オペラ座の怪人のあらすじ 👻原作とミュージカルの違いは?


やあやあサイ象です。

おなじみ「あらすじ」暴露サービスも
とうに大台を超えて今回でなんと
128弾((((((ノ゚⊿゚)ノ

「感想文の書き方」シリーズ全体では
188回となる今回は… お待たせしました;^^💦

ミュージカルで人気沸騰、泣く子も黙る
『オペラ座の怪人』(1909)の原作小説で
行ってみましょ~!
👇


作者はフランスの人気作家、ガストン・
ルルー(Gaston Leroux, 1868- 1927)。

映画でもロン・チェイニー主演の無声映画
『オペラの怪人』(1925)を皮切りに続々と
制作され、2004年にも同名のアメリカ映画が
公開されました。

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が、これもイギリスの大作曲家アンドリュー・
ロイド・ウェバーによるミュージカル
『オペラ座の怪人』(1986)の映画化
といった方が正確で、原作の小説から
作ったものではありません。

劇団四季のミュージカルも、基本的には
そうだろうと思いますが、とりあえず
その紹介動画を覗いておきましょう。👇



ちなみに上記のアメリカ映画はこちらで。
   👇


さて、これからお目にかけますのは
あくまで原作小説の「あらすじ」。

ミュージカルとはだいぶ違うと思います
ので、そのつもりでお読みください。

まずはごく簡単なあらすじから。


👻 ごく簡単なあらすじ(要約)

ぎゅっと要約してしまえばこんな感じ。

パリのオペラ座でクリスティーヌという
若手女優が急に脚光を浴びるのと同時に
不気味な〈怪人〉が目撃され、道具方
主任の変死など、不可解な事件が続発。

幼なじみだったラウル・ド・シャニー
子爵が恋心を燃やして接近すると、
クリスティーヌが、〈声〉だけの
人物の指導を受けて急成長していた
ことがわかる。

       

クリスティーヌはこの〈声〉を亡父の
言っていた〈音楽の天使〉の出現だと
思い込んでいたが、ラウルとの接触や
その後の経緯から、これが実は噂の
〈怪人〉の声であると知る。

ラウルへの愛に傾くクリスティーヌに
烈しく嫉妬する〈怪人〉は、その
魔術的な才能を駆使して次々と
怪事件を起こし、彼女をさらっていく。

〈怪人〉の昔を知る〈ペルシャ人〉の
援助で彼を追跡したラウルは恋人を
救出し、〈怪人〉はついに…。

え? これじゃやっぱりよくわからん?

ハハハ、それはそうでしょうね;^^💦

というわけで、よくわからん人や、
ミュージカルとの違いを確かめたい人は、
どうしても「かなり詳しいあらすじ」へ
進んでいただかなくてはなりません。

ただし、そちらではもちろん
ネタバレあり📢⦆の暴露サービスに
なりますので、結末を知りたくない
人は読まないのが身のためですよ;^^💦


👻 かなり詳しいあらすじ

では始めましょう。

原作は1~27の各章が「プロローグ」と
「エピローグ」にはさまれる構成に
なっていますが、これらを私の判断で
「起・承・転・結」の4部に分けています。

また、解説が必要と思われた部分などは
【CHECK!】印で注釈を入れていますが、
ウザいと思う人は飛ばしてくださいね。

【起】(プロローグ、1~6)
30年ほど前、パリ・コミューンの紛擾期に
オペラ座(ガルニエ宮)ではこういう
一連の事件があった。

  • 人気女優クリスティーヌ・
    ダーエが誘拐され、
  • シャニー子爵が行方不明になり、
  • その兄のフィリップ伯爵が殺害され、
  • その遺体がオペラ座の地下、
    スクリブ街の近くに広がる湖の
    ほとりで発見された(叫び

