サクラさん
『源氏物語』の第五帖
「若紫」は前半で最も
重要とされ、入試での
出題も多いそうですが、
どんな内容なんで
しょうか?

ハンサム 教授
主人公の光源氏が10歳の
美少女を強引に引き
取ってしまうんですが、
それは彼女が、彼の恋い
焦がれる藤壺の宮の
面影を宿していたから。


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サクラさん
なんだか妖しい匂いも。

ハンサム 教授
藤壺は帝の妃で源氏に
とっては継母ですが、
彼女への恋慕は、
3歳で死なれた実母に
生き写しだと聞いた
ことなんですね;^^💦

サクラさん
ますます妖艶な芳香
が(ノ゚🐽゚)~~

ハンサム 教授
で、少女をいとおしむ
一方でついに藤壺との
逢瀬にこぎつけ、しかも
一度きりの交わりで子を
なしてしまう
…という波乱を描くのが
この帖です。


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サクラさん
ギョエ~(叫び) こ、これは
ストーリーをしっかり
押さえないと。



というわけで、おなじみ”あらすじ暴露”
サービスの第208弾(“感想文の書き方”
シリーズ第291回)は日本人が世界に誇る
(けれども内容はよく知らない;^^💦)
あの大長編『源氏物語』!

その前半の要とされる第五帖「若紫」を
抜き出して紹介・解説していきます!

  
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手っ取り早く、上記のようなマンガで
すましてしまうという手もありますが、
やはりマンガではそれこそマンガチックな
誇張やいい加減さがどうしても入って
きますから、なるべくなら本(もちろん
現代語訳でいいので)読んできちんと
理解しておきたいところ。

ここでは、そういう時間はないという
人のための特別サービスとして
「あらすじ」を提供します。

内容は以下のとおり。


ごく簡単なあらすじ

それではさっそく参りましょう。

全54帖中、長い部類に入る「若紫」を
ぐっとちぢめてしまうと、こんな
感じになります。

18歳(数え年。以下同様)の3月、源氏は
病気の加持(かじ)のために訪れた北山で
10歳ぐらいの美少女を見かけ、
強く心惹かれる。

それは彼女が、恋い焦がれてきた藤壺
(23歳)の面影を宿していたからで、
実はその藤壺を慕い始めたのも、
3歳で死別した実母、桐壺の更衣に
生き写しだと聞いたことから。

  
  イタリア語訳『源氏物語』

少女が兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)
の娘で、藤壺の姪に当たると知って、
似ていることにも納得した源氏は、
祖母(母は病死)の尼君に結婚同様の
「後見」を申し出る。

一方で、4月には藤壺と一度だけ
交わって子を孕ませ、その後は
面会も文通も拒絶される。

秋に祖母が死去すると、源氏は父親の
兵部卿宮に先んじて少女を引き取る。

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「若紫」という帖題は、この少女が後に
「紫の上」の名で源氏に愛されるなる
ところから来るものと思われますが、
実はこの帖で彼女が「若紫」と呼ばれて
いるわけではありません。

ともかくこの少女、藤壺の面影を宿す
ところから源氏に求められ、その藤壺は
また実母、桐壺の更衣に生き写しと
言われたことから恋い慕われるわけです。

言ってみれば”コピーのコピー”のような
存在だとも見られますし、またそれだけ
“母”のテーマが大きな位置を占める物語
であることを示しているようにも
考えられます。


ん? 前後の展開抜きにそんなことを
言われても、かよくわからない?

