起承転結は転が決め手!小論文/レポートに生かすには?
サクラさん
作文は”起承転結”でって
昔から言いますよね。
でもそれはむしろ失敗の
モトだという話もあり…
昔から言いますよね。
でもそれはむしろ失敗の
モトだという話もあり…
ハンサム 教授
書く内容や長さにも
よりますが、失敗の
リスクが大きくなる
とはいえるかな;^^💦
よりますが、失敗の
リスクが大きくなる
とはいえるかな;^^💦
サクラさん
じゃ、やっぱりやめた
ほうがいいと…(😾)
ほうがいいと…(😾)
ハンサム 教授
いや、それは内容次第。
要は”起承転…”の”転”が
うまくハマるかどうか…
要は”起承転…”の”転”が
うまくハマるかどうか…
サクラさん
ハマりそうに
なかったら?
なかったら?
ハンサム 教授
“起承転結”はスッパリ
あきらめて別の方法を
採用しましょう。
あきらめて別の方法を
採用しましょう。
サクラさん
別の方法って、どんな?
ハンサム 教授
じゃ、その方法も含め
“起承転結”の意味や
実際の書き方について
考えていきましょう;^^💦
“起承転結”の意味や
実際の書き方について
考えていきましょう;^^💦
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というわけで本日のテーマは「起承転結」。
サクラさんもおっしゃるとおり、日本人が
得意としてきた文章構成法なんですが、
近年ではどうも旗色が悪いようです。
論理的な文章を書くには「ほとんど使い
ものにならない」(高松正毅・高崎経済
大学教授)、むしろ妨げになる…
といったきびしい意見が日本語学や
日本語教育の専門家から続々と
提出されているようで…。
👉 Wikipedia:起承転結
でも、でも…ア、ア”ー(((゜д゜;)))
日本人が受け継いできた由緒あるこの
骨法を弊履(へいり。ぼろ靴)のごとくに
捨て去るのは、いかにもクチ惜しいでは
ありませんか。
そこで今回はこの「起承転結」の生き残りの
ために一肌脱ぎたいと思うんです。
いや実際、役に立つんですよ、コレ。
レポートやプレゼン、そして入試の
小論文に~(@^(∞)^@)ノ
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☯ 糸屋の娘は目で殺す
そもそも「起承転結」という漢語は漢詩の構成方法として言われていたものを、
それ以外の、物語(ストーリー)や文章の
構成に応用するようになったもの。
例を挙げましょう。
「起・承・転・結」それぞれの意味の
よくわかる傑作としてこんなのがあります。
京の五条の糸屋の娘……【起】
姉は十六妹十四 ……【承】
諸国大名は弓矢で殺す…【転】
糸屋の娘は目で殺す……
姉は十六妹十四 ……【承】
諸国大名は弓矢で殺す…【転】
糸屋の娘は目で殺す……
江戸期の儒学者、頼山陽の作
といわれる俗謡です。
「京の五条」が「大阪本町」になって
いたり、姉妹の年齢が違っていたりと、
口伝えに流行した俗謡だけに色々と
異同もあるわけですが、ともかく長く
伝えられただけあって、ウーン( ̄ヘ ̄)
傑作ですね、実にこれは…。
どこが?
傑作たるゆえんは、ひとえに【転】の冴えに
あると言っていいんじゃないでしょうか。
【起】で導入した登場人物について
【承】で敷衍(ふえん。多少詳しく説明)
し、【転】で一見それとは無関係な
「諸国大名」を持ち込んで、アレ?
と思わせておいてから、【結】の
「目で殺す」で大名と娘を合理的に
綜合するオチを成立させているわけです。
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いやー、実にお見事👏👏
こういう傑作には読む人の思考を
活性化・柔軟化するという効用も
あるにちがいありません。
【転】こそがキモだという認識は
こちらの商品のラベルにも明確に
明確に示されています。 👇
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☯ 論理的な一貫性を破壊する?
さて、それはよいとして……歌や物語の構成に力を発揮することを認める
としても、同じ「起承転結」法を、論理性が
要求される論文やレポートの書き方に
持ち込んでいいのか、というのが
本日の問題です。
高松正毅先生をはじめ、上記「Wikipedia」で
紹介されている先生方はこぞってこれを批判
されているのですが、どこが問題視されて
いるのかといえば、これがまさに、上の
「糸屋の娘」の例で私がその「冴え」を
絶賛したところの【転】ということに
なるんですね。
つまり【転】では、【起】【承】で作った
流れとは異質なものをあえて持ち込む形に
なりますから、ここで論理的な一貫性が
破壊され、結局わけのわからない文章に
なってしまう。
だから、論理的な文章に「起承転結」の
書き方を持ち込んではいけない、
というわけです。
まことにごもっともで、そう考えると、
上の「糸屋の娘」の場合のように【転】の
「冴え」が高度であればあるほど、
論理的な逸脱は大きい場合が多いので、
文章が支離滅裂になってしまう危険性も
大きいと言えそうですね。
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☯ 「転」ずれば厚みを増す
ただ、このことを裏返して言いますと、【転】でなんらかの「逸脱」を持ち込んだ
としても、もしそのことが論理的な
破綻を生むことなく、合理的で説得力の
ある結論を導くことができるなら、
(「糸屋の娘は目で殺す」の場合のように)
それで全然かまわないわけです。
かまわないどころか、うまくハマれば、
【転】のない論文より面白くて
インパクトが強い、結論も厚みが増して
説得力も増強される……という可能性も
十分あるんですよ。
そこで、問題は、いかにうまく、論理的な
破綻を生まないような【転】を作って
いくか、ということになります。
たとえば、大学受験の世界で”小論文の神様”
とまで称されているのが樋口裕一・多摩大学
教授ですが、この人も小論文の構成法は
やはり「四部構成」が基本だとして、
次のようにまとめています。
【第一部】問題提起
【第二部】意見提示(事柄の把握)
【第三部】展開(原因・背景・結果など)
【第四部】結論
(『ぶっつけ小論文』文英堂、2006)【第二部】意見提示(事柄の把握)
【第三部】展開(原因・背景・結果など)
【第四部】結論
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おわかりですか?