この件を調べてきた〈私〉は、一連の
謎めいた出来事を引き起こしたと噂されて
きた〈怪人〉が「実在の人物」だと
確信するに至った。

当時のことを知る人々の証言や記録を
再構成したのが、この物語だ。

〈怪人〉が「実在の人物」
だったというのは当然のこと
なので、それを「確信するに
至った」というのは変な話ですね。

この不自然さは、〈怪人〉の原語が
“fantôme”(英訳では”phantom”)で、
直訳なら「幽霊」👻とか「幻影」
とかになるところを、あえて
〈怪人〉にしたことが原因。

     

この違和感にはどの訳書でも
ぶつかることになると思います。

1920年代の初訳がこの題で出て
定着してしまい、今やミュージカル
などで大ヒットですから、いまさら
変えられないわけですね。

ある夜のオペラ座。

ドクロのような顔をし黒い燕尾服に身を
包んだ〈怪人〉が目撃され、そのあとを
追って行った道具方主任のジョゼフ・ビュケが
やがて首吊り死体として発見される(ドクロ)。


折しもクリスティーヌ・ダーエという
それまでは上手でなかった若手女優が
いきなり素晴らしい歌声と名演、そして
美貌で観客を魅了し大喝采を受ける。

    

客席で感銘を受けていた者の一人にラウル・
ド・シャニーという若い子爵がおり、彼は
クリスティーヌと幼なじみだったことを
思い起こし、たちまち「一目惚れ」の
心理状態に。


思いあまったラウルが楽屋を訪ねると、
中からクリスティーヌが誰かと話す声が…。

「クリスティーヌ、私を愛さなくては
いけない!」という声だ。

すると、クリスティーヌは
悲しげに震える涙声で答えた。

「どうしてそんなことを
おっしゃるの? 
わたしはあなたのためだけに
歌っているのに!」


衝撃を受けてたたずむラウル。

やがてヴェールで顔を隠した
クリスティーヌが出て来、立ち去ると、
彼は声の主をつきとめようと楽屋に入って
行くが、そこには誰もいない。


その後、クリスティーヌとラウルは
オペラ座の外の宿屋や墓地で出会い、
話しあう。

あの日立ち聞きしてしまったことも告げ、
情熱をぶつけるラウルにクリスティーヌは
むしろ引き気味で、父が死ぬ前に
言っていたことの話などをする。

      

自分が天国へ行ったら「〈音楽の天使〉を
おまえのところへつかわしてやる」と
父は言っていたけれど、その〈天使〉は
ほんとうに訪ねてきた。

声だけが聞こえる彼の指導のおかげで
私の歌は急速に上達した。

そしてあの日、あなたが立ち聞きした
楽屋での私の話相手も、その〈声〉…
つまり〈音楽の天使〉だったのよ、と。


【承】(7~11)
新任の支配人たちには「OのF」の署名で
(”オペラ座の怪人〔ファントム〕”の意か)
5番ボックス席を自分用につねに空けろとか、
金を用意しろとかの脅迫めいた手紙が
来ていたが、彼らは相手にしない。

ゲーテ『ファウスト』の上演が予定されて
いた日、「OのF」はまた脅迫状をよこし、
マルガレーテを演じるはずのカルロッタは
病気になるから、代役をクリスティーヌに
させろ、さもないとオペラ座は〈呪われた
劇場〉となるだろうと予言。

マルガレーテことグレートヒェンは
『ファウスト』第一部のヒロイン。

詳しくはこちらでどうぞ。

ゲーテ ファウストのあらすじ:名言「時よ止まれ」の意味は?

        

支配人らはこれも無視し、予定通り
カルロッタが舞台に上がったが、やがて
口から「ゲコッ! ゲコッ!」という、
ヒキガエルそっくりの声が洩れる。

ざわめく場内。

驚く支配人たちの耳には〈怪人〉の声が…。

「今夜のカルロッタの声の調子外れな
ことといったら、シャンデリアも
はずれそうだな!」

  

二人の支配人が同時に天井を見上げた瞬間、
巨大なシャンデリアがホールの天井から、
一階椅子席のまんなかに墜落。

真っ暗になった劇場で観客は、われさきに
逃げ出して、負傷者多数。

死者も一人出てしまう。

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【転】(12~18)
デートを重ねるようになったラウルに
クリスティーヌはこんなことを言う。

もし、わたしをつれだすときに
なって、わたしがあなたについて
いかないと言ったら、そのときは、
ラウル、腕ずくでわたしを
さらっていってね!
〔中略〕
だって、あれは悪魔
なんですもの!

