サクラさん
読書感想文は『ハム
レット』にしようと
思うんですが、さて
どう書いたものか…

ハンサム 教授
なぜ『ハムレット』に?

サクラさん
オフィーリアが
あまりに可哀そうで…。

Exif_JPEG_PICTURE
J・E・ミレー画
『オフィーリア』(部分)



彼女を死に追いやった
のは結局ハムレットの
ひどい言葉ではない
ですか?

ハンサム 教授
でも彼は気が狂ってる
フリをしてたから
そうなっちゃったんで、
ほんとは熱愛していた
のでは?

サクラさん
いやー 私にはどうも
そう思えないので、その
へんの疑問を追究する
レポート的な感想文を
書きたいんです。

ハンサム 教授
なるほど。それは
面白い!

それなら”だろうか、
たしなよ
“法で書くと
いいですよ;^^💦

サクラさん
なに、それ(🐱❓)


Sponsored Links



というわけで、おなじみ”感想文の書き方”
シリーズもなんと第160回((((((ノ゚⊿゚)ノ
  
今回は文豪シェイクスピアの数ある
傑作のなかでも最高の悲劇とされてきた
『ハムレット』(1601-02)に挑戦です。
👇



もちろん話の内容を知らなくっちゃ
読書感想文は書けませんから、
まずはしっかり読みましょ~。

時間がない

マンガならこんなのがありますよ。
  👇



でもマンガは原作をひどくゆがめて
いる場合もありますから要注意。

ちゃんとした感想文を書こうと思ったら、
やはり原文(というかもちろん翻訳で
いいんですが)を見ておく必要は
ありますね。
👉どーしてもイヤだという人は
せめてこちらの記事で「あらすじ」を
押さえておきましょう。

シェイクスピア ハムレットのあらすじ:簡単/詳しくの2段階で

      ophelia 213714560z3
       J・W・ウォーターハウス画『オフィーリア』(部分)


👉「ハムレットを映画で見て
しまうという手もあります。

それも今すぐ無料で……;^^💦。

こちらをクリック! 👉 U-NEXT



さてその『ハムレット』の感想文を
どう書くかですが、冒頭の会話で
ハンサム教授がいきなり持ち出して
きたのが、この”だろうか、たしなよ“法
というヘンな名前のシロモノ。

これは一体どういうテクニックなのか。


その解説に続いて、その方法で書いた
感想文の実例をお目にかけよう
というのが本日の献立。

内容はザっと以下のとおり。


Sponsored Links



1. “だろうか、たしなよ”法とは?

まずはこの “だろうか、たしなよ”法
という怪しげな名の文章構成法について。

それは要するに下に示すような言葉の
並びを取ったもので、早い話「だろうか/
た/し/な/よ」を順番に入れて書いていく
という、一つの「型」。

〇〇は△△だろうか

しかにこれこれはあれこれだ。
       
かしこういうこともある。

ぜなら□□は××だから。

って〇〇は▽▽だ。        

これが実に、文章構成の秘訣といって
よいほどの効力を発揮するんですね。

論より証拠、ここで『ハムレット』を
素材に「800字以内の感想文」という
設定で、一つ例文をでっちあげて
みようという算段です。


2. 読書感想文の例(800字)

では、その例文をお目にかけましょう。

引用文は上記ちくま文庫の
松岡和子訳によっています。

 『ハムレット』は、読みながら
解釈に迷うことが多く、逆にその
あたりが劇としての魅力になって
いるようにも感じた。

すなわち主人公のハムレットが周囲を
欺くために頭が狂ったふりをし始める、
という設定も絡んで、言っていることの
どこまでが本心で、どこからは嘘なのか
わからないという場合が多いのだ。

なかで最も困ったのは、恋人である
はずのオフィーリアに対し、彼女が
それこそ発狂し自殺してしまうほど
ひどい言葉を投げつけて
追い込んだことだ。

一体、ハムレットはオフィーリアを
愛していたといえるのだろうか

それとももともと愛してなど
いなかったのだろうか

    
 しかにハムレットは、
彼女の死を知った場面では
「俺はオフィーリアを愛していた。
実の兄が四万人束になっても
俺一人の愛には及ばない」と
その「実の兄」レアティーズに
激白する(第五幕第一場)。
      
