サンタクロースの出身地(起源)はフィンランド?トルコ?それとも韓国!?

サンタクロースの出身地(起源)はフィンランド?トルコ?それとも韓国!?

クリスマスといえばサンタクロース!

でもこのおじさん、もともとどこから
出ていらっしゃったのか…
つまりその由来や起源については
ご存知ですか?

Sponsored Links

トナカイのソリを飛ばして来られるので
北欧のフィンランドあたりかと漠然と
思われていたと思うんですが、近ごろ
ではそれが韓国だという説も出てきて、
真相はいったいどこなんだか、
サッパリ分からなくなっています。

そこで本日のテーマはサンタクロースの
出身地(起源)について。

その真相を徹底究明していきたい
と思います。

内容はザッと以下の通り。


韓国説の真偽は❓

にわかには信じがたい気のするこの説
ですが、唱えだした人は立派に学者
として認められている人で、ソウル大学
のキム・ジス名誉教授。

この説をかいつまんで紹介しますと
このようになります。

15世紀の李氏朝鮮時代、
慶尚道地域は毎年飢饉になって、
飢えてしまう子供が多くいた。

飢え死にしていく子供たちに
胸を痛めたある爺さんが、
自分の財産をはたいて子供らに
お菓子や贈り物を与えた。

   


このお爺さんの噂は
たちまち広まった。

朝鮮に来てこの話を聴いた
西洋人が、自分達の実情に
合うように脚色して西洋人風の
サンタクロースをつくり上げた。
(引用元:柔らかニュース。文章は改変)

Sponsored Links

なるほど;^^💦

でもそれが事実だということを示す
資料的根拠は?

ということになると、あまり確かな
ものは提出されていないようです。

  

とすれば、これはやはり、何でもかんでも
ホントは韓半島から生まれたものだと
主張する、いわゆる「韓国起源説」の
一つと見るのが妥当でしょう。

「韓国起源説」の主な対象は、侍、日本刀、
剣道、空手、歌舞伎、折り紙、秋田犬、
ソメイヨシノから寿司、沢庵、ラーメン、
そして皮肉なことにあの旭日旗に至るまで、
要するに日本発祥と見られているものへの
反論として出てきたと見えるものが大半です。
(詳しくはこちらで:👉Wikipedia

サンタロースもそうだ!

というのは、この勢いが日本以外にも
飛び火しているということなんで
しょうか;^^💦

Sponsored Links

聖ニコラオスはトルコの人

それではサンタクロースの起源は
どこの誰だったのか?

韓国以外の世界諸国で一般に認められて
いるのはニコラオスという神学者で、
紀元270年ごろローマ帝国リュキア属州
(現在はトルコ)のミラ(ミュラとも
書かれる)で大主教にまで上った人。

民衆に広く敬愛され崇められるように
なって、ついに”聖人”となり(聖別され)
“聖ニコラオス”と呼ばれるようになった
のですが、そうなった最大の要因は、
困った人たちのために持ち金を惜しまず
どんどん供出したことと見られています。

     修道士 nun-29854_640

その金はどこから?

それは実家がもともと大金持ちで、
しかも両親とも伝染病で早死にして、
全財産を継承することになったから。


ともかくこの人が困っている人々に
惜しみなく金品を恵んだとされることが
サンタクロースのクリスマスプレゼント
という、今や世界的になった風習の起源
と見て間違いなさそうです。

でも、そのプレゼントがなぜ靴下
(ストッキング)の中にに入れられる
ことになったのか?

