黒い雨で読書感想文【1000字の例文つき】印象に残る場面から
サクラさん
オバマ大統領は広島を
訪問し原爆ドームで
演説しましたが、
“アイム・ソリー”の
一言は出ません
でした(😿)
訪問し原爆ドームで
演説しましたが、
“アイム・ソリー”の
一言は出ません
でした(😿)
ハンサム 教授
“ソリー”(ごめん)は
米国民の合意になって
いないので、大統領
としては言うわけに
いかない;^^💦
原爆映画『黒い雨』の
DVDレンタルにさえ
圧力がかかっている
という話も…
米国民の合意になって
いないので、大統領
としては言うわけに
いかない;^^💦
原爆映画『黒い雨』の
DVDレンタルにさえ
圧力がかかっている
という話も…
Sponsored Links
サクラさん
実はその『黒い雨』の
原作で読書感想文を
書くんですが…
原作で読書感想文を
書くんですが…
ハンサム 教授
“ソリー”を言えと
叫ぶわけではないし
言ってもらっても
しようのない悲劇が
たんたんと綴られる。
その底に抑え込まれた
怒りや悲しみをすくい
上げるような文章を
書きたいですね。
叫ぶわけではないし
言ってもらっても
しようのない悲劇が
たんたんと綴られる。
その底に抑え込まれた
怒りや悲しみをすくい
上げるような文章を
書きたいですね。
サクラさん
う~ん、どこに目を
つければ❔
つければ❔
ハンサム 教授
たとえばお見合いする
どころか、髪も抜けて
やがて命さえ…という
矢須子さん。
そんな病状を自分に
言ってくれなかったと
口惜しがるおばさん…
どころか、髪も抜けて
やがて命さえ…という
矢須子さん。
そんな病状を自分に
言ってくれなかったと
口惜しがるおばさん…
サクラさん
ああ、切ないですね(😿)
「感想文の書き方」シリーズもついに
100回を突破し、今回で第101回と
なります((((((ノ゚⊿゚)ノ。
採り上げるのは、井伏鱒二の
歴史的名作『黒い雨』(1965-66)。
まだ読んでいないという人は、まずは
じっくりと味読してくださいね。
👇
⦅広告⦆リックすると楽天市場へ
え? なかなかそんな時間も
(気力も;^^💦)ない?
👉そういう人は、せめてこちらで
「あらすじ」を押さえてください。
・黒い雨(井伏鱒二)のあらすじ:簡単/詳しくの2段階で
(画像出典:広島平和資料館)
上でサクラさんのふれてた映画化作品
(今村昌平監督、田中好子主演)も
かなり原作に忠実ですので、参考には
なるでしょう。
さっそくレンタルしよッ、て思いました?
でもそれが、上でハンサム教授もふれて
いますように、Tのつく某大手レンタル
ショップには置かれていません。
(某国への遠慮からかでしょうか?)
なのでここは、DVDをお買い求め
いただくしかないかもしれません。
👇
⦅広告⦆リックすると楽天市場へ
「被爆」という運命は圧倒的すぎる
さて、どう書くかですが、一つはもちろん、戦争の悲惨さを主題として「だから絶対に
二度と戦争をしてはならない」という
主張でまとめていくという方法ですね。
学校側の期待も、おおかたはそういう
ところにあるんでしょうから、それで
書けそうな人は、原爆の惨禍を描写した
部分を読み直すことから始めたらよいと
思います。
Sponsored Links
でも、それはあまり気が進まない、
という人の場合、第二の方法としては、
自分が重松なら、矢須子なら……
と登場人物の立場に立って考える
「反省文」的な行き方ですね。
当シリーズでいくども広げてきた
サイ象流・感想文《虎の巻》はまさに
この方法をすすめていたわけです。
ウーン…でも、この小説の場合、
登場人物に降りかかる運命は「被爆」
というトンデモナク圧倒的なもの。
なので「あのとき、ああすればよかった」
「こうしておけば、今ごろは……」
と考えてゆける余地はほとんどない……
ようにも思えます。
ただ、それでも重松は矢須子の運命に
心を砕き、「ああすれば……、こう
すれば」を考え続けますので、その
心理や、「おじさん」としての立派さに
ついて考えることはできるでしょう。
この観点から読み直し、印象に残る
場面を押さえて行けば、感想文の
主題も浮かび上がってくるんじゃ
ないでしょうか。
あと3日分を清書すれば書き写しが終わる
というところで、矢須子の病気の急速な
悪化が発覚し、シゲ子は矢須子が病状を
「秘密にしておった」ことを「ほんと、
口惜しいわ」と嘆きます。
矢須子はやがて「素人目にも殆ど絶望的」
になり、看病疲れからシゲ子は「心臓の
障害を来し」、重松はもともと矢須子を
広島へ呼んだのが自分であったことに
責任を感じることにも…。
Sponsored Links
矢須子の実の両親は?
