源氏物語 桐壺のあらすじを簡単にわかりやすく/&詳しく相関図で解説 | 笑いと文学的感性で起死回生を!@サイ象源氏物語 桐壺のあらすじを簡単にわかりやすく/&詳しく相関図で解説

源氏物語 桐壺のあらすじを簡単にわかりやすく/&詳しく相関図で解説

サクラさん
『源氏物語』は日本が
世界に誇る偉大な文学
だとかで、入試にも
出るので勉強してます
が、ほんとにそんな
傑作なんでしょうか?



どんどん女に手をつける
女たらし(😻)の話じゃ
ないですか?


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ハンサム 教授
アハハ、部分的につまみ
食いして読んでいると
そう見えるかもしれ
ませんね;^^💦

ただ光源氏がなぜそう
なったのかという
経緯・背景も説得的に
描かれているんです。

サクラさん
どういう経緯?

ハンサム 教授
天皇の子という最上の
身分の生まれながら、
母親の立場は弱く
しかも3歳で死に
別れてしまい(😿)…

サクラさん
で、長じて恋い求める
女性にも母の影が…?

ハンサム 教授
なんだ、知ってるでは
ないですか;^^💦

サクラさん
でも、そういう恋愛遍歴
ってあるのかなあ。

瓜二つの女性がそう
ごろごろいるわけも
ないですし…

ハンサム 教授
そう感じるのは源氏の
生い立ちを語る第一帖
「桐壺」をちゃんと
読んでいないから
かもしれません。

ここがしっかり頭に
入っていれば源氏の
心情もより深く理解
できるはずなんです。


というわけで、おなじみ”あらすじ暴露”
サービスの第210弾(“感想文の書き方”
シリーズ第297回)は日本人が世界に誇る
(けれども内容はよく知らない;^^💦)
あの大長編『源氏物語』!

その肝心かなめ、の第一帖「桐壺」の
あらすじをひもといて参ります!

  
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上記のようなマンガで手っ取り早くすまして
しまうという手もありますが、やはり
マンガではそれこそマンガチックな誇張や
いい加減さが入ってきますから、なるべく
本を(もちろん現代語訳でいいので)読んで
きちんと理解しておきたいところ。

ここでは、そういう時間はないという
人のための特別サービスとして
「あらすじ」を提供します。

内容は以下のとおり。



ごく簡単なあらすじ

それではさっそく参りましょう。

わりあい長い「桐壺」の帖をぐっと
ちぢめてしまうと、こんな感じに
なります。

桐壷帝の愛を一身に受けている
桐壷更衣(きりつぼのこうい)は、
身分や後見に恵まれないため、
帝の長男の母である弘徽殿女御
(こきでんのにょうご)をはじめ、
宮中の女人たちから嫌がらせを
受けている。

やがて美しい男子を出産すると、
イジメは激化し、病に倒れた
桐壷更衣は3歳の皇子を残して死去。

7歳となった皇子を高麗人の人相見に
見せた桐壷帝は、後ろ盾のないままで
皇嗣争いに巻き込まれる将来を案じて、
皇子を臣籍に下し、源氏姓を与える。

桐壷帝は、先帝の四女で桐壷更衣に
よく似た藤壷の宮(ふじつぼのみや)を
後宮に迎え入れる。

  
  イタリア語訳『源氏物語』


源氏は亡き母に似ると聞いて特別な
思いで藤壷を慕うが、この二人の
美貌は輝くばかりで、源氏は「光る君」
と、藤壷は「輝く日の宮」と呼ばれた。

12歳で元服した源氏は、左大臣の娘、
4歳年長の葵の上(あおいのうえ)を
妻とするが、お互いに気に入らず、
源氏は藤壷のような女性こそ妻にしたい
と思いながら宮中で過ごす日が多い。

というわけで、「桐壺」という帖題は、
桐壷帝からとも、桐壷更衣からとも取れる
わけですが、全54帖のタイトルの付け方から
見ても、ここはやはり女性であり、光源氏の
母という肝要の地位にある桐壷更衣からと
受け取るのが妥当でしょう。

ともかくこのような境遇に生を受け、
十代にして自分の意志にかかわりのない
結婚をさせられてしまった源氏ですが、
彼の華麗きわまりない恋愛遍歴は
まだまだ、これから(😻💦💦)

もちろんイケメンだというだけで
そんなことが可能であるはずもなく、
そこには当然、彼の皇子という身分と
権力がものを言っているわけですが;^^💦


藤壷の宮のあと、どのような女性たちと
遍歴を重ねていくのか? 