そのことにも関わる聖ニコラウスの
逸話を紹介しておきましょう。

Sponsored Links

クリスマスプレゼントの始まり

ある時、ミラのある商人が商売にしくじって
全財産をパーにしたのですが、その家には
嫁入り前の美しい娘が3人もいました。

借金で首の回らない商人は、追い詰められた
果ての最後の手段として、娘たちを遊女の
世界(今でいえば”風俗”業界)に売って
金を作ろうとします。


これを聞き知ったニコラオスは、早々に
馬を走らせ、その家を通りすがりに、
あいていた窓からひそかに、小さいが
重みのある包みを投げ入れたのです。

その包み中身とは❓


はい、それがなんと金貨
だったのですね。

    


これにより上の娘は売られずにすみ、
身分のある若者と立派に結婚
できました。

ところが、トルコあたりの身分ある
人々の間では多額の持参金を持たせる
のが常識で(少なくともそのころは)、
結婚式が終わった時にはニコラオスの
お陰で潤った家計はもうスッカラカン。

今度は二番目の娘が身売りの危機に。

Sponsored Links

これを聞いたニコラオスは、再び馬で
その家を通りすがりに、窓から金貨の
包みを投げ入れます。

で、この娘も幸せに結婚できたのですが、
お金の面では姉と同じことが起こって、
再び貧窮。

となれば、もちろんニコラオスは
三度目の金貨投入をやるという
話になりますよね;^^💦

     


で、それまでは誰の仕業かわからず、
「神様だろう」という話になっていたの
ですが、三度目には父親がニコラオスの
姿を目撃し、「ああ、あの方だったのか」
とお礼をしに行き、皆の知るとことと
なった次第。

そして、この3回の金貨投げ入れのうちの
何度目かの投げ入れで、「包みが見事、
たまたま室内に干してあったストッキング
の口にすっぽりと入り込んだのです」

という娘さんの証言からの縁起かつぎで
「クリスマスプレゼントは靴下に」
という風習が生まれたというのですね。

 


ところで、この「金貨投げ入れ」が
屋根の煙突からで、それがうまいこと
暖炉近くに干してあったストッキングの
口に入った…という話もありますね。

でもこれ、物理学的にありえません
(ニコラオスはすごいカーブを投げた
のか)し、そもそもトルコの家に大きな
煙突なんかなかったでしょう。

これはおそらくサンタクロースが
フィンランドあたりの生まれだと
いわれるようになってから発生した
俗説と思われます。
👉サンタがクリスマスプレゼントを
靴下(ストッキング)に入れると
信じられるようになった経緯に
ついてはこちらで…窮しています。

ぜひご参照を。

サンタはなぜ靴下にプレゼントを入れるの?その意味・由来はここに!
           
             サンタ 子供の友1914_Santa_Claus
             『子供之友』(1914年12月号)より


オランダで変身❓

というわけで、北欧の方へ上って
行かなければならないのですが、
その前に立ち寄らなければならない
のがオランダです。

つまり、この聖ニコラオスがなぜ
発音のだいぶ違う「サンタクロース」の
名で呼ばれるようになったのか?

これを突き止めるうえでオランダという
国が無視できないのです。

Sponsored Links

日本語で「聖」と訳されている接頭辞は、
英語では「セイント」ですが、そのほかの
ヨーロッパ語では「サン」とか「ザンクト」
とか微妙に異なります。

オランダ語ではこれが「シンタ」になる
そうで、「聖ニコラオス」は「シンタ・
クラース」(Sinter Klaas)。

そのオランダでは14世紀ごろから、
聖ニコラオスの命日とされる12月6日に
「シンタ・クラース祭」を祝うように
なったのです。

      サンタMerry_Old_Santa_Claus_T

「サンタクロース」の名が定着したのは
この祭りがその後、17世紀にアメリカに
植民したオランダ人たちによって大いに
広められた結果、アメリカ風になまる
ことによってだったとのこと。

イギリスにはそれと別個に「ファーザー
・クリスマス」がいることになって
いましたが、今ではもちろんアメリカ風
「サンタ」のイメージと融合しています。
👉映画『戦場のメリークリスマス』で
ビートたけし演ずるハラ曹長が
「ファーザー・クリスマス!」
と連呼していたのを思い出される
方もいらっしゃるかもしれません。

