そして誰もいなくなったの英語タイトルはなぜ変わった?⦅小説ネタバレ⦆
サクラさん
何度も映画化され、
日本でも何度もテレビ
ドラマになった『そして
誰もいなくなった』です
が、原作の最初のタイ
トルは『10人の黒ん〇』
だったとか…(🐱)
日本でも何度もテレビ
ドラマになった『そして
誰もいなくなった』です
が、原作の最初のタイ
トルは『10人の黒ん〇』
だったとか…(🐱)
ハンサム 教授
ええ。発表当時の英国
ではOKでも、さすがに
それはまずいという
ので、米国版で今の
タイトルに変更され
ました。
ではOKでも、さすがに
それはまずいという
ので、米国版で今の
タイトルに変更され
ました。
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サクラさん
でもその”黒ん〇”って
本文中にも出て来ない
じゃないですか。
本文中にも出て来ない
じゃないですか。
ハンサム 教授
それも”インディアン”
に変えられたから
ですよ。
つまり「10人」といって
も生身の人間ではなく
人形を指しています
から、変更も難しく
ないですね。
に変えられたから
ですよ。
つまり「10人」といって
も生身の人間ではなく
人形を指しています
から、変更も難しく
ないですね。
サクラさん
でも”インディアン”も
まずくないですか?
まずくないですか?
ハンサム 教授
だから今ではたいてい
“兵隊さん”か何かに
なっていますね;^^💦
“兵隊さん”か何かに
なっていますね;^^💦
サクラさん
ははあ(🙀)…それで
人が一人死ぬごとに、
その10個の人形も1個
ずつ消えていく…
人が一人死ぬごとに、
その10個の人形も1個
ずつ消えていく…
ハンサム 教授
という華麗な展開!
その後のミステリー界に
絶大な影響を与えた
“密室殺人”型推理小説
の傑作です!
その後のミステリー界に
絶大な影響を与えた
“密室殺人”型推理小説
の傑作です!
というわけで、おなじみ「あらすじ」暴露
サービス第132弾(“感想文の書き方”
シリーズ第191回)となる今回は、
2016年(藤原竜也さんほか)、2017年
(仲間由紀恵さん、渡瀬恒彦さんほか)
と豪華キャストでのテレビドラマ化が続く
『そして誰もいなくなった』((((((ノ゚⊿゚)ノ
その原作であるアガサ・クリスティーによる
不朽の名作推理小説(And Then There
Were None,1939)。
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発表当時の原題(英語タイトル)が
“Ten Little Niggersで、差別語を含んで
いたことはハンサム教授もご指摘の通り。
この問題がその後どう処理されたのかも
チェックしながら、詳しくストーリーを
追って行きますよ~~Y😹Y
まずは2017年3月放映のドラマの
予告映像などをどうぞ。👇
さあ、それでは行きますよ~。
もちろんネタバレありになりますので、
結末を知りたくない人は絶対に読まない
ようにしてくださいね;^^💦
かなり詳しいあらすじ
では始めましょう。わかりやすさのため、私の判断で
「起・承・転・結+エピローグ/告白書」
の5部に分けて、わかりにくい
箇所などには👉印で注釈を
入れています。
うるさいと思われたら飛ばして
いただいてかまいません。
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【起】(第一章~第五章)
イギリス、デヴォン州の無人島に建てられた豪邸に年齢も職業も
バラバラな10人の男女が招かれる。
ところが、招待主であるU・N・
オーエンは一向に姿を現わさない。
やがて彼らに届いた招待状は虚偽の
ものとわかり、10人の晩餐は
不安に包まれる。
そこに突然、鋭い〈声〉が響き、
「諸君はそれぞれ、次にのべる罪状で
殺人の嫌疑をうけている」と告げる。
続けてその場にいる10人の名と罪状を
列挙していき、「被告たちに申し開きの
かどがあるか」と終わる。
マカーサー退役将軍、ウォーグレイヴ
元判事、生意気な青年のマーストンらが
中心になり、その場で謎解きのための
意見交換を始める。
〈声〉は蓄音機からのものと知れたが、
謎解きはらちが明かないので、明朝の
食料補給の船でみな帰ろうと
ウォーグレイヴが提案する。
が、マーストンのみこれに異議を唱え、