それならもう戻らなくていいと言う
ラウルに、戻らないと大変なことに
なるかもしれない…とクリスティーヌ。

私はつねに見守られていて、実は今も
〈彼〉の溜息が聞こえるのだという。

     

クリスティーヌの話:

〈音楽の天使〉は初めの3か月は、
あの素晴らしい〈声〉だけで私を
教え、私は全霊を挙げて従っていた。

でも、やがてあなたが現れると、私が
「地上のだれかに心を捧げることに
なったら、〈声〉はもう天上へもどる
しかない」と「とても〈人間的な〉
苦悩に満ち」た口調で言った。

私が初め、あなたを突き放したのは
彼の「やきもち」が怖かったから。


そしてシャンデリア墜落事故の夜、
〈声〉は私を地下の真っ暗な空間へ
連れて行き、ついに正体を現して
自分は「エリック」だと名のった。

この時はじめて私は噂の〈怪人〉と
〈声〉とが同一人物だと知った。

その姿は…

精一杯想像してみて!

死の仮面が突然生気を帯びて、
両目と鼻と口と四つの黒い穴によって、
極度の怒り、悪魔さながらの
憤怒を表現しているところを!

しかも、その目の穴はうつろなのよ!
〔中略〕
まさに〈醜さ〉の化身だった。

         


その醜貌に怯えながらも、彼女はこの
〈音楽の天使〉にこう叫ぶ。

あなたは、世界中でだれよりも
痛ましくて気高い人よ。
〔中略〕
(私が)あなたを見て体を
震わせることがあっても、
それは、あなたの才能の
すばらしさを思っている
からなのよ!


この言葉は私の「過信」で、真実とは
言えないものだったのだけれど、
「彼はわたしの言葉を信じて
しまったのよ」


ラウルは二度とエリックに見つけられない
ところへ明日にでも逃げようと提案するが、
クリスティーヌは最後にエリックのために
歌うまでは出て行けないと言う。

二人が理解し合い接吻すると、耳を
つんざくような悲痛な叫びが響き、
頭上には巨大な夜の鳥が二人を
見下ろしている。

    

懸命に走って逃げる二人の前に
〈ペルシャ人〉と呼ばれる人物が
現れ、オペラ座の楽屋へと導く。

その夜、上演していた『ファウスト』の
舞台に立ったクリスティーヌは前例の
ないほど素晴らしい歌声を響かせたが、
突然、場内が真っ暗になり、明るく
なった時には彼女は消えている。

「彼女は、天使たちに身をゆだねようと
していたマルガレーテの純白の死に装束の
まま〔中略〕あの怪物にさらわれて
しまったのだ!」


【結】(19~27,エピローグ)
クリスティーヌを救出したいラウルは、
エリックの昔を知っているらしい
〈ペルシャ人〉に導かれ、オペラ座の
「切り穴」から地下の拠点へと潜入。

これに気づいたエリックは、二人とも
暑い拷問部屋に入れ、ラウルを
消火用水に沈めようとする。


クリスティーヌはエリックの「生ける花嫁」
となるから、殺さないようにと頼み、
エリックは拷問部屋からラウルを出す。

エリックはクリスティーヌと2人きりに
なると、仮面を外して彼女の額にキスし、
クリスティーヌはキスを返す。

    

エリックは母親からさえもキスを
されたことがなかったと告げて感泣し、
皆を解放することを決める。

また〈ペルシャ人〉に新聞社に
自分の死を伝えてくれるよう頼む。

数日後クリスティーヌはエリックの
隠れ家を訪れ、彼を埋葬。


〈ペルシャ人〉の話:

