赤ずきんのあらすじ: グリム童話とペロー童話でどう違う?

 


やあやあサイ象です。

「感想文の書き方」シリーズもはや第78回、
「あらすじ」暴露サービスとしては第49弾。

好評につき今回もまた
本当は怖い、大人の(かもしれない)童話。

ハイ、『赤ずきん』です。

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👉 もともとお話はどこから?

絵本などでおなじみの『赤ずきん』
ですが、原作をちゃんと読んでいる人は
あんがい少ないかもしれませんね。

しかもその「原作」にもいろいろあって、
グリム童話(1812年初版、ドイツ)の
一つとして知っている人が多いと
思いますが、それより100年以上前の
ペロー童話集(1697、フランス)にも
あるんですよね。

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ところが、そのもとになっているお話は
もっともっと古く、どこで発生したかの
問題は中国説さえあって、結局わかって
いないという……要するに自然発生的な
民話(フォークロア)なんですね。


ともかくここでは、グリム童話
(⇩左。スマホでは上)版と
ペロー童話(⇩右。スマホ下)版
との違いが一目でわかるよう、
「あらすじ」を並べていますので、
見比べながらお読みください。 

       




👉 グリム vs.ペロー あらすじ対照表

グリム版、ペロー版ともに、物語に切れ目
はありませんが、わかりやすさのため、
私の勝手な判断で「起・承・転・結」に
分けています。

ただ、ペロー版では、後半がグリム版ほど
長くないのと、終わりに「教訓」がつけて
あるので、「転・結」をひとまとめにし、
「教訓」をそのあとに独立させています。

では、どうぞ。

グリム版
【起】
むかし、あるところに、小さなかわいい
女の子がいました。

おばあさんがこしらえてくれた赤い
ずきんがよく似合い、いつも
かぶっていたので「赤ずきんちゃん」
と呼ばれるようになりました。

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ある日、おかあさんは

「おばあさんが病気だそうだから、
このお菓子とぶどう酒を、森の
中の家までもって行ってきて。

外では気をつけて、しらない横道へ
入って行ったりなんかしないでね」

と赤ずきんちゃんにいいつけました。

「ちゃんとするわ」と指きりをして、
赤ずきんちゃんは出発しました。


【承】
赤ずきんちゃんが森に入りかけますと、
狼(おおかみ)が出てきます。

「どこへ行くの?」
「おばあさんのおうちはどこ?」

などときかれてありのままに
答えますと、狼は心の中で考えます。

「この子はおいしそうだ。
ばあさまと両方いっしょに、
ぱっくりいただこう」

しばらくならんで歩きながら、
狼は話します。

「そこらじゅうきれいに花が咲いて、
小鳥があんなにいい声で歌を
うたっているのに、学校へ行く
みたいに、せかせか歩くんだなあ」

そういわれて、赤ずきんちゃんは、
どの木にもきれいな花がいっぱい
咲いているのに気づき、おばあさんに
花たばをこしらえて行ってあげようと
思いついて、いろいろな花をさがして
森のおくへ入って行きました。

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このあいだに狼はおばあさんの家へ
かけていき、「赤ずきんちゃんよ」
といって家に入ると、あんぐり
ひと口におばあさんをのみこみました。

それから、おばあさんの着物やずきんを
身につけて、ベッドに寝て、カーテンを
引いておきました。


【転】
赤ずきんちゃんは、花を集めるだけ
集めて、持ちきれないほどになって
から、おばあさんの家へ行きました。

戸があいたままになっているので、
へんに思いながら中へはいり、
ベッドのところへ行ってカーテンを
あけてみました。

そこに横になっていたおばあさんは、
ずきんをすっぽり目までさげていて、
なんだかいつもとようすが違いました。

「あら,おばあさん,なんて大きなお耳」
「お前の声がよくきこえるようにさ」

「あら,おばあさん,なんて大きなおめめ」
「お前がよく見えるるようにさ」

「あら,おばあさん,なんて大きなおてて」
「お前がよくつかめるようにさ」

「なんてきみの悪い大きなお口だこと」
「お前を食べるにいいようにさ」

狼はいきなり寝床からとびだして、
赤ずきんちゃんをひと口に
のみこみました。


【結】
おなかをふくらませた狼はまた
寝床にもぐり、やがて、ものすごい
いびきをかきだしました。

そのとき、猟師(りょうし)が
通りかかって、狼を見つけます。

「とうとう見つけたぞ。長いあいだ、
きさまをさがしていたんだ」

猟師は鉄砲を向けましたが、ふと、
狼がおばあさんを丸のみしている
かもしれないと思い、はさみをだして、
ねむっている狼のおなかを、
じょきじょき切りはじめました。

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すると、そこから女の子が、それから
おばあさんが出てきました。

赤ずきんちゃんは、大きな石を
はこんできて狼のおなかのなかに
いっぱい、つめました。

やがて目がさめて、狼はとびだそうと
しますが、石のおもみでへたばります。

猟師は狼の毛皮をはぎ、おばあさんは
赤ずきんちゃんのもってきたお菓子と
ぶどう酒で元気をとりもどしました。

でも、赤ずきんちゃんは、もう二どと、
森の中で横道に入ったりしない
ようにと心に決めました。

ペロー版
【起】
むかし、それまでに誰も見たことがない
ほどきれいな、女の子がいました。

この子に夢中なおばあさんが赤い
ずきんを作らせましたが、それが
よく似合ったので、どこへ行っても
「赤ずきんちゃん」と呼ばれました。

ある日、母親は女の子にいいました。

「おばあさんが病気だそうだから、
どんな具合か見ておいで。

このガレットとバターの壺をもってね」

赤ずきんちゃんは別の村に住む
おばあさんの所へ向かって、
すぐに出かけました。

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【承】
森を通るとちゅうで狼おじさんに
出会いましたが、狼はとても
この子を食べたくなりました。

どこへ行くのか、家はどこかなどと
きかれて、ありのままを答えますと
狼はいいました。

「そうかい、わしも会いに
行きたくなったぞ。

わしはこっちの道から、
お前さんはそっちの道から行き、
どっちが先に着くかやってみようや」

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狼は近道を全速力でかけて行き
ましたが、赤ずきんちゃんは遠い方の
道を蝶を追いかけたり、花をつんだり
して遊びながら行きました。

狼はおばあさんの家について、
「孫の赤ずきんよ」と作り声でいって
家にはいると、おばあさんにとび
かかり、たちまち食べてしまいました。



【転/結】
しばらくすると赤ずきんちゃんが来て、
戸をたたきます。

「どなたかね?」
という太い声を聞いて、すこし怖い
とは思いましたが、おばあさんが
風邪を引いているのだろうと思い、

「赤ずきんよ。ガレットと
バターの壺をもってきたのよ」
といって、家に入りました。

狼はベッドの下にかくれたまま、

「ガレットとバターの壺を置いて、
こっちへ来ておばあちゃんとお休み」

といいましたので、赤ずきんは
服を脱ぎ、ベッドの下に入ろうと
しますが、おばあさんの姿を見て
とても驚きます。

「おばあちゃん、なんて大きな腕を
してるの?」
「おまえを上手に抱けるようにだよ」

「おばあちゃん、なんて大きな脚を
してるの?」
「速く走れるようにだよ」

「おばあちゃん、なんて大きな耳を
してるの?」
「よく聞こえるようにだよ」

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「おばあちゃん、なんて大きな目を
してるの?」
「よく見えるようにだよ」

「おばあちゃん、なんて大きな歯を
してるの?」
「おまえを食べるためさ」

この悪い狼は、こういいながら、
赤ずきんちゃんにとびかかって、
食べてしまいました。
 


【教訓】
子どもたち、とりわけ若い娘たちが
誰にでも耳を貸すのはとんだ間違い、
そのあげくに狼に食べられたとしても
すこしも不思議はない。

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抜け目なくとりいって、
若いお嬢様がたの後をつけて
ベッドの脇にまで入り込む(叫び)。

ああこれこそ一大事、
知らない者があろうか、
こういう優しげな狼こそが
どの狼より最も危ないということを。


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👉 狼には迷惑な話?

さあ、いかがでした?

ペロー版の方ではきっちりと
「教訓」がつけてあることからも
わかるとおり、この物語が長く語り
継がれてきた主な要因は、「狼」の
ような奴の誘惑に気をつけなさいと
子ども、とりわけ娘に教えることに
あったわけですね。

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勝手にエッチな悪役にされた狼には
えらい迷惑な話でお気の毒ですが、
それはともかく、その誘惑に性的な
意味があることは、これも特に
ペロー版の方で明瞭ですよね。

ペローの時代では子どもに対して
性的な表現を避けるという意識が
薄かったのに対して、グリム童話が出た
19世紀は、それが強まっていった時代で、
1812年の初版から版を重ねるにつれ、
性表現や残酷表現が削られ、もともとの
怖さ”が薄らいで行ってるんです。

そのへんも調べてみると、
とても面白いテーマになると思います。


「赤ずきん」はほんとは性のお話だよ、
ということを全開で表現しちゃった映画が
『赤ずきん』(2011, アメリカ)ですね。



その予告編をどうぞ。   




👉 まとめ

さあ、感想文やレポートを書くとしたら、
グリムとペローの比較はもちろん、
たとえばこの映画との比較をしても
面白いものが書けるはずですよね。

ペローとの比較を含め、
グリム童話にかんしては、
こちらも参照してください。

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あるいはアンデルセンなど、
ほかの童話との比較もアリですね。


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ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

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