そして、このテーマを追っていく場合、おそらく浮上する(気にかかってくる)
のが矢須子の実の両親のことですね。
矢須子は重松夫婦によって実子同様に
愛護されているわけですが、
実の親がないわけではありません。
でも影が薄く、矢須子が彼らに
言及する場面もない。
後半で実父の高丸という人も出てきて、
病院の矢須子を見舞ったりしますが、
親子で話す場面があるわけでもなく、
ただ医療費について「あの子の
分け前ぶん」から出したいと言って
重松を「むっと」させるだけ。
それに、母親の方はどうなってるんだろう?
そこに言及がないのも、
ちょっと不思議な感じがします。
まあ、なんとなく感じ取れるのは、
矢須子は重松夫婦によって
実の両親以上に愛されていること。
小説の終わり近くで強く描かれる感情は、
矢須子が病状を隠していたことへの
重松夫妻の「くやしい」気持ちですが、
そのあたりを描いた次の一節なども、
実の両親とのことも念頭に置いて読み
直すと、いっそう切なく胸に響きます。
矢須子は重松夫妻に
遠慮しすぎたのだ。
婚約がまとまりかけていた
とは云え、恥ずかしがるにも
程がある。
シゲ子は病院から帰って来ると、
折から庭先に出ていた重松に
云った。
「ほんと、口惜(くや)しいわ。
矢須子さんは、みんな秘密に
しておったんよ」
「おじさん、すみません」と
矢須子は項垂(うなだ)れて
通りすぎた。Sponsored Links
シゲ子と矢須子の心理・性格が
切なく浮上するシーンですが、
この場面が生きている要因の一つに、
それが善意にあふれた「おじさん」、
重松によって語られていることも
あるんではないでしょうか。
Sponsored Links
1000字の例文
ん? 能書きはもういいから例文を早く出せ?
はいはい、承知しました。
「1000字程度」という字数制限で
ある高校生が書いた(という想定で
実はハンサム教授が試作した)
読書感想文をお目にかけますので、
じっくりとご検討ください。
『黒い雨』は1945年8月、広島で
原爆に被災した家族の体験を描く
非常に悲惨な小説だが、それが
重松という平凡な中年男性の
手記の形でたんたんと記述されて
いくので、そのぶん悲惨さが
際立つような気がした。
その極めつけが重松夫婦が
預かっている姪の矢須子の
被爆による病状の悪化で、
嫁入り前の美しい娘で、
お見合いの話もあったのに、
すべてはぶちこわしに
なっていく。
しかも実の親ではないという
遠慮があって、おばのシゲ子に
病状を隠し続けてしまい、
そのことがシゲ子を逆に
深く悲しませる。
このあたりを読んでいて、
私は思わず涙を流した。
どうしてこんなことになって
しまったのか。
天皇がラジオで降伏を宣言した
日の広島の人々の声を拾って、
重松は「どうしてピカドンが
落ちる前に降伏することは
出来なかったのか」と書いて
いるが、私も同じことを
叫びたくなった。
人々は続けて「もう負けている
ことは敵にもわかっていた筈
(はず)だ。ピカドンを落とす
必要はなかったろう。
いずれにしても今度の戦争を
起す組織を拵(こしら)えた
人たちは……」とまで言い、
それ以上は「言論統制」への
さしさわりを恐れて口を
つぐんだという。
もちろん「敵」すなわち
米国にも言い分があるわけで、
私はそれを問題にしようとは
思わない。
『黒い雨』を読んで私がよく
考えなくてはならないと思った
のは、むしろ自国の「戦争を
起す組織を拵えた人たち」の
問題だ。
そういう人たちにももちろん
言い分はあり、彼らは「正義の
戦い」と称してそこに国民を
巻き込んでいったわけだが、
この「正義」の考え方にこそ
問題があると思うのだ。
ここで私が思いだすのは、
『アンパンマンのマーチ』の
歌詞の「愛と勇気だけが友だちさ」
という部分についての、作詞者
やなせたかしさんの説明である。
この歌詞について抗議を受けた
やなせさんは「これは、戦う時は
友達を巻き込んじゃいけない、
