サンタは煙突から…ってなぜ?この痛くて不可能な言伝えの由来は?

サンタは煙突から…ってなぜ?この痛くて不可能な言伝えの由来は?

クリスマスイブともなれば、お宅にも
サンタのおじさんがひっそりと
やってきてくれますね。

そう、煙突から…。

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でも、お宅、煙突ってありました?

あればいいんですが、その場合も
くれぐれもご注意ください。

というのも、泣くに泣けない
こんなお話も伝えられている
からです。
ある家の煙突から入ろうとした
サンタが、途中で体が詰まってしまい、
上へ引き返そうとしたが、それも
ままならず、結局、そこで
そのまま眠ってしまった。

  サンタsanta-34692_640

翌朝、室内では一家全員が
一酸化炭素中毒で死亡していた。


これ実は昔、ビートたけしさんが
使っていたネタですが…;^^💦


それにしても、サンタのおじさんは
なぜそんなしんどい思いをしてまで
煙突から入ってくることになったん
でしょうか❓

本日はこの疑問をめぐって、徹底的に
リサーチしてまいります。

内容はザッと以下の通り。



そもそもサンタはどこから来る❓

サンタクロースはどこから来るの?
とか、
どこに住んでるの?

という質問に対して返ってくる答えとして
いちばん多いのは、おそらくフィンランド
ではないでしょうか。

でもその根拠は?

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それは、フィンランドの新聞が1925年に
掲載したある記事以来のことと
考えられています。

すなわち
北極ではトナカイのエサとなる
食料が足りなくなったので、
サンタクロースはフィンランドの
ラップランドに引っ越した。

   


つまりそれ以前は漠然と「北極あたり」
と考えられていたのが、この記事が
出て以来、俄然、フィンランド説が
有力になったらしいのですね。

で、今や実際、フィンランドのラップ
ランド地方には「サンタクロース村」が
建設され、サンタへの手紙なども
こちらで受け付けているのですね。
👉サンタクロースへの手紙の書き方・
出し方をめぐってはこちらを
参考になさってください。
     
サンタへの手紙を正調の英語詩で!漱石も読んだ教科書から

       


フィンランドが有力になったワケ

そんなわけで、フィンランドだというのも
結構あやふやな根拠から定まったよう
なのですが、ともかく1925年時点で
サンタクロースが身にまとっていた
イメージにぴったりの国ではありました。

つまり雪が多いとか、トナカイの
ソリを使うとか…。

   


さらにもう一つ、これは特にフィンランド
の中でも「ラップランド」だということに
なった理由でもあるのですが、人の
通れるような大きな煙突があること。

つまり雪深いラップランドの伝統的家屋
には、煙突が出入り口を兼ねる構造に
なっていたものがあったのです。

でも、このことを言い出したのは決して
ラップ族の人でもフィンランド人
でもなく、実はアメリカの人でした。

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クレメント・ムーアの詩から

これすなわち、古典文学の大学教授で詩人
だったクレメント・ムーアが新聞に載せた
詩「聖ニコラウスの訪問」( “A Visit from
St. Nicholas”,1823)が言い出しっぺだった
と考えられているのです。 

そしてサンタが8頭立てのトナカイの
ソリに乗っていて、8頭のトナカイ
それぞれに名前があるというのも
この詩で初めて言われたこと。

その詩に登場する父親がふと外を
見てみると……

キラ星のなか、屋根から降るのは
小さい蹄の立てる爪音
頭を引っ込め振り向いて見ると
聖なるニコラウス煙突からどすん

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というわけなんですが、でもこれだと
サンタさんのお尻が痛いでは
ないですか・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。


それに、そもそも「煙突から入ってくる」
なんて奇想天外な訪問の仕方をムーアは
一体どこから、思いついたのでしょうか。

その発想の源が古代ラップ人の家に
ついての、彼が人類学から学んだ
知識でした。

つまりそれは、トナカイの革で作った
テントを地中に埋める形で建ててあり、
どうやって出入りするかというと、
屋根にあけた穴を使うしかない。

で、この穴が、家で火を使うときには
煙の抜け道、すなわち煙突の役割も
していたというのですね。

   finland-321648_640
   現代ラップランドの家(もちろんテント式ではないが) 

 
だから実際、サンタのような人が
ラップ人の家を訪問するには
煙突から入るしかなかった……
というわけです。
👉煙突の話を含めた”サンタクロース神話”、
また”クリスマス神話”全般をめぐっては、
20世紀イギリスの動物行動学者、デズモンド
・モリスが徹底的に暴いています。
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聖ニコラウスとは❓

ところで、ムーアの詩は「聖ニコラウス
の訪問」と題されていましたが、
この「聖ニコラウス」とは❓

はい、もちろん、この人がサンタ
クロースその人でないと、
つじつまが合いません。

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この聖ニコラウスこそ実はサンタ
クロースの原型。

紀元270年ごろローマ帝国リュキア属州
(現在はトルコ)のミラ(ミュラとも
書かれる)で大主教にまで上った
神学者です。

民衆に広く敬愛され崇められるように
なって、ついに”聖人”となったわけですが、
そうなった最大の要因は、困った人たちの
ために持ち金をどんどん供出したことと
見られています。

    修道士 nun-29854_640

その金はどこから?

