サクラさん
「なぜ人を殺してはいけ
ないのか」という子供の
問いに対して「いけない
からいけない」とか、
「誇りのある子はそんな
質問をしない」という
ような答えをする大人が
いますね。

ハンサム 教授
自分でも答えられない
から逃げてるのかも
しれませんね;^^💦


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サクラさん
ドストエフスキーの
『罪と罰』は実際に人を
殺してしまった若者が
主人公ですが、この問い
かけに正面から答えて
いるんでしょうか?

ハンサム 教授
はい、そういえるん
じゃないでしょうか。

そういう問題意識を
もっている人なら、
しっかり読みこんで
読書感想文とか読書
レポートの素材にする
のに好適ですよ;^^💦

サクラさん
でも老婆殺しとか刑事
との頭脳戦とか、哲学
とか宗教とか、果ては
シベリア流刑とか…



なんだか読んでて暗く
なりそうで…(😿)

ハンサム 教授
いやいや、そこは
ソーニャとかドゥーニャ
とか、若くて魅力的な
女性も絡んで複数の恋愛
ドラマも展開しますので、
けっこうワクワクするん
じゃないかな;^^💦

サクラさん
そうなんだ~(😻)

それじゃ、いっちょ
挑戦してみます!


というわけで、おなじみ”感想文の書き方”
シリーズ第63回”はロシアの文豪
ドストエフスキーの傑作長編小説
『罪と罰』(1865)に挑戦(((((ノ゚🐽゚)ノ
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世界文学史上に燦然と輝くこの名作で
読書感想文・レポート感想文などを書く
場合の方法について、サンプルとしての
例文をお見せしながら考えていきたい
と思います。
👉全編を読み通すのはなかなか…
と腰の引けている人はこちらで
「あらすじ」だけインプットして
もらうこともできます。

ドストエフスキー 罪と罰のあらすじ:簡単版と【詳細版 前編】

            
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というような次第で、本日の内容は
ザッと以下のとおり。


読書感想文の例文(2000字以内)

それではそろそろ取りかかりましょうか。

今回は字数制限2000字(原稿用紙5枚)
以内という制限枠内でサクラさんが書き、
ハンサム教授の添削指導で完成させた
という設定の、やや高度な読書感想文を
お目にかけます。

感想文というよりは批評文と呼ぶべき
かもしれず、大学・大学院の読書レポート
としても十分に通用する内容と
思われます。

まずはじっくりとご熟読ください。

 長い読み物は苦手な私が一念発起
してなんとか読み終えた、個人的には
現在のところ人生最長の小説が
ドストエフスキーの『罪と罰』だ。

読んでみることにしたそもそもの
きっかけは、ここ数年立て続けに
ニュースになっている舌禍事件
──「LGBTの人は生産性がないから
生存する意味がない」とか、
「重度障がい者やホームレスの
人は周囲に迷惑なだけで、命の
優劣は低い」とかの意見が
インターネット上などで露骨に
表明され、発言者が謝罪に
追い込まれるような事態──に
ついて自分なりに考えてみようと
思ったことだった。

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関連のありそうな本を何冊か読んで
いくうちに出会ったのが、1990年代
に話題になったらしい「どうして
人を殺してはいけないのか」という
若者の問いかけに対する、ノーベル
賞作家、大江健三郎さんの新聞紙上
での回答だった。

私はむしろ、この質問に
問題があると思う。

まともな子供なら、そういう
問いかけを口にすることを
恥じるものだ。

なぜなら、性格のよしあしとか、
頭の鋭さとかは無関係に、
子供は幼いなりに固有の
誇りを持っているから。

(朝日新聞、1997年11月30日朝刊) 


 これを読んでから私は大江さんの
作品を読む気をなくした。

おまえは「まともな子供」ではないと
頭を殴られたような気がして気持ちが
落ち込んだし、子供や若者について
そのようなものと頭ごなしに決め
つけ、その思考の自由を封じ込め
ようとする人の文学がそんなに
偉大であるはずはないと思えた
からだ。

でもそれなら、「どうして人を殺し
てはいけないのか」という真剣な
問いかけに対して、大江さんのように
門前払いすることなく、真剣に
向き合って答えようとした作家は
いないのだろうか。

そのような探求の過程で浮上して
きたのがドストエフスキーだった
という次第だ。


 貧乏のせいで大学も除籍になって
いる主人公のラスコーリニコフは、
「選ばれた非凡人は、社会道徳を踏み
外す権利を持つ」という自分流の
哲学を温めるようになり、ついに
それを実践して、強欲な金貸しの
老婆の殺害を決行し、その場に
いあわせた妹まで(こちらは想定外
だったが)殺してしまう。




その後、警察の調べと、自身内部の
精神的変調に徐々に追い詰められる
一方で、貧しい家族のために働く
娼婦ソーニャとの恋愛が進展し、
ついには彼女の説得を受け入れて
自首し、シベリアに流刑になるが、
ソーニャは流刑地までついていく。

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 短く要約すればそういう物語で、
ターニングポイントは自首を促す
ソーニャの説得だったということに
なると思うが、初めて彼女に罪を
告白し「何をすればいいんだ、
教えてくれ!」と頭を抱えた
ラスコーリニコフに対して、涙に
濡れたソーニャがこう叫ぶのだ。

いますぐ、すぐに行って
十字路に立つんです、
おじぎをして、まず、
あなたが汚した大地に
接吻なさい。

それから四方を向いて、
全世界におじぎをなさい。

そしてみなに聞こえるように、
「私は人を殺しました!」
と言うんです。

そうしたら、神さまが、
あなたにまた生命を
授けてくださる。

行くわね? 行くわね?