戦う時は自分一人だと思わなく
ちゃいけないんだということ」で、
つまり「お前も一緒に行けと
道連れをつくるのは良くない」
と言いたいのだ説明していた
(『わたしが正義について
語るなら』)。
自らも従軍し、弟には戦死
されてしまったやなせさんが
これを言いたかったのは、まず
「戦争を起す組織を拵えた
人たち」に対してでは
なかっただろうか。
そしてもちろん、そういう
人たちに乗せられてしまった
大半の国民にも大いに反省の
余地があることを『黒い雨』は
静かに訴えていると思った。
(999字)
原爆に被災した家族の体験を描く
非常に悲惨な小説だが、それが
重松という平凡な中年男性の
手記の形でたんたんと記述されて
いくので、そのぶん悲惨さが
際立つような気がした。
その極めつけが重松夫婦が
預かっている姪の矢須子の
被爆による病状の悪化で、
嫁入り前の美しい娘で、
お見合いの話もあったのに、
すべてはぶちこわしに
なっていく。
しかも実の親ではないという
遠慮があって、おばのシゲ子に
病状を隠し続けてしまい、
そのことがシゲ子を逆に
深く悲しませる。
このあたりを読んでいて、
私は思わず涙を流した。
どうしてこんなことになって
しまったのか。
天皇がラジオで降伏を宣言した
日の広島の人々の声を拾って、
重松は「どうしてピカドンが
落ちる前に降伏することは
出来なかったのか」と書いて
いるが、私も同じことを
叫びたくなった。
人々は続けて「もう負けている
ことは敵にもわかっていた筈
(はず)だ。ピカドンを落とす
必要はなかったろう。
いずれにしても今度の戦争を
起す組織を拵(こしら)えた
人たちは……」とまで言い、
それ以上は「言論統制」への
さしさわりを恐れて口を
つぐんだという。
Sponsored Links
もちろん「敵」すなわち
米国にも言い分があるわけで、
私はそれを問題にしようとは
思わない。
『黒い雨』を読んで私がよく
考えなくてはならないと思った
のは、むしろ自国の「戦争を
起す組織を拵えた人たち」の
問題だ。
そういう人たちにももちろん
言い分はあり、彼らは「正義の
戦い」と称してそこに国民を
巻き込んでいったわけだが、
この「正義」の考え方にこそ
問題があると思うのだ。
ここで私が思いだすのは、
『アンパンマンのマーチ』の
歌詞の「愛と勇気だけが友だちさ」
という部分についての、作詞者
やなせたかしさんの説明である。
この歌詞について抗議を受けた
やなせさんは「これは、戦う時は
友達を巻き込んじゃいけない、
戦う時は自分一人だと思わなく
ちゃいけないんだということ」で、
つまり「お前も一緒に行けと
道連れをつくるのは良くない」
と言いたいのだ説明していた
(『わたしが正義について
語るなら』)。
自らも従軍し、弟には戦死
されてしまったやなせさんが
これを言いたかったのは、まず
「戦争を起す組織を拵えた
人たち」に対してでは
なかっただろうか。
そしてもちろん、そういう
人たちに乗せられてしまった
大半の国民にも大いに反省の
余地があることを『黒い雨』は
静かに訴えていると思った。
(999字)
どうです?
なかなかのもんでしょう。
これをそのままコピペすることは
もちろん厳禁ですが、適宜、自分らしい
ものに文章を変えて使ってもらうのは
かまいませんよ~;^^💦
Sponsored Links
もっと短い字数で要求されている場合は、
あらすじを書いているところとか、
必要なさそうな部分を切り捨てて
スリム化してください。
逆にもっと字数がほしい場合は、
それこそ自分の経験や考えを入れて
膨らましていけばいいわけです。
👉文中で、アンパンマン原作者の
やなせたかしさんの発言にふれていますが、
それは『わたしが正義について語るなら』
(ポプラ新書、2013)に出ています。
詳しくはこちらの記事を
ご参照ください。
・アンパンマン 原作絵本は怖い!? 首なしヒーローが体現する正義とは?
