シェイクスピア オセロのあらすじ:漱石講義のコメントつきで

 


やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズもはや第66回、
「あらすじ」暴露サービスとしては第43弾。

今回はシェイクスピア四大悲劇の中の
問題作『オセロ』(1602初演)です。



さて、一口に「あらすじ」を、といっても、
話の骨子だけでいいという場合から、
読書感想文を書くんだから、
ある程度詳しくないと……という場合まで、
千差万別でしょう。

そこで出血大サービス((((((ノ゚⊿゚)ノ

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「ごく簡単なあらすじ」と
「やや詳しいあらすじ」の
2ヴァージョンを用意しましたよ~(^^)у



Ψ ごく簡単なあらすじ

まずはぎゅっと要約した
「ごく簡単」ヴァージョンのあらすじ。

ヴェニスの黒人将軍オセロは
美しい新妻デズデモーナを伴って
キプロス島に総督として赴任。

旗手イアーゴは、オセロが自分でなく
キャシオを副官に昇格させたことを
恨み、このキャシオとデズデモーナとの
姦通をでっち上げようとたくらむ。

イアーゴの仕組んだ刃傷沙汰で
副官を解任されたキャシオにイアーゴ
は、デスデモーナに頼みこめば
復職も可能だとささやく。

William Shakespeare silhouette on a white background

イアーゴはさらに、オセロを導いて
キャシオがデズデモーナに訴える現場を
見せたり、妻のエミリアが侍女を
務めていることを利用して
デズデモーナが落としたハンカチを手に
入れてキャシオの宿に置いたりする。

こうした計略を通して、徐々にオセロが
妻の姦通を確信するよう仕向ける。

ついにオセロはイアーゴに、副官は
お前だ、キャシオを殺せと命じ、
自分は妻を絞め殺す。

その直後、エミリアが真相をすべて
暴露し、イアーゴは妻を刺し殺して
逮捕され、オセロは自殺する。


え? なんだかよくわからん?

ま、それはそうかもしれません。

なにしろこれは小説ではなく
戯曲(劇の脚本)で、第1幕から5幕まである
かなり込み入ったドラマ展開を
ムリヤリ凝縮したものですからね。


なので、実際の芝居を見るか、
映画で鑑賞するのが手っ取り早いことは
たしかでしょう。

有名なのがオーソン・ウェルズ主演の
1952年映画!



でももちろん、映画のストーリーは完全に
原作通りというわけではありませんし、
また英語のよく聴き取れる人なら
結構ですが、字幕に頼っていては、
原文の面白みは三分の一も伝わりません。

有名なセリフ、名言を押さえたいとか、
読書感想文などを書こうという場合は、
やっぱり文章が与えられていないと
困りますよね。

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そこで下記の「やや詳しいあらす」では
できるだけ原文の引用を挟みながら
進めていきますね。

「”」印のあるグレーの囲みと「  」の中は
すべて原作(上で紹介している角川文庫の
三神勲訳)からそのまま引き抜いた文章で、
たいてい名言とされる言葉を含んでいます。


それから
【漱石のコメント】 ・・・・・
の部分は、わが夏目漱石が東京帝大で
この『オセロ』を講義した時に加えた
解説・批評として記録されている文章
(漱石全集第13巻「『オセロ』評釈」)。

もちろん飛ばしていいんですが、
ついでに見てもらえると、理解が
深まると思います。

    ƒvƒŠƒ“ƒg

Ψ やや詳しいあらすじ


【第一幕】
黒人ないしムーア人(北西アフリカの
イスラム教徒)とされるオセロは、
数々の戦功により将軍にまで
上り詰めたヴェニスの戦士。

元老院議官ブラバンショの娘
デズデモーナと結婚したばかりだが、
父親の許諾をまだ得ていない。

オセロの旗手を長く務めるイアーゴは、
彼が副官の地位に自分でなく
青二才のキャシオを昇格させたことで、
また妻のエミリアとの姦通の噂も
聞いて、オセロを恨んでいる。

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 現在のヴェニス(ヴェネチア)  


その友人のロダリーゴは、もともと
恋していたデズデモーナを取られた
ことで、やはりオセロを憎んでおり、
奸智に長けたイアーゴは、彼を
利用してオセロを陥れようと企む。

ブラバンショの屋敷へ行った二人は、
オセロらの結婚を告げ、これに逆上した
ブラバンショは、一隊を集めて
通りに飛び出す。

元老院に向かうオセロに出くわし、
「よくも娘をたぶらかしたな」と剣を
抜くが、そこへ公爵が緊急の会議を開く
との知らせが入り、両者とも議場へ。


議場ではトルコ艦隊のキプロス島
進撃への対応策を審議中。

Sailing-Ship-s

入るや否やオセロの非を訴える
ブラバンショにオセロは弁明し、
続いて呼び入れられたデズデモーナが
結婚に至る経緯を語る。

ブラバンショはついに「勝手にせい!」
と言い放ち、公爵はオセロをキプロス島
防衛の最適任者と見て総督に任命する。

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【第二幕】
大嵐に襲われたトルコ艦隊は全滅し、
やがてキプロス島に到着したオセロ
総督をデスデモーナらが迎える。

