嫌われる勇気 読書感想文/レポートの書き方【1500字の例文つき】 | 笑いと文学的感性で起死回生を!@サイ象

嫌われる勇気 読書感想文/レポートの書き方【1500字の例文つき】

サクラさん
“嫌われる勇気”が
ほしくてこの本を読んで
みたんですが、やっぱり
勇気が湧きません。

ハンサム 教授
ハハハ、飲めばすぐ効く
特効薬のようなハウツー
本ではありません
からね;^^💦


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サクラさん
なら、どういう本?

ハンサム 教授
気持ちよく生きるための
“自由”に案内してくれる
本…といえるかな。

サクラさん
あ~(😿)私はややこしい
人間関係に絡めとられて
いて、”自由”からはほど
遠い心境です。

ハンサム 教授
自分はこういう人間だ
という”自分の物語”を
過去や成育歴から勝手に
作っちゃってません?



そういう”物語”からの
自由・解放を目指して
いるんだと思いますよ。

この自由が得られれば、
人に”嫌われる勇気”も
おのずと湧いてくると。

サクラさん
そうなんだ~(🐱)

そういう読み方をすれば
感想文も書けそうですね。


というわけで、おなじみ”感想文の書き方”
シリーズ第249回は、2013年の刊行以来
すでに200万部を売り上げているという
驚異の”自己啓発本”『嫌われる勇気──
自己啓発の源流「アドラー」の教え』
(岸見一郎・古賀史健共著)について。
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“読書レポート”寄り 1500字の例文

さて、ではさっそく参りましょう。

読書感想文の素材にこれを選ぶという
以上、小説を読んでのものでよくやる
ような「あらすじ+感想」という形では
できない…
ということは先刻ご承知でしょうね。


では、どうやるか。

「感想」を書くにしても「内容」をしっかり
押さえてあることが前提になってきます。

その意味で読書感想文よりは”読書レポート”
に近いものを狙うのがよいかもしれません。

    

“読書レポート”がどういうものかもまた
学校や先生により求めるものが違ってきますが、
ともかくまずは感想文の場合よりさらに
突っ込んだ内容の報告(すなわちレポート
/report)が期待されていることは
たしかでしょうね。

そこで今回は感想文よりは”読書レポート”
寄りの文章を「1500字程度」という設定で
ハンサム教授に試作をお願いしましたので、
まずはじっくりとお読みください。

もちろんこれを”読書感想文”に応用して
もらってかまわないわけです;^^💦

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 『嫌われる勇気』を読んでみる気に
なったのは、自分自身「周りの人に
嫌われているのではないか」と恐れる
気持ちがあり、これをなんとか克服
したいと思っていたからだ。

通読して思ったのは、「嫌われる勇気」
というこの題名は少々、羊頭狗肉で、
メイン・テーマをはずしているのでは
ないかということだった。

では何がメインなのかといえば、嫌われ
ているという恐れを含め、あらゆる不幸は
対人関係において「課題の分離」ができて
いないことから来ている、だからそれを
克服すれば解決するというのが、アドラーの
個人心理学の主張だと思う。

  Child-s
  これって「俺の課題」なのかな?

 つまり私を嫌うかどうかは
「他者の課題」であって
「自分の課題」ではない。

そこを見きわめて、しっかりと「分離」
すれば、嫌われることも平気になる。

そこで必要になってくるのが「嫌わ
れる勇気」だ、という論理になる。


 そんな「勇気」が簡単に持てるなら
苦労はしないと言いたくなるが、
そういう人は「承認欲求」に囚われた
ままで「課題の分離」ができていな
のだ、という話だ。

ああそうなのか、と私はここで重大な
ことに気づかされる思いがした。

たとえば俳優の高倉健さんは、成長し
俳優として大成してもなお、母親に
「褒められたくて、ただ、それだけで
〔中略〕三十数年駆け続けて」
こられたそうである(『あなたに
褒められたくて』)。

    母子84194

まさに「承認欲求」に駆られた人生
だったわけだが、こういう欲求から
自由にならなければ幸福はない、
と説くのがこの本なのだ。

高倉さんはたしかに成功され、富も
獲得されたのだろうけれど、あまり
幸福そうには見えなかったのは
こういう生き方のせいだったのでは
ないだろうか(地顔や役柄からそう
見えるだけかもしれないが)。


 とはいえ、「承認欲求」は子どもの
心に自然に発生するもので、これを
否定したら、育児や教育自体も成り
立たなくなってしまうのではないか
とも思えるのだが、この部分にあえて
突っ込むところに、アドラー心理学の
すごみがあるように思った。

なにしろそれは「褒める」こと、
あるいは他者の行いを「評価」
すること自体を否定するのだ。

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 ここがこの本の核心だと思う
のだが、私なりにまとめると、
こういう主張になる。