それは実家がもともと大金持ちで、
しかも両親とも伝染病で早死にして、
全財産を継承することになったから。


ともかくこの人が困っている人々に
惜しみなく金品を恵んだとされることが
サンタクロースのクリスマスプレゼント
という、今や世界的になった風習の起源
と見て間違いなさそうです。

でも、そのプレゼントがなぜ靴下
(ストッキング)の中にに入れられる
ことになったのか?

そのことにも関わる聖ニコラウスの
逸話を紹介しておきましょう。

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クリスマスプレゼントの始まり

ある時、ミラのある商人が商売にしくじって
全財産をパーにしたのですが、その家には
嫁入り前の美しい娘が3人もいました。

借金で首の回らない商人は、追い詰められた
果ての最後の手段として、娘たちを遊女の
世界(今でいえば”風俗”業界)に売って
金を作ろうとします。


これを聞き知ったニコラオスは、早々に
馬を走らせ、その家を通りすがりに、
あいていた窓からひそかに、小さいが
重みのある包みを投げ入れたのです。

その包み中身とは❓


はい、それがなんと金貨だったのですね。

    


これにより上の娘は売られずにすみ、
身分のある若者と立派に結婚
できました。

ところが、トルコあたりの身分ある
人々の間では多額の持参金を持たせる
のが常識で(少なくともそのころは)、
結婚式が終わった時にはニコラオスの
お陰で潤った家計はもうスッカラカン。

今度は二番目の娘が身売りの危機に。

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これを聞いたニコラオスは、再び馬で
その家を通りすがりに、窓から金貨の
包みを投げ入れます。

で、この娘も幸せに結婚できたのですが、
お金の面では姉と同じことが起こって、
再び貧窮。

となれば、もちろんニコラオスは
三度目の金貨投入をやるという
話になりますよね;^^💦

  


で、それまでは誰の仕業かわからず、
「神様だろう」という話になっていたの
ですが、三度目には父親がニコラオスの
姿を目撃し、「ああ、あの方だったのか」
とお礼をしに行き、皆の知るとことと
なった次第。

そして、この3回の金貨投げ入れのうちの
何度目かの投げ入れで、「包みが見事、
たまたま室内に干してあったストッキング
の口にすっぽりと入り込んだのです」

という娘さんの証言からの縁起かつぎで
「クリスマスプレゼントは靴下に」
という風習が生まれたというのですね。

 



「聖」⇒「シンタ」⇒「サンタ」

ところでこの聖ニコラウス、英語では
「セイント・ニコラス」になるはず
ですが、どこでどう変形して「サンタ
クロース」と呼ばれるようになったの
でしょうか。

日本語で「聖」と訳されている接頭辞は、
英語では「セイント」ですが、そのほかの
ヨーロッパ語では「サン」とか「ザンクト」
とか微妙に異なります。

オランダ語ではこれが「シンタ」になる
そうで、「聖ニコラオス」は「シンタ・
クラース」(Sinter Klaas)。

そのオランダでは14世紀ごろから、
聖ニコラオスの命日とされる12月6日に
「シンタ・クラース祭」を祝うように
なったのです。

   サンタMerry_Old_Santa_Claus_T

「サンタクロース」の名が定着したのは
この祭りがその後、17世紀にアメリカに
植民したオランダ人たちによって大いに
広められた結果、アメリカ風になまる
ことによってだったとのこと。

イギリスにはそれと別個に「ファーザー
・クリスマス」がいることになって
いましたが、今ではもちろんアメリカ風
「サンタ」のイメージと融合しています。
👉映画『戦場のメリークリスマス』で
ビートたけし演ずるハラ曹長が
「ファーザー・クリスマス!」と連呼
していたのを思い出される方も
いらっしゃるかもしれません。

この映画についてはこちらで情報提供
していますので、ぜひご参照ください。

戦場のメリークリスマスのあらすじ//映画と原作の大きな違い
                     
     



まとめ

さて、これでもうよ~くわかり
ましたよね。

サンタクロースが煙突から入って
来るという痛くて不可能な言伝えが
なぜ、どこから発生したのか。

ついでに、聖ニコラオスだったはずの
人がどこでどう間違ってサンタ
クロースになったのか…

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等々の雑学で、もうあなたは
誰にも引けを取らない物知り。

どや顔で知識を披露してあげましょう!
👉そのほか、クリスマスとサンタクロース
をめぐっては、こちらの記事などでも
雑学を提供していますので、
ぜひご参照ください。

クリスマスプレゼントをする意味は?起源は⦅誰から誰に⦆贈った?

サンタは日本にいつから?第1号は侍サンタ!明治の英語教科書には?

   
    
クリスマスツリーの由来は?漱石も読んだ英語教科書に学ぶ

    クリスマスツリーkids_dragging_Christmas_tree_1914

サンタはなぜ靴下にプレゼントを入れるの?その意味・由来はここに!

サンタクロースの出身地(起源)はフィンランド?トルコ?それとも韓国!?         
         
    


それではみなさん、イブには安心して
サンタさんを待ちましょう。

そして戸締まりはしっかりと……
大丈夫、サンタクロースはどこから
でも入れますからね(ニコニコ)



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