「気が利いていて間が抜け」たおじさん
ここでもう一度、小説に戻って、全体の語り手になっている重松という人に
ついても考えてみましょう。
悪くいえば「ドジ」でもある微妙に
とぼけた味わいが、記述される内容の
悲惨さをやわらげ、救いがたさを
救ってもいる……
この小説ミソになっているとも
いえるのではないでしょうか。
どこが「ドジ」かといえば、「被爆者定期
健康診断」の証明書を送るとか、被爆当時の
日記を清書することとかの矢須子のためを
思っての懸命の努力が、むしろ「気が利いて
いて間が抜ける」結果になっていく
というようなところですね。
重松をこういう「気が利いていて間が
抜け」た人物に設定したところに
あの「山椒魚」の作家、井伏鱒二の面目が
あるともいえるんじゃないでしょうか。
👉「山椒魚」をめぐっては、
こちらをご参照ください。
・・井伏鱒二 山椒魚のあらすじを簡単に紹介
・・井伏鱒二 山椒魚:結末部分の削除を”俳句美学”で解釈すると
まとめ
目の付けどころをいくつか紹介してきましたが、これらのほかにも
ポイントはいろいろとあるはずです
ので、ぜひ自分ならではのテーマを
見つけてください。
戦争の悲惨さで行く場合は、
「戦争文学」の名作として知られる
他の作品と比較してみるというのも
面白い方法だと思います。
👉その場合はこちらの記事も
参考にしてください。
・火垂るの墓(野坂昭如)のあらすじ:作者の気持ちを考える?
・夏の花(原民喜)のあらすじと解説 🌻感想文で抜け出すには?
・芋虫(江戸川乱歩)のあらすじ:伏字だらけの問題作!内容は?
さあ、これでもうOKですね、読書感想文。
ん? 書けそうなテーマは浮かんで
きたけど、でもやっぱり自信が…
だってもともと感想文の類が苦手で、
いくら頑張って書いても評価された
ためしがないし(😿)…
具体的に何をどう書けばいいのか
全然わからない( ̄ヘ ̄)…?
Sponsored Links
う~む。そういう人は発想を転換して
みるといいかもしれない;^^💦
そもそも日本全国で盛んに奨励されている
読書感想文の発祥の源は「コンクール」。
各学校の先生方の評価基準もおのずと
「コンクール」での審査に準拠する
形になっているのです。
だから、読書感想文の上手な人は
そのへんのことが(なんとなくでも)
わかっている人。
さて、あなたはどうなのかな?
👉「コンクール」での審査の基準を
知るには、実際に出品され大臣賞などを
受賞している感想文をじっくり読んで
分析してみるのがいちばんの早道。
こちらでやっていますので、
ぜひご覧ください。
・読書感想文の書き方【入賞の秘訣4+1】文科大臣賞作などの分析から
・セロ弾きのゴーシュで読書感想文!コンクール優秀賞作(小2)に学ぶ
・アルジャーノンに花束を の感想文例!市長賞受賞作【2000字】に学ぶ
そちらで解説している「書き方」を踏まえて
当ブログでは多くの感想文例を試作し
提供してきましたが、このほどそれらの
成果を書籍(新書)の形にまとめることが
できましたので、ぜひこちらも
手に取ってご覧ください。
👇
⦅広告⦆リックすると楽天市場へ
買う前にその「予告編」が見たい
という人は、こちらでどうぞで。
・読書感想文 書き方の本はこれだ!サイ象流≪虎の巻≫ついに刊行!!!
👉上記の本『読書感想文 虎の巻』は
当ブログで提供し続けてきた「あらすじ」
や「感想文」関連のお助け記事の
ほんの一部でして、載せきれていない
記事もまだまだ沢山あります。
気になる作品がありましたら、
こちらのリストから探して
みてください。
・「あらすじ」記事一覧
・≪感想文の書き方≫具体例一覧
ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/
(Visited 14,006 times, 1 visits today)
こんなコメントが来ています