東野圭吾 変身))原作小説のあらすじ⦅ネタバレあり⦆と感想 | 笑いと文学的感性で起死回生を!@サイ象

東野圭吾 変身))原作小説のあらすじ⦅ネタバレあり⦆と感想

サクラさん
『変身』といえばカフカ
…洋物ですよね。

ハンサム 教授
いやいや、和風も
ありますよ;^^💦


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サクラさん
へ~ あるんすか(🐱)

ハンサム 教授
直木賞作家、東野圭吾
さんの傑作サスペンス・
ミステリー((((((ノ゚⊿゚)ノ

サクラさん
それ、やっぱ虫(🐞)
に変身ですか? 

ハンサム 教授
いや、もっと
リアルな話。

           

脳移植手術で起こって
しまう”心”💕の変身…

サクラさん
それは虫になるより
怖いかも(叫び


というわけで、おなじみ「あらすじ」
暴露サービスの第135弾(“感想文の
書き方”シリーズ第194回)は
東野圭吾さんの傑作『変身』(1993)で
行ってみましょ~。


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2005年に映画化され(佐野智樹監督、
玉木宏・蒼井優主演)、2014年には
神木隆之介さん、二階堂ふみさんの共演で
WOWOWの連続ドラマにもなりましたね。

さて、その原作のあらすじです。
まずはごく簡単な方から。


ごく簡単なあらすじ(要約)

ぎゅっと要約してしまうと
こんな感じになります。

成瀬純一(24歳)はある不動産屋で
少女を助けようとして強盗に
撃たれたが、世界初の成人脳移植
手術によって一命をとりとめた。

が、かつての自己の記憶が戻らない
ばかりか、気弱だったはずが粗暴と
なるなど、性格も嗜好も感性も
すっかり変わってしまい、
職場の嫌われ者に。

やがて入れ替えられた右脳のドナーが
例の事件の自殺した強盗犯だった(叫び

え? これじゃなんにもわからん?

まあそうかもしれません、ラストの
一行まで行ってませんしね;^^💦

なので、結末まできっちり知りたいという
場合は、やはり下記の「かなり詳しい
あらすじ」の方を読んでいただく必要が
あるんですね。

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かなり詳しいあらすじ

では始めましょう。

こちらは感動の盛り上がる最後の一行まで
包み隠さず完全ネタバレありで参ります
ので、そこまで知りたくない人は
読まないでくださいね;^^💦


私の判断で「起・承・転・結」の4部に
分け、ひっかかるかもしれない部分には
👉印で注釈を入れています。

うっとうしいと思う人は飛ばしてください。

なお「 」内及び「”」印の白い囲みは
原文(上記文庫本)からの引用です。


【起】(1~11)

僕(成瀬純一、24歳)が目をさますと、
そこは病室のベッドの上で、医者らしい
白髪の男に話しかけられていた。

だが、意識を失う前の記憶が薄く、
やっと思い出せたのは、拳銃で撃たれた
ことと「ジュン」と呼ばれていたこと、
気弱だった少年時代の思い出ぐらい。

白髪の男は東和大学病院の堂元(ドウゲン)
教授で、脳神経外科の権威だといい、
彼の話では、奇蹟的に命をとりとめたあと、
3週間も昏睡状態にあったとのこと。


回復するにつれ、自分は不動産屋で
強盗に遭遇し、その場にいた女の子を
かばって撃たれたのだという記憶が
次第によみがえってくる。

が、鏡に映る顔が自分の顔だとわかる
まで時間がかかったり、飲食物の好みが
変わっていたりして、以前の自分と
違う人間になったような感覚に
つきまとわれる。

   

ある夜、缶コーヒーがほしくなって、
病院内のあちこちを歩くうち、ドアが
わずかに開いている部屋を見つけ、
入ってみると、大きな冷蔵庫がある。

中にはガラスケース入りの人間の脳が
2つあって、1つには「ドナーNo2」、
もう1つの小さい方には「「ホスト NJ」
と書いたラベルが貼られていた。

「NJ」が「成瀬純一」ならば、
この脳片は自分から取り出された
ものなのか…


その場に嘔吐してしまったことから、
脳を見たことが知られ、堂元と話すと、
自分が世界初の成人脳移植手術を受けた
人間だと告げられる。

それは10万分の1の確率といわれる適合者が
幸運にも見つかったからできたことだと
堂元は言うが、そのドナーについては
「詮索すべきではない」と口を閉ざす。

     

検査を受けるばかりの退屈な日々が
何週間も続いたあと、恋人の葉村恵や
同僚の葛西三郎と面会。

娘の命を助けられて恩に着る
裕福な弁護士の嵯峨道彦氏にも会う。

捜査に来た倉田刑事の話から、事件の
犯人である京極瞬介はその不動産屋の
社長、番場哲夫の非嫡出子(未認知)で、
事件後に自殺したのだと知る。

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【承】(12~20)

退院しアパートに戻り、
待ち受ける恵と抱き合う。

ただ、以前には魅力と感じていたはずの
彼女のソバカスについて「なければ
いいのに」というふうに感じる。

   

その後も、無駄なおしゃべりなど彼女の
いろんな面に微妙な違和感を覚え続け、
やがて恵といても楽しくないという
自覚が明確になる。


職場にも復帰したが、同僚たちがみな
無能で怠惰としか思えず怒りを感じる。

恵をモデルにしてさかんに描いていた
絵に再着手したものの、以前の感覚が
戻らないためうまく描けず、視覚よりは
聴覚の方が鋭くなった自分を意識する。

  