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 現在のキプロス島  


戦勝と総督の結婚を祝う宴会が開かれ、
イアーゴの筋書き通り、酒に弱いのに
飲まされた副官のキャシオは、
ロダリーゴに喧嘩を売られ、止めに
入った前総督モンターノと斬り合って
怪我をさせてしまう。

イアーゴから事情を聞いたオセロは
ただちにキャシオ副官を解任するが、
そのキャシオにイアーゴは、
「将軍の奥方が今は将軍だ」、
デスデモーナに頼みこんで、とりなして
もらえば復職も十分可能ですよ、
とささやく。

【漱石のコメント】 
Iagoよりももっとperfectなもっと
refineされた悪党を書いて、善人
だか悪人だか分からないやうな、
表面だけ見ると立派な善人で、
然も一面大悪人であるといふやうな
性格をかいて見たら面白いだらう
と思ふ。

自分はさういふ人間が確に
世の中にはゐると思ふ。  

シェイクスピア  William_Shakespeare

ShakespeareがIagoを作ったのを
以つてもShakespeareの
intellectually(知的・頭脳的)に
えらかつたことがわかる。
〔中略〕
Iagoは冷酷に大悪を為し得て、
それを善の如く装ふ手際を
持つてゐる。
一方から見れば大いにえらい。


【第三幕】
キャシオは、デズデモーナの侍女を
務めるエミリア(イアーゴの妻)を
呼び出してとりなしを頼む。

エミリアはデズデモーナに「わたし
からもお願いします。うちの主人も
まるで自分のことのように心配して」
と懇願し、デズデモーナはキャシオの
復職は自分が請け合うと言う。

【漱石のコメント】 
Iagoは〔中略〕Roderigoに対して
のみ正体を打ち明け、
ばけの皮を現はしてゐる。

惜しいことである。

之を、若し、誰にも心中を打ち明け
ないで、独りで悪をするやうに
描いたならば、完全な悪人と
なったであらう。

refined rascal(洗練された悪漢)
となれた筈である。

黒砂糖でない、    038551
白砂糖の悪人となれた筈である。

併(しか)し白砂糖の悪人は
今までの文学にはない。

イアーゴは策略どおり、オセロを導いて
キャシオがデズデモーナに訴える現場を
見せ、かつ二人の間に何かあるように
「言いかけては口ごもる」ことを
繰り返してオセロをじらす。

イアーゴ 嫉妬はこわいもので
ありますな、閣下。

そいつは緑色の目をした怪物で(◎◎;)、
人の心を餌食(えじき)に
して、苦しめるやつです。

  Dawn-Of-The-Planet-Of-The-Apes-l

デズデモーナの人柄も問題にし、結婚は
「お父上をだまして」のものだったし、
結婚前あなたを恐れて震えているよう
でも実はあなたに夢中になっていた……
等々、イアーゴは巧妙な指摘を重ねて、
絶対的だったオセロのデズデモーナへの
信頼を揺るがしていく。

だから彼女が「キャシオの復職を
どれくらい強く」ねだるかに
注意されるがよい、とイアーゴ。


エミリアとともに登場したデズデモーナ
がオセロの額の痛みを案じてハンカチを
取り出し、それが落ちてエミリアの
手にわたる。

エミリアは、「もともとオセロの
贈りものであったこのハンカチを手に
入れて来い」というイアーゴの依頼が
果たせてよかったと喜ぶ。

イアーゴ キャシオの宿にこのハンカチを落としておき、
やつに拾わせてやる。

空気のように軽いものでも、
嫉妬にかられた男には
聖書の文句ほどに
重みのある証拠になる
(゜д゜;)。

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【漱石のコメント】 
此のハンカチフが後で
大いに役を演じる。

さういつた小さいcicumstance
(付帯状況)が元となつて事件が
発展するなども必ずしも悪くは
ないが、chance(可能性)の
少ないことを原因とするから、
事がきはどくなる、
小刀細工的になる。  

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斯(こ)んなことがShakespeareの
長所ではない、それよりは寧ろ心の
成行から事件が発展する方が第一
不自然でなく、見てゐて愉快である。