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(江川卓訳[岩波文庫]、第五部) 

 この場では自首を拒否する
ラスコーリニコフだが、「苦しみを
受け、その苦しみによって自分を
あがなう、それが必要なのです」
と説くソーニャの言葉は彼の胸に
浸みこんでいて、この後何度も
思い出され、結局は彼女の勧める
とおりに自首して自ら「苦しみ」
つまりは「罰」を受けることを
決断するのだ。




 終幕はなるほど感動的で、世界
文学史上の傑作の一つに数えられて
いる理由もわかった気がした。

ただ、心の底から共鳴したわけでは
ない点もいくつかあったので、
以下ではそれについて書いてみたい。

その第一点は、上記のような感動的な
成り行きはソーニャに愛されるという
幸運こそのもので、もしラスコーリ
ニコフが全然もてない男だったなら、
成立しなかったのではないかという
ことである。

第二点は、第一点ともからむが、
ソーニャは作者ドストエフスキー
自身のキリスト教信仰を代弁する
人物のように見え、「悪」に挑戦した
主人公がやがて彼女の「善」に吸収
されていくというストーリーは結局、
予定調和的というかご都合主義的にも
見え、「悪」について全く自由に
考え抜かれたものとは言えない
のではないかという疑いだった。

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つまり「どうして人を殺してはいけ
ないのか」という問いかけに
(大江さんと違って)答えようと
してはいるものの、その答えは
残念ながら、作者の信じる特定の
宗教の枠内にとどまっている。

この意味で、『罪と罰』の文学的
価値を普遍的と称することには
私は抵抗がある。

無条件に感動できるのはキリスト
教に賛同する人だけなのでは
ないだろうか。  (1874字)

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どうです?

なかなかよく書けていると
思いませんでした?


これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、ところどころ
つまみ食いして、自分らしい文章に
変えて使ってもらうのはかまい
ませんよ~;^^💦

もっと短い字数で書く場合は、
自分の場合は必要なさそうな部分──
大江氏の絡む前置き部とか、
キリスト教批判ともとれる部分とか
──を切り捨てるなどしてスリム化
するとよいでしょう。

逆にもっと字数がほしい場合は、自分が
思ったことや思いだした経験などを
どんどん入れて膨らましていけば
いいわけです。

島崎藤村『破戒』のお手本?

さて、これでもうOKですよね、
読書感想文だろうが、やや高度な
読書レポートだろうが…

ん? さらに高度化すべく、ほかの
文学者、できれば日本の作家との
比較などはできないものか?

ああ、それなら色々ありますよ;^^💦

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第一に挙げられるのが島崎藤村『破戒』。

たとえば重要な役割を果たすソーニャは
前半でラスコーリニコフにからむ、
金もないのに酒ばかり飲んでいるオヤジ、
マルメラードフの娘なのですが、
この父娘にそっくり生き写しのような
父娘が『破戒』にも出てくるんですね。

それが老教師、風間敬之進とその娘、
志保で、藤村が『罪と罰』に学んで
いることは全体の構成からみても、
疑いの余地がありません。

   


志保はもちろん娼婦などではないの
ですが、しっかりものの娘として家族を
支え、主人公の瀬川丑松への思慕に
生きて彼について行こうとします。

『罪と罰』では、特異な個性で魅力を放つ
マルメラードフやソーニャのほか、
ラスコーリニコフの妹ドゥーニャに恋慕
してついには自殺してしまう中年の
スヴィドゥリガイロフとか予審判事の
ポルフィーリイとか、一癖も二癖もある
人物が出てきて楽しませ、考えさせて
くれるんですね。

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スヴィドゥリガイロフとかポルフィーリイ
とかにも通ずる人物が『破戒』にも出て
くるかどうか、そのあたりも考えながら
読んでみると面白いのではないでしょうか。


藤村以後では、たとえば江戸川乱歩も
初期から『罪と罰』に多くを学んだ形跡が
ありますが、『影男』に出て来る元陸軍大尉、
大曽根の一家がやはりマルメラードフ家に
恥ずかしいほど似ています。
👉『破戒』や『影男』について詳しくは
はこちらで情報提供しています。

ぜひご参照ください。

島崎藤村 破戒のあらすじ:簡単/詳しくの2段階で解説

影男(江戸川乱歩)のあらすじ:ネタバレ御免で結末まで

         仏像 images


まとめ

さあ、もう書けますよね?

日本文学にもこれほど大きな影響を
与えた『罪と罰』の読書感想文。

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ん? 日本よりやはり母国ロシアに
比較対象がほしい?

それでしたら、ドストエフスキーと
しばしば並び称される文豪、レフ・
トルストイ、さらにはアントン・
チェーホフなどが考えられますね。
👉トルストイ、チェーホフの作品や
思想をめぐっては、こちらで詳しく
情報提供していますので、
ぜひご参照ください。

アンナカレーニナ 映画(2012)&原作のあらすじ【相関図つき】

      

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人生論の名言!トルストイの12の言葉をつないで”幸福”を理解しよう

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ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でもやっぱり感想文は
苦手で、具体的にどうやっていいのか
わからない( ̄ヘ ̄)?

なるほど。

そういう人はまず、そもそも「感想文」
とはどういうもので、自分はなぜそれが
苦手(嫌い)なのかというところから
考え直してみましょう。
👉そういった問題で困っている
人はまず、こちらをの記事を
読んでみてください。

きっと目からウロコですよ。

読書感想文 入賞のコツ4条⦅評価されるのは感想ではなく…何?⦆

      


👉また当ブログでは、日本と
世界の種々の文学作品について
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧


ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/



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