退院祝いの飲み会で、先輩と喧嘩になって
酒瓶で殴ろうとしたり、隣人の言動に
殺意を抱いてナイフを持ち出したりという
行動が続き、自分でも異常に感じる。

定期的な検査のため訪れた大学で、
堂元教授に、この現象は脳移植の
副作用ではないのかと疑問をぶつける。

あの冷蔵庫内にあった「ホスト NJ」の
脳片の部分に別人の脳が移植されたのなら、

「その移植された脳片が、元々そこに
あった脳の部分と同じ働きをする
とは限らないんじゃないですか。

むしろ違っていて当然だという
気がしますが」

「同じではないだろうね」と
博士はこの点はあっさりと認めた。

「しかしその違いは、プログラムを
変えるほどのものではない。
〔中略〕
まず表面化しないと考えている」

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👉ここがポイントですね。

要するに「その違いは表面化しない」
という堂元博士の見立てはとんでもない
見当違いだった、というのが
このドラマのミソになります。

    

いくら説明されても腑に落ちない僕は、
堂元が5分間席をはずすと言って出た
隙に、本棚のファイルから脳のドナー
らしい関谷時雄の情報を手に入れる。
👉5分以内でそんなにうまく
見つかりますかね?

病院内の冷蔵庫に脳を発見してしまうことも
そうですが、ちょっと都合の良すぎる
ストーリー展開ですね。

純一に用事ができてすぐ大学に行けば、
日曜でも夜でも教授らがいる
というのも驚き;^^💦


喫茶店を営む関谷時雄の父、明夫を訪ね、
堂元のもとで働く者と偽って話を聞くが、
生前の時雄の性格や嗜好は新しい疑いを生む。

今の自分は以前の純一と別人のようだと
恵や同僚に言われるが、その新しい自分と
まるで共通点がないし、“脳の父”である
はずの明夫にもテレパシーめいたものは
何も感じない……

ドナーは別の人間なのではないのか?

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【転】(21~30)

僕は職場で孤立していき、それについて
注意した班長に「あんたは最低だ」と
吐き捨てて酒場へ向かう。

ウィスキーを飲みながら聞くピアノ演奏に
新鮮な感動を覚えていたのに、若者が
入って来てさわぐので俺は怒り、喧嘩に。
👉酒場に入って飲みだしたあたりで、
語り手の一人称代名詞はさりげなく
「僕」から「俺」に変更されています。


ビール瓶で相手を殴り倒し、ブランデーを
瓶ごとかけてライターで火をつけかけると
ピアニストに止められたが、その隙に
逃げ出した相手をなおも追う。

路地を出たところで角材で殴られたが、
痛みは感じず、相手に火をつけた
ところで逮捕される。



釈放のため労を取ってくれた嵯峨弁護士
に迎えられて警察署を出ると、いつか
恋人と二人で食事に来てほしいと
招待される。

アパートに戻って夕方になると、
入院中世話になった堂元の助手で、
好意を感じていた橘直子が訪ねて来る。


自分の脳についての真相を聞き出そうと
するが、彼女も知らないのだと言い、
「何とか先生の本心を調べて」報告する
と約束して両手で俺の手を覆う。

心が落ち着き、以前から彼女が似ている
と思っていた女優の名前を思い出す。

「ジャクリーン・ビセットだ」

   


夜、俺の心の「変身」に絶望している
恵が来て、「しばらく田舎へ帰る」から
今夜だけ泊っていきたいという。

久しぶりに抱いてみても興奮せず……
その事実が悲しい。


恵でなく橘直子を同伴して嵯峨家へ。

あの事件で命を救った少女、典子の
顔を見た瞬間、激しいめまいに襲われ、
典子も「前に会ったおじちゃんじゃない」
と口にする。


ピアノを聴いてコメントした俺の音感の
鋭さにみなが驚き、二人をアパートまで
送る車の中で、嵯峨は京極瞬介も
「音楽家志望だったそうです」と言う。

    

自分の新しい性格、嗜好、感覚のすべてが
ドナーは関谷時雄ではなく、自殺した
京極瞬介ではないかと疑わせる。

この仮説を検証すべく、倉田刑事から
京極の妹、亮子のことを聞き出し、
彼女に会いに行く。


目があった瞬間に全身が硬直して
「見えない何かで繋がれている」
と確信し、相手も同じように感じて
いることがわかる。


夜の大学で堂元に会い、問い詰めると、
ようやくドナーは京極だと認め、
脳の適合性について「十万分の一の
奇跡が起こった」からだという。

その「奇跡」が惜しくて「犯罪者の
脳だという点には目をつむったのか」

それもあるが、バックにある政府関係の
「大きな力」から「是非実施するように
という指示が出されたのだ」

「君には同情している」「症状の改善に
全力で取り組もうじゃないか」という
堂元を殴りつけて、俺は出ていく。

   

心を寄せてくる橘直子と食事し、
彼女を愛し始めていることを自覚。


買い物の途中でふと思いついて、例の
不動産屋へ行き社長に会わせろと怒鳴ると、
番場社長が出てきて「これを納めて帰って」
と十万円を差し出す。

貴重品らしい置物の壺を投げつけたが、
彼はよけて壺は割れ、俺は十万円を
細かく破り、投げつけて立ち去る。

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【結】(31~43)

直子に頼んで堂元以外の医者を訪ね、
診察を受けた結果、純一本来の右脳の
意識が消滅しつつあることを知る。

直子と初めて行為におよび、虚脱した
彼女の顔が京極亮子に似ていると気づく。

「直子を抱いたことで、もはや脳が
京極に支配されてしまったかもしれない」

      

が、その直子が、自分の留守の間に日記を
コピーして内容を誰かに報告しているのを
目撃した俺は、彼女の首を絞めて殺す(ドクロ

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