ここでも【第三部】では「原因・背景・結果
など」に突っ込むわけですから、それまでの
流れから一転して、別の視点・視座に立つ、
という変化が要求されているわけです。
「起承転結」の【転】も、その意味を柔軟に
受けとめれば、まさにこのような視座の
変換を言っているわけで、必ずしも
論理的な混乱をきたすとはかぎりません。
逆にいえば、論理的な混乱を持ち込むことの
ない範囲で思い切った飛躍・転換を行い、
それが結果として結論を豊かにする
のであれば、大いに結構なんです。
たとえば上の「糸屋の娘」の例に即して、
仮にこの姉妹の魅力・モテぶりの理由を
解明しようとする論文を考えて
みましょうか。
【転】で「諸国大名」まで飛躍するのは危ない
としても、彼女らからいったん離れて、
たとえば一般に「目のもつ魅力という
ものは……」とか、カエルも蛇の目の魔力で
動けなくなるんだ、とかの話題に転じる
のなら、どうでしょう。
【起】【承】の流れに
その話題を溶け込ませて、論理的に
ブレのない結論に統合していくことは
十分可能なんじゃないですか?
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☯ 【PREP法】も考えよう
ですから、「起承転結」は論理的な文章の構成には使えないとか決めつける必要はなく、
臨機応変に繰り出していいのですが、
問題はいつもうまくいくとは限らない…
ということでしょうね。
なので、与えられた字数や、問題の質、
そして自分が「転」として繰り出す内容への
自信などをよく勘案して、やる・やらないを
判断してください。
やらない場合はどうするかといえば、最も
単純には「転」を抜いた「起・承・結」の
形でいいわけですが、これをより洗練された
強力なものにする方法として【PREP法】
というのがあります。
このPREPというのは、Point,Reason,
Example,Pointの頭文字を並べた造語で、
要するに以下の順序で書け、ということ。
- Point(言いたいポイント、
つまり結論) - Reason(その理由)
- Example(具体例で説明)
- Point(ポイントの確認、
あらためて結論)
つまり「転」はいらないけれども、
その代わりむしろ「結」を先に出して
(「起」として)、「承」としては
その理由付けをやっていく…
という方法ですね。
論文的な文章ならこの方が確実性は
高いかもしれません。
👉詳しくはこちらの記事を
参照してください。
・就活 小論文の書き方 ✒よく出るテーマとその対策【例文つき】
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☯ 【結】(まとめ)
というわけで、「起承転結」は必ずしも使えないわけではありません。
より面白いレポートやプレゼン、採点者に
アピールするような小論文を書こうと
思うなら、これはむしろ積極的に
採り入れていいんです。
ただし、【転】のところであまり極端な
飛躍をすれば、論理的に収拾がつかなくなる
可能性が大きいので、そこは気をつけて……
というのが本日の結論になります。
その飛躍のし具合、呼吸は?…という
ところになると、これはもう経験を
積んでもらうしかないですね;^^💦
というわけで、たくさん書いて
腕を磨くこと。
さあ、がんばりましょ~(
👉入試の小論文の対策なら、
是非こちらを参照してください。
・大学入試小論文の対策5か条!採点する大学教師の生態を知ろう
また日本語の難しさとそれへの
対策をめぐっては、以下の記事も
ご参照ください。
・散見される?散見する? 正しい意味・使い方を鴎外・太宰に聞く
・「お~になる」敬語は二重化注意:太宰・志賀も”お殺せに”バトル
・“させていただく”が間違い敬語になる場合:恩ない人への恩表現
・すべからくの意味は?安部首相らの誤用を呉智英氏らに聞く
・違和感がある…という言い方への違和感:嫌味になる場合とは?
👉当ブログでは、受験でがんばる
人を応援する記事を量産しています。
「大学はこんなところ」カテゴリー
としてこちらに集めていますので、
覗いてみてください。
・大学生活は楽しい??充実した4年間にするための徹底ガイド
そのほかわからない点があれば、
遠慮なく「コメント」欄から質問を
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それではまた~~(^O^)/。
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