…ですよね~;^^💦

そこで、前後を補う意味も兼ねて、
かなりややこしい人物関係を一目で
スッキリ理解できる相関図を見ておいて
もらおうと思うんですね。

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登場人物の相関図

『源氏物語』前半(第一部・第二部)の
煩雑な人間関係を解き明かす相関図は
以下のようになります。

基本的に各人物をつなぐ横線は親子関係、
縦ないし斜めの線は結婚または恋愛的な
関係を示します。



さて、これで光源氏のモテモテぶり(😻)
だけは一目瞭然…
というか、ここに図示された女性関係は
主なものだけなのでして;^^💦
すべては挙げきれないのですね!
(たぶん本人も覚えていない)

ま、現代の一般的倫理観からすれば
ケシカラン!
ということにもなりますよね。

ただ何もしないのにモテてていたという
わけでは決してなく、たいてい自分から
手を出しているのですから。
👉でも、やはり線で結ばれただけでは
どう関わってどうなったったのか、
話の流れがわからない。

もっと詳しいストーリー紹介が
必要だとお思いの場合はぜひ
こちらをご参照ください。

源氏物語のあらすじを簡単に【&詳しく】世界最古の長編恋愛ロマン!

          
          源氏物語絵巻より


さてここまでで、「若紫」の概要と
それが『源氏物語』全体に対して占める
位置について、大まかなところは
ご理解いただけたましたよね?

ん? これじゃあ簡単すぎて
やっぱりよくわからない?

はい、それはそうでしょうね;^^💦

というわけで、「やや詳しいあらすじ」
の方をご覧いただくことになります。


やや詳しいあらすじ

原文は改行などないのですが、角川
ソフィア文庫(👇)の現代語訳では
18段落に分けられています。

  
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この18段を内容の流れから、上・中・下
の3部に分割して、それぞれの
「あらすじ」を辿って参ります。

【上】1~6段

長い熱病に苦しんだ源氏は、3月下旬、
加持祈祷のため北山に住む評判の
僧侶を訪ねる。

北山の景色で気分も晴れてくると、
従者が、播磨の明石の浦に住む変人、
明石入道(あかしのにゅうどう)の
話を聞かせる。

都での出世を捨てて明石の邸で暮らし、
一人娘には最上の男に巡り逢えなければ
海に身を投げて死ねと言い聞かせて
いるという。

夕方、惟光(乳兄弟で腹心)だけを
連れて僧坊のあたりを歩くうち、
小垣根の隙間から「垣間見」すると、
可愛らしい少女が泣くのを慰める
尼君の姿が見えた。

  
  『源氏物語絵色紙帖』より 


10歳ぐらいのその少女にはどことなく
思慕する藤壷の宮に似ており、源氏は
自分のもとに置いて見ていたい
ものだと思う。

夜、僧坊で対面した僧都(そうず。
尼君の兄)によれば、少女は尼君と亡き
按察使大納言(あぜちのだいなごん)の
孫にあたる間柄で、少女の母も亡くなり、
父は藤壷の宮の兄にあたる兵部卿宮
だという。

藤壷に似ていることにも得心した源氏は
少女を託してくれないかと僧都に、
さらに尼君にも言ってみるが、
本気に受け止めてもらえない。

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【中】7~10段

4つ年上の正妻、葵の上(12歳の元服と
同時に結婚)とは相変わらず心を
通わせることのない源氏は、
例の美少女ほしさに北山の尼君に
和歌を詠み込んだ手紙を送り続ける。

藤壺が病気で里に下がったと聞いた
源氏は侍女の王命婦(おうのみょうぶ)
を追いまわして逢瀬にこぎつける。

  
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その後、藤壺側は拒絶を続けたものの、
3か月後には妊娠が判明し、怯えた
王命婦は、帝には物の怪(もののけ)
による異変かと報告。

懐妊を知った源氏はさらに強く逢瀬を
求める手紙を書くが、もはや返事なし。

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【下】11~18段

晩秋、洛中にいた尼君が病死し、
源氏は北山の少女のもとへ向かう。

父親の兵部卿宮が近々彼女を引き取り
に来るだろうが、継母に苛められる
のではないかという女房たちの
話を聞く。

その後、惟光に様子見に行かせると、
屋敷内は兵部卿宮の迎えを翌日に
控えて、慌ただしい。

報告を受けた源氏は機先を制し、
その夜の明けきらないうちに
車で屋敷に乗り付け、まだ寝ている
少女を抱きかかえて連れ帰る。

初めは震え泣いていた少女も
源氏と話し遊ぶうち、打ち解ける。

兵部卿宮は少女の失踪に落胆する。

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ロリータ/ピグマリオン・コンプレックス?

