の目線からズバリ！　
こうすればいい!! という秘訣の伝授に
なりますので、大学受験の小論文対策にも
もちろん応用可能です(((((((ﾉﾟ🐽ﾟ)ﾉ

内容はザっと以下のとおり。

１. がんばって書いても
評価の低いレポートとは？

まずは、大学教師としての経験から、
点の付け方に困ってしまう不出来な
レポートについて言わせてもらいます。

それなりにがんばってるから点数を
あげたいとは思っても、どうにも
評価のしようがない…
鬼(厳しい先生)なら赤点(不合格)、
仏(やさしい先生)でも合格スレスレの
点数しか出さないであろう不良品。

これにもいろんなタイプがありますが、
いちばん多いのが、終わりまで読んでも、
結局なにが言いたかったのかサッパリ
わからないというシロモノ。

　　　　


そもそも”レポート(report)”は「報告」
という意味なんですから、自分の発見した
ことなり、主張したいことなりをしっかり
「報告」して(伝えて)もらわないと
お話になりません。


逆に言うと、「〇〇は✖✖である」という
あなたの主張が読者(担当の先生)によく
伝わるものであれば、たとえその内容に
ひどい間違いが含まれていたとしても、
先生はそう悪い点をつけたりしない
ものなんです。

で、そういう主張や発見の報告がきっちりと
伝わる「よいレポート」にするには、
「内容」よりむしろその入れ物──つまり
「形式／構成」──の方が大切だと
言っても実は過言ではないのです。

弁当の中身より弁当箱が大事だと言えば
「そんなバナナ～」()という話にもなる
でしょうが、ここはとりあえず、
論文やレポートはそういうものだと、
いったん割り切ってみてください。

　　
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ではどんな「弁当箱=形式／構成」を
用意すればいいのか？

要は、思いつくままダラダラと無計画に
書いて行くのでなく、下記のような
しっかりとした「型」(弁当箱)に入れ、
「内容」(おかず)を整然と並べること。
(こんな感じ 👇)


つまり、最後の「結論」部分で自分の
「主張/発見」をまとめることを目指します。

結論をしっかり伝えるためのステップとして
まず「序論」でこれから何の話をするかを
明確に伝え、その上で結論の根拠になる
議論を「本論」１，２，３…の形で
積み上げていくのです。

　　

これはもちろん大学の卒業論文のような
長文の論文で普通に取られている方法で、
レポートでも2000字以上を書くような
場合には、同じ要領でやるのが基本です。

ただここで問題なのは、800字とか
1200字程度のコンパクトな字数で
まとめなければならない場合。

「序論/本論/結論」型の弁当箱に
きっちり盛り付けて仕上げることが
はたしてうまくできるのか…❔

２. こうすればうまいレポートを楽に書ける！

はい、ここで紹介したいのが
“だろうか、たしなよ“法という
ヤツなんです。

ん？　何それ❓……
とけげんに思われたでしょうから、
お教えしましょう。

これすなわち、まず
“〇〇は✖✖だろうか“という問いを立て、
続いてたしかに……だ。　　　　　　　
しかし……でもある。
なぜなら……だから。
よって……である。
と結論を導くパターン。

上記の「だろうか」「た」「し」「な」
「よ」のそれぞれに続く内容の文章を
ひねり出し、順番に書いていけば
半ば自動的に仕上がってしまうという
(論文的)文章構成の究極の便法です！

もっとわかりやすくまとめれば、
こういう弁当箱になります。


そこで、もしすでに”〇〇“や”✖✖”に
当てはまる内容が(漠然とでも)浮かんで
いるなら、どんどん言葉を入れ込んでみて、
うまく行くかどうか検討するんです。

いえいえ、”〇〇“や”✖✖”のイメージが
まだ全然ないという場合も大丈夫。

この「型」をまず紙に書き出して
みてください。
　
　　　　

どうでしょう。

自分の書けそうなこととしての
“〇〇“や”✖✖”、あるいは”☐☐“や
“△△“が、漠然とでも浮かび上がって
来ないでしょうか？



ん？　やっぱりダメ？

それでは、より具体的なイメージを
持ってもらうために、ここで実際に
“だろうか、たしなよ”法で書かれた
レポートの実例をお見せしましょう。

もう自分のイメージができたという人は
飛ばしてもらってかまいませんが、
まだはっきりしないという人は、
一つ気合を入れて読んでみてください。

３. “だろうか、たしなよ”型
レポートの例(800字)

いかがでしょうか。

内容の生意気さにカチンと来る先生も
いらっしゃるかもしれませんが、
だからといって悪い点をつけることは
できないでしょう(良心があれば;^^💦)

論理・構成がこれだけしっかりして
いれば高校生としては上の上、私が教師
なら「将来が楽しみだ」と思いますね。

とにかくこの”型”に当てはめればいい
だけなので、ぜひこれを参考に
自分なりのものを書いてみてください。


オッと、この文章を丸コピ(全文コピペ)
して使うのは絶対ダメですよ。

部分的にアイデアを採り入れてもらう
のはかまいませんが、必ず自分の言葉に
書き替えて、剽窃(パクリ)を疑われない
ようにしてください。
👉大学では、どんな形でも”剽窃”が
ばれてしまった場合、下手をすると
その学期の成績がすべてゼロになる
などの厳しい制裁が待ちうけています。

