小論文の書き方(大学入試)5か条 採点してきた大学教師がズバリ伝授!
やあやあサイ象です。
入試で小論文を書かなきゃならない?
それは大変だ、しっかり
対策しないといけませんね。
Sponsored Links
実は私、こう見えても大学教師をやって
きた人間で、小論文を含め入試の採点も
だいぶやったんですよ。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」
と昔の人も言いましたよね。
そこで今日は私がズバリ敵すなわち
採点する大学教師の側から、小論文はどう
書けばいいのかについて、わかることを
すべて暴露しちゃおうと思うんです。
採点者の生態を知ろう
まず、はっきりさせましょう。敵(標的=ターゲット)は誰なのか。
もう言うまでもありませんね。
それは実際の採点に当たる大学の先生方。
この人たちだけに評価されれば
それでいいんで、ほかの人のことを
考える必要はないんです。
となれば、持つべきは大学教師が
何を評価し、何を嫌うかという
彼らの生態のイメージ。
とはいっても、ほとんどの人は身近に
大学の先生がいるわけではないので、
そのイメージは持ちにくいでしょう。
だから今日は実際に経験してきた者として
をまず以下の
5ポイントにしぼって暴露しちゃいますね。
そこからは、じゃあどうしたらいいか
という心得が必然的に出てきますので、
それらを「小論文対策5か条」として
伝授していこうという魂胆です。
💡 採点者の生態から導かれる
小論文 書き方5か条
小論文 書き方5か条
これらがあなたが狙う大学についても
言えるんだとすると(たいてい言えます)、
大学教師に評価される書き方を想定していく
こともそんなにむずかしくありませんよね。
では、さっそく始めましょう。
1. 大学教師は”感想文”がキライ
そもそも「小論文」とは何かといえば、読んで字のごとく「小さな論文」であって、
「感想文」では決してありません。
その区別ができていない答案が多いことを
大学教師は毎年嘆くわけですが、
このことは、さかんに「感想文」を
書かせてきた「国語」教育の伝統に
深い関わりがありそうです。
日本の「国語」の授業や「感想文」の評価で
重んじられてきたのは「感性/感受性」や
「道徳性/従順さ」の方であって「論理性」
や「議論」の能力ではありませんね。
理由がわからない場合に突っ込んで尋ねれば
「屁理屈いうんじゃない!」と出る杭を
打たれるのが、日本の(伝統的な)授業。
「国語」の周辺はだいたいそういう世界
ですから、宿題の「読書感想文」でも、
論理的に問題追求するような文章が高く
評価されることはめったにありません。
そのことは入選作を読めばすぐわかります。
たいてい「感受性」よく反応し「道徳」
的にまとめた「反省文」なんですね。
👉学校で期待されている「感想文」
の実態とそれへの対応策ついては
こちらをご参照ください。
・読書感想文の書き方【入賞の秘訣4+1】文科大臣賞作などの分析から
・読書感想文 書き方の本はこれだ!サイ象流≪虎の巻≫ついに刊行!!!
そういう「感想文」は、それはそれで
結構なんですが、大学が受験生に要求する
「小論文」は、そういうものではないと
肝に銘じる必要があります。
Sponsored Links
💡 白黒はっきりさせる
要は、高校までの「感想文」ヘキを断ち切って「論文」的な文章を鍛え上げて
いかなければならない、ということ。
そのための心得が第1の対策法です。
与えられたテーマに
ついて白黒
(YESかNOか)
はっきりさせる
たとえば「日本の将来における難民(または
移民)受け入れ」だとか、「中東などでの
子ども兵」だとかについて書けといわれたら?
賛成も反対も考えたことないし、
そもそも存在さえ聞いたことがない?