この映画についてはこちらで
情報提供していますので、
ぜひご参照ください。

戦場のメリークリスマスのあらすじ//映画と原作の大きな違い
                     
           


なぜフィンランドに❓

さて、いよいよフィンランドあたりへ
飛ぶ段となりました。

これ、実はサンタの関係国として
フィンランドという国がまずあった
というわけではなく、以下のような
三段論法から発生した可能性が
大なのです。

  1. サンタは煙突から入ってくる。
  2. 家に大きな煙突のある国が必要。
  3. フィンランドの民家にはある。

で、その「サンタは煙突から入ってくる」
というファンタジーがどこから発生したか
と言いますと、19世紀のアメリカの学者
にして詩人だったクレメント・ムーアの詩
「聖ニコラウスの訪問」(1822)に描かれた
ことが発端だという説が有力です。

      


またサンタが8頭立てのトナカイのソリに
乗っていて、8頭のトナカイそれぞれに
名前があるというのもこの詩で初めて
言われたことなんです。

その詩に登場する父親がふと外を見てみると……

Sponsored Links

キラ星のなか、屋根から降るのは
小さい蹄の立てる爪音
頭を引っ込め振り向いて見ると
聖なるニコラウス煙突からどすん


というわけなんですが、でもこれだと
サンタさんのお尻が痛いでは
ないですか・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

Sponsored Links



それに、そもそも「煙突から入ってくる」
なんて奇想天外な訪問の仕方をムーアは
一体どこから、思いついたのでしょうか。

人類学を学んだムーアのこの発想の源は
おそらくフィンランド北方(ラップランド)
にいた古代ラップ人の家についての
知識でした。

つまりそれは、トナカイの革で作った
テントを地中に埋める形で建ててあり、
どうやって出入りするかというと、
屋根にあけた穴を使うしかない。

で、この穴が、家で火を使うときには
煙の抜け道、すなわち煙突の役割も
していたというのですね。

   finland-321648_640
   現代ラップランドの家(もちろんテント式ではないが) 

 
だから実際、サンタのような人が
ラップ人の家を訪問するには煙突から
入るしかなかった……というわけです。
👉サンタが「煙突から入ってくる」
というお話をめぐって、より詳しい
情報はこちらでどうぞ。

サンタは煙突から入るって、なぜ?🎅サンタクロースの答えは?
           
              

👉煙突の話を含めた”サンタクロース神話”、
また”クリスマス神話”全般をめぐっては、
20世紀イギリスの動物行動学者、
デズモンド・モリスが徹底的に
暴いています。

詳しくはこちらでどうぞ。
     👇

⦅公告⦆クリックするとAmazonへ


まとめ

さて、これでもうよくおわかり
ですよね。

サンタクロースはどこで生まれたか。

韓国は論外として、フィンランドだと
いうのも正確ではなく、正しくは
現トルコのあたりの聖ニコラオスの
進化形といいますか、オランダ語経由
での変化形「サンタクロース」が
アメリカで爆発した…
という次第でした。

        サンタ images

この話をするのにアジア、ヨーロッパ、
アメリカと世界各地を回らなければ
ならなかったというのも、「サンタの
おじさんは世界の子どものもので、
だれも差別しないんだ」ということを
象徴的に示すようで、なんとなく
ありがたいお話になりましたね。
👉そのサンタさんに手紙を書きましょう。

書き方については、こちらを
参考にしてください。

サンタへの手紙を正調の英語詩で!漱石も読んだ教科書から

          

👉そのほか、日本に入ってきた
サンタクロース第1号の話や
クリスマスツリーの歴史を
めぐっては、こちらもどうぞ。

クリスマスツリーの由来は?漱石も読んだ英語教科書に学ぶ

サンタは日本にいつから?第1号は侍サンタ!明治の英語教科書には? 

     


それでは、メリー・クリスマス(ニコニコ)
(Visited 795 times, 1 visits today)

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