惑乱した様子のオセロがイアーゴに
「証拠を見せろ、どうして妻が
淫売だ?」と迫り、イアーゴは
じらし続けたあげくに、いわく、

以前並んで寝たときにキャシオは
「デズデモーナ、気をつけような」
云々の寝言を言った。

また例のハンカチでキャシオが
髭を拭いているのを見たと( ̄□ ̄;)。


激怒したオセロは、   b49c0f95e7ec0133de8bdc47a7255c63_s

キャシオの死を三日以内に報告せよ、
今からおまえが副官だ、と命ずる。

オセロはデズデモーナにあのハンカチを
出して見ろと迫るが、出せないので
怒って去り、デズデモーナはエミリアに
悲しみを訴える。

エミリア 男の正体なんか、
一年や二年でわかるもん
ですか。

男たちは胃袋、わたしたちは
その食べもの、ひもじい時
には、がつがつ詰め込ん
どいて、お腹がくちくなると、
平気ではき出すんですからね。





【第四幕】
イアーゴの口舌に乗せられ続ける
オセロは、キャシオが「奥さまに
乗ったとか、乗せたとか」云々の
イアーゴの言葉に興奮し、前日に続く
二度目のてんかんの発作で倒れる。

その後、イアーゴはオセロが、
キャシオと彼の情婦ビアンカの会話を
立ち聞きするよう場をしつらえる。

「家に落ちていた」とキャシオがいう
例のハンカチをビアンカは話題にする。

横で聞いていたオセロは    actor plays the role of Othello, vector and illustration
妻の姦通を確信し、「毒薬を」と
イアーゴに命じるが、姦通のあった
まさにその寝床で「首を絞めるんです」
と進言され、オセロは「そりゃいい」
と同意。


そこへヴェニスから使者が来、オセロに
書面を渡すが、書面には、キャシオを
総督後任として帰国せよとある。

それを聞いたデズデモーナが喜ぶと、
オセロは「悪魔め!」と人目もかまわず
妻を殴打する(叫び)。

絵画Byroglyphics-Women-s

二人きりになっても、オセロは妻を
罵って泣き、弁明も聞こうとしない。


イアーゴはロダリーゴに、オセロ夫妻を
足どめするにはキャシオを殺すのが
一番とそそのかし、謀殺の計画を話す。

エミリア でも、世界じゅう
全部(やる)ってことに
なりゃ、誰だって間男ぐらい
いたしますわ、
夫が世界の
王さまになれるんですもの。
地獄の苦しみぐらい、喜んで
我慢しますわ。

デズデモーナわたしはいや、世界じゅう
全部やるといわれても、
そんな悪いことはできない。

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【漱石のコメント】
Desdemonaの性格は、孔子流の
教育を受けた、日本の姫御前に
よく似ている所がある。

腰元のEmiliaのやうなのも、
歌舞伎芝居にはよく
出て来さうである。

例へば、八重垣姫と濡衣と
いつたやうなのがそれである。
この点でShakespeareがuniversal
(普遍的)と言はれるのも
無理はない





【第五幕】
ロダリーゴはキャシオに斬りかかって
逆に刺し殺され、イアーゴは背後から
キャシオの脚を刺して逃げる。

浪人 剣47-Ronin-s

デズデモーナが眠る寝室にオセロが
入り、「許されぬ罪なのだ」に始まる
長い独白のあと、目を覚ました
デズデモーナに、死の床で罪の赦しを
神に願えと命じる。

デズデモーナは身の潔白を訴えて、
キャシオに聞いてと頼むが、あいつは
もうイアーゴが殺した、とオセロ。

それは誰かの計略です、せめて明日まで
もう半時間……と命乞いする
デズデモーナの首をオセロは絞める。

Stich, Abbildung, engraving, gravure :1856.
1856年の版画


そこへエミリアが来て、ロダリーゴが
死んでキャシオは生き残った顛末を
知らせ、虫の息のデズデモーナは
「無実の罪で死んでいく」と
言いながら絶命。

驚いたエミリアがオセロを問いただす
うち、デスデモーナの姦通は
イアーゴのでっち上げだと判明し、
エミリアは夫を蔑むとともに
オセロにも面と向かい「やい、阿呆、
間抜け!……人殺し!」と罵倒する。

騒ぎを聞きつけて集まった一同に、
オセロが妻殺害の理由として例の
ハンカチにふれると、そのハンカチは
自分が拾ってイアーゴに渡した
ものだと暴露。

激怒したオセロがイアーゴに
飛びかかるが、モンターノが遮り、
混乱の中、イアーゴはエミリアを
刺し殺して逃げる。

イアーゴは捕まって引っ立てられ、
オセロは自らを刺して妻の横たわる
寝台で絶命。


さあ、いかがでした?

これでもう大丈夫ですよね、
感想文だろうが、なんだろうが…。


とりあえず、上記「あらすじ」のうちで
特に面白いと思った部分や、心に
引っかかってきた「名言」について、
じっくりと考えてみたらどうでしょう。

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【漱石のコメント】のほうが気になった人
は、それを絡ませて感想やレポート・
批評を書くことも十分可能でしょう。

その場合はこちらの記事でより詳しく
紹介していますので、ご参照ください。
シェイクスピアのオセロを講義:漱石の名言「白砂糖の悪人」?

またシェイクスピアの他の作品を
めぐっては、こちらも参照してください。
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∬シェイクスピアの本:ラインナップ∬


ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の
種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/




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