   

 かし、これとても、その場に
欺かなければならない人々の中心
である王夫妻がいる以上、本心で
ない可能性は残るだろう。

実際、そこは専門の学者の間でも
意見の分かれるところで、「本当は
愛していた」と見る説7割に対し、
「愛していなかった」説も3割は
あるという(小山田雄志『シェイク
スピアの恋愛学』)。

私自身は後者の3割の方が正しい
としか思えない。
      
 ぜなら、もし本当に愛して
いたなら、彼女の性格についての
知識と思いやりもあったはずで、
そうであれば、いくらなんでも
発狂自殺に追い込むまでの罵倒は
できなかっただろうし、やむをえず
してしまった場合も、あとで何らかの
フォローをするのが恋人としての
自然の情だと思うからだ。

にもかかわらず、ハムレットに
そういう気配は全くなかった。

 って私は、ハムレットの
オフィーリアへの愛は、あったと
してもそれほど強いものではなく、
彼が結果的に命を捨てるのは、彼女の
ことと無関係だと考える。 (785字)
      
Sponsored Links



どうです?
よく書けていると思いませんか?

これをそのままコピペすることは禁止
(バレるとヤバい。剽窃)ですが、
ところどころつまみ食いして、自分らしい
文章に変えて使う程度はOKですよ;^^💦


でも、そんそんな小ズルいことをする
必要もありませんよね。

もうおわかりのことと思いますが、
この型の文章で命になってくるのは、
要するにだろうか部分。

つまりどんな問題提起をするか…
というところが決め手になってくるわけ
ですから、要は自分なりの問題を持って
来て、その「型」に流し込んでしまえば
いいんですよ。

それができてしまえば、そのだろうか
念頭に本文全体をもう一度読み返せば、
後半の「た/し/な/よ」はおのずと
浮かんでくるはずなんです。
👉この方法で書いた作文を
ほかにも見たいという場合は、
こちらに実例と解説が
ありますので、ぜひどうぞ。

「10年後の自分」で作文!3つの骨法【例文つき】で就職試験もGo!

         


さて、そのような次第ですので、
以下では、上記文例で出してきたものの
ほかに、どんなだろうかが考えられるかを
ザっと検討しておきたいと思うわけです。


3.『ハムレット』のいろんな”だろうか

『ハムレット』ほど謎が多く、またそれ
ゆえに数多くの批評や研究が積み上げ
られてきた文学作品は世界に類を
見ないといわれています。

そうであれば、あなたなりのだろうか
見つけることも決してむずかしい
ことではないでしょう。

だって、いたるところ、謎だらけ
なんですから。


たとえばオフィーリアに関していえば、
「尼寺へ行け!」とハムレットが罵倒する
有名な場面は、”敵”王クローディアスと
その側近で彼女の父であるポローニアスが
物陰で聞いていることを意識して
「狂ったふり」をする演技なのか?

そうとも取れるし、また掛け値なしの
本気とも取れるわけで、どちらが正解とも
決め手はないわけです。

   hamlet 141510221

そう考えると「弱き者、汝が名は女」という
これまた有名なセリフなどで批判し続ける
母女王ガートルードへの思いなどにも
非常に微妙な(マザコン=エディプス・
コンプレックス)的な本音が隠されている
ようにも見えてくる。

この見解も〇か×か、正解はないのです。


これらは作者によって”むしろ積極的に
作られた曖昧さ”であるに違いなく、
そこが『ハムレット』という作品の
大きな魅力であり、かつ歴史的に
新しい部分でもあったのです。

Sponsored Links



そのような次第で、いま私の思いつく
だろうかの例を挙げてみますと、ザっと
以下のようなものが浮かびます。
  1. 父王の亡霊は実際に出現
    したのだろうか

  2. それともハムレットだけに
    見えた幻覚だろうか

  3. ハムレットは女性蔑視的だろうか

  4. ハムレットはマザコンだろうか

  5. ハムレットのポローニアス殺害は
    実は故意だろうか