そのかなりややこしい人物関係を一目で
スッキリ理解できる相関図をここで
見ておいてもらいましょう。

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登場人物の相関図

『源氏物語』前半(第一部・第二部)の
煩雑な人間関係を解き明かす相関図は
以下のようになります。

基本的に各人物をつなぐ横線は親子関係、
縦ないし斜めの線は結婚または恋愛的な
関係を示します。



さて、これで光源氏のモテモテぶり(😻)
だけは一目瞭然…
というか、ここに図示された女性関係は
主なものだけなのでして、すべては
挙げきれないのですね!
(たぶん本人も覚えていない;^^💦)

ま、現代の一般的倫理観からすれば
これはケシカラン! ということに
なるはずです。

何もしないのにモテてていたという
わけでは決してなく、たいてい自分から
手を出しているのですから。
👉物語の後半ないし続編部分、光源氏死後の
「宇治十帖」までカバーする関係図が
必要でしたら、こちらもご覧ください。

源氏物語の相関図をわかりやすく!若紫も宇治十帖も登場人物を明快に

     
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でも、やはり線で結ばれただけでは
どう関わってどうなったったのか、
話の流れはわからりませんよね。

もっと詳しいストーリー紹介が
必要でしたらこちらをご参照ください。

源氏物語のあらすじを簡単に【&詳しく】世界最古の長編恋愛ロマン!

    
    源氏物語絵巻より


さてここまでで、「桐壺」の概要と
それが『源氏物語』全体に対して占める
意味について、大まかなところは
ご理解いただけたましたよね?

いやいや、話が簡単すぎてやっぱり
よくわからない?

はい、それはそうでしょうね;^^💦

というわけで、「やや詳しいあらすじ」
の方をご覧いただくことになります。

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やや詳しいあらすじ

原文は改行などないのですが、角川
ソフィア文庫(👇)の現代語訳では
15段落に分けられています。

  
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この15段を内容の流れから、上・中・下
の3部に分割して、それぞれの
「あらすじ」をたどって参ります。

【上】1~9段

いつのことだったか、帝の寵愛を一身に
受けるあまり「楊貴妃の例」さえ
持ち出されて、宮中の心配の種に
なっている女性がいた。
👉楊貴妃はその美貌と帝の寵愛の激しさにより
安史(安禄山)の乱の原因となったといわれる皇妃。

彼女に匹敵する世界史上最高の美女としては
クレオパトラ7世がまず挙げられます。

詳しくはこちらをご参照ください。

クレオパトラとカエサルの華麗なる関係⦅絨毯巻きの私を召し上がれ⦆

      


その人、桐壷更衣(きりつぼのこうい)は
父である大納言とも早くに死別して、
格別の後見もないため、頼りは桐壷帝
(きりつぼてい)の愛ばかりだった。

彼女のみに集中する帝の愛はかえって
周囲の女人たちの妬みと謗(そし)りを
買い、更衣は苦しい立場に。
  
  桐壷更衣(出典:slideshare)


やがて美しい男子を授かるが、
そのことは、帝の長男の母である
弘徽殿女御(こきでんのにょうご)を
いたく刺激し、女人たちのの
嫌がらせを激化させる。

権勢をふるう右大臣の娘でもある
弘徽殿女御は、帝の愛がその子に
向いて、わが子が就くはずの春宮
(とうぐう。すなわち皇太子)の座も
譲らされるのではないか(叫び)
と心中、穏やかでないのだ。


そんななか、桐壷更衣は病に倒れ、
まだ3歳の王子を残して死去。

帝は深く嘆き、桐壷更衣の母に
使者を遣るなどの心遣いをする。

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【中】10~12段

7歳となった皇子はさらに美しく、
学問でも音楽でも宮中の評判。

寵愛する桐壷帝は彼をこそ皇太子に
と望むも、周囲の力関係から断念し、
兄(弘徽殿女御の子)を春宮に就ける。


これに気落ちして祖母(桐壷更衣の母)
も死に、皇子の将来を案じた帝は、
折しも来朝していた高麗人の人相見に
ひそかに皇子を引き合わせる。

皇子の顔を不思議そうに見た人相見は
「天上の位に昇る顔相だが、そうなる
と国が乱れる。また国政を補佐する者の
顔としてみれば、天下人の相である
ゆえに、その相ではない」と言う。

他の観相者からも似たようなことを
言われていた桐壷帝は、後ろ盾の
ないままで皇嗣争いに巻き込まれる
将来を案じて、皇子を皇族から臣籍に
下し、「源氏」の姓を与える。


他方、今なお桐壷更衣を忘れられぬ
桐壷帝は、先帝の四女が更衣によく
似た美人と聞き、後宮に迎え入れる。

藤壷の宮(出典:slideshare)


たしかに更衣に似ていた藤壷の宮
(ふじつぼのみや)は、妬みを受けは
しながら、更衣と違って身分が高いので
露骨な嫌がらせを受けることもなく、
桐壷帝の寵愛を受ける源氏の若君とも
自然、接する機会が多くなる。