さあ、これでもうよくお分かりですよね?

「若紫」の内容とその展開。

紫式部、千年も前の人なのにさすが、
ほとんど”現代的”だな、とさえ
思わせるところが色々ありますね。

一つは、この帖での主要人物である若紫
(少女)と藤壺ばかりでなく、葵の上や
明石の君など、これ以降の物語展開で
重要になってくる人物をさりげなく
登場させているところ。

   
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もう一つは…
やはり源氏の”少女愛”ということになり、
これははるか後世、ウラジーミル・ナボコフ
(ロシア⇒アメリカの作家)の小説
『ロリータ』(1955)から”ロリータ・
コンプレックス”(ロリコンという略語は
あくまで日本語)に重なるようで、
これまた”現代的”の感があります。

ただ『ロリータ』の場合と違うのは
彼女を手元に置いて完璧に理想的な女性
(もちろん自分好みの…ということに
なるでしょうが)に育成したいという
強烈な志向で、これはやはり20世紀に
“ピグマリオン・コンプレックス”と
呼ばれるようになったものと重なります。

       
    ピグマリオンと人形


ピグマリオン(Pygmalion,ピュグマリオン
とも)はギリシャ神話のキプロス王で、
人形を愛しすぎて、これに魂を吹き込んで
ほしいと女神アフロディテにお願いした人。

このモチーフがバーナード・ショーの
戯曲『ピグマリオン』(1913初演)を経て
ミュージカルや映画の『マイ・フェア・
レディ』(1964。オードリー・ヘプバーン
主演)へと、さらにはその日本版パロディ
『舞妓はレディ』(2014。上白石萌音主演)
へと発展したわけですね。
👉これらについてはこちらで詳しく
情報影響しています。

ぜひご参照ください。

マイフェアレディ(映画)のあらすじ//辛口の原作はマザコン物語?

       
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👉近代文学・小説の世界に目を
転じれば、谷崎潤一郎の『痴人の愛』が
ズバリこの”ピグマリオン・コンプ
レックス”を主題としていますね。

詳しくはこちらでどうぞ。

谷崎潤一郎 痴人の愛のあらすじ💛ナオミと譲治のM的結末…
              doll-977192_960_720


つまり人形に近い、蕾のような未熟な
娘を引き取って自分の理想の女性へと
形成していきたいという男の願望……

なんですが、それが源氏の場合は「若紫
⇒藤壺⇒桐壺の更衣(生母)」という
“コピーのコピー”的な連鎖によって
「母恋物語」の系譜を踏んでいます。

この点でフロイトのいわゆる”エディプス・
コンプレックス”(日本で俗にいう”マザー・
コンプレックス”=”マザコン”)にも足を
入れているところが肝(キモいと思う人も
いる;^^💦)なんですね。

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まとめ

さて、これだけの情報があれば、
もう無敵ですよね。

こと「若紫」に関する限り、感想文だろうが
レポートだろうが、何を書けと言われても。
👉やはり全編のスト-リーを押さえておく
必要があると思われる場合は、上記の
別記事

源氏物語のあらすじを簡単に【&詳しく】世界最古の長編恋愛ロマン!

やマンガ『あさきゆめみし』のほか、
数多くある現代語訳を覗いてみましょう。

現代語訳は『痴人の愛』の谷崎潤一郎を
筆頭に、与謝野晶子、円地文子、田辺聖子、
瀬戸内寂聴、林望、橋本治などのビッグ・
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勢ぞろいしていますし、参考書や研究書
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きたけど、具体的にどう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は当ブログの「感想文の
書き方《虎の巻》」を開陳している
記事のどれかを見てくださいね。

👉当ブログでは、日本と世界の
種々の文学作品について、
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参考になるものもあると思いますので、
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「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/

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