謎を解こうじゃないか、スリル満点だ、
「犯罪に乾杯します!」とグラスの
ウィスキー・ソーダを飲み干す。
と、マーストンは顔を紫色にして即死(
アームストロング医師の検死によれば
猛毒による窒息死だが、ウィスキーにも
ソーダにも別状はない。
自分で毒を入れたとしか考えられないが、
およそ自殺などしそうな人間には
見えなかったので、みな不思議に思う。
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【承】(第六章~第十章)
翌朝、オーエンに夫婦で雇われていた使用人のロジャースが、妻が寝たまま
死んでいると告げる(
信仰心の強いブレント老婦人は、昨晩
〈声〉に罪状を暴かれてのショック死
だと言うが、ブロア元警部は夫による
殺害を疑う。
そのロジャースはアームストロング医師に
「不思議なこと」の発生を告げる。
テーブルの真ん中にあった10個の人形が
昨晩の後片付けの際には9個しかなく、
今は8個しかないと。
👉発表当時のタイトルに含まれていた
「黒〇〇」(Niggers)もこの10個の人形を
指していたのですが、米国版では
タイトルが変えられ、人形も
「インディアン」(Indians)に変更
されたことは、すでに見たとおりです。
“nigger”の語を不適切と見る意識が
アメリカではすでに一般的だった
ということですね。
なお現代では”Indian”も不適切に
なっていますので、2010年発行の
青木久恵訳クリスティー文庫版では
“Indians”は「小さな兵隊さん」
にされ、島の名は「兵隊島」に
変えられています。
アームストロング医師とロンバード
元陸軍大尉は、2人の殺害と人形の
数減らしは島のどこかに隠れている
オーエンの仕業ではないかと推理し、
ブロア元警部を加えた3人で
島の捜索を進める。
オーエンの形跡はなく、嵐となって
船も来ず、完全な孤立状態で不安感の
いや増したところで、マカーサー
老将軍の撲殺死体が発見され(
人形もまた1つ減っている。
残った7人はそもそもこの招待は自分らを
殺すためのもので、”オーエン”すなわち
犯人は7人のうちの誰かだと考えるほか
なくなり、互いに腹を探りあう会話を
重ねてゆく。
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【転】(第十一章~第十五章)
錠を下ろし完全に閉ざされていたはずの食堂で、夜の間に人形がまた1つ減り、
ロジャースの死体が発見される(
ロンバートは若い女性家庭教師の
ヴェラに、すべてはウォーグレイヴ
判事の犯行だと自分は思うと話す。
残された6人は、朝食が終わると、
気分が悪いというブレント老婦人を
残し、皆で応接間に移動して意見交換。
ブレントが来ないので食堂へ戻ってみると
彼女は死んでおり(
首には注射のあと。
アームストロングの鞄を開けると
皮下注射器が消えているが、
「誰かが盗んだのだ!」と医師。
唯一の女性となってしまったヴェラと
4人の男たちとは、離れないように
しようと決め、一緒にピストルの
捜索などを進める。
やがてウォーグレイヴの不在に気づき
応接間へ行くと、真紅の衣装と判事の
鬘をまとったウォーグレイヴが椅子に
かけたまま動かない。
医師が鬘をのけると、射殺の跡が(
翌朝、そのアームストロングの姿が見えず、
人形も1個減っているので、ロンバードは
彼はもう死んでいると言い、ヴェラはむしろ
彼こそが犯人ではないかと怪しむ。
二人がテラスへ行くと、大きな大理石で
頭をつぶされたブロアが倒れている(
さらに、海を見下ろしたロンバードは
打ち上げられたアームストロングの
死体を発見する(
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【結】(第十六章)
「死体を引き上げなければ」と提案したヴェラは、その作業中にロンバードの
ポケットからピストルを抜き取り、
彼に向ける。
「渡したまえ」と言いながら
飛びかかってきたロンバードに
ヴェラは「無意識のうちに」発砲(
食堂に残っていた3個の人形のうち
2個を窓から投げ捨て、1個を握って
2階の自室に戻ると、天井の鉤(かぎ)
から「首をくくる輪」がぶら下がっている。
かつて彼女が教え子のシリルに言い、
結局その死を招いた言葉――「岩へ泳いで
行っていいわ」――がよみがえり、
ヴェラは「夢遊病者のように」
首をつってしまう(
👉「あらすじ」なので省略して