源氏の側では、亡き母に似ると聞いて
特別な思いで藤壷を慕い始める。

二人の美貌は輝くばかりで、
源氏は「光る君」と、藤壷は
「輝く日の宮」と呼ばれた。

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【下】13~15段

12歳で元服しいっそう美しさを増した
源氏は、左大臣の強い意向でその娘、
4歳年長の葵の上(あおいのうえ)を
妻とし、その家に婿入りする。

葵の上は源氏が若すぎることに
不似合いで気づまりなものを感じ、
源氏の側でも気に入らぬ気持がある。


藤壷の宮のような女性こそ妻にしたい
と思いながら宮中へ上がるも、元服後は
もはや御簾(みす)の内へ入れてもらう
こともかなわず、御簾越しに琴と笛の
合奏などして心を通わす。

  


宮中に五、六日いては左大臣家に二、三日
というような生活だったが、やがて亡き
祖母の住んでいた荒れた屋敷を立派に改修。

そこに住んで、理想の女性を迎えたいと
ばかり思うようになる。

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美人もつらいよ❓

さあ、これでもうよくお分かりですよね?
第一帖「桐壺」の内容。

ならびに『源氏物語』全体の基本設定と
その序の段のストーリー展開。

ここだけ取り出しても、いろいろな
ことが言えそうで、感想文としても
いろんなことが書けそうですが、
あなたなら、どんな問題を採り上げる
でしょうか?


まずは薄幸の美女、桐壷更衣ですね。

この人、美しすぎ、帝の寵愛を一身に
集めすぎたがゆえに周囲の妬みと
イビリをもまた一身に集めるという
運・不運、半ばする人生を送ります。

美人もつらいよ…
という場合の一典型。
👉美貌ばかりでなく、何らかの長所・強みを
持った人が周囲からの妬みを買い、いじめを
受けてしまう例はどこにでもありますよね。

この心理についてはこちらで深く探求して
いますので、ぜひご参照ください。

いじめは楽しい…の心理を解析!中野信子流の脳科学はこう教える

ゴシップ好きの理由はずばりイジメ?潜在するねたみ・平等主義の心理

     


それにしても、帝はその死後も何年も
思い続けるほど熱愛していたのならば、
天皇の権力を振るってなんとか
生きやすくなるよう工夫してあげる
ことができなかったものか…
と思えなくもありませんね。

桐壷帝という人、恋心はお盛んでも
知恵の方は少々…
などと不敬な推理も浮かんできます。

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ま、天皇といえど権力は絶対的でなく、
右大臣などの権勢にからめとられながら
国政に当たっていたという次第で、
そのあたりの事情まで描き込んである
のも『源氏』が文学として高く評価
されるゆえんなのでしょう。

光源氏と藤壷の宮との関係もそのような
複雑な事情を反映する一挿話だと
言えそうですが、「桐壺」ではこの恋は
まだ始まったばかりですので、これに
続く第二帖「帚木」以降をお楽しみに…
ということになります。
👉第2帖以降で人気が高く入試出題例も
多いのが第4帖「夕顔」第5帖「若紫」と
第12帖「須磨」あたり。

これらを押さえておけば、『源氏』前半の
物語の流れは大体つかめます。

ぜひこちらの記事で、あらすじだけでも
お読みください。

源氏物語 夕顔の死因は?あらすじを現代語訳で簡単にわかりやすく

      


源氏物語 若紫のあらすじを簡単に/&詳しく登場人物の関係を解説 

源氏物語「須磨の秋」のあらすじ・内容を簡単に/&詳しく現代語訳で

  



まとめ

さて、これだけの情報があれば、
もう無敵ですよね。

こと「桐壺」に関する限り、感想文だろうが
レポートだろうが、何を書けと言われても。
👉やはり全編のスト-リーを押さえておく
必要があると思われる場合は、上記の
別記事

源氏物語のあらすじを簡単に【&詳しく】世界最古の長編恋愛ロマン!

やマンガ『あさきゆめみし』(👇)のほか、
数多くある現代語訳を覗いてみましょう。


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現代語訳は『痴人の愛』の谷崎潤一郎を
筆頭に、与謝野晶子、円地文子、田辺聖子、
瀬戸内寂聴、林望、橋本治などのビッグ・
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勢ぞろいしていますし、参考書や研究書
など、『源氏』関連の本はワンサカ
あります。

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わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は当ブログの「感想文の
書き方《虎の巻》」を開陳している
記事のどれかを見てくださいね。
👉当ブログでは、日本と世界の多様な
文学や映画の作品について、
「あらすじ」や「感想文」関連の
お助け記事を量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
どうぞこちらからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

≪感想文の書き方≫具体例一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/




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