休肝日は無意味⦅実は日本の”文化”で医学的根拠は疑問⦆問題はどこに?
やあやあサイ象です。
愛飲家のみなさん、元気ですかー!!!
(アントニオ猪木ふうに(^^)у)
元気があれば、なんでもできる!
さあ来い、コノヤロー! 1・2・3、
ダーー!!!
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と行きたいところですが、飲みすぎで
病気になって、元気をなくして
しまっては元も子もありませんね。
そこで世間では「休肝日」ってやつが
さかんに推奨されてます。
休肝日は週2日必要?
私自身、昨夏とつぜん痛風を発症し、痛む足で自転車をこいで整形外科へ
駆け込んだ話は以前の記事に書きましたが、
待合室に置いてあった痛風治療・予防の
パンフレット類でもやはり「休肝日」が
推奨されていました。
しかも近頃ではたいてい「週2日(続けて)
とりましょう」となっているんですよね。
うーん、これもまた…
痛風患者がたいてい言い渡される
「禁ビール」に勝るとも劣らぬ
苦行ではないですか。
しかし、その「2日(続けて)」
ということ、また「休肝日」そのものに、
普遍的な(誰にでも通用する)意味・
必要性ははたしてあるんでしょうか?
たとえばですよ…
「休肝日連続2日」が良いと信じ込んで
実践した人が、その2日は「眠れない」
とか「食欲がない」とかのマイナス要因が
発生し、それがかえってほかの病気を
誘発してしまった。
しかもこの間、肝臓の状態に変化はなく、
この病気とはなんらの因果関係も
認められない…
なんて可能性もあるはずで、
だとしたら、バカげてるじゃないですか。
限られた人生の喜びを、7分の1でも2でも
自分から捨てちゃっただけなんですから。
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発信元は厚労省
だいたいなんで近年になって「休肝日」が週2日に増やされてしまったのか、
スローガンの発信源をたずねてゆくと、
厚生労働省に行きつきます。
つまり引き金となったのは、国立がん
センターの丸亀知美研究員(がん対策情報
センターがん情報・統計部厚生労働省
研究班)を代表者とする厚労省研究班が
実施して米国の疫学専門誌
“American Journal of Epidemiology”に
発表した2007年の論文らしいんです。
これは「アルコール摂取量」「休肝日の
有無」とその後の病気や死亡のリスクに
関して、1990-93年に岩手、長野、高知、
長崎、沖縄など8県9地点に住む男女
(男性約42,000人。女性は該当者数不足の
ため解析の対象から除外)を対象に
アンケートして2003年まで追跡したもの。
得られたデータから以下のような結論が
導かれています。
- 男女とも、アルコール
(エタノール)の摂取量が週に
300グラムを超えると、
その後の総死亡のリスクは
有意に増加する()。 - 男性においては、同じ週300グラム
以上の摂取においても、その飲酒
回数が週に4日以下では総死亡の
リスクは増えず、週に5~7日の
飲酒においてのみリスクの
上昇が認められた()。 - アルコールの摂取量が
「週に300-449グラム」の場合、
「休肝日なし」グループの死亡率は
「休肝日あり」グループの1.5倍、
「週に450グラム以上」の場合は
同じく1.8倍になった。
その死者の4割はガンだった( )。
ボーダーラインは週300gのアルコール…
ガ~~ン((((((ノ゚🐽゚)ノ…
死者の4割がガンだったことについては、
「休肝日なし」の場合「酒の代謝後にできる
発がん性を持つとされる物質が常に体内に
存在する」ことがガンの危険性を高めて
いる可能性がある……と丸亀研究員。
そういうことだとすると、休肝日は
「3日」にしなければならない勘定ですが、
さすがに「3日」では受け入れられにくい
と見たのかどうか、ともかく「2日に」と
叫ばれるようになったようなんですね。
だとすると、将来的には「3日」と言い出
される可能性も十分……・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
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「週300グラム」を超えなければセーフ
ただまあ、「アルコールの摂取量が週に300グラムを超えると、その後の総死亡の
リスクは有意に増加する」ということは、
それを超えない場合は、アルコールに命を
取られるようなことはまずない、
ということでもありますから、自分の
場合はどうなのか、まずチェックして
おかれるのがよいでしょう。
「週300グラム」のアルコールを
実際の飲料で換算すると、こうなります。
- アルコール含有量5%の350ml入り
缶ビールなら、17本強。 - 同15%の日本酒なら、
11合強(1合は180ml)。 - 同25%の焼酎を5:5のお湯割り