きましたが、このシリルを
死に追いやったらしい経緯は
ここまでに何度かヴェラの
意識の流れに織り込むように
描かれてきています。
彼を死なせたことが〈声〉に
摘発されたヴェラの「罪状」
でもありました。
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【エピローグ/告白書】
後日、島で10人の遺体が発見され、ロンドン警視庁は、残された日記や
メモから事件の概要ををつかむ。
当時の島に11人目の人物がいたと
考えるほかないが、その人物に
ついての手掛かりはゼロ……。
そこへ届けられたのが、ある漁船の
船長が海面から拾い上げた、
瓶に詰められた「告白書」だった。
私は幼少より生物を殺すことに
快楽を感じる性格だったが、これと
矛盾する「強い正義感」ももっていた。
判事を務めるうち、自ら殺人して
「犯罪芸術家になろう」という意欲を
抑制しきれなくなり、今回の
連続殺人を計画した。
芸術的犯罪は計画通りに進み、
3人死んだ時点でアームストロングと
協力関係に入った。
私自身が7人目の死者を偽装する
ことができたのも彼のおかげだ。
その後アームストロングを断崖から
突き落とし、ヴェラがロンバードを
撃つのを見ると、彼女の部屋へ行き
天井から首くくりの輪を下げておいた。
これも見事に成功した。
私はこの告白書を瓶に詰めて海に
流してから、すでに犠牲者たちに
よって書き残されているとおりに、
前頭部を射抜かれた状態で
死ぬつもりだ。
ローレンス・ウォーグレイヴ
快楽を感じる性格だったが、これと
矛盾する「強い正義感」ももっていた。
判事を務めるうち、自ら殺人して
「犯罪芸術家になろう」という意欲を
抑制しきれなくなり、今回の
連続殺人を計画した。
芸術的犯罪は計画通りに進み、
3人死んだ時点でアームストロングと
協力関係に入った。
私自身が7人目の死者を偽装する
ことができたのも彼のおかげだ。
その後アームストロングを断崖から
突き落とし、ヴェラがロンバードを
撃つのを見ると、彼女の部屋へ行き
天井から首くくりの輪を下げておいた。
それは
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という「心理的実験」であり、彼女自身の罪の意識と人間を
一人殺した直後の心の同様に
舞台装置による暗示を加える
ことによって、彼女に
自殺をうながす
これも見事に成功した。
私はこの告白書を瓶に詰めて海に
流してから、すでに犠牲者たちに
よって書き残されているとおりに、
前頭部を射抜かれた状態で
死ぬつもりだ。
ローレンス・ウォーグレイヴ
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まとめ
いかがでした?意表の意表をつく、まことに
見事な出来栄えですよね。
それも、面白味は犯罪トリックの
意外性や推理のどんでん返し
ばかりではありません。
ヴェラが抱えてきた罪の意識とか、
真犯人ウォーグレイヴの二重人格性や
「犯罪芸術家」志向など深刻な主題も
それこそ芸術的に織り込まれていましたね。
👉二重人格性という部分で
作者クリスティーがもちろん
意識していたと思われるのが
スティーヴンスンのあの名作
『ジーキル博士とハイド氏』
ですね。
その内容についてはこちらを
ご参照ください。
・ジキルとハイドのあらすじ ☯スティーヴンソン原作を簡単に…
・ジキルとハイドで感想文?書けます!だって経験あるでしょ?
ん? これで感想文かレポートを書く?
それも面白いでしょう。
でも具体的に、どう書いていっていいか
方法がわからない( ̄ヘ ̄)?
それでしたら、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見て参考にしてくださいね。
👉当ブログでは、日本と世界の種々の
文学作品について「あらすじ」や
「感想文」関連のお助け記事を
量産しています。
参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。
・「あらすじ」記事一覧
・≪感想文の書き方≫具体例一覧
ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/
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