1.他者(自分の子どもを含め)を
「褒める(評価する)」のは、上位に
ある者が下位の者に対してすること
であり、それによって下位の者は
「承認欲求」をかきたてられ、
「縦の関係」が強化されてしまう。

2.そういう「縦の関係」こそが
不幸のみなもとであるから、
「課題の分離」の考え方でこれを
断ち切って「横の関係」を築いて
いくのがよい。

3.そのためには他者の行為は
「褒める」のでなく、「感謝」する
のがよい。なぜなら人は「感謝」
された時、「他者への貢献ができた。
自分は共同体にとって有益なのだ」
と知り、自身の「価値」を実感
するからだ。

4.自身の「価値」を実感できて
はじめて、人は生きる「勇気」
(嫌われる勇気を含め)をもつ
ことができる。


 たしかにそうだと私は思った。

このような形で合理的に「縦の関係」
を離れ、「横の関係」で生きていく
ことができれば、「嫌われているの
ではないか」という年来の悩みも克服…
というより、気にならなくなるのでは
ないか、という気がしてきたのである。

 Sheep-Kittens-s
 「横の関係」がいいニャン

ただ、これは相手のある話で、
自分だけ変わってもどうにも
ならない部分が大きいとも思う。

伝統的に「縦の関係」が強く、
個人主義が否定的に見られがちな
日本では、特に困難な部分が多い
のではないだろうか。


 読みながら、将来、アドラー心理学を
きちんと学んでみたいという意欲も
湧いてきたのだが、もしそれができる
なら、そういった日本独自の文化的な
問題も考え合わせていきたいと
考えている。        (1498字)

どうです?

なかなかうまくまとめてあるでしょう。

これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、適宜、自分らしい
ものに文章を変えて使ってもらうのは
かまいませんよ~;^^💦


もっと短い字数で要求されている場合は
自分にとって関係の薄い部分を
切り捨てるなどして、スリム化
してください。

逆にもっと字数がほしい場合は、
自分が問題にしたい部分にさらに
突っ込んで、内容を膨らましていけば
いいわけです。

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ほかの論点は?

さて、すでにおわかりと思いますが、
こういう理論的な本で書く感想文や
読書レポートの場合、まず(自分に
とって)重要なポイントを的確に
押さえることが大切です。

『嫌われる勇気』の場合、ハンサム教授
には上記のような点が最も重要のように
思われたわけですが、あなたも同じ
ように読んだとはかぎりませんよね。

ですからもちろん、上記レポートとは
まったく違うところに目を付けた
感想文・レポートを書いていく
ことも十分に可能です。

そこで、書けるかもしれない論点を
いくつか挙げて、問題を整理して
おきましょう。


人生を線でなく”点の連鎖”と見よ

たとえば上記の感想文に出てきた高倉健
さんは、母親に「褒められたい」という
一念だけで「三十数年駆け続けて」来た…
と自らの人生を振り返っていました。

こういう風に思う時、高倉さんはおそらく
「人生」を一つの「線」のように思い
描いているのでしょうね。


いやこれは、高倉さんのように「承認欲求」
に駆り立てられていたか否かにはかかわり
なく、人生を一つの「物語」のように
とらえている人(ということは、ほとんど
すべての人?)に共有される感覚でしょう。

アドラー心理学のラディカル(過激/根本的)
さは、こういう人生観そのものまで
疑問視していくところにあります。

    


オギャーと生まれて始まった「線」が
「大小さまざまなカーヴを描きながら
頂点に達し、やがて死という終点を迎える」
という発想は、人生の大半を「途上」と
見なすことだ、という批判です。

「途上」だと感じているかぎり、幸福は
ないが、それは「いま、ここ」が充実して
いないから。

これを充実させるには、人生は「線」で
なく「点の連続」、「連続する刹那」だ
という風に意識を変えていく必要が
あるというのです。


このあたりの議論に興味をひかれる人は
ぜひ「第五章 人生について」を
読み返すことで、自分なりの感想文を
検討してみてください。

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トラウマは”人生の嘘”

人生を一つの「線=物語」のように見る
ことへのアドラーの拒否は、心理の問題を
過去の経験の「物語」として読み解こうと
するフロイトの精神分析へのアンチテーゼ
(反論)でもありました。

心理学の両巨頭の決別の焦点はこのあたりに
あったわけで、現在の不幸の原因を過去に
探る「トラウマ」や「劣等コンプレックス」
などフロイト流の「原因論」的な考え方を
アドラーは徹底的に批判します。