エリックはルアン近郊の左官工事請
負業者の子として生まれたが、あまりの
醜さに両親にも嫌われて家を出され、
見世物としてヨーロッパ中を渡り歩いた。

美声と、腹話術など天才的な器用さの
持ち主であったため、ペルシャでは
皇帝に目をかけられ、驚嘆すべき
宮殿を建設。

ところが皇帝はダロガ(国家警察の長官)
たる自分に、ヤツの目👀を
くりぬけと命じた。

               

このときは哀れに思い見逃してやったが、
パリへ来て彼の途方もない悪事を知ると
見逃しておけなくなったのだった。


👻 大きな歴史的意味

いかがでした?

ストーリーはこれでもうバッチリ。

〈怪人〉の途方もない醜さや〈ペルシャ人〉の
活躍など、ミュージカルとの違いも、
よくわかっていただけたことと思います。

内容についていえば、ミステリー(推理・
探偵小説)としての秀逸さはもちろんですが、
純文学的には、たとえば次のようなテーマの
掘り下げに見るべきものがあると思います。

  1. 〈美女と野獣〉的な恋愛の形
  2. 三角関係における恋愛の苦悩
  3. 〈怪人〉的人物への催眠=暗示的な囚われ

はズバリ『美女と野獣』と題した
先行作品もあって、フランスの
お家芸という感もありますね。

2,3のテーマはいずれも、
わが国ではたとえば夏目漱石が
徹底的に追求したところです。

こちらの記事などをご参照
いただければ幸いです。

美女と野獣 原作のあらすじ 🐗ディズニーとの違いを結末まで
漱石『こころ』のお嬢さん問題と河合奈保子「けんかをやめて」
漱石 夢十夜のあらすじと解釈:第三夜で感想文ならどう書く?

       


またミステリーとしての側面について
いえば、この作品がこのジャンルの歴史に
もった意味の大きさは計り知れません。

なにしろフレデリック・フォーサイスの
『マンハッタンの怪人』(1999)は
これの後日譚で、スーザン・ケイの
『ファントム』(1990)は前日譚として
書かれているのですから。


わが江戸川乱歩も、極度に醜い悪役が
魔術的な活躍を見せる小説がいくつか
あって、これらには『オペラ座の怪人』に
学んだ跡が見られるようにも思えます。

その種の作品としての
最高傑作が『孤島の鬼』。

そのほか乱歩作品をめぐっては、
かなりの記事を揃えていますので、
どうぞ覗いてみてくださいね。

江戸川乱歩 孤島の鬼のあらすじ⦅ネタバレ📢⦆を結末まで
芋虫(江戸川乱歩)のあらすじ:伏字だらけの問題作!内容は?
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また逆にさかのぼって
『オペラ座の怪人』に影響を与えた
先行作品を考えるなら、ただちに
思い浮かぶのが
『フランケンシュタイン』
『ドラキュラ』
『ジキル博士とハイド氏』
などですね。

これらについてはこちら。

フランケンシュタインのあらすじ 👻原作小説をネタバレありで
ドラキュラ 原作のあらすじ👻興味つきない吸血鬼小説の金字塔
ジキルとハイドのあらすじ ☯スティーヴンソン原作を簡単に…

         


👻 まとめ

さあこれで、読書感想文やレポートを
書く場合も、情報十分ですよね。



ん? 書けそうなことは浮かんできたけど、
でも具体的に、どう進めていいか
わからない( ̄ヘ ̄)?

そういう人は、「感想文の書き方
《虎の巻》」を開陳している記事の
どれかを見てくださいね。

当ブログでは、日本と世界の種々の
文学作品について「あらすじ」や
「感想文」関連のお助け記事を
量産しています。

参考になるものもあると思いますので、
こちらのリストからお探しください。

「あらすじ」記事一覧

「感想文の書き方」一覧

ともかく頑張ってやりぬきましょー~~(^O^)/



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