夏の庭で読書感想文【400字の例文つき】🌻老人はなぜ妻と…?


サクラさん
『夏の庭』って子供向けだと
思って読んでたら、意外に
エグいんでハッとしました(🙀)

ハンサム 教授
ホホ~、どんなところ?;^^💦

サクラさん
子供たちが仲よくなる
おじいさんは、戦争から
帰ってきて奥さんと別れて
いた(😿)……

  

その理由は不明なままだ
けれど、どうやら戦地で
妊婦を撃ってしまった
ことが尾を引いている…

ハンサム 教授
いわゆる”PSTD”の絡む
とても重い部分ですね。

サクラさん
ええ。なので、これを絡めて
感想文を書こうか、と…
 
ハンサム 教授
それはいい。
ぜひおやりなさい。

サクラさん
でも、どう書いていいか
全然わからないんです(👅)

ハンサム 教授
しようがないなあ。

一つお手本をお目に
かけようか;^^💦
 

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ついに100回を突破した
「感想文の書き方」シリーズ。

今回は早くもその第110回((((((ノ゚⊿゚)ノ

「あらすじ」暴露サービスとしては
第67弾となります。


今回は「日本児童文学者協会新人賞」
「児童文芸新人賞」「ボストン・
グローブ=ホーン・ブック賞
「ミルドレッド・バチェルダー賞」など
数々の受賞に輝く湯本香樹実さんの
名作児童文学『夏の庭 ―The Friends―』
(1992)で行って見ましょ~。
 


まだちゃんと読んでない人は、こちらの
記事で「あらすじ」を押さえるように
してくださいね。

夏の庭(湯本香樹実) のあらすじ 🌻簡単/詳しくの2段階で解説


🌻 感想文の例(400字)

それではさっそくですが、サクラさんの
感じたことをもとにしてハンサム教授が
中学生になり替わって試作した400字の
読書感想文をご覧に入れます。

『夏の庭』は、小学六年生の三人組が
近所の今にも死にそうな老人に接近し、
やがて仲よくなって、戦争で受けた
心の傷のことまで知っていく物語だ。

老人の家の手伝いをするようになった
三人は、老人から色々なことを学び、
同時に老人も彼らとの交流で生気を
取り戻すのだ。

心を開いた老人はやがて、昔、戦地で
身重の女性を撃ち殺し、死んだ女性の
腹にさわると胎児がぴくりと動いた
ことなどの話をする。

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終戦後は妻の元に戻らず、それ以来、
ずっと孤独に生きてきたらしい。

その別れた妻の名が古香弥生だと知った
三人組は、電話帳で居場所をつきとめて
会いにいくのだが、彼女の側には別れる
理由はまるで思い当たらないのだ。

つまり老人は妻を嫌ったわけではなく、
結婚生活ができなくなってしまった
ということなのだろうか。

戦争のむごさは数えきれないが、
このように人の心に傷を残すことで、
幸福を得られなくしてしまうところ
にもあるのだと思った。
          (391字)

どうです?

うまくまとまっているでしょう。

これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、適宜、自分らしい
ものに文章を変えて使ってもらうのは
かまいませんよ~;^^💦


ん? 400字程度じゃダメでもっと
たくさん書かなきゃいけない?

では上記のお手本をベースにして
どう膨らましていくか、いろんな
ケースを以下で考えていきましょう。


🌻 ポイントは色々ある

目の付けどころはいくつかありますよね。

・12歳前後の少年たちの成長していく過程。

・人が死ぬとどうなるかを
見きわめようという動機で話が進む
ホラー・ストーリー的な部分。   

・戦争と帰還兵の癒えない心の傷
――PSTD(心的外傷後ストレス障害) ――。

・各家庭が抱える現代的な諸問題
――「ぼく」の母の肝臓病と飲酒の関係など――。



そのほかにもいろいろあると思いますが、
何かポイントを見つけて、自分の経験や
日ごろ思っていることと関連づけて
書いていけばいいんですよ。


それらのなかで、問題点を明確に
しやすく、かつ高い評価を得られる
可能性が高いのはどれかといえば、
それはやはり「戦争」のテーマに
入り込んだものかなあ、と思えます。