(水割り)にした場合は、13合強。 - 同25%の焼酎を3:7のお湯割り
(水割り)にした場合は、22合強。 - 同40%のウィスキーを3:7のお湯
割り(水割り)にした場合は14合弱。
どうでした?;^^💦
これを超えるペースの人は「休肝日」を設置
しましょう、ということになるわけです。
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休肝日不要論
でも、「週300グラム」以上のハイペースの愛飲家にとってもなお「休肝日は実際には
効果ない」という意見が、実は医師の
間からも発信されているんですね。
その論点はおおむね2つ。
- (1)肝臓を休ませることがよい
という科学的な根拠は薄い。
アルコールの毒性は早期に
抜けるし、また実は2日程度
アルコールを抜いても
肝臓のダメージが回復する
ことはない。 - (2)休肝日を作ると、アルコール
好きな人はその前後で
アルコール量が増し、1週間の
総量がかえって増える。
肝臓のダメージは48時間で回復するわけではない…
専門医師の知見を確認されたい
場合は、こちらをご参照ください。
・肝臓専門医が「休肝日不要」の酒の楽しみ方を解説
さあ、どうでしょうかね。
(2)のほうは当人の意志で克服できそうにも
思われますが、(1)の説が正しいとすると、
アルコール摂取量「週300グラム」以上の
人もそれ以下の人と同じく、問題は要するに
週の総摂取量であって、週に1日や2日、
肝臓を休ませることに意味はない、
ということになりそうですね。
また「トータルなアルコール量を減らす」
ことと「量は変えないで1日の休みを作る」
こととでどちらに健康上のメリットがあるか
といえば、間違いなく量を減らすことの
方だとのことですので、「休肝日」の意味は
ますます薄いように思われます。
ただ、これらの医師も「休肝日を設定する」
ことになんの意味も効果もない、と言って
いるわけではなく、次のような副作用、
というか副次的な効果があると
認めています。
その一つは「アルコール総量コントロール」
のための現実的な手段になることで、
もう一つが「アルコール依存への気付き」
ということです。
つまり依存症患者に特有の禁断症状は、
48時間以内に出ますから、自覚症状をもつ
ことができる、ということですね。
自分もひょっとして…とお思いの
方は是非お試しください。
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休肝日は日本の「文化」
というようなわけで、スローペースの愛飲家なら「休肝日」は気にしなくてよい
というのが結論ですが、その証拠には
(まあ証拠として完璧とは言いませんが)
諸外国ではこの概念自体、ほとんど
知られていないんですね。
この奇妙な言葉(とその概念)が
日本で発生したものであることは
いうまでもありません。
なので、アメリカの疫学専門誌に掲載
された上記の厚労省研究班の論文では
「休肝日」を英訳する必要も生じた
わけですが、これが“Liver Holidays”
なんだそうで、ちょっと笑えますね。
(http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2013-10-07)
この厚労省研究班の論文を紹介する同誌の
記事での「休肝日」の扱いは、
「日本では休肝日を取ることで肝臓への
悪影響が予防できるという古くからの
考え方がある」云々と、地域の風習や
迷信のような捉え方だとのこと。
「休肝日」もまた”異質の国”日本の
「文化」であって、海外にはない
「考え方」なのですね。
でも、だからといってそれが間違いだ
ということにはなりません。
全人類に有益な「考え方」が日本から
世界に広まるとすれば、それはそれで
まことに結構なことに違いありませんね。
👉休肝日を設定したはいいが、
その晩、眠れないとお悩みの方は
こちらの記事もご覧ください。
・休肝日に眠れない…これでは効果も半減。寝酒の悪習を絶とう
そのほか飲酒と健康をめぐっては、
こちらもどうぞ。
・二日酔いにはラーメンだ!でもそれなぜ?ホントにいいの?
・二日酔いにカレーが効果あるって、なぜ?🍛その秘密に迫る!
・二日酔いの解消法ランキング:健康にいちばんいい方法は
以上のようなことから、実践するしないは
ともかく、愛飲家が「休肝日」を念頭に
置くこと自体に意味があるということは
おわかりいただけましたね。
それではまた~(*~▽~)ノ
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はじめまして。
お酒好きが2日の休肝日が辛い、というのは共感出来ました!
休肝日を調べていると、6号通りのお医者さんのブログに行き着きますね^^
rentoさん
コメントありがとうございました。
ほんと辛いですよね。
今後ともよろしくお願いします。