それでもなんとかしなくてはならない
わけですが、よくあるのが
・子ども兵はかわいそうで、
よくないと思います
というふうに、やっぱり「感想文」に
なってしまうもの。
これでよい点をもらえることは、
まずありません。
では、どうするか。
ハイ、まずYESかNOか、
どちらかに決めちゃいましょう。
決められなくても、決める根拠がなくても、
エイヤッと決めてしまう。
別にYESかNOかを問うていなくても
YES/NOで答える形に自分で変えてしまう。
Sponsored Links
その場合、期待されている(ように思える)
方向の逆の主張(たとえば「子ども兵も
やむをえない」)にあえて打って
出るのもウマい方法です。
これでなんとか書ければ、すくなくとも
目立つので、評点が高くなる可能性は
小さくありません。
ただ、もちろん、うまくいかなくて
「論理性」が壊れてしまったら元も子も
ないわけですから、書けそうかどうか
よ~く考え、メモ用紙などで全体の
構想を整理してからにします。
無理そうだと判断したら、平凡でも
まっとうな回答のほうを選択しましょう。
どちらにしても「なぜそう思うのか」という
論拠を分かってもらえなければ
評価されるわけはありませんので、
一つ一つていねいに、「理屈」で
書いていくことが大事です。
2. 大学教師は”よい子”がキライ
たとえば上でもふれた「難民」や「移民」の受け入れの問題で書く場合、第一に予想
される答案は、
・私たち日本人も心を広くもって
受け入れに努力しなければ
ならないと思う
というような結論にもっていく
ものでしょう。
これも、そう思うことの論拠を示した
説得力のあるものならいいんですよ。
でもよくあるのが、ただ学校で先生に
教えられた公式見解をオウム返ししている
だけ……としか思えないあやふやな文章。
そういうのを読むと、本気でそう
思ってるの?
実際に難民が入ってきたら真っ先に
排斥運動するんじゃないの?……
なんて疑えてしまうんですね。
大学教師は基本的にバカではないので
(例外もいますが;^^ゞ)、こういう
たんなる”よい子”の書いた空疎な
文章は苦もなく見抜きます。
Sponsored Links
💡 道徳的にならなくていい
そしてそういう答案に高い評価を与えることはありません。
いやまあそれも、空疎な”よい子”だけが
ほしい大学なら評価するのかな?;^^💦
でも、高等教育を本気でやろうと思っている
大学なら、そんな”よい子”は願い下げ。
荒削りな出来であっても、自分の頭で
考えようとした跡の見える答案の方を
採りたいはずなんです。
そこで対策法の第2。
道徳にとらわれず、
思い切った主張を立てる
ひょっとして先生、眉をひそめちゃう
かな?…と思えるようなことでも、
思い切って書けばいい。
ただ、くどいようですが、論理の筋道が
しっかりたどれる文章になって
いればの話ですよ。
3. 大学教師は”ダラダラ文”がキライ
大学の先生は採点しながら、翌年にはその受験生が入学してきて、自分が教える
ことになるかもしれない…という可能性に
喜んだり怯えたりしています。
「この子を教えたら面白そうだな」とか、
「この子を教えることになっちゃったら、
ツライなあ…」とか思わないわけではなく、
教師も人間ですから、その心理が評点に
影響することは当然、あります。
で「どんな子がほしいか/ほしくないか」
は一概に言えませんが、現在の大学事情から
見て、どの大学も共通して「ほしく
ない」と思うであろう受験生の
小論文は、こんな感じじゃないかな?
・思いつきがダラダラ流れていく
だけの文章で、論文的な型が
まったくできていない。
なぜほしくないかって?