詳しくはこちらで。

・大学のレポートでコピペは0点！それでもやる合法的裏技とは？

　　　　　

どうです？

なんとなくイメージがつかめた
のではありませんか？



上記のレポート『「運も実力のうち」か』は
何らかの問題提起を打ち出して、それに
自分なりの回答を試みていく…
というタイプの作文ですが、それはどんな
科目・分野でもやっていい、というか
むしろ奨励される書き方である
はずなんです。

論理性が重んじられる理科系・法学系への
進学を目指す人、言語力・文章力が求め
られる文学系・国際系へ行こうと思う人は
もちろん、そのほか経済・経営・教育・
福祉・看護・スポーツ・芸術…どんな
分野にも通用するオール・マイティ・
メソッドなんです。

で、そのメソッド(方法)とは、上記の
“だろうか、たしなよ“の型に流し込めば
いいだけ。

ですからこれさえ頭に入っていれば、
自宅で書くレポート類を書く時ばかりで
なく、試験場でいきなり課題を出される
作文試験などの場合にも、自信をもって
臨むことができるのです。
👉“だろうか、たしなよ”法で書いた
他の例文も読みたいという人は
こちらも覗いてみてください。

・レポートの書き方 大学版【800字例文つき】楽でうまい方法はコレ！

・レポートのテーマの決め方は？大学教師が教える｟ゼロ｠からの見つけ方

・ハムレットで感想文【800字の例文】”だろうか,たしなよ”で書くと…
　　　　　　　　　　
　　　　 　
　　

４．”PREP”法、”起承転結”法もある

さて、おわかりでしょうか。

ともかく「型」から出発するこのやり方で
いけば、構成にしくじることはまずあり
ませんから、少なくとも「だらだら書き
つがれて結局なにが言いたいのかわから
ない」という教師泣かせのダメレポートに
なることは決してありません。

それが大きなメリットであり、この方法
こそは多数のダメレポートから頭一つ
抜きんでる(差をつける)ための、きわめて
有効なコツになってくるんです。

　 　　　

そんなわけですから、その「型」は
必ずしも”だろうか、たしなよ”で
なくてはならないということは
ありません。

よりシンプルな“PREP”法(Point(論点)
/Reason(理由)/Example(事例)/Point
(論点)の4段階で述べる)で行くのもOK。

これだと「序論」部分でほぼ「結論」を
言ってしまうことになるので、まことに
明快な仕上がりになります。


また少々高度化して、日本古来のいわゆる
“起承転結”法で行ってみるのも
面白いでしょう。

この場合はとりわけ「転」の発想力が
カギを握ることになり、失敗の確率も
高くなりますが…。
👉“PREP”法や”起承転結”法に関しては
こちらの記事などで、より詳しい解説と
その方法で書いた例文をご覧になれます。

・大学志望理由書の書き方【例文つき】PREP法で行こう

・小論文の構成法はどれがベスト？【800字/400字の例文つき】

・起承転結は転が決め手！小論文/レポートに生かすには？

　　 　　

・就活 小論文の書き方 💡よく出るテーマとその対策【例文つき】

・「私の職業観」作文の書き方！800字の例文つきで構成法を考える

まとめ

さあ、こうして「型」(構成)が決まり、
そこから「内容」(主張)も固まって
きたならば、あとはもう書いていくだけ。

ところで、残念なレポートの例としては、
こうしてせっかく全体的な形は整って
いながら、文章の日本語がおかしい
(文法的・語法的にダメ)せいで台無し…
というのも少なくありません。

そうなってはやはり高得点は望めません
から、これで読者(レポートの場合は教員)
に伝わるかどうかをしっかり考え、辞書を
引く手間を惜しまずに書いて行きましょう。
👉実際、日本語にはむずかしい面が
多々あります。

こちらの記事で自分の弱点を見つけて、
日本語のおさらいをしておくと
よいでしょう。

・散見される？散見する？ 正しい意味・使い方を鴎外・漱石…太宰に聞く

・すべからくの意味・使い方？安倍首相ほか錚々たる知識人も誤用

・“お～になる”敬語は要注意☆”お～になられる”で太宰・志賀論争

　　　　
　　　　日本語がひどいと蹴落とされる？

・差別と区別の違いは？曽野綾子氏の主張を英語に照らして解析

・論理と理論（＆理屈）の違いは？英英辞典と漱石に聞こう


レポートや試験に関わることはもちろん、
大学で生き抜くためのヒントをこちらに
集めていますので、ぜひご参照ください。
👇
・大学生活は楽しい?? 充実した４年間にするための徹底ガイド

　　　　　

ほかにも、わからない点があれば
遠慮なく「コメント」欄から質問を
送信してくださいね。

ともかく頑張ってやりぬきましょ~y(^0^)y