   Tigers-Digital-Art-s
   俺はトラウマでできている。

「本来はなんの因果関係もないところに、
あたかも重大な因果関係があるかのように
物語化し、自分を納得させてしまう」のは
「見かけの因果律」を口実として「人生の
タスク」を回避しようとすること。

アドラーはそれを「人生の嘘」と呼びます。


微妙な問題ですね。

「嘘」であっても、その「物語」に納得
することで安心=幸福を得ている人も
世の中には沢山いらっしゃるようにも
思えますしね…。



ともかくこのあたりの問題に絡んで
自分なりの意見・感想を述べてみようと
思った人は、「第二章 すべての悩みは
人間関係」から「第三章 承認欲求について」
にかけて、じっくりと読みなおしてもらうと
いいと思います。

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ニーチェから受け継いだもの

こうして、人生を「線」的な「物語」の
ようにとらえる見方へのアドラーの
徹底的な批判につきあっていくと、
彼がニーチェから強い影響を受けたと
いわれることにも納得がいきます。

ニーチェいわく、

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厳密に同一の環境も正反対に
解釈
され利用される。

事実というものはない
のである。     
  (『権力への意志』原佑訳、70節)


たとえば自分は虐待など「幼児期の
トラウマのせいで引きこもりになったんだ」
と「認識」している人がいるとしますね。

  

その人の「認識」はすでに「解釈
であって「事実」ではない…
というのがニーチェの繰り返し説いた
ところ。

人生の「物語」化に安んじることは、解釈
すぎないものを事実と信じ込む…
という「人生の嘘」にどっぷり浸かること。

アドラーのこの洞察の源流をたどれば、
おそらくニーチェに行きつくのです。
👉ニーチェの哲学に興味ある人は
こちらもどうぞ。

ニーチェ ツァラトゥストラは読みやすい 😹笑って読める訳は?

ニーチェ:人生の名言「復讐と恋愛にかけては女は男より野蛮」

      

マンガ・ドラマCD『ニーチェ先生』をもしニーチェが読んだら

👉そうそう、それから高倉健。
ニーチェよりこの人のことに
興味をひかれたという人は
こちらもご参照ください。

刺青を入れて後悔しない男とは?高倉健さん?入れてませんけど…

    



まとめ

さあ、これでもう情報じゅうぶん。

いつでも書きだせますよね、
『嫌われる勇気』の読書感想文
または読書レポート。
👉関連情報とか、近い問題を扱った感想文や
レポートの類をもっと見たいという
場合は、これらの記事もどうぞ。

夜と霧 あらすじと感想文/レポートの書き方【2000字の例文つき】

君たちはどう生きるか 読書感想文の例【1200字/高校生用】

  

人間失格で読書感想文【高校生用2000字の例文】伝えたいことは?

オセロ(シェイクスピア)で読書感想文【1600字の例文つき】

それから(漱石)で感想文【読書レポート2000字の例】愛の言葉は…
      




ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でもやっぱり自信が…

だってもともと感想文の類が苦手で、
いくら頑張って書いても評価された
ためしがないし(😿)…
具体的に何をどう書けばいいのか
全然わからない( ̄ヘ ̄)…?

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う~む。そういう人は発想を転換して
みるといいかもしれない;^^💦

そもそも日本全国で盛んに奨励されている
読書感想文の発祥の源は「コンクール」。

 

各学校の先生方の評価基準もおのずと
「コンクール」での審査に準拠する
形になっているのです。


だから、読書感想文の上手な人は
そのへんのことが(なんとなくでも)
わかっている人。

さて、あなたはどうなのかな?
👉「コンクール」での審査の基準を知るには、
実際に出品され大臣賞などを受賞している
感想文をじっくり読んで分析してみるのが
いちばんです。

こちらでやっていますので、
ぜひご覧ください。

読書感想文の書き方【入賞の秘訣4+1】文科大臣賞作などの分析から

セロ弾きのゴーシュで読書感想文!コンクール優秀賞作(小2)に学ぶ

   

アルジャーノンに花束を の感想文例!市長賞受賞作【2000字】に学ぶ

     

そちらで解説している「書き方」を踏まえて、
当ブログでは多くの感想文例を試作し
提供してきましたが、このほどそれらの
成果を書籍(新書)の形にまとめることが
できましたので、ぜひこちらも
手に取ってご覧ください。
  👇

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買う前にその「予告編」が見たい
という人は、こちらでどうぞで。

読書感想文 書き方の本はこれだ!サイ象流≪虎の巻≫ついに刊行!!!

   

👉上記の本『読書感想文 虎の巻』は
当ブログで提供し続けてきた「あらすじ」
や「感想文」関連のお助け記事の
ほんの一部でして、載せきれていない
記事もまだまだ沢山あります。

気になる作品がありましたら、
こちらのリストから探して
みてください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧


ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/


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