この生徒にイチから教えてやらなきゃ
いけなかったらヤだな~…という暗~い
気持ちに襲われるからですよ。
Sponsored Links
💡 論文的な型に流し込む
ですので、そう見られないためには、論文的な型をしっかり習得し、自分の
主張をその型に流し込むようにして
書いていく練習をしておく必要があります。
そこで、対策法の第3。
👉「序論⇒本論⇒結論」の
3部構成、または
「起承転結」の
4部構成で書く
3部構成、または
「起承転結」の
4部構成で書く
Sponsored Links
3部構成か4部構成かは、与えられた字数や
書きたいことの流れから判断していけば
いいんですが、ともかく絶対必要なのは
「序論」(または「起」)で、これから
何を書くかを示すこと。
「……かどうか、以下で考えてみたい」
というような問題提起の型。
または「……はこうだと思う。以下にその
根拠を述べていきたい」というふうに
結論を先に言ってしまう形も効果的。
そして「序論」で提起した問題について
自分なりの解答を述べたり、根拠を示し
つつ読み手を説得していくのが「本論」。
「本論」で言いたいことが一応言えたら、
最後の1段落で「結論」を書きます。
「(以上のことから)○○は△△だと言える」
というような自信ある言い方できっぱりと
締めくくりましょう。
これで採点者の印象は格段によくなり、
序論・本論で首をひねっていたことも
きれいに忘れてくれる可能性があります。
この「序論」「本論」「結論」がそれぞれ
一つの塊でまとまれば、全体は3部構成の
になって、それでOK。
字数的に余裕があれば、「本論」を二分して
「承」から「転」へのひねり(転回)を加え
「起承転結」の4部構成の形にしてもいい。
これがうまく流れれば説得力はグンと増して、
「うーむ、なるほど」と採点者を唸らせる
こともできるんですよ。
👉「起承転結」の作文法について
より詳しくはこちらをご参照ください。
(大学生レベルになりますが)
・起承転結の意味は?作文・小論文・レポートに柔軟な応用を
・就活 小論文の書き方 💡 よく出るテーマとその対策【例文つき】
・大学志望理由書の書き方【例文つき】PREP法で行こう
Sponsored Links
4. 大学教師もたまには笑いたい
ほとんどの場合、大学教師は入試の採点業務を好きでやってるわけでは
ありません。
小論文も命令で仕方なく読んでるわけで、
答案はたんにツマラナイだけならまだしも、
ワケの分からない支離滅裂のダラダラ文も
多々あって、ストレスはたまる一方。
そんな時、クスッと笑えるとか、オオッと
驚かせてくれるとか、なんらかの意味で
ユニークな文章に出会えたらそれはラッキー!
一服の清涼剤、不幸中の幸い、砂漠の
オアシスなんです:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
そうなると、自分を幸せにしてくれた答案
ですから、多少なりと点数が甘くなる
ことは、それこそ教師も人間、自然の
摂理として、まず止めようがありません。
💡 ウケをねらう
ですので、笑えるネタやホロリとくる話、大学の先生なんかだと多分知らなくて
ビックリしそうな事実とか…書けそうな
場合は積極的に挿入していきましょう。
(ふざけすぎは禁物ですけど;^^💦)
というわけで、対策法の第4。
ユーモアや意外性を
(可能なら)織り込む
これはもちろん、各自のパーソナリティにも
よることですので、無理にがんばる
必要はありません。
ただ自分について「おもろい奴だ」と自信を
もっている人は、日ごろからウケそうな話を
ストックしておくとよいでしょう。
たとえば、教育関係とか社会の格差とかに
関わるテーマで書くことになった時、
こんな書き出しなんかどうでしょう。
「乞食と教師〔「大学教師」も可〕は三日
やったらやめられない」という
フランスのことわざがあるが、
実際そうかもしれない。
やったらやめられない」という
フランスのことわざがあるが、
実際そうかもしれない。
これにぶち当たった採点者はどう
思うでしょうか。
怒る?
いや、そんな先生まずいないでしょう。
なかなか面白い(生意気な)やつだな、
よし、その先を読ませてもらおう……
と期待感をふくらませる人の方が
圧倒的に多いはずなんです。
5. 大学教師は”理屈”が好き
大学教師になっている人は、それまでに何本もの論文を書き、それが一定の評価を
受けているはずなんですね。
(体育・芸術系では例外もあり;^^💦)
で、論文というものは、すでにうるさく
述べてきたとおり「論理性=理屈」で
書くものです。
とすれば「理屈」に弱くっちゃ大学教師は
つとまらないので、たいていの先生は
「理屈」に強いし、またそれが
好きなんですね。
だからもしあなたが「理屈屋」で、親や
先生から「屁理屈こくな!」とか怒られる
ことがあるとしても、同じ事で大学の
先生が怒る確率はぐんと低いです。
だってそこで怒れば、「理屈」での挑戦に
負けたも同じで、学者としての値打ちを
下げることなってしまうから。
Sponsored Links
だから小論文でも、こんなこと書いたら
「屁理屈だ!」と否定されちゃうかな?
と不安になるような場合も、思い切って
「理屈」をつけてみればいいんですよ。
👉え? 「論理」と「理屈」は
どう違うのかって?
それはちょっとややこしいので、
「理論」とか「屁理屈」も含めて
こちらで詳しく考えています。
どうぞご参照ください。
・論理と理論(&理屈)の違いは?英英辞典と漱石に聞こう
さてそこで、トリを飾る第5の対策法。
屁理屈スレスレでもいい
国公立や早大、慶大など一流大でよく出る
のが、かなり長い文章を読んでから
設問に答える形の小論文。
文章自体が難しくてお手上げ……
という窮地に立った時、窮余の一策
として、この手に出て結果的に案外
うまく行く場合もあるんですね。
たとえば課題文が難解で全体として何を
言いいたいのか分からなくても、一文一文に
目を付けていけば、文句をつけたいところも
見つかるでしょう。
その言葉尻を捉えて「揚げ足取り」をする
とか、あるいは「そもそも○○について
議論すること自体が△△である証拠
ではないか」と居直るような形で
理屈をこねてみる。
はたまた繰り返し出て来るキーワードを
見つけて、それについて(課題文の論旨
とは関係ないかもしれない)議論を勝手に
始めるというのも(窮余の)一手。
的外れな答案でも、採点者が案外喜んで
くれるという可能性はゼロではない
のですから、最後まで望みを捨てては
いけないのです。
まとめ
さて、「採点する大学教師の生態」5ポイントから、大学の先生に評価
される小論文を書くための5つの
対策法を引き出してきましたが、
わかってもらえたでしょうか。
わからない点があれば遠慮なく
「コメント」欄から質問を送信して
くださいね。
ともかく小論文はあなたの個性を発揮し、
それが認められることで憧れの大学に
入れる(かもしれない)という
願ってもないチャンス!
ただ、誰でもそうですが、いきなり
ぶっつけ本番、出たとこ勝負で
うまく書けるものではありません。
是非しっかりと対策を練り、
練習を重ねておきましょう。
👉上でふれた「起承転結」を含め、
短い文章の構成テクニックや
それを適用した例文なら
こちらに集めていますので、
ぜひ参考にしてください。
・「私の家族」で作文どう書く? 就職試験向き400字/800字の例文つき
・将来の夢で書く就職試験作文!”夢ない”人はどう書く?【例文つき】
・「10年後の自分」で作文!3つの骨法【例文つき】で就職試験もGo!
・「私の挑戦」で作文だ!800字の例文で構成法を教えます
>
・「私の職業観」作文の書き方!800字の例文つきで構成法を考える
・どんな社会人になりたいか 作文の書き方を例文(800字)つきで解説
👉当ブログでは、受験でがんばる
人を応援する記事を量産しています。
「大学はこんなところ」カテゴリー
としてこちらに集めていますので、
覗いてみてください。
・大学生活は楽しい??充実した4年間にするための徹底ガイド
そのほかわからない点があれば、
遠慮なく「コメント」欄から質問を
送信してくださいね。
ともかく頑張ってやりぬきましょ~(^O^)/
(Visited 7,673 times, 1 visits today)
こんなコメントが来ています