そこで以下では、『夏の庭』での
読書感想文として「おじいさん」の
戦争体験というころにしぼって書く例を
考えてみますね。



🌻 おじいさんが戦場でしたこと

「ぼく」たち3人が「おじいさん」から
聞いた戦争での「こわい話」は、
つまり上記の感想文で論じた内容でした。

ジャングルの小さな村で女や子どもを
やむをえず皆殺しにしたが、
逃げようとする女を追いつめて射殺し、
死体を見ると身重だとわかった。

「手のひらでさわると、はち
きれそうで、すべすべした腹の
中で、何かがぴくりと動いた。
その女はもう死んで
いるのにね。」
うつむいたおじいさんはどんな
顔をしているのか、
ぼくには見えない。
「それからわしは村に戻ると、
仲間といっしょに食料を
たいらげた。
そうして生き延びた
というわけだ。


「戦争だからね」とぽつりと言って、
長い沈黙と、初めて見る喫煙のあとで、
「聞かなきゃよかっただろ」と
おじいさん。

河辺が「そういうことは話しちゃった
ほうがいいんだよ」と言うと、
おじいさんは「ちょっとびっくりした
みたいな顔」をします。



戦争から帰ると、おじいさんは
新妻の待つ家に戻らず、理由も告げず
行方をくらましてしまったという
話も聞いていたのですが、
別れたのは「きっとそのせい」
(戦場で身重の女性を殺したせい)だ
と河辺が言い、ぼくと山下も同感します。

それがどういうふうに、
おじいさんが自分の家、自分の
奥さん、自分のしあわせ、
そういうものすべてを捨てて
しまったことにつながるのか、
だれもはっきりとは説明
できなかった。
ただ、そうだとしか
思えなかったのだ。


これですね。

この謎を解いてみたら、どうでしょう。


🌻 かわりに「説明」してあげよう

「ぼく」らが説明できなかったこの
「どういうふうに…つながるのか」に、
自分なりの「説明」を考え出すんです。

むずかしいかもしれませんが、
とてもやりがいのある仕事でしょう。

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ピピッとひらめいた人は、その直感で
書いていってもいいんですが、
できるだけ、全文をよく読み直して、
自分の直感が正しいかどうかを検証し、
ウラ(裏付け)をとりましょう。

本文中に手がかりはたくさん
埋め込まれているはずですから。

逆に言うと、全然ひらめかない人も
じっくり読み返しながら、
そういう手がかりを一つ一つ
拾っていけば、きっと「なるほど」と
思える推理が構成されていくはずなんです。



🌻『野火』の主人公も一般女性を射殺

ん? でもやっぱりむずかしい?

手がかりが見つからんし、
考えても分からん?

その場合、いちばんいいのは
『夏の庭』のおじいさんのような
戦争を体験した人に話を聞いて、
その情報を入れ込むという手ですが、
まあそれも、なかなか機会が
ないかもしれませんね。



となると、残った方法はそのような
戦争体験を別の本に求める、
ということですね。

そのようなホントして最高のものに
大岡昇平の『野火』(1952)があります。

その主人公「私」こと田村上等兵は、
戦場で現地の一般女性を射殺する、
という『夏の庭』のおじいさんと
とてもよく似た経験をします。

田村がその後どう考え、どうなったかは、
おじいさんの「その後」を考える上で、
きっと参考になるでしょう。

『野火』については、こちらを
参照してください。

大岡昇平 野火のあらすじ:映画原作小説を簡単/詳しくの2段階で

野火grass-fire-807388_640


『夏の庭』と『野火』の比較論
ということにしても立派な感想文に
なりそうですし、いっそのこと
(可能なら)主題を変えて『野火』の
感想文にしちゃってもいいんじゃ
ないでしょうか。

ともかく1990年代の『夏の庭』は、
半世紀(50年)近い歳月のスパンをもつ
「戦争文学」として読めるわけですから、
そこが一つの突っ込みどころとなります。

当ブログでは『野火』以外にも、
「戦争文学」関連の記事がありますので、
どれかを参考にしてもらえたらと思います。

黒い雨で読書感想文 ☔矢須子(映画では田中好子)目線で書いてみたら?
原民喜 夏の花で感想文:夢が交錯する”超現実派”の文体を解説
火垂るの墓で感想文☆原作(野坂昭如)はアニメとどう違う?
江戸川乱歩 芋虫で感想文◎◎映画『キャタピラー』も鑑賞して

        芋虫 caterpillar-564543_640


ん? 書けそうなテーマは
浮かんできたけど、具体的に
どう進めていいかわからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、
日本と